【特集 No.662】清掃の内製化 客室を「ゼロセッティング」へ

2024年11月1日(金) 配信

 旅館やホテルの多くは、料理や接客(おもてなし)などのサービスは日々磨き込みを行っているが、同様に大事な商品である客室などの清掃については、十分に手が付けられていない状況にある。工学博士の内藤耕氏は、経費の巨大な塊である「清掃」を内製化し、客室案内や、ラウンジでのサービス、洗濯などと連動できるシフトを組むことにより、労働生産性の改善につながっていくと語る。客室の「ゼロセッティング」化など、顧客満足の最大化と併せた、宿泊業における「最適な清掃方法」を探る。

【聞き手=本紙編集長 増田 剛】

工学博士・内藤耕氏インタビュー 客室案内が最も重要 “チェック”兼ね即座に対応

工学博士 内藤耕(ないとう・こう)氏

 旅館やホテルといった宿泊業が提供している商品は、大きく「料理」「接客(おもてなし)」「風呂」「客室」の4つに分類できます。

 お客として、どの商品が一番大事かは人によって異なりますし、宿泊業としての業態によっても異なってきます。しかし、一般的には、とくに温泉旅館に宿泊したことを誰かに話そうとするときに、まず「温泉に行ってきた」と言い、それから「どこに泊まったか」と客室や風呂、そして最後に「サービスはどうだったか」といった接客(おもてなし)、料理などについて細かに語っていくパターンが多いような気が個人的にします。

 このように考えると、とくに温泉旅館では、これを「温泉」や「風呂」→「客室」→「接客(おもてなし)」→「料理」という順番で商品を捉えることができます。

 一方、これまで長く、そして今もそうですが“グルメブーム”が続いています。このため、経営者は自館をアピールするときに、大きな商品の柱として「料理」に関心が集中しがちですが、「客室」や「風呂」といった施設・設備も同様に、宿泊業にとって大きな商品であることに違いはありません。

 ある旅館のホームページのアクセスログを確認する機会があり、驚くことに一番多く見られていたページは料理ではなく、客室でした。旅館では滞在中に客室にいる時間が最も長いため、お客は「どのような客室なのか」「衛生的なのか」といったことを気にしているのかもしれません。このように客室は旅館にとって重要な商品であることに気づかされます。 

 料理や接客(おもてなし)のサービスは、商品としてどのように磨き込みをしていけばいいかは、わかりやすいですが、風呂や客室はどうでしょうか。

 この風呂や客室を商品として日々磨き続ける具体的な方法は、メンテナンスです。このメンテナンスとは「保守」「保全」などと翻訳されますが、宿泊業では、「清掃」やお客が使うタオル・浴衣などの「洗濯」といった業務のことを一般的に指します。

 このように捉えますと、宿泊業にとって施設・設備の清掃は、とても大事な業務となります。そして、この清掃や洗濯方法について具体的な検討がまだ十分に手が付けられていません。

 また、それは経費の巨大な「塊」であるにも関わらず、その内容について、多くの宿泊業の経営者はあまり関心を向けていないように見受けられます。

 コロナ禍が明けましたが、現在、宿泊業の経営は依然として厳しい状況にあります。まずはお客を増やし、売上の拡大に努力されていることは十分に理解できます。

 一方、最近の人手不足や資材費の高騰から、仮にお客が増えたとしてもそれ以上にスタッフを増やすこととなり、結果としてそれ以外も合わさって経費もそれ以上に増えてしまい、増収が利益率の改善につながらない状態に陥ってしまう施設が散見されます。

 増収が確実に利益率のアップにつながる流れを作っていくためには、客数増や宿泊料金のアップといった外部需要をさらに取り込むだけでなく、固定費(損益分岐点)も同時に低減していく「労働生産性」の向上への努力も必要になります。

 ――なぜ多くの旅館がこの重要なメンテナンス業務に関心を持ってこなかったのでしょうか。

 非常に大きな経費の塊であるにも関わらず、宿泊施設内といっても基本的にお客がいない場所での業務のため、目に付きづらく地味な面があります。もう一つは、「できて当たり前」という認識、3つ目は、多くの宿泊施設がそれを外注しているからです。

 さらに経営者の関心を失わせるのが、多くの現場でその契約が「1部屋当たり」での経費計算となっているため、作業効率を上げたとしても支払う金額が変わらず、むしろその努力が外注先の利益を積み増すことになり、そのテコ入れが施設にとって直接的なメリットに直結しないからです。

 さらに、清掃方法を具体的に業務改善しようとすると、客室の調度品やレイアウト、セッティングなどに手を付ける必要があり、このことが客室という商品に影響し、回り回って集客に悪い影響をもたらすことを心配させます。

