JTB、ハワイへのビジネスイベント誘致で HTA・Meet Hawai’iと協定

2024年10月1日(火)配信

(左から)HTAのダニエル・ナーホオピイ氏、JTBの山口剛志氏、Meet Hawai’iのアンドリュー・コー氏

 JTB(山北栄二郎社長)は9月27日(金)、ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)とハワイ・ビジターズ・アンド・コンベンション・ビューロー(Meet Hawai’i)との3年間の連携協定を結んだ。ハワイへのビジネスイベントの誘致に向けて、日本企業などの会議や報償・研修旅行、国際会議の需要回復をはかる取り組みを強化する。

 具体的には、Meet Hawai’iとの研修などを通じて、ハワイでのビジネスイベント開催の専門知識やノウハウを習得する「JTBアンバサダープログラム」を創設。顧客ニーズと現地の最新情報にサステナビリティの観点を融合したJTBならではのコンテンツや、付加価値の高い「JTB ONLYプラン」の開発を協業して取り組む。

 さらに、異文化に触れる機会を通じて、日本とハワイ双方の文化理解の促進をはかる交流プログラムを開発し、新たな交流創造の実現に向けて協業。ビジネスイベントの開催誘致や現地プログラム実施時のサポートプログラムの充実を進めていく。締結期間は2025年1月1日(水・祝)~27年12月31日(金)まで。

 JTB執行役員ツーリズム事業本部の山口剛志仕入商品事業部長は「ハワイへの旅行者数が昨今の円安やハワイの物価高の影響を受け、厳しい状況」と報告。他方で「団体旅行、とくにビジネスイベント領域は堅調に推移し、これらのハワイとしての強みを発揮できる領域の回復に向けて3者で強力に推進する」と説明した。

 続けて、連携協定により「美しいハワイを未来へつなげる『レスポンシブル・ツーリズム』の精神を大切にし、地域住民と共にハワイの継続的な発展に貢献していきたい」と力を込めた。

 HTAのダニエル・ナーホオピイ社長兼CEO最高管理責任者は「観光業のリカバリーには多大なチャレンジがあると認識している。JTBの知識やオーガナイズ力で、より強固なビジネスイベントに発展できる」と期待を寄せた。

 Meet Hawai’iアジア・オセアニア地域のアンドリュー・コーエグゼクティブ・ディレクターは「ハワイの素晴らしさをJTBのお客様に伝えていただけるよう、引き続き魅力を紹介していく」とあいさつした。

北海道在住の親子対象 道観光振興機構が「ワークショップ型バスツアー」の参加者募集

2024年10月1日(火)配信

 北海道観光振興機構は道内在住の親子を対象とした「旅育ワークショップ型バスツアー」の参加者を募集している。計画から旅ナカでのさまざまな体験を通して、子供の自主性や心身の成長を促す取り組みで、2024年11月9日(土)、10日(日)の全2回実施する。参加費は無料で、応募者多数の場合は抽選となる。

 北海道観光に求められるニーズの多様化が進んでいることから、これからの未来を担う子供たちに、北海道観光のさまざまなシーンに沿った「おもてなし」の重要性を体感してもらい、意識啓発と将来の観光需要拡大・観光人材育成を目指す。

 バスツアーは両日とも札幌発着で、ロイズカカオ&チョコレートタウンと小樽堺町通り商店街を訪ねる日帰りのコース。バスの車内では自己紹介やクイズなど、子供中心のワークショップを実施するほか、訪問先では事前学習で計画した旅を実行する。旅育アドバイザーとして北海道観光大使を務める三好さやか氏が同行する。

 参加資格は北海道在住の小学1~6年生と保護者。募集人数は各日とも親子ペア合計20組40人。応募は10月18日(金)午後5時まで同機構のウェブサイト特設ページで受け付ける。希望者多数の場合は抽選。

 参加費は無料だが、飲食代や親子で考えた旅の実践にかかる費用、札幌駅までの交通費などは自己負担。

普段の観光からもう一歩「奥」へ。  福島県奥会津地域で体験博覧会開催中 暮らしの工夫や知恵を「地域体験」に

2024年10月1日(火)配信

プログラム例:三島町のかしゃ猫伝説 大工さんから教わるかしゃ猫づくりと伝説の昔語り

 福島県西南に位置する柳津町や只見町など7町村は、「地域ならではの体験」を楽しめる「奥会津体験博覧会 せど森の宴2024」を10月1日(火)~25年2月28日(金)まで開催している。

