NAA、梱包材をゴミ袋に JALなどと空港の環境問題改善へ

2023年4月4日(火) 配信

PJで年間約130㌧のプラスチックの排出を抑制できる

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)は4月1日(土)から、 日本航空(JAL、赤坂祐二社長)とANAホールディングス(芝田浩二社長)と連携して、航空貨物の梱包資材や木製輸送資材をゴミ袋や輸送用資材に再資源化する「成田空港で資源をまた使おうプロジェクト」をスタートした。空港全体の環境問題の改善につなげ、意識啓発もはかる。

 同PJのうちプラスチック資源循環では、NAAとJALが廃棄される梱包フィルムをゴミ袋に再生。旅客ターミナル内のゴミ箱で使用する。これにより、年間約130㌧のプラスチックの排出を抑制できる。また、木製資源循環では3社が木製のパレットを角当てなどに再生し、年間700㌧削減する。

 同空港は2021年度の航空貨物取扱量は世界第5位となった一方、多くの関連する廃棄物が発生している。これまでは空港関連事業者が独自に取り組んできた。今回は、サティスファクトリー(小松武司社長)の協力のもとで、再資源化を行う。3社は参加企業や品目などを増やしていく予定だ。

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その24-長崎本線(佐賀県―長崎県) 海を臨む鉄道の旅 鉄道と海辺の景色を楽しむ

2023年4月4日(火) 配信

 ここまで精神性の高い旅と称して心の内面と向き合える旅をしてきた。心が洗われる場所、静かに自分と対話のできる場所、先人の想いに触れることのできる場所、そのようなところを探し歩いてきたが、足は自然と寺社に向かっていく。

 

 しかし、精神性の高い旅は、寺社参詣と必ずしもイコールではない。寺社でなくても、静かに心の内面と向き合える場所はある。

 

 最近は赤字ローカル線の存廃問題が各所で議論になっている。新幹線ができたら、並行在来線は主要幹線であっても問答無用に第3セクター化されてしまう。新しくできた新幹線は、トンネル区間が多く、地上区間であっても、騒音対策のために防音壁に囲まれて、もとよりスピードも速いため、移り行く車窓の風景を楽しむこともなく目的地に着く。

 

 

 2022年9月23日に西九州新幹線が開業した。佐賀県内のルートが決まらないまま、長崎県内が先行開業した形だ。武雄温泉駅から長崎駅までの区間で暫定開業した結果、博多駅から接続特急「リレーかもめ」が運行を開始した。これは、博多駅から鹿児島本線を走り、鳥栖駅で分岐し長崎本線に入り、江北駅(読者の皆さんは肥前山口駅という名前の方が馴染み深いと思う。新幹線開業と同時に駅名を改めた)から佐世保線に入って武雄温泉駅で新幹線「かもめ」に同一ホームで接続する。長崎に行く乗客はこのルートを利用することになるのだが、既存の長崎本線は第3セクター化は免れたものの、電車運行が廃止され、気動車での運行となり、直通運転がなくなった。

 

 この海沿いルートの車窓からの風景が大変美しい。かつてはすべての長崎駅行き特急がこの海沿いルートを走っていた。長崎に向かう一つの大きな魅力でもあった。私は敢えて普通列車を乗り継いで、特急かもめの走らなくなった長崎本線の海沿いルートに乗った。

有明海が広がる長崎本線の多良―肥前大浦間

 有明海は干拓事業で全国的にも有名になったが、それだけ浅瀬が続く海である。海苔の養殖、牡蠣の養殖なども見える。海沿いを行く鉄道は数あれど、ここは堤防など視界を遮るものはなく、まさに砂浜の上を走っているような気持ちにさせる。

 

 肥前浜駅周辺では、菜の花とのコントラストが美しい。小長井駅付近になると、有明海の先に雲仙・普賢岳の荘重たる姿を見ることができる。

 

 普賢岳をぐるっと望みながら列車は進み、諫早へ、そして長崎へと至る。長崎に行くには、新幹線だと山あいを進んで考える間もなくあっという間に到着する。まったく考えを巡らせるきっかけもなければ時間もない。

 

