山口・長門湯本温泉の再開発の今 大谷山荘で通算164回旅館大学セミナー開く

2019年12月12日(木) 配信

セミナーは12月11―12日、長門湯本温泉・大谷山荘(山口県)で開かれた。通算164回目

 リョケン(佐野洋一社長、静岡県熱海市)は2019年12月11―12日に山口県・長門湯本温泉の「大谷山荘」で、通算164回の旅館大学セミナーを開いた。宿泊施設の幹部ら約100人が参加した。同温泉地の再開発の現場視察や、宿の高品質化へのこだわりを説明。20年3月に再開発を終える長門湯本温泉で、現在進行形で進む街づくりの取り組みなどを語った。

 初代・大谷辰之助が旅館業を創業したのは1881(明治14)年。1960年には現在の位置に大谷山荘を新築した。現在は全館で125室、うち別邸音信(おとずれ)18室、収容人員は500人。従業員数は252人で、このうちパートタイマーは119人となっている。

大谷山荘の外観

 大谷山荘は決して好立地ではない。山口宇部空港からも、新山口駅からも車で1時間ほどかかる。しかし、11月の客室稼働率は9割を超えた。平均宿泊単価は2万3千円ほどで、総消費単価は約3万円。さらに売店の売上単価は3500円という。

 佐野社長は開講に先立ち、「大谷山荘は西日本で大変強い存在感を放っている高質旅館といっていい。大変失礼だが、このような立地で、これだけの高品質なサービス、高価格、また高い業績を上げている。売店の売上単価は驚異的な数字。多くを学べるはずだ」とあいさつした。

 長門湯本温泉は開湯約600年の歴史を持つ。ただ、1984(昭和54)年に宿泊客数39万人でピークを迎え、その後2012年は18万人と半減した。時代と共に団体から個人旅行へとシフトした国内市場の変化に追い付けなかった。

 14年には、広大な敷地を有していた150年ほど続いた老舗旅館が廃業した。温泉街の中心部に空き家などの遊休地が広がるなど、悪循環に陥っていた。

20年3月の工事完了へ急ピッチで作業が進められている。手前が音信川。右手に建設中の公衆浴場

 この状況を打開しようと、跡地に星野リゾートを誘致(星野リゾート 界 長門が20年3月12日開業)し、官民一体となって新たな街づくりを計画して、現在、地域ぐるみで作業が進められている。

大型駐車場を整備している現場。12月11日
星野リゾート 界長門の外観。3月12日開業する。長門湯本温泉再開発の目玉でもある

 地域特有の「音信川」を生かし、そぞろ歩きができる温泉街、そして夜もライトアップやイベントなどができるよう、協議会などを設立してさまざまな社会実験繰り返してきた。

中央手前にあるのが「川床」

 社会実験の結果、川には観光客だけでなく住民も使える「川床(かわどこ)」を設置。川岸から川面にせり出すように伸び、川を間近で楽しめるようにした。温泉街の一部道路では車両の通行はできないようにし、歩行者が川沿いをゆったりと歩けるようスペースも広げていく。

(右端が)大谷和弘副社長。副社長自ら再開発現場の視察で説明を行った

 同館の大谷和弘副社長は講演で「古民家のリノベーションもして、街並みは活気づく。長門湯本にある地域資源を最大限に生かしたかった。(社会実験を通じ)これまであまり来ていなかった若年層も訪れるようになってきた」と期待を込める。

 さらに今後は観光地経営にも乗り出す考えだ。大谷副社長は「湯元エリアマネジメント会社」を立ち上げようと動いている。同社は入湯税を現行の150円から300円に引き上げ、引き上げ分からエリアマーケティングや景観インフラ維持にかかる費用を支出していく方針だ。