 奥会津地域は、豪雪地帯であることから雪で閉ざされた環境を生き抜くために生まれた工夫や知恵が世代を超えて受け継がれ、現代でもそれらは色濃く残っている。「せど森の宴」では、住民が自ら案内人となり、地域に根付いた「奥会津ならではのモノ」を生かした暮らしの工夫や知恵を「地域体験」として提供する。

 プログラムは「かしゃ猫づくり」や「しめ縄作り」など地域の文化を体験するものから、「霧幻峡渡し乗舟体験」や「かんじき歩き」、「まち歩き」など自然を体験する企画、「野老沢(ところざわ)和紙の紙すき」や「鹿皮のマラカスづくり」などワークショップ形式のものまで、多種多彩。ウェブサイトや電話で好きなプログラムを選んで参加申し込みすることができる。

 「せどの森の宴」の「せど(背戸)」とは、家の裏口、裏門のことを指すことば。奥会津地域では、家の中のプライベートな空間、お客に見せない部分といった意味合いで使われることが多いが、「この森の宴の期間中は旅人に普段は見せない「せど(背戸)」の中に入ってきてもらい、普段の自然な暮らしぶりに触れてほしい」との思いを込めて名付けた。

NAA、外客数7カ月連続で最高に(8月) 中国は初めてコロナ前超え

2024年10月1日(火) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が9月27日(金)に発表した2024年8月の総旅客数は、前年同月比11%増の357万5109人となった。このうち、国際線の外国人旅客数は同24%増の173万6804人と7カ月連続で最高だった。近距離アジア路線が好調だったことが主な要因。また、中国線の出国旅客数は19年同月比5000人増の20万5000人と初めてコロナ禍前を超えた。

 国際線の日本人旅客数は同20%増の92万3972人。19年同月比では43%減だった。

 国内線旅客数は前年同月比12%減の70万2885人。コロナ禍前の19年同月比では10%減となった。台風7号の通過で、同月16日を中心に多数の便が欠航したことが影響した。

 総発着回数は前年同月比11%増の2万835回。国際線は同17%増の1万6377回。国内線は同8%減の4458回だった。

 田村社長は中国線の旅客数について「国慶節を迎えるため、9月後半から10月前半まで需要が増加している。直前の予約も見込んでおり、期待している」と話した。

韓国と台湾コロナ前超え 3連休で海旅需要増加

 9月1(日)~21日(土)までの国際線出国旅客数は前年同期比24%増の79万5400人。このうち、韓国線は前年同期比26%増の15万9000人。19年同期比では68%増となった。台湾線は前年同期比20%増の8万2200人。19年同期比では3%増だった。

 田村社長は「インバウンドは9月以降、落ち着く傾向にあるが、今後の予約数は前年を上回っている。円安を背景に北米が好調だ」と語った。

 また、「アウトバウンドは3連休が9月に、2回あったため、韓国や台湾、香港などの近距離アジア路線の需要が増加した」と報告した。

「あなたが好きな露天風呂のある宿2024」結びの宿 愛隣館(岩手県・新鉛温泉)

2024年10月1日(火) 配信

 旅行新聞新社ではホームページ上で「あなたが好きな露天風呂のある宿」のアンケート調査を実施しました。人気を集めた宿のなかからおすすめの施設を紹介します。

▢結びの宿 愛隣館

 
川の湯「岩露天風呂」

 3つの豊富な源泉を17の浴槽で楽しめる温泉好きにはたまらない宿、「結びの宿 愛隣館」。花巻温泉郷でも珍しい飲用できる温泉は、効能も抜群でリピーターも多い。立地は豊沢川と緑豊かな自然に囲まれた抜群のロケーションで、森林浴と併せて湯浴みを堪能することができる。