 ――外注と内製化の分岐点とは。

 コロナ禍になり、客数の増減が激しくなり、またスタッフの仕事が減ったことも相まって、少しでも損益分岐点を低減するために清掃を内製化した施設もありましたが、とくに大型旅館では未だに外注している施設の方が多いように感じます。この原因として「サービススタッフすら集められないのに、清掃スタッフを集める自信がない」という、人手不足などの社会背景も要因の一つにあるようです。

 では、なぜこれまで多くの旅館で清掃の外注がそもそも行われてきたかというと、市場が拡大していく人口増の時代では、ノウハウが無い部分は専門業者に任せて、会社の成長のスピードアップをはかったほうがいいというのが当時の合理的な判断でした。

 これに対して、今のように市場の飽和による供給過剰から、むしろ売上が減っていく時代では、確実に利益を確保するには、会社の成長をスピードアップして増収を実現するよりも、「損益分岐点をどうやって下げていくか」という増益率に関心が向かいます。このような市場の大きな動向を背景に、宿泊業にとって固定費の大きな塊である清掃や洗濯といったメンテナンス業務へのテコ入れがとても重要になってきているのです。

 ――清掃業者も人手不足の状態で、客室を売り止めせざるを得ない旅館も多くあり、売上や営業に大きく影響し始めています。

 とくに宿泊業にとって大きな問題なのは、お客が少ない低稼働時でも、たとえ仕事の量を減らすことができても、やらなければならない仕事の種類は減らないため、宿泊客が10分の1だからといって、ある程度固定的な人員は必要になります。

 さらに、たとえ低稼働で実際の仕事の量が減ったとしても、ある一定の時間を割り当てなければパートスタッフが辞めてしまうことから、そのような日でも出勤者数をある程度確保してしまいがちです。結果として、客室当たりの清掃の人数は相対的に多くなる。そうすると、現場に作業の余裕ができますが、人はどうしても締め切りを意識して作業を進めることから、作業速度が遅くなる。いくつかの施設でデータを取得しましたが、清掃しなければならない客室数に対して投入人員数が多くなると、1部屋当たりの清掃時間は長くなる結果が出ました。

 1日だけなら良いのですが、これが頻繁に続くと、遅い清掃時間が通常の時間となり、出勤者数が本来の人数となると現場は人手不足と言い始めます。また外注すると、宿泊施設側は清掃作業が遅くても、ちょっとだけ手伝いに行くことは簡単ではありませんし、逆に投入人員が多くてそこに余剰があっても、外注の人材をまめに別の作業に分担することは契約上できません。

 内製化により清掃やサービスが一体となって連動できるシフトを組めれば、人が余っている時間に幅広い業務分担も可能になります。結果的に空いた時間をお互いに色々な仕事を吸収し合いながら、より圧縮された人員数でより多くの仕事を施設内でこなすことができるようになります。

 その代わり管理しなければならないスタッフ数は増え、シフトなどの管理の大変さはありますが、わずかな隙間時間を補充しながら、色々な仕事を細々とできるようになり、会社全体で風通しも良くなるので、それまで以上に労働生産性の高い、効率的な現場が実現できるようになります。

 ――清掃しやすい客室とは。

 伝統的な温泉旅館では、大きくて重たい座卓と、座布団、座椅子などがあります。それらを移動させながら清掃するとなると、結構な重労働です。布団を敷くときもそれらを移動させることで畳や壁の損傷にもつながります。

 最近の個人向けのデザインがお洒落な宿泊施設などでは、このような昔ながらの重厚な座卓や座椅子は見当たりません。テーブルを軽く小さなものにして、座布団などはビーズクッションに代えるところも多く、清掃時に負担は格段に軽減します。あるビジネスホテルでは、あえてテレビを壁かけにすることで配線を短くして、静電気によってテレビの裏側が埃だらけになることを避ける工夫をしています。

 作業の観点も考慮し、「顧客満足を最大化する最適な清掃方法を探していく」ことにより、清掃の抜本的なスピードアップがはかれ、チェックインの時間に間に合わないことが回避できるようになります。

 当たり前のことですが、リニューアルをするときにデザイナーは素敵な客室をイメージし、お客の満足度を上げて集客できる客室を作ろうとします。とても大事なことですが、客室の壁に「出っ張り」や「凹み」がたくさんできてしまうと、清掃が大変になります。もし私がデザイナーにお願いする機会があるとすれば、「可能な限り損益分岐点の低い客室づくり」を求めるでしょう。

 イニシャルコストを抑えたフラットな客室でも照明などの工夫で奥行きや多様性を作ることは可能です。日々の利益を確実に実現するために、清掃の「作業負荷」を含めたランニングコストを下げる客室づくりも、これから併せて考えることが大事です。