 大谷副社長は「議会の承認が下りれば、20年4月から動き出せる。持続的な観光まちづくりを進めていきたい」と述べた。

「大谷山荘の高付加価値戦略」

大谷社長が大谷山荘の遍歴などを講演

 大谷峰一社長は「大谷山荘の高付加価値戦略」と題し、講演を行った。大谷山荘が1960(昭和35)年に新築してから2020年で60周年を迎える。

 大谷社長はこれまでの高質化へのこだわりとして、①山草花のおもてなし②環境設計③5つのレストラン④パブリック施設⑤客室の多様性――の5点を挙げた。

 山草花のおもてなしについては、大谷社長は「山野草でお客を迎えする。山野草はポツンと咲いていて、一見弱々しくみえるが、きらりと光るものがある。このようなさりげないサービスを目標としている」と話した。

ギャラリー「おとずれ文庫」

 同館では増改築を繰り返してきた。平成に入ってから8回ほど設備投資を行った。それぞれ時代に合わせる過程で、客室は28タイプに、レストランは別邸音信を含め、5つ運営するに至った。個人旅行化に伴う需要の多様化に対応できる環境を整えた。

 パブリック施設も天体ドームや地元童謡詩人の金子みすずの詩集もあるギャラリー「おとずれ文庫」なども設え、充実化はかっている。貸し出される本は、館内で自由に読める。

館内見学のようす

 顧客からの評価は高い。各OTAの口コミをみると、じゃらんで、大谷山荘が4・8点、別邸音信が4・9点、楽天トラベルは大谷山荘が4・83点、別邸音信が4・83点となっている。「品質は目に見えない。しかし、(評価が低ければ)間違いなくなんらかの傾向が出ていることになる。これに対応する必要がある」(大谷社長)。

 大谷社長は「旅館は4万軒弱あり、ホテルは外資からも多く出てきている。我われ業界は、旅館文化を守れるのだろうか。旅館づくりは、街づくりにつながっていく。今の旅館文化を維持しつつ、昨今のニーズに応えるのは難しいが、進めていくことが大事」とした。

2日目、佐野社長らが講演 「世界ブランド発想~文化と価値と共生と~」

2日目のセミナーのようす

 佐野社長が2020年の経営指針として講演。訪日外国人は年間3000万人も訪れるようになった。「観光の国際化が進むなか、本質的価値が重要」だとした。佐野社長は「持続的な価値ととらえてもらっていい。世界に通用する価値づくりを考えていくべき。それは国内客にも響くはずだ」と強調した。

 「『世界からの視点で自館をみる』『世界に向けた視点で自館のあり方を考える』ということをしてほしい。ただ、あくまで日本人の感性に拠って立つことで、アイデンティティーにつながり、持続可能な価値を生む」と呼びかけた。

 このほか、リョケンの幹部らがテーマ講演を実施。長島晃本部長は「来年からはOTAからメタサーチも包括したグーグルトラベルが頭角を現すのではないか。送客手数料の増加は避けらない」と指摘。そのうえで、「SNSで直販獲得を目指すため、旅のインフルエンサーなどの活用は重要になってくる」と説明した。

 なお、来年の旅館大学セミナーは白玉の湯泉慶・華鳳(新潟・月岡温泉)で、7月14~15日に開く。

スキー・スノボがレンタルできる新施設、ニセコにオープン

2019年12月12日(木) 配信

マウンテンセンターアネックス イメージ

 東急不動産(大隈郁仁社長、東京都渋谷区)、ニセコ東急リゾート(磯目伸二社長、北海道虻田郡)、東急リゾートサービス(熊沢基好社長、東京都渋谷区)はこのほど、北海道虻田郡倶知安町のニセコ地区にあるスキー場「ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ」で、ゲレンデ下に隣接した施設「マウンテンセンターアネックス」を新設し、営業を始めた。

 同施設は既存の「マウンテンセンター」と合わせてスキーやスノーボードのレンタル拠点としてはニセコ最大級だ。また、レンタル道具の預かりサービスも備え、増加を続けるインバウンドを含む国内外のスキー場利用客の利便性向上をはかる。

1階パブリックエリア

 1階にパブリックエリア、スノースクール受付、更衣室、コインロッカーなど、2階には延床面積802平方㍍、総アイテム数4千点を誇る大規模なスキー・スノーボードレンタルを完備している。日本国内ブランドのオガサカスキーやBLASTRACK、ニセコエリア発のブランドのROKO SKIやGENTEMSTICKを取り揃える「Japan Brandコーナー」も新設し、充実の品揃えを用意する。