 評判の温泉は2019年にリニューアルした「山の湯」のほか、ゆったりと豊沢川の流れを眺めながら湯浴みを楽しめる「川の湯」、ヒーリング効果抜群の「シルクバス」が人気の「森の湯」と、3カ所の大浴場で楽しめる。このほかにも、源泉掛け流しの「陶器風呂」、名物の立ったまま入浴する「立湯露天風呂」など、滞在中は17の浴槽をすべて心ゆくまで満喫することができる。

 お部屋は、旅行のスタイルや予算、目的に応じて選べるように、山々や豊沢川の景色を楽しめるお部屋や露天風呂付のお部屋、ベッドルーム、ワーケーションなど多彩なタイプからチョイスできる。

 
新お食事処「里山ダイニング」

 プランにより選べる旬の食材を生かした夕食は、水入らずを満喫する「お部屋食」のほか、23年3月にオープンした新お食事処「里山ダイニング」で「里山の祝祭」をコンセプトにした先付料理とバイキング(ビュッフェ)形式のメニューに加え、ライブキッチンでは、出来立ての料理を楽しめる。また、朝食バイキングでは花巻の食材にこだわったメニューや「はなまき朝ごはんプロジェクト」による地元の野菜料理も好評だ。

【宿データ】
住所 〒025-0252 岩手県花巻市鉛字西鉛23
TEL 0198(25)2619 FAX 0198(25)2938
チェックイン:午後3時  チェックアウト:午前10時
風呂 大浴場「山の湯」「森の湯」「川の湯」 貸切風呂「ちゃっぷん」
泉質 ナトリウム−硫酸塩泉、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉
客室 全100室
宿泊料金目安  1万6000~6万2000円

〈旅行新聞10月1日号コラム〉――「北海道12岬チャレンジングロード」 北海道の湾岸線をひたすら走る道

2024年10月1日(火) 配信

 「旅行新聞バイク部」(増田剛部長、木下裕斗部員)は8月31日~9月9日まで9泊10日の日程で、北海道ツーリングの旅に出た。今回の目的は、あらかじめ設定した北海道の12の岬を時計回りに1周すること。

 名付けて「北海道12岬チャレンジングロード」。

北海道12岬チャレンジングロード(MAP)

 「北海道12岬チャレンジングロード」とは、①地球岬②恵山岬③白神岬④神威岬⑤スコトン岬(礼文島)⑥ノシャップ岬⑦宗谷岬⑧能取岬⑨野付崎⑩納沙布岬⑪霧多布岬⑫襟裳岬――を訪れるというコース。

 私と木下部員は、首都圏在住のため、初日の8月31日早朝、埼玉県の東北自動車道羽生PAに集合。仙台港へ北上し、太平洋フェリー「いしかり」に乗船。翌9月1日午前11時に、北海道・苫小牧港に無事到着。

 1日は、室蘭市の①地球岬を訪れ、「味の大王」で室蘭名物カレーラーメンを食べた。その日は茅部郡森町の宿に宿泊。 

 2日は、②恵山岬を訪れ、昼に函館市のラッキーピエロベイエリア本店で人気メニュー「チャイニーズチキンバーガーのセット」を食した。その後、③白神岬に到着。奥尻島を横目に強かな雨の中を激走し、夜9時過ぎに泊村周辺に宿泊。ヘトヘトでボロ雑巾のように眠った。

 

雨のあと、奥尻島に夕陽が沈む瞬間

 3日は、④神威岬を先端まで歩き、積丹半島を巡りニッカウヰスキー余市蒸留所を見学。そこからオロロンラインを北上するも、早々に日没。ヘッドランプと、事前に装備していた新品のフォグランプをフル点灯。真っ暗闇の直線道をひた走った。途中、大きなエゾシカが横切ったり、道路の真ん中にキツネがうずくまっていたり、北海道の大自然を畏怖した。2日連続のナイトランにより疲労困憊の状態で、稚内市内で宿泊。

 4日は、旅のハイライト、稚内港からハートランドフェリーで礼文島に渡り⑤スコトン岬に到達。その日は島内に宿泊し、岩の上のアザラシを眺めたり、洗濯したりと休養日に。

 

アザラシが岩の上で昼寝中(礼文島)

 5日は、再び礼文島から稚内港へ戻り、⑥ノシャップ岬、⑦宗谷岬を訪れた。帆立ラーメンの味が忘れられず、宗谷岬の間宮堂を訪れたが「休業中」で、私と木下部員はショックのあまり膝から崩れ落ちた。その後、オホーツク海を南下し、夜は紋別市内の宿で体を休めた。