 ――客室のアメニティは。

 性別や属性に合わせて人数分のアメニティを客室に事前に準備する旅館やホテルが多いですが、予約などが変更になったときにすべてのセッティングがやり直しになります。

 また清掃スタッフは概ね高齢者が多いので、肉体的には弱者になりますが、このような細かな業務を間違いなく執り行うのは精神的な負担も大きく、間違いも多くなり、結果として会社は二度手間として清掃後のチェック作業も行わなければなりません。

 同時に重いものを持つなど、腰を何度も曲げるために生じる腰痛が原因で退職してしまうケースも多く見受けられます。客室にあるゴミ箱の数を減らし、とくに洗面所の床にではなく、洗面台の上に置ける小型のものに変えるだけで、腰を曲げる回数を削減し、肉体的負担を大きく減らすことができます。実際にそのようにした施設でクレームはほとんど出ていません。

 仮にクレームがあったとしても、何人のクレームなのかというところも冷静に見ていく必要があります。クレームを「ゼロ」にすることを求める旅館の考え方が、結果として自分たちの首を絞めている面があるのではないでしょうか。

 これまで「1人の客が求めればすべての客に提供する」ことを結果的にやってしまっています。1人が「シェーバーが必要だ」と言えば、すべての客室に男性客の人数分だけ備える。「浴衣のサイズが事前に正確に分からない」となると、すべての客室に全サイズの浴衣を事前に入れて準備することが当たり前に行われています。

 サービス業として、多くのお客が求めているのであれば、しっかりと対応していこうという視点は、とても大事なことです。

“清掃とサービスの連動”で生産性改善へ

清掃の内製化でサービスと連動できるシフトが組めると、幅広い業務分担も可能に(写真はイメージ)

 これにクレームを減らしていくことが合わさって、お客の1人でも求めれば、すべてのお客に同じことを行うことが多くの現場で行われてきました。これでは現場の作業負担が高止まりしてしまうため、これからは「お客が求めていないことはやらない」という視点がむしろ必要となります。

 例えば、客室にさまざまな種類のアメニティを置いていますが、「シェーバーを使う人にはお渡しするが、必要のない人には提供しない」場合、クレームはお客一人ひとりの事前期待とのミスマッチに起因することから、お客にまずフロントや客室案内時に施設として提供するサービス内容を丁寧に説明し、お客の期待とサービス内容の齟齬を解消することが重要となります。

 つまり、例外的なことは例外的に行うことで、会社としてお客に求められたことにはムダなくしっかりと対応していく姿勢が大事となります。

 ――なぜ客室案内が大事なのか。

 コロナ禍に「3密回避」という名の下で、多くの現場で客室案内をやめてしまいましたが、この「客室案内」こそが、メンテナンスという視点から最も大事なサービスだと感じています。

 なぜかと言えば、宿泊客がチェックアウトしたあと、そして次のお客が入るまでに、スタッフは布団を上げたり、冷蔵庫の中を確認したりします。その後、清掃、アメニティや浴衣などのセッティング、客室チェックなど一連の業務がそれぞれ別チームによって進められていきます。

 これらを先に述べた「腰を曲げる回数を減らす」ことで肉体的負担を減らすことと同じように、「ドアノブに触る回数を減らす」ことで、メンテナンスのために客室に入る工程を統合していくことに取り組んでいる施設もあります。これまで一つの業務を複数の工程に分断してきましたが、それぞれの工程に繰り返しや準備といったムダを作ることとなります。

 例えば、客室を仕上げるセッティングの業務と、客室チェックのそれぞれをサービススタッフによる客室案内にまとめていく。客室案内をしながら、必要なアメニティや浴衣のサイズをお客にお聞きし、必要なものをその場ですべて手渡すことができるようになります。

 さらに、客室案内時にスタッフが客室の施設や備品などの一つずつをお客に丁寧に説明することで、実質的に髪の毛や小さなゴミが残っていないかなどの確認作業を同時に行うことができるようになります。万が一何か不備があったとしても、目の前のお客にその場でお詫びし、即座に対応することが可能で、このようにすることで客室案内がチェック業務を兼ねることになります。 

 ――「事前セッティング」を行わない利点は。

 客室案内時に必要なアメニティなどを提供することは、客室のセッティングを一切行わない「ゼロセッティング」になります。これによって、お客の人数や属性によらず標準化された客室を準備することで、清掃業務をシンプルにすることができます。

 そのうえで、従来お客がチェックインをする前に清掃のチームがやっていた客室のセッティングを、サービススタッフが案内するときに「お客に説明しながら行う」ので業務量は何も変動していません。