 なぜ海辺を行くローカル鉄道は精神性の高い旅になるのか。それは人間の感覚がついてくるスピードではないだろうか。とくに長崎本線は海沿いでもう片方は山がせり出しているところが多く、くねくねと曲がりながら進んでいく。そうなると必然的に猛スピードは出せない。このほどよい速度が、私たちを心地良くさせているのではないか。早過ぎず、ちょっと遅いくらいがちょうどいい。

 

 このような精神性の高い旅に相応しい海沿いのローカル鉄道は長崎本線以外にもある。例えば、予讃線の海沿いの旧線の下灘駅周辺も味わい深い。とくに夕焼けの時間、夕陽が沈む情景は必見である。

三陸鉄道の堀内―白井海岸の風景。地元の人が海岸で大漁旗を振っている

 三陸鉄道の堀内駅と白井海岸駅の間の大沢橋梁付近も美しい。ここでは運転士さんが機転をきかせてしばらく停車し、車窓からの風景を楽しむことができる。ローカル鉄道でのんびりと海を眺める旅もまた色々な想像をかき立て、思索を巡らせることができる精神性の高い旅だ。

 

旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。

弘法大師誕生1250年など 和歌山県宣伝隊

2023年4月4日(火) 配信

和歌山県のキャラクター「わかぱん」もPR

 「わかやま観光PRキャラバン隊」が3月17日、本紙関西支社を訪れ、今年の弘法大師誕生1250年を皮切りとした「ダイヤモンドイヤー」など、旬の話題をアピールした。来社したのは、和歌山県観光振興課の南方健宏主査、室井優佑主事と和歌山市観光課の名手詩織主事、海南市地域活性化起業人の下村哲也さんの4人。

 和歌山県では、今年が弘法大師誕生1250年、2024年は世界遺産登録20周年、さらに25年には大阪・関西万博と、観光にとって追い風となるビッグイベントが続くことから、この3年間を「ダイヤモンドイヤー」と位置づけ、世界遺産、アウトドア、サイクリング、温泉・食の4つのテーマを軸に観光プロモーションを促進。コロナ禍からの反転攻勢をかけていく。

 来年12月31日までは、弘法大師ゆかりの地である高野山の金剛峯寺と香川県の善通寺、京都府の教王護国寺(東寺)の3カ所を巡る「3霊跡巡礼スタンプラリー」を実施。3カ所すべてを回りスタンプを集めた人には、もれなく記念品として特製日本手ぬぐいを進呈する。

 和歌山市といえば、紀三井寺や和歌山城といった桜の名所が有名だが、実は温泉も豊富という。美しい海を見渡せる温泉や、超高濃度の天然炭酸泉など、バラエティーに富んだ温泉を楽しむことができる。しらす丼をはじめとする海の幸や和歌山ラーメンといったご当地ならではのグルメも魅力とする。

 和歌山市に隣接する海南市は、ミカンとお菓子発祥の地とされる。温州みかんの原種とされ、かつては菓子としても食べられていた「たちばなの実」が日本で最初に植えられたのが、市内にある橘本神社そばの「六本樹の丘」であることがその由来。地元では、猫とタチバナをモチーフにしたPRキャラクター「海ニャン」も誕生し、「お菓子はぢまりの地」をアピールしている。

NPO法人ふるさとオンリーワンのまちが2023年度総会開く 新たに2件の認定を目指す

2023年4月3日(月) 配信

津田令子理事長があいさつ

 NPO法人ふるさとオンリーワンのまち(津田令子理事長、24会員)は3月29日(水)、東京都内で2023年度定期総会を開いた。今年度は事業の柱である「ふるさとオンリーワンのまち」において、新たに2件の認定を目指す。

 また、これまでの認定先地域との交流を深め、PR活動も積極的に行うことで地域活性化にも貢献していくことを確認した。

 津田理事長は「コロナ禍で思うように活動できなかったが、今年度は認定事業や、地域支援活動の再開に積極的に取り組んでいく」と語った。新たな試みとして、NPO法人の会員である観光やまちづくりの専門家を地域に派遣することも視野に入れる。