 スターバックスの店舗以外でも本格的なコーヒーを楽しめるサービス「We Proudly Serve Starbucks™」や、手ぶらで宿泊先と行き来できるようにレンタル道具を翌日まで預かるサービスも始める。

マウンテンセンターアネックス概要

名称:ニセコグラン・ヒラフ マウンテンセンターアネックス(Niseko Grand HIRAFU Mountain Center Annex)

所在地:北海道虻田郡倶知安町字山田209-1

構造・規模:鉄筋コンクリート造 地上2階

延床面積:1,505.45平方㍍

設計:株式会社フリークス

オープン日:2019年12月7日(土)

1階設備:スノースクール受付(GOSNOW)、更衣室、コインロッカー、トイレ、喫煙所

2階設備:スキー・スノーボードレンタル

アパグループ  西日本最大客室数のタワーホテルを2023年秋開業へ

2019年12月12日(木)配信

(仮称)アパホテル&リゾート〈大阪難波駅タワー〉完成予想外観パース

 アパグループ(元谷外志雄社長、東京都港区)は2023年秋、2千室規模の「(仮称)アパホテル&リゾート〈大阪難波駅タワー〉」を開業する。

 客室数は客室数が2064室で、西日本(※)最大となる見込み。スイートルーム・デラックスツインルーム・トリプルルーム・4人利用が可能なコネクトルーム・バリアフリールームなど、バリエーション豊かな客室タイプや、共用部にはプール・フィットネス・大浴場等の充実した施設の完備を計画している。

 アクセスはJR関西本線「難波」駅、OCAT(大阪シティエアターミナル)から徒歩1分という好立地。2031年春開業予定の「新大阪駅-関西国際空港駅」を結ぶ、なにわ筋線「(仮称)新難波」駅も徒歩1分の位置に計画されている。大阪を代表する歓楽街の「ミナミ」や「道頓堀」「なんばグランド花月」「なんばパークス」も徒歩圏内にある。

 アパグループは、2025年に開催決定した大阪万博による需要の拡大を見込み、大阪エリアにおいて大型ホテルの開発に注力している。

※西日本:近畿・中国・四国・九州を指す

インテリックス、ホテルと住民で活性化 交流仕掛けるホテルがオープン

2019年12月11日(水) 配信

ホテル外観

 中古マンションを改修・販売するインテリックス(山本卓也社長、東京都渋谷区)は2020年1月下旬、東京都台東区の鶯谷に訪日客向けホテル「LANDABOUT(ランドアバウト)」をオープンする。内装は東京・谷中エリアを中心に、民家改修でまちづくりを推進するHAGI STUDIOが仕上げた。宿泊客と地域住民が交流できる鶯谷の新しい拠点にしたい考えだ。

 コンセプトは「国内外を問わず多様な人々が利用する身近で新しい出会いの場」。宿泊客をはじめ、地元住民にも利用してもらうため、交流を促す仕掛けを取り入れる。

 レストランは地元住民が気軽に入れるように、パブリックなものとして地域に開く。コーヒースタンドやスタンドバーを備える。レストランの料理は、小分けし、共有できるように配慮する。上映会やコンサートを実施できる設備を導入し、地域住民を巻き込んだイベントを実施する。 

 同ホテルには地域の観光情報を案内する「コミュニティーマネージャー」が常駐する。コミュニティーマネージャーは地域の観光情報を集めるほか、おすすめコースなどを提案する。

 俊成誠司副社長は12月11日に開いた発表会で「メインターゲットは訪日客になる。利用全体の7割程度を見込んでいる」と増加する訪日需要を取り込みたい考えを示した。

俊成副社長

 ホテルの従業員は外国語を話せる人材を採用する。12月11日時点で、英語や中国語、韓国語などを話せるスタッフを雇っている。今後はホテルでの対応言語を増やしていく方針。