 帳票を見ながら予め複雑なセッティングをするとミスが生じる可能性も高まり、チェック作業が必要になります。一方、お客に必要なものを聞きながらアメニティを手渡すと、事前の帳票づくりを含めたムダの多くが無くなります。

 「客室案内をするサービススタッフが足りない」や「清掃スタッフは接客のスキルがない」という話にもなりがちですが、多くの現場では、チェックインの時間帯にサービススタッフは料理付けや宴会場の準備などをしています。であるならば、清掃スタッフがそれらを行うことで、サービススタッフが客室案内を含めたより手厚いサービスを提供すればいいのではないでしょうか。

 このようにすることで複数の工程が一つに統合され、お客がいるときに、お客が求めることにきめ細かく確実に対応でき、接客(おもてなし)のサービスにも磨きをかけていくことを同時に実現する、典型的な労働生産性を飛躍させる方法となります。

 ――「分散」と「集約」について。

 客室にそれぞれ置くことは「分散」。一方、使うところだけに置くというのは「集約」です。

 宿泊客は客室に置いてあるアメニティや手ぬぐい、バスタオルを持って大浴場に行きます。なぜ持って行くかといえば、そこで使うからです。最も合理的なやり方は、「使う場所に置いておく」ことです。

 バスタオルを大浴場に置くと使う枚数が増えると心配されますが、お客にとっては常に乾いたタオルを使えるので満足度は上がります。

 また、メンテナンスの観点からも使われたタオルが客室に置いてあると、備品が湿気るだけでなく、その重さから清掃スタッフの肉体的な負担が大きくなります。このため、大浴場にバスタオルを集約して置くメリットはとても大きくなります。

 「分散」すると、提供できるものは限られてしまいます。一方、「集約」すれば提供できる種類を増やすことが可能です。それぞれの客室にシャンプーを置く場合、現実的には1種類です。一方、シャンプーバイキングとして大浴場に何十種類でもそろえることが可能です。

 集約して種類を増やすことで、お客は自分に合ったものを利用できるようになり、一人ひとりのお客に向き合ったサービスになります。

 ――最近、フリーラウンジを始める旅館が増えたような気がします。

 「フリーラウンジ」とは、客室で提供しているお菓子をロビーに1カ所に集約して無料で提供することです。

 多くの施設でやっている、客室で人数分のお菓子や飲み物を事前にセッティングし、客室で呈茶する代わりに、ロビーなどでコーヒーや紅茶、ソフトドリンクなども無料で提供する。1カ所に集約することにより、より多くの種類のお菓子やドリンクを提供でき、お客の満足度も高くなります。

 「コストが大きくなるのではないか」と心配する声もありますが、1人当たりの原価は、一般的に飲み物と合わせても数十円ほどです。一方で、「たくさんの種類のお菓子やドリンクがあって楽しめた」など、口コミ評価は高くなり、実際にフリーラウンジを行っている施設では、わずかなコストで大きな顧客満足度を得られる結果となっています。

 このフリーラウンジによって客室は同時にゼロセッティングとなりますので、メンテナンス業務の負荷は大きく軽減され、在庫管理も不要になります。このように集約することで、子供には駄菓子を、また高齢の宿泊客には、和菓子などを置くことで満足度が高められます。

 客室でお菓子やソフトドリンクを飲むと、それぞれの客室にゴミが発生します。このため「ラウンジで好きなだけ召し上がってください」と伝えることで、ここでも清掃業務の負荷を最小化できます。

 ――チェックインをラウンジで行う利点は。

 客室案内でフロントスタッフがとても心配するのがお客を「待たせる」ことです。そこで客室案内をお客の意向に任せて選択制にしようという施設もあります。

 しかし、それでは客室案内を求めない宿泊客には客室のアメニティの提供などができなくなるので、ゼロセッティングを含めた全体のオペレーションの根幹が崩れていきます。

 このような課題から、チェックイン時のお待たせの解消のためには、フロントではなくまずフリーラウンジにご案内し、一度ソファに座っていただく。そこでくつろいでいただきながらチェックインをして、タイミングを見計らってスタッフが案内すると、ロビーやフリーラウンジがバッファー(緩衝帯)になり、“待たされた感”が無くなります。 

 このように見ていくと、清掃と客室案内、ラウンジでのサービスは一体となって連動していることがわかります。メンテナンス業務の一部でも外注することは、部署間の連携にも大きな障害となってしまうため、清掃などを内製化することが会社全体の労働生産性を改善させるメリットになります。