 広報活動については、FMチャオ! 熱海・湯河原の番組「津田令子の土曜旅カフェ」や、観光業界の専門紙「旬刊旅行新聞」を通じて情報発信を強化していく。

JATO、アドベンチャーツーリズムアカデミーを創設 JAL、JTBと共同で

2023年4月3日(月)配信

JATOシンポジウム(過去開催時)

 日本アドベンチャーツーリズム協議会(JATO、大西雅之代表理事)は4月1日(土)、日本航空(JAL、赤坂祐二社長)、JTB(山北栄二郎社長)と共同で「アドベンチャーツーリズムアカデミー」を創設した。国内でアドベンチャーツーリズム(AT)を観光産業での主要な事業領域に育て上げ、地域への新たな人流創出を目指す。

 ATとは、「アクティビティ」「自然」「異文化体験」の要素のうち、2つ以上を組み合わせた旅行形態のこと。JATO、JAL、JTBの3者は、それぞれATの推進に向けて商品の開発・販売に取り組んできた。しかし、国内での認知度の低さ、商品化へのフィールドなど受入環境の整備が不十分、ガイドなどの人材不足という課題を抱えている。こうした課題解決に取り組むことを目的に、アカデミーを創設した。

 アカデミーでは、シンポジウムなどのイベント開催や国際的なイベントへの参画、国内外のメディアへの情報発信など普及活動を行う。受け入れ環境を整備するために、地域協議会の運営支援をはじめ、自治体や企業研修、条例整備の支援、環境整備のガイドライン策定なども行う。

 また、ATを推進する人材の養成にも力を入れる。体験価値を提供する商品づくりや受入環境の整備ができるようなプログラムの策定、実技講習も取り入れたガイドトレーニングや体験価値の高いATツアープランナー向けの研修も行う。国際的な機関の協力を得ながら、ATの認証資格制度の制定も検討をはかる。

 取り組みの第1弾として、2023年上期に同アカデミー創設を記念したシンポジウムを開催する。詳細は決まり次第、ATアカデミーから発信するとした。

はとバス 新社長に武市玲子氏が就任

2022年4月3日(月) 配信

武市玲子氏

 はとバス(塩見清仁社長、東京都大田区)は3月30日(木)に開いた株主総会、取締役会で、前東京都交通局長の武市玲子氏が4月1日付で代表取締役社長に就任することを決めた。なお、塩見社長は退任した。

武市 玲子(たけいち ・れいこ)氏

 一橋大学 商学部卒業後、1986 年4月東京都入都(労働経済局)。2015年 7 月生活文化局総務部長、20年7月人事委員会事務局長、21年10月生活文化局長、22 年4月交通局長などを歴任。

マイナビグローバル、特定技能の展望説明 報道ブリーフィング開く

2023年4月3日(月) 配信

企業側の求める日本語レベルの高い中国人人材などは家族が帯同できないため、敬遠するという(写真はイメージ)

 マイナビグローバル(杠元樹社長、東京都千代田区)はこのほど、報道向けに「特定技能制度の課題と展望」をテーマにブリーフィングを開いた。政府が特定技能実習制度の在り方に関する有識者会議をスタートしたことを受け、同社は外国人による労働力確保に対する期待について説明した。

 登壇した杠社長は、不足する人材の見込数から分野別に設定した受入見込上限数に対する充足率について、最も低い分野は宿泊の1・6%であることを説明した。

 宿泊の需要が急速に高まるなか、改善しない理由として、「企業側が求める日本語レベルの高い人材は中国や韓国に多いが、在留期間が短く、家族も帯同できないため、敬遠する傾向にある。入社意欲の高い東南アジアは企業側が求める語学水準に達していない人材が多い」とした。

 一方、昨年1~9月に最も合格者数が多かったインドネシアでは、「採用企業が現地の言葉で条件交渉や、入社後の事務調整を行うことが法で定められており、大変な手間が掛かる」とした。さらに、「日本または現地の人材会社がサポートすることも原則禁止されている」と説明した。

 2位のフィリピンでは、現地機関POLOから雇用条件の審査を受けて、合格した場合に雇用できる。一方、審査基準は明らかにされておらず、他国よりも給与基準が高く求められる傾向にあることから、「手間が掛かるうえに、雇用できないリスクがある」とした。