 

本土最北端・宗谷岬にシカが散歩

 6日は、サロマ湖の竜宮台展望台まで行った。北勝水産の帆立バーガーを食べ、⑧能取岬へ。灯台で小さな虫に囲まれ逃げ回った。さらに知床半島を羅臼まで走ったが、ヒグマとの遭遇はなかった。中標津町に宿泊。

 7日は、世紀末感漂う枯木群が印象的な野付半島の⑨野付崎まで向かった。ここでも大きなエゾシカがバイクの直前を横切り、あわや衝突という危機的場面も。その後、根室の⑩納沙布岬に到達。真っすぐ⑪霧多布岬まで足を延ばした。その夜は釧路市内に宿泊しようと思ったが、空室はほぼ無く、海風すら暖かく感じる寒さに震えながら、帯広市まで向かった。宿に着いたのは深夜近くだった。

 

霧多布岬付近で

 8日は、いよいよ最後の砦⑫襟裳岬に到達し、12岬を制覇した。感慨に浸る間もなく、そのままスタート地点の苫小牧港まで凱旋走行。夜、商船三井の「さんふらわあ」に乗船。翌9日午後に、茨城県大洗港に着き、自宅まで帰ったのだった。

 

12岬走破達成。増田剛(左)と木下裕斗部員

 バイクに跨り、北海道の海岸線をひたすら走るロード。だが、不思議と再び挑戦したくなる旅。

(編集長・増田 剛)

【特集 No.661】由布市で「観光」と「金融」全国懇談会 官民一体で金融課題の解決へ

2024年10月1日(火) 配信

 

 日本旅館協会(桑野和泉会長、2174会員)は9月5日(木)、大分県由布市の湯布院公民館(ゆふいんラックホール)で、宿泊業界における観光と金融に関する全国懇談会を開いた。同協会の会員や金融機関、行政の関係者など、約300人が参加し意見を交わした。基調講演には、菅義偉前首相がビデオメッセージを寄せた。元日に発生した能登半島地震や、懇談会の前週に発生した台風10号などによる災害被害への支援・要望の具体化に努める旨や、官民一体となった金融課題への解決など、4項目の行動宣言を採択した。

【馬場 遥】

 

日本旅館協会 桑野和泉会長「観光は大きな転換期」

日本旅館協会の桑野和泉会長

 

 桑野会長は、「元日には能登半島地震が発生した。前週には台風10号があり、由布市も復興と復旧に取り組んでいる。全国の皆様にお集まりいただき、本当に心強く思っている」と述べた。

 「今の観光は大きな転換期を迎えている。観光に携わっている事業者は、持続可能な観光・消費額拡大・地方誘客促進にずっと取り組んできた」とし、「懇談会において、金融関係者や各省庁としっかり意見を交わすことで、地方創生を実現していける」と力を込めた。

佐藤樹一郎大分県知事
相馬尊重由布市長

 地元からは佐藤樹一郎大分県知事と、相馬尊重由布市長が出席し、祝辞を述べた。

 基調講演には、菅義偉氏、秡川直也観光庁長官、山下隆一中小企業庁長官、伊藤豊金融庁監督局長が講演した。

菅義偉氏

 基調講演としてビデオメッセージを寄せた菅氏は、「地方誘客・周遊のため、再び訪れたくなるような魅力づくりが大切だ。政府の金融支援に加え、経営力の向上も必要」と話した。観光資源の磨き上げが重要であることに触れ、「温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みを心から応援している。温泉は我が国の重要な文化。政府として全力で取り組む」と力を込めた。

秡川直也観光庁長官

 

 観光庁の秡川長官は、2003年に開始したビジット・ジャパン・キャンペーンから現在に至るまでの観光施策を振り返ったのち、「30年には観光立国推進基本計画で示した訪日外国人旅行者数が6000万人に到達する見込み。しかし、オーバーツーリズムに続く新たな課題も出てくる可能性があるため、皆様と知恵を出してうまく対処し、次の世界に向かっていきたい」と話した。

 