 ――洗濯の内製化も提唱されています。

 ゴルフ場や温浴施設などでは、タオルや部屋着といったリネン類を自分たちで洗濯しているところが多くあり、その内製化も推奨しています。

 人手不足の宿泊業にとっては、「さらに洗濯の仕事まで増えるのか」と言いたくなりますが、洗濯をするのは機械なので、作業負担自体の増加はありません。冷静に考えてみれば、たとえクリーニング業者に外注したとしても、清掃のスタッフが搬入口などまで持って行っています。タオルも客室にセッティングする場合、自分たちで畳んでいます。さらに大浴場に集約している旅館では、バスタオルを畳まずに広げて置いているため、畳むという作業はありません。

 実際に洗濯を内製化した旅館では、空いている隙間時間に作業を行うので、スタッフの労働時間を増やすことなく外注の経費だけが下がるという効果が出ています。

 洗濯を内製化して洗面台に小さなハンドタオルを置くことができると、ペーパータオルが不要になり仕入れだけでなく、ゴミも減らすこともできます。

 ――ロビーやラウンジの空間を上手に活用している旅館も多いです。

 客室での宴会の2次会、また増加傾向にあるインバウンド観光客やビジネスの素泊まりにおいて、部屋での飲食のゴミの問題を清掃スタッフに聞くと、「とても大変だ」と答えられます。無料で使用できる2次会のスペースをフリーラウンジに準備し、缶ビールの自動販売機などを設置し、つまみもそこで販売できれば、客室のゴミ量だけでなく、外部から飲食物の持ち込みも減らすことができます。

 ――異なる業務がそれぞれ連動していますが、効果を客観的に検証することが大事ですね。

 このように現場を見ていきますと、「清掃」「客室案内」「フリーラウンジ」「洗濯」、さらに料理付けや宴会場の準備といった「料理」「接客(おもてなし)」「チェックイン」のそれぞれが見えないところで連動するようになっていきます。

 フリーラウンジといった他館の良い部分の一部分だけを自館でも導入する施設が増えていますが、注意しなければならないのは、すべての業務が連動しており、全部がそろったところで初めて顧客満足度が高まり、経費が大きく削減され、労働生産が飛躍するのです。

 各客室のお菓子を残しながらフリーラウンジを導入しても、手間や経費だけが増えていき、結果として人手不足も解消できなくなるだけでなく、むしろそれが深刻化する懸念も増していきます。

 このように改革の取り組みをつまみ食いするのではなく、会社全体で業務改革を慎重に進めていく必要があります。

 取り組みが実際に効果を出しているのかどうかを評価することがとても大事となりますが、その方法として、労働生産性を測る指標の一つとして「人時生産性」があります。これは損益計算書にある粗利益額を総労働時間で割ることで計算されます。

 これまで業務改革を行っていない旅館やホテルではそれが3千円ほどしかないところも多く見受けられます。しかし、仮にここで紹介したような改革を丁寧に進めていくと、それが5千円、6千円に上がっていきます。3千円が6千円に上昇するということは、労働時間当たりの粗利益が2倍になったということです。つまり、この計算結果は2人でやっていた仕事が1人でこなせるまでに業務量を削減できたということを意味しています。

 サービス業の基本的な考え方は、お客が求めていることにしっかりと対応していくこと。とても大変なことだと思いますが、一方で、お客が求めていないことは一切やらない。一人ひとりに向き合って、お客が求めていることに的確に、ムダなく対応していくことを徹底することが大事だということです。これがサービス業の原点であり、本質そのものだということです。

 ――ありがとうございました。

 

【本紙1946号または11月8日(金)以降日経テレコン21でもお読みいただけます。】

「台湾観光通信」~台湾の最新情報一挙公開~④

2024年11月1日(金) 配信

甘美な柿を味わう台湾秋旅 農業体験ツアーにも参加できる

台湾伝統の柿の天日干し

 作物の収穫の季節を迎えている台湾では、甘くて美味しい柿が楽しめる季節でもあります。「幸運」を象徴する果物とされている台湾の柿は、祝事やお祭りの際に用いられていることが多く、大切な食材として親しまれ、その甘さや食感から多くの人に愛されています。 

 台湾北西部の新竹や苗栗を訪れると、名物の乾燥柿を作るための台湾伝統天日干しが行われている風景を各所で見ることができます。新竹県や台中郊外で多く収穫される品種の「富士柿」は、その甘味と品質の高さから国内外でも人気があり、柿を使ったデザートやサラダにも活用されるほか、干し柿やジャムなどの加工品としても広く販売されています。お隣の苗栗県では、「苗栗柿」として知られる品種が有名で、柿収穫をはじめ、ご当地特産の農業体験などツアープログラムが提供されています。台湾をご旅行の際には、ぜひ台湾の柿をご賞味ください。