 同社一押しの客室はテラス付きで、部屋から東京スカイツリーを見ることができるDXツイン。このほか、同ホテルでは大人数での利用に対応するため、部屋をつなぐコネクティングドアも採用する。同機能は部屋の一部の壁をドアにすることで部屋をつなげることができる。

DXツイン。テラス付きで東京スカイツリーを見ることができる

 客室数は全169室。価格は1人4千~8千円(税別)を想定している。アクセスは鶯谷駅から徒歩で約3分または入谷駅から徒歩5分ほどとなっている。同社のホテル事業は3軒目となる。客室稼働率は80%以上を目指す。

 山本社長は「我われとホテルの利用者、地域住民と一緒になって地域を活性化していきたい」と意気込みを述べた。

山本社長

 

広島空港発着の遊覧便運航開始 水陸両用でしまなみ海道へ

2019年12月11日(水) 配信

水上を運航する水陸両用機

 せとうちSEAPLANES(岡崎剛社長、広島県尾道市)は2020年1月10日(金)、広島空港を発着する水陸両用機の遊覧便「広島エアポートフライト」の運航を始める。

 2016年の開業以来、尾道市浦崎町のオノミチフローティングポート、18年からは、島根県松江市のなかうみスカイポートを拠点とした遊覧・チャーター便を運航している。これまでに約5500人が搭乗した。

遊覧ルート

 広島エアポートフライトでは、尾道水道や向島、因島、生口島などのしまなみ海道の島々とそれぞれに形の異なった架橋を巡る。オノミチフローティングポートに近い水域で、離着水する。せとうちの多島美を楽しみながら、水陸両用機ならではの水面から空へ飛び立つ醍醐味を体験できるコースだ。

広島エアポートフライト(しまなみ&離着水体験コース)概要

運航日:月、金、土、日、祝日

ダイヤ:午前11:40発 午後0:20着

料金:3万5千円(税込)

申し込み方法:電話申し込み、Web申し込み(Web割引5%)

TEL:予約センター 0848-70-0388(午前9:30〜午後5:00)

東京観光財団、「観光教育の効果」を説明 寺本教授が講演

2019年12月11日(水) 配信

玉川大学教育学部教授の寺本潔氏

 東京観光財団(前田新造理事長)は12月9日(月)、東京都内で旅行会社やホテル、観光関連団体を対象に、観光教育の効果を説明するセミナー「子供たちへの観光教育のススメ」を開いた。同会では、早期の観光教育を訴える玉川大学教育学部教授の寺本潔氏が講師として登壇した。 

  寺本氏は、小学校の社会科の教科書には自動車産業や農業など記載がある一方で、観光については、ほぼ書かれていない現状を紹介。「優秀な人材が観光業以外に興味を持つ可能性がある」と危機感を示した。そのうえで、「観光産業の成長を継続するためには、小学生の段階から観光産業に興味を持ってもらう必要がある」と早期の観光教育の重要性を説明した。 

 さらに、観光への興味を持ってもらうための策として、観光産業の現場で働く人が、学校を訪れる案を示した。やりがいを話すことで、「子供が持つ観光業界へのイメージが変わる」と強調した。

 観光教育の導入が進まない理由の1つとして、「教える側が観光を知らない。観光の指導法が分からない」と指摘。そこで、寺本氏は来春、教師用の手引書を発行する考えを示した。

 初等中等教育の観光教育は今年3月に初めて、東京都中央区でシンポジウムを行ったことから寺本氏は「2019年は初等中等教育の観光教育元年にあたる」との認識を示した。

 参加者に向けて「観光教育の導入事例は少ない。今日のセミナーを踏まえて、観光業界からも観光教育の重要性を広げてほしい」と訴えた。

 東京観光財団は観光教育の普及へ、今後も同様のセミナーをシリーズ化して実施する予定となっている。

傘のシェアリングサービス「アイカサ」を展開するNature Innovation Group、東京駅周辺エリアでのサービスを開始

2019年12月11日(水) 配信

古地図がデザインされた傘

 傘のシェアリングサービス「アイカサ」を展開するNature Innovation Groupはこのほど、東京駅周辺エリアでのサービスを開始した。JR東京駅の各出口、八重洲地下街、東京スクエアガーデン、日本橋高島屋S.C、日本橋三越本店、COREDO室町1など41のスポットで傘を借りることが可能になる。