 中小企業庁の山下長官は「地域再生と中小企業政策」について語った。

 「国内投資が収益へ、収益が賃金へつながり、経済が回っていく世代を作るため、いま一度、中小企業を中心に輸出産業を作っていく必要がある」と力を込めた。

 「宿泊業の皆様には、インバウンドの面で頑張ってほしい。しかし、足元を見れば人手不足の課題があるため、国や県の補助金や制度をぜひ活用してほしい」と呼び掛け、中小企業庁で実施する「中小企業省力化投資補助事業」を紹介した。

 金融庁監督局の伊藤局長は、「これまではコロナ禍で先が見えないなか、足元の金融支援を行ってきた。金融機関も事業者も、ともに先を見た対応をお願いしたい」とし、「金融機関は将来のキャッシュフローを見てお金を貸す。国の支援策も活用してもらいながら、先々の計画を立てて、ともに議論していただきたい」と呼び掛けた。

 その後、漫画「テルマエ・ロマエ」の作者であるヤマザキマリ氏が、「ローマと日本の温泉文化」をテーマに講演を行った。

 分科会は、「まちづくりと観光振興」と「宿泊施設の経営安定化・災害からの復興に際しての地域金融機関との連携」の2つのテーマに分かれてディスカッションを行った。

 

第1分科会

第1分科会のようす

 第1分科会では、九州観光機構の唐池恒二会長を加え、桑野会長、ヤマザキマリ氏、秡川長官が出席。ファシリテーターは國學院大學観光まちづくり学部客員教授の後藤靖子氏が務めた。

 九州観光機構の唐池会長は、「九州ブランドというものは作ろうと思っても作れない。小さければ小さいほど、個別であれば個別であるほど、ブランドの力が輝く。九州の中に輝くブランドがいくつもあるため、これら一つひとつをもっと輝かせるためにお手伝いすることが我われの仕事」と話した。

 秡川長官は、「うまくいっている観光地や頑張っている地域に共通するのは、『なりたい自分』『地域をこのように変えていきたい』というビジョンをしっかり持っているところ。また、地域の課題をしっかりと認識し、立てた計画に沿ってぶれることなく活動している。確かに時間は掛かるが、やり続ければ効果は出る。そういった地域は、やはり素晴らしい観光地となっている」と述べた。

 桑野会長は、「由布の人たちは皆、同じようなビジョンやなりたい姿を共有している。自分たちのことを自分たちだけでやるのではなく、外部の人を頼ってもいいんだという考えで地域創生に取り組んでいる」と語った。

 ヤマザキマリ氏は、「自分たちが好きでもないものをPRしていくのは難しい。今まで気付かなかった自分たちの地域の隠された素晴らしいものに対して熱意をもってアプローチすると、地域の活性化につながっていくかもしれないという話がとくに印象的だった。ニッチなものに価値を見出すイノベーターが1人いるのであれば、その人を支えなければならない」と話した。

 

4項目の行動宣言採択

 懇談会の最後には、地域共生を目指した宿泊業に向けての行動宣言として、「旅館ならではの魅力を高めていく」「温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた活動に寄与する」「官民一体となって金融課題の解決に取り組む」「大規模な災害の被害を風化させず、支援・要望の具体化に努める」──など、4項目を採択した。

4項目の行動宣言を採択した

第2分科会

第2分科会のようす

佐藤勘三郎副会長

 第2分科会は「宿泊施設の経営安定化・災害からの復興に際しての地域金融機関との連携」をテーマに、それぞれの立場から議論を交わした。登壇者は、中小企業庁長官の山下隆一氏、金融庁監督局長の伊藤豊氏、財務省政策金融課長の大江賢造氏、大分銀行取締役頭取の高橋靖英氏、日本旅館協会新型コロナウイルス・災害復興対策本部特別顧問の大西雅之氏など、行政や金融の代表などが出席。ファシリテーターは、同協会の佐藤勘三郎副会長が務めた。

 

“事業者に寄り添う”各種支援策を紹介

大西雅之特別顧問

 日本旅館協会の前会長である大西氏は、「旅館産業は非常に借り入れが多い業界。コロナ禍前も耐震補強という大きな投資があった。その返済のさなか、コロナ禍が始まり、会員企業の4割以上が債務超過に陥っている」と説明した。