台湾“好湯”温泉美食フェス 9月20日~25年4月30日まで

「2024-2025台湾温泉美食フェスティバル」

 台湾には、世界でも珍しい青湯をはじめ、白湯、黄湯の3種類の泉質を有する名湯「北投温泉」、ぷくぷくと炭酸が湧出る北東部の「蘇澳冷泉」、緑濃い中部の「谷関温泉」、世界3大泥温泉としても知られている「関仔嶺温泉」、台湾4大温泉郷のひとつ南部の「四重渓温泉」、緑島(離島)の海底温泉ほか、世界に誇る個性的で多様な温泉郷が全土に点在し、実に豊富です。この秋から春に向けて開催する「2024-2025台湾温泉美食フェスティバル」は、温泉と養生、グルメをテーマにした温泉美食イベントとして台湾各地の温泉郷をつなぎながら開催していきます。

 各地の温泉ホテルでは、台湾の豊かな温泉文化と、多彩なご当地の美食をまとめて体験できるプランが順次発表され、温泉シーズンの台湾を盛り上げていきます。温泉に浸かりながら味わう台湾グルメが、心身ともにリフレッシュさせてくれることでしょう。

台湾温泉美食フェスティバル公式ページ

嘉義市国際管楽フェス開催 12月21日にブラスバンド祭り

ブラスバンドのパレードのようす

 台湾最大規模の吹奏楽フェスティバルである「第32回嘉義市国際管楽節」が12月20日~25年1月1日まで台湾南部の嘉義市で開催されます。期間中は、各地から多くの吹奏楽団・ブラスバンドチームが嘉義に集結し、各所でパフォーマンスを披露します。

 屋外会場の1つである嘉義市中心部・噴水広場でのパレードは、誰もが気軽に楽しめる人気のパレードイベントとして見応えがあります。今年は12月21日に開催。同日夜には嘉義市立スタジアムでのパフォーマンス大会の開催も予定し、台湾のみならず今年は日本から茨城県立大洗高等学校マーチングバンド「BLUE HAWKS」や、タイ・アサンプション大学ランパーン楽団、フランス・ランス市立管楽団も出演します。嘉義の街が華やかな音色に包まれ活気づく音楽フェスに足を運んでみてはいかがでしょうか。

第32回嘉義市国際管楽節公式ページ

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東京事務所 03(3501)3591 大阪事務所 06(6316)7491

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圧迫感のない付け心地 超軽量アイマスク発売 日本マスク【PR】

2024年11月1日(金) 配信

宿泊施設のアメニティとしてもおすすめ

 「日本マスク」のブランドで、半世紀以上にわたりマスクを製造販売してきた「横井定」(愛知県名古屋市・横井昭社長)はこのほど、老舗マスク専門メーカーとして培ってきた製造技術を応用した新商品、不織布製立体アイマスク「ひとみの休息 3Dアイマスク」を開発し、今年7月下旬から販売を始めた。

 「ひとみの休息 3Dアイマスク」は、不織布3層構造でしっかり光を遮断しつつ、薄さ3ミリの超コンパクトタイプで軽く、持ち運びに便利な新タイプのアイマスク。

 一番の特徴は、広げると立体型になり、瞬きできるほどの空間を有するアイマスクの形状。同社が考案した特許取得済みのオリジナル立体形状のお陰で、眼球に対する圧迫感がなく、快適な付け心地を実現している。

 まぶたやまつ毛に当たらないため、アイメイクが崩れる心配がなく、出先で安心して利用できるのも、女性にとってはうれしい点。耳掛けタイプで、ヘアスタイルを気にすることなく使用できるのもありがたい。

 もちろん、アイマスクとしての機能性もばっちり。不織布3層構造になっており、遮光性試験(JIS L1055 A法)において遮光率99.9%以上を測定。しっかりと光を遮断し、睡眠・休息を快適にサポートする。

 さらに、薄さ3ミリと超コンパクトタイプで軽く、折りたためるので持ち運びにも便利。汚れが気になれば、使い切りなので常に衛生的なのも布製にないメリットだ。

圧迫感のない着け心地は長時間移動時に最適

 手軽で快適な付け心地は、旅行や出張における飛行機やバスでの長距離移動時をはじめ、就寝時や職場での休憩時、防災グッズなど、幅広いシーンで利用可能。宿泊施設のアメニティとしてもおすすめだ。

 料金は5枚入り(個別包装)で1セット550円(税込)。フリーサイズ(男女兼用)で、色はシェルピンク、グレージュ、ブラックの3色展開。

 問い合わせ=☎052(852)3211。

KKDAY JAPAN、横浜でスタンプラリー実施 マリーンルージュクルーズが2組4人に当たる

2024年10月31日(木) 配信

スタンプラリーのイメージ

 アジアでオプショナルツアー予約サイトを運営するKKDAY JAPAN(大淵公晴支社長、東京都新宿区)は11月7日(木)〜30日(土)、神奈川県・横浜でGPSを利用したデジタルスタンプラリーを実施する。設立10周年を記念し、毎月7日に特別セールやイベントを開催する「KKdayキラキラの日」の一環で行う。

