2025年8月15日(金) 配信
知花靖村長
沖縄県・国頭村(知花靖村長)はこのほど、全国で初めて「旅先納税®」の返礼品の電子商品券を、寄付先の地域以外の「体験」で利用できる取り組みを開始した。全国5施設の「コニカミノルタプラネタリウム」で上映中の「星結いの森₋沖縄・国頭村の星空₋」の鑑賞料金を同村の電子商品券「くにがみ村e街ギフト」で支払える。
同村は2023年10月から、ギフティ(太田睦・鈴木達哉社長、東京都品川区)が提供するデジタルプラットフォーム「e街プラットフォーム®」を採用。ふるさと納税の一種である「旅先納税®」を導入し、寄付者に返礼品として寄付額の30%分の電子商品券「くにがみ村e街ギフト」を発行している。商品券が使える施設は村内の宿泊施設や飲食店などで、今回の追加により8月13日時点の加盟店数は74店舗となっている。
「くにがみ村e街ギフト」券面イメージ
今回、追加されたプラネタリウムの映像コンテンツ「星結いの森₋沖縄・国頭村の星空₋」は、24年のふるさと納税の寄付金を活用して制作されたもの。同村の豊かな自然環境や星空の魅力を全国に発信し、ターゲット層の若年・女性層へ効果的にアプローチをすることを目指す。
新たな取り組みの開始にあたり、知花靖村長は8月8日(金)に東京・有楽町のコニカミノルタプラネタリウム「プラネタリアTOKYO」を視察。本紙のインタビューに応じた知花村長は、今回の狙いについて、「上映を通して村の魅力を発信し、来村を促すきっかけにしたい」と語った。
村の観光の魅力は何といっても知花村長が“宝物”と呼ぶ星空。村には人工の明かりが少なく、現在定められている全天88星座のうち、82の星座を観察することができるため、アストロツーリズム(星空観光)を推進している。現在、米国に本部を置くダークスカイ・インターナショナルへ申請を行い、星空保護区認定を目指している。日本では全国で4地域が認定されており、沖縄県では八重山諸島の「西表石垣国立公園」が日本初の星空保護区として2018年に認定を受けた。
知花村長によると、日帰り観光客が多いことが課題となっており、星空の魅力を発信することで滞在時間を延ばすことを狙う。「星空は宿泊しないと鑑賞できない。夏の星空は一番おすすめだが、冬場の星空も空気が澄んでよく見える。プラネタリウムで鑑賞後はぜひ、本物の星空を見に村へ訪れてほしい」と呼び掛ける。
ふるさと納税全体の寄付額は右肩上がりで増えており、返礼品として人気があるのは「マンゴー」で8~9割を占める。「旅先納税®」への寄付はさらに増やしていきたい考えで、今後も体験コンテンツの充実をはかっていく。