 コロナ禍の国による支援策として、「新型コロナ対策資本制劣後ローン」で債務の猶予が与えられた。「約4割の会員がこのローンを利用しており、非常にありがたいご支援をいただいている」と謝意を示した一方で、会員企業からは「既存融資があるため新規融資が難しい」「借入の返済本格化に向け、返済への不安が高まっている」「設備投資資金はもとより、運転資金についても相談したい」などの声が寄せられていると報告した。

 「宿泊業界ではまだまだ大きな負債を抱えている。どうか政府や金融機関の皆様にはこの状況をご理解いただき、引き続きのご支援を」と呼び掛けた。

高橋靖英大分銀行頭取

 大分銀行取締役頭取の高橋靖英氏は、金融機関による地域観光振興の取り組みとして、今年度から新たにスタートした「中期経営計画2024」を紹介した。

 この経営計画では、長期ビジョンの「実現時期」を明示し、近未来のありたい姿を定性、定量の両面からブラッシュアップする。

 また、高橋氏は、大分銀行が行う地域活性化への取り組みとして「地域課題を解決するために、大分県内の17市町村と連携し、その地域の稼ぐ力・付加価値を高める取り組みを、各行政区と行っている」とした。このうち、10行政区は観光業を主要産業に掲げているため、「観光」を起点に地域活性化に努め、自治体と協力しながら課題解決を進める動きを行っているという。

伊藤豊金融庁監督局長

 金融庁監督局の伊藤局長は、「地域を支える事業者への金融支援」について話した。

 能登半島地震で被災した事業者の二重債務問題に対応するため、官民で「能登半島地震復興支援ファンド」を組成したことを紹介。「災害からの立ち直りは融資だけでは難しい。資金繰りも当然考えなくてはならない」と述べた。

 「能登に限らず、地域ファンドは立ち上がっている。こういったファンドなどをいかに活用して、融資と資本を支えていくか。そのためには、経営計画をしっかり作っていただくことが必要だ。どういうビジネスプランに基づいて、金融支援をしていくのかというのを、金融機関と事業者の間でしっかりと進めていくのが重要」と力を込めた。

 さらに、金融庁の取り組みとして、「経営者保証改革プログラム」を挙げた。「経営者保証がネックになって先々の計画を立てられないケースがある。これが事業再生などの妨げになっていけない。経営者保証の解除を事業者が選択できる制度を創設した」と話した。

大江賢造財務省政策金融課長

 財務省政策金融課長の大江氏は、日本政策金融公庫が「令和6年台風第10号に伴う災害に関する特別相談窓口」を、大分県を含む全国8県の支店に設置していることを説明した。被害を受けた事業者の融資や、返済に関する相談を受け付けている。

「日本政策金融公庫は、地域金融機関と密接に連携し、それぞれの強みやノウハウを発揮した支援や地域活性化に向けた取り組みを行っている」とし、大分銀行との連携においては、21年に「SDGsの推進等の連携・協力に関する覚書」を結んだことを説明した。
 
「引き続き、関係機関との連携を深め、事業者に寄り添った支援を行っていく」とした。
 

山下隆一中小企業庁長官

中小企業庁長官の山下氏は、「災害からの地域産業の復興に向けた施策」について語った。
 
「能登半島地震においては、石川県内の事業者は補助上限15億円、富山・福井・新潟県内の事業者は上限3億円の『なりわい再建支援事業』の補助金を活用していただきたい」と紹介。

「災害の規模により、どの制度を使うのかは違う。それぞれに応じたカタチで、地域の復興に寄り添っていきたい」としたうえで、「事業者の皆様にやっていただきたいのは、BCP(事業継続計画)をきちんと作っていただくこと。復旧までの時間や、営業停止期間の短縮につながり、リスクを下げる効果が期待されるため、ぜひ取り組んでいただければ」と会場に呼び掛けた。

 

【本紙1944号または10月7日(月)以降日経テレコン21でもお読みいただけます。】

ロケツーリズム協議会、新たな認定制度「伝道師」発表 今年度3回目の会合開く

2024年10月1日(火) 配信

グループワーキングのようす

 ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長、東京都港区)は9月26日(木)、渋谷キューズ(東京都渋谷区)で2024年度3回目の会合を開いた。今回は、新たな認定制度「伝道師」を発表したほか、ロケ実績の紹介やグループワーキングなどを実施した。