 参加者は横浜中華街や横浜マリンタワー、三渓園などKKdayで販売する横浜の観光スポットを巡ることでスタンプを獲得することができる。スタンプ3個で同社で使える5%割引クーポンがプレゼントされる。5個集めた人は、マリーンルージュ アフタヌーンティークルーズが2組4人に当たる抽選へ応募できる。

 また、同期間中には書店「有隣堂」が運営する「STORYSTORY YOKOHAMA」(神奈川県横浜市)で、KKdayとコラボした選書コーナーが設けられる。旅に関する指定の書籍を購入した人へ、KKdayのオリジナルブレンドコーヒーのほか、アクティビティが当たる抽選券を贈る。

ガイド付きで巨大な壁画を鑑賞する「アートクルーズ」実施(天王洲キャナルフェスー秋冬ー)

2024年10月31日(木) 配信

「アートクルーズ」学生ガイドチーム(右端が篠原靖准教授)

 天王洲・キャナルサイド活性化協会(三宅康之代表理事、東京都品川区)は10月18(金)~20日(日)までの3日間、「TENNOZ CANAL FES2024-AUTUMN&WINTER-」を開いた。3日間に約2万5000人が訪れ、天王洲アイルの巨大な壁画などをガイド付きの船から鑑賞する「アートクルーズ」などを楽しんだ。

 アンケート調査によると、同フェスの来場者は近隣の港区と品川区を合わせて約4割を占めた。一方で、「船上ライブやワークショップ、お笑いライブなど、多種多様なコンテンツを充実させたことによって、およそ6割の人たちが遠方から天王洲エリアに訪れていただいた」(三宅代表理事)と分析している。

 なかでも「アートクルーズ」は、今回の目玉イベントの一つ。天王洲のアート作品を水上から観察したのち、東京湾のダイナミックな景色を堪能する約45分(料金2000円)のツアー。

 メインガイドは跡見学園女子大学の篠原ゼミ生が担当。さらに、アートや東京湾の解説は、パナソニックの先進技術を駆使したイベントアバターによるガイダンスを融合させた。同大学の篠原靖准教授は、「『付加価値の高い観光クルーズ商品』化へ、実証実験を重ねながら課題を解決してきた。さらに磨き上げていきたい」と語る。

 天王洲・キャナルサイド活性化協会の三宅代表理事は、「当協会は今年3月に観光地域づくり法人(地域DMO)に登録され、水辺とアートの景観を活用し、働く人・住む人・訪れる人に魅力的な都市観光地を目指している」と話す。今年は「天王洲観光都市元年」をテーマに、産官学連携や、観光DXの推進強化に取り組んでいる。「インバウンド客を見据えながら、アートクルーズを東京の良き思い出となる観光商品へと準備を進めていきたい」と意欲を見せる。

11月1日、佐久平PA(下り)に佐久平珈琲がオープン エスプレッソモカソフトなど販売

2024年10月31日(木) 配信

エスプレッソモカソフト

 佐久平尾山開発(鷲尾晋社長、長野県佐久市)は11月1日(金)に、長野県・佐久平パーキングエリア(下り)敷地内にカフェ「佐久平珈琲」を開業する。こだわりのコーヒーやエスプレッソモカソフトなどを販売する。

 佐久平PAは長野県に入る最初のパーキングエリアとして、観光客らの憩いの場となっている。同社は「広大な自然に囲まれたこの地の魅力を五感で感じながら、地域の魅力に触れ、特別なコーヒー体験を通じて新たな発見をしていただけるよう、心を込めてサービスを提供する」とアピールしている。

 オリジナルブレンドコーヒーは熟練の焙煎士とともに、佐久平珈琲スタッフが同店のためだけに厳選したこだわりの一杯。ブラジルとコロンビア産の豆をベースに、焙煎度の異なる豆をブレンドして作り上げ、ハンドピックで丁寧に仕上げる。

 また、試作を重ねて完成させた「エスプレッソモカソフト」はカフェ内で抽出したエスプレッソをふんだんに使用。コーヒーのほろ苦さとバニラの甘さが調和した一品に仕上げたという。

 オープン初日はオープニングレセプションとしてテープカットや試食会、オリジナルコーヒー豆の販売を行う。

 同店の提供メニューは佐久平珈琲が500円、佐久平ラテ600円、エスプレッソ350円、八ヶ岳牛乳200円、エスプレッソモカソフト・牧場牛乳ソフト・ミックスソフトはいずれも500円。なお、価格はすべて税込み。