 「アイカサ」は、2018年12月にサービスを開始した。現在は、渋谷や上野をはじめとした都内全域と、福岡県福岡市で展開。傘スポットは約700カ所ある。利用者は突然の雨に際して傘を購入するのではなく、レンタルし、雨が止んでから最寄りの傘スポットに返却する。

料金表

 貸し出す傘のデザインは、地域ごとに異なっている。東京駅エリアでは、日本橋と八重洲、京橋、大手町、丸の内、有楽町の6エリアの実際の古地図をデザインとして採用し、訪れた人が傘を開いた際に、エリアの良さや楽しさを感じらるようにした。

 制作にあたっては、東京ステーションシティ運営協議会と東京建物がスポンサーとして協力。採用された古地図は1849~50年に制作されたもので、日本橋に店舗を構えているぶよお堂が提供した。

設置場所(一例)

JTB、従業員と企業の持続的成長を支援 新サービス「flappi」を来春開始

2019年12月11日(水) 配信

(左から2番目)JTBの髙橋広行社長

 JTB(髙橋広行社長)は12月11日(水)、JTBベネフィット(中村一郎社長)を通して、従業員と企業の持続的成長をサポートする新サービス「flappi(フラッピ)」を2020年4月から提供を開始すると発表した。同グループが目指す「第三の創業」を実現するための解決策として「EVP(Employee Value Proposition=従業員にとっての価値向上)」に取り組む。

 来春からサービスを開始する「flappi」は、従業員一人ひとりの多様な情報や行動データを収集後、AI(人工知能)などで分析して個別に適切な情報をフィードバックする。従業員は診断結果から自らの強みや課題などに気づくことで、自発的な行動につながったり、充実した生活が送れるようになることが期待できる。

 さらに可視化されたデータを基に、企業には組織の課題と解決策を提供。組織と人材の両面から企業の成長を支援する。

JTBの髙橋広行社長

 JTBの髙橋社長は、同日に東京都内で開いた会見で「『EVP』が、多くの企業にとって重要な経営課題になっている」とした。

 そのうえで、「JTB独自のソリューションモデルを提供することで、従業員と企業の関係性を従来のステージからアップグレードすることを目指したい」と力を込めた。

 5年後の目標は、導入企業200社、売上20億円を目指す。

 なお、同サービスの開発・提供にあたり、コンサルティング会社のシグマクシス(倉重英樹会長)と、リーダー育成のビジネススクールを経営するグロービス(堀義人代表取締役)と戦略的提携を行った。両社はサービス開発と運営に携わっていく。

稚内-利尻島・礼文島航路に新造船「アマポーラ宗谷」就航 ハートランドフェリー、20年2月4日から

2019年12月11日(水)配信

アマポーラ宗谷(進水式のようす)

 ハートランドフェリー(札幌市)は、2020年2月4日(火)から稚内-利尻島・礼文島航路に、新造船「アマポーラ宗谷」を就航させる。

 旅行スタイルが多様化するなか、1等アイランドビューシートやキッズルーム、ベビールーム、ペットルームを同航路で初めて導入した。新しい船の就航で、稚内-利尻・礼文を結ぶ全船のバリアフリー化も完了した。

新しい船の特色

 フェリー業界初!ポケモンのアローラロコンとロコンがキッズルーム、ベビールームに

 全国のフェリー会社として初めて、ポケモンのアローラロコンとロコンをデザインしたキッズルームとベビールームを設置する。2018年10月の北海道と株式会社ポケモンの包括連携協定に基づき、道の魅力を広く発信するため、「北海道だいすき発見隊」を結成。アローラロコンが隊長、ロコンが副隊長に任命されている。今回の取り組みは、北海道、株式会社ポケモン、ハートランドフェリー3者の連携により、離島航路活性化の一環として実現した。