 伝道師は、撮影の受け入れや宣伝協力など映像制作の向上による地域の魅力発信に貢献する。自らの所属する自治体・企業のロケツーリズム事業の要となるとともに、組織内でのノウハウの継承により、ロケを活用した持続可能な地域活性を目指してもらう。

 同協議会が会員組織の職員を対象として、受入体制など映像制作者からの評判をもとに認定。今回の会合では、新たに選んだ8人を紹介した。

 毎年、1月を目途に開催するLTCマークの認定と合わせて登録する。

 また事例紹介では、ロケハンツアーにおいて空き家での撮影を望む制作者の声を再確認した会員の神奈川県・湯河原町が紹介された。

 藤崎会長は「魅力的な観光地を撮ってほしい気持ちはわかるが、(ドラマやCMなどの)ストーリーが生きることで、聖地が誕生する」と説明した。

 グループワーキグは、撮影実績の活用・拡散、地域内外へのPRを学ぶ「プロモーション」、撮影サポートの環境整備への知識を身に着ける「ロケーションサービス」、民間事業者が誘致を目指す「企業」、ロケツーリズムの基礎を習得する「ガイダンス」の各コースに分かれた。今回は第2回のワーキングから、より具体的な学びを深めた。

 このうち、プロモーションでは、長崎県島原市や福島県白河市などの担当者が観光客誘致やシビックプライド醸成に向けた事例などを報告した。

NAA、空港オリジナルアロマオイル「空香 -KUUKOO- 」発売 滑走路建設で発生した伐採木再利用

2024年9月30日(月) 配信 #旅行新聞 #空香KUUKOO #NAA

空香 -KUUKOO-

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)とグループ会社グリーンポート・エージェンシー(GPA、小島直人社長、千葉県成田市)は10月1日(火)から、成田空港オリジナルアロマオイル「空香 -KUUKOO- 」を売り出す。

 NAAは「サステナブルNRT2050」を策定し、持続可能に発展するサステナブル・エアポートを目指して、限りある資源の有効活用を進めている。このようななか、滑走路の新設をはじめとした成田空港の「更なる機能強化」で発生した伐採木をアップサイクルし、サステナブルなアイテムとして企画した。 

 同商品は杉材を100%使用。爽やかな香りから、旅の思い出や空港のワクワク感を感じることができるという。価格は1980円(税込)。第1ターミナル中央ビル新館5階にある航空ショップ「バイプレーン」と航空科学博物館内売店(千葉県・芝山町)、成田空港オンラインショップで発売する。

 NAAは「滑走路が新設されるまでの今しか製造できない、大変貴重なアロマオイル」とアピールしている。

ニュージーランド航空が期間限定セール 「夢見るエアライン」キャンペーン第2弾

2024年9月30日(月) 配信

販売期間は10月21日まで

 ニュージーランド航空は9月27日(金)から、「夢見るエアライン」キャンペーン第2弾を開始した。10月21日(月)まで期間限定のセールを実施するほか、特設サイトでおすすめの場所やアクティビティを紹介する。

 同CPは「いつかの夢を叶えよう」というメッセージのもと、“旅先で一度は叶えてみたい夢”を応援するもの。同社が独自に行った、全国の海外旅行経験者(3年に1度以上の頻度で海外旅行をしている人)300人を対象にしたアンケートによると、「旅先で一度は叶えてみたい夢」のランキング1位は「日本では見られない絶景を見たい」(43・0%)だったという。次いで「世界遺産を見たい」(38・0%)、「現地でしか食べられないものを食べたい」(36・7%)と続く。

 同社は「トップ10にランクインした夢のうち、9つはニュージーランドで実現することが可能」とし、「海外旅行者が叶えてみたい夢を多く叶えることができる魅力にあふれた国」とアピールしている。

 期間限定セールの旅行対象期間は10月28日(金)~2025年6月30日(月)まで。区間は成田-オークランドで、セール運賃はエコノミーが10万円から、プレミアムエコノミーが20万4000円からなど。いずれも燃油サーチャージや諸税込み。詳細は公式サイトへ。