インバウンド向け東京街歩きツアー ガイドと共に東京の歴史と街並み楽しむ(東京観光財団)

2024年10月31日(木) 配信 

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 東京観光財団はこのほど、東京を訪れる外国人旅行者向けに、ガイド付き街歩きツアーを売り出した。同ツアーの企画には、法政大学江戸東京研究センターの監修を受けた。浮世絵を見ながら現代への変遷の歴史を専門ガイドが説明して歩くなど、東京をより深く知ることができる内容となっている。

 銀座&築地コースは、銀座の路地、稲荷神社、歌舞伎座、築地場外市場などを歩く。町人や商人が生活を営む場でもあり、商業・エンターテインメントの発信地としても発展してきた銀座・築地の街に残る痕跡をたどる。

 皇居&江戸城コースでは、桜田門や東京駅&丸の内周辺、東御苑などを回る。江戸城を中心に据え、水路によって区切られていた街それぞれの役割や名残を感じるとともに、東京と世界のほかの主要都市との違いを学ぶ。

 上野&浅草コースは、不忍池や上野東照宮、かっぱ橋道具街、浅草寺、浅草神社などを見る。上野・東叡山寛永寺のひざ元で発展してきた寺町・職人の街の活気を体験しながら、浅草へと続く歴史を振り返るコース。

 同ツアーは全6コースで、所要時間は3~4時間程度。全国通訳案内士により、英語で行われる。

出雲日御碕の観光応援キャンペーン 宿泊1人3000円割り引き、島根県

2024年10月31日(木) 配信

 島根県は11月1日(金)、7月の大雨で県道が崩落するなど大きな被害が出た出雲市日御碕(ひのみさき)地区の観光支援策「出雲日御碕“観光応援”キャンペーン」を実施する。

 2025年3月31日まで、同地区の指定宿泊施設10軒を対象に、宿泊料を1人1泊につき3000円割り引く(施設によっては3000円分の土産品などの特典となる)。

 地区内の指定飲食店や土産品店などで使えるプレミアム付きの「出雲日御碕“まちあるき”クーポン券」も販売する。額面額1500円(500円×3枚綴り)を1冊1000円で販売。1人1回につき最大10冊まで購入可能だ。

 販売数は1万5000冊。日御碕ビジターセンター、出雲市駅隣「すうべにあ出雲」、神門通り観光案内所、島根県立古代出雲歴史博物館で販売する。11月18日(月)からは観光センターいずも、縁結び本舗北店・南店でも販売する。無くなり次第、終了する。

 同地区は出雲日御碕灯台や日御碕神社など人気スポットがあるエリア。9月7日(土)には、観光客などを含む一般車両(大型車両除く)の通行が可能な仮設迂回道路が完成した。

E1東名EXPASA足柄(下り)で自衛隊イベント 11月2日(土)と11月16日(土) 軽装甲機動車など展示

2024年10月31日(木) 配信

 中日本エクシス足柄支店(谷中伸一支店長)と、自衛隊静岡地方協力本部(田代裕久1等陸佐)は11月2日(土)と、11月16日(土)の2日間、「E1東名高速道路EXPASA足柄(下り)東側屋外イベントスペース」(静岡県・小山町)で「自衛隊イベント2024」を開く。

 同施設近隣には、富士総合火力演習(総火演)を行う東富士演習場(御殿場市)など多くの自衛隊施設が存在する。

軽装甲機動車も展示される

 イベントでは、演習で実際に使用される軽装甲機動車(2日、16日)や、高機動車(2日)、偵察用オートバイ(16日)、中距離多目的誘導弾(16日)も展示される。

偵察用オートバイ

 また、2日には板妻駐屯地の現役自衛官による、楽しいラッパの演奏も予定している。

 展示時間は両日とも午前9時~午後3時まで。

観光業の生成AI活用法を学ぶ 12月12日に愛知県観光フォーラム開催

2024年10月31日(木) 配信

参加者による生成AI体験も(イメージ)

 愛知県観光協会と日本観光振興協会中部事務局は12月12日(木)に、愛知県産業労働センター(愛知県名古屋市)で「第4回愛知県観光フォーラム」を開く。今年は「AI×観光」をテーマに、観光業における生成AIの活用法を学ぶ。

 「『観光業における生成AI活用セミナー』~もう無視できない、最新の生成AIをキャッチアップ~」と題し、講師のビジネスファイターズ合同会社CEOの飯田剛弘氏が基礎から実践までを分かりやすく解説する。また、参加者が実際に生成AIを体験できるワークショップも行う。

 参加対象は両団体の会員や地域観光協会、DMO、自治体、観光事業者など。参加費は無料。申し込みや詳細は愛知県観光協会まで。