 これらを踏まえ、杠氏は「移民問題・参政権への議論と結び付けることで否定的な意見もあるが、現状の制度では限界がある」として、在留期限と家族の帯同を解決することを提言した。

 人材会社などの民間の活力を生かすため、「政府が求職者に事務費用を一部負担してもらうなど、制度面・運用面で一歩踏み込んだ対応が欠かせない」とまとめた。

日本政府観光局(JNTO)新理事長に蒲生篤実氏(前観光庁長官)

2023年4月3日(月) 配信

JNTO新理事長の蒲生篤実氏

 日本政府観光局(JNTO)の新理事長に、4月1日付で前観光庁長官の蒲生篤実氏が就任した。清野智理事長は3月31日付で退任した。

 合わせて、蜷川彰理事が退任し、後任理事に伊与田美歴(いよだ・みゆき)氏(JNTO市場横断プロモーション部長)が就任した。

 蒲生理事長は「コロナ禍からの回復の兆しが見え始めてきた訪日インバウンド市場において、観光立国を復活させることが急務。戦略的かつ効果的にインバウンド回復・拡大に向けた取り組みを推進していきたい」とコメントしている。

  蒲生 篤実(がもう・あつみ)氏 1985 年 3 月東京大学法学部卒業、同年 4 月に運輸省(現国土交通省)に入省。国土交通省海事局長、鉄道局長及び総合政策局長を経て、2020 年観光庁長官に就任。21年 7 月に退官後、同年 10 月から東京海上日動火災保険株式会社顧問を務め、2023 年 3 月 31 日退任。

高千穂町旅館業組合、業態・目的別の予約サイトオープン エリアにおける宿泊予約の入口目指す

2023年4月3日(月) 配信

高千穂に泊まるのWeb

  高千穂町旅館業組合(佐藤雄二郎組合長、宮崎県・高千穂町) は4月3日(月)午後1時に、 業態別・目的別に所属する26施設を予約できるWebサイト「高千穂に泊まる」をオープンする。高千穂エリアの宿の詳細情報や魅力を発信することで、宿泊予約の入口になることを目指す。

 同事業は、昨年8月に高千穂町とJRシステム、 高千穂町旅館業組合の3者で締結した包括連携協定の一環で実施。「高千穂に泊まる」では、ホテルや旅館、ゲストハウス、キャンプ場、民宿などの業態別のほか、観光やビジネス利用、スポーツ合宿、教育旅行、アウトドアなど目的別に検索できる。宿泊予約も可能とすることで、「地域版宿泊予約サイト」として運用していく。

 また、専用バナーで地域内の観光施設「高千穂貸しボート」と「観光夜神楽」に誘導し、予約を促すことで、地域内循環型の観光地を目指す。宿泊者の利便性向上もはかる。

 サイトの開設で、宿泊統計が毎月、集計できるようになった。今後は、ターゲットを絞ったプロモーションにも活用していく。

松江武者行列が開催へ 松江城周辺を練り歩く

2023年4月3日(月) 配信

過去の松江武者行列

 島根県松江市で4月8日(土)、春の恒例行事「松江武者行列」(主催=同実行委員会と松江市)が行われる。松江開府の祖である堀尾吉晴公とその一行が松江城に入城するようすを再現する絢爛豪華な時代絵巻で、オーディションで選ばれた主役の堀尾家の6人ほか、総勢170人が勇壮な武者や色鮮やかな姫などに扮し、市内を練り歩く。

 コロナ禍で2年間中止し、昨年は規模を縮小して開催した。今年は4年ぶりの本格開催となる。

 松江城馬溜ステージで午後1時に出発式典があり、その後行列がスタート。周辺を約90分掛けて1周し松江城に戻るコースで、途中では各隊演舞披露や掛け声とともに勇ましく進むゾーン、武者が笑顔で手を振るエリアなど見どころが多い。島根県民会館西側付近で行われる「口上・勝ち鬨」が最大の見せ場で、盛り上がりは最高潮を迎える。

 なお、松江城では4月9日まで「国宝松江城お城まつり」を開催中。本丸広場の夜間開放や桜ライトアップが行われる。