 1等アイランドビューシートを新設

 全面が窓になっている1等アイランドビューシートを新設した。目の前に広がるオーシャンビューと日本百名山の利尻山や礼文島を眺める船旅が楽しめる。リクライニングシートには、船名と船体 カラーになった利尻島固有種の「リシリヒナゲシ」の柄をあしらった。 

 稚内-利尻・礼文航路初! ペット―ルームを新設
 わずかな時間もペットと一緒にいたい人におすすめのペットルームを新設した。6つのペットケージを用意している。

アマポーラ宗谷

おもな船室:
 特別室           定員8人(4人×2部屋)
 1等アイランドビューシート 定員70人
 1等和室          定員14人
 2等指定          定員148人
 2等            定員255人(夏季は310人)
総トン数:4,250トン
全長  :96・5メートル
幅   :15メートル
速力  :19・1ノット
旅客定員:495人(夏季550人)
車両積載:8トントラック21台(乗用車のみ53台)

 船名「アマポーラ宗谷」のアマポーラは、スペイン語で「ひなげし」を指す。利尻島固有の「リシリヒナゲシ」にちなみ命名した。

木村カエラさんがプロデュースしたラブベンチ、渋谷区に登場

2019年12月11日(水)配信

(写真左から)設置したベンチに座る木村カエラさん、渋谷区長の長谷部健さん

 渋谷区観光協会(金山淳吾代表理事、東京都渋谷区)は12月10日(火)、新しい観光資源・観光スポット開発の一環として、歌手の木村カエラさんがプロデュースしたラブベンチ「INFINITY LOVE BENCH(インフィニティ・ラブ・ベンチ)」を、渋谷区川沿いの2―3地区(渋谷ブリッジ近く)に設置した。

 発案の背景には、JR安和駅(高知県須崎市)にある通称「ラブラブベンチ」が存在する。同ベンチは多くの人が足を運び、観光スポットとしてのにぎわい創出につなげている。ベンチや座る場所の少ない渋谷区も、観光資源・観光スポットになりうるベンチを設置したいとの思いから企画を始めた。椅子のデザインを渋谷に縁がある木村カエラさんに依頼し、世界に一つだけのベンチを完成させた。

 今回制作した「INFINITY LOVE BENCH」は、設置後に渋谷区へ寄贈。同協会では、地域の人や渋谷で働く人、遊びに来た人などの老若男女に利用されることで、温かみのある多様なラブストーリーが生まれることを期待している。あわせて、ベンチで記念撮影をした際に、ハッシュタグ「#シブヤラブベンチ」をつけてSNS(交流サイト)投稿をお願いしている。

 ベンチの製作過程などは、12月23日(月)に日本テレビ放送の番組「ZIP!」内で放送予定と伝えている。なお、生放送のため放送日が変更になる場合もある。

「INFINITY LOVE BENCH」の特徴

①椅子の角度効果により自然に寄り添う構造

 通称ラブラブベンチと言われている由来でもあるが、座る部分に角度があり、2人で座ると自然に寄り添う構造になっている。

②災害時にも活用出来る携帯充電機能を搭載

 椅子の裏に、携帯の充電ができるUSBが搭載されている。太陽光で充電を可能にしているため、災害時などの緊急時にも使用できる。

③木村カエラさんによる総合プロデュース

 アーティスト活動としても注目を集め、渋谷にも縁ある木村カエラさんに総合プロデュースを担ってもらい、椅子のデザインから色塗りまで、一つ一つを手作業で行った。椅子の名称「INFINTY LOVE BENCH」の名付け親でもあり、「愛は永遠であり無限の力」と、メッセージが込められている。

「INFINITY LOVE BENCH」概要

「INFINITY LOVE BENCH」の設置場所(写真クリックで拡大)

ベンチ名称:INFINTY LOVE BENCH(インフィニティ・ラブ・ベンチ)

設置日:12月10日(火)

設置場所:渋谷区川沿い 2―3地区

製作:一般財団法人渋谷区観光協会

寄贈先:渋谷区役所土木課

施工会社:KAMARQ HOLDINGS PTE.LTD.