宿研、ゆこゆことシステム連携 温泉宿のシニア層集客を強化

2019年10月29日(火)配信

宿研の部屋在庫一元管理システムに「ゆこゆこ」が提携サイトとして加わる

 宿泊予約経営研究所(宿研、矢津達彦社長、神奈川県横浜市)は2019年10月29日(火)、ゆこゆこホールディングス(ゆこゆこ、吉田周平社長、東京都中央区)が提供する宿泊予約サービス「ゆこゆこ」と、11月12日(火)からシステム連携を始めると発表した。宿研と契約すると無料で使える部屋在庫一元管理システム「宿研サイトコントローラー」に、新しく「ゆこゆこ」が提携サイトとして加わった。

「宿研×ゆこゆこ」連携のメリットとは

 宿研の「宿研サイトコントローラー」と「ゆこゆこ」がシステム連携をすることで、宿と旅行者の双方に以下のようなメリットがあるという。

【宿のメリット】

・他OTAとまとめて宿研に管理・コンサルティング委託ができるため、管理業務の削減ができる。

・50代以上の会員が80%を占めるゆこゆこで販売するため、平日予約のシニア層が獲得しやすくなる。

・温泉宿に特化したゆこゆこで販売することで、宿の温泉ブランドを高めることができる。

【旅行者のメリット】

・宿研契約宿のゆこゆこ登録が促進され、ゆこゆこで予約できる宿が増える。

宿研サイトコントローラーとは

 宿研が提供する、無料の部屋在庫一元管理システム。ゆこゆこのほか、じゃらんnet、楽天トラベル、Booking.comをはじめとした計14サイトとシステム連携をしている。

 システムとサービスの詳細は、宿研公式サイトから確認をお願いする。

ウィラー、観光MaaSアプリ正式リリース 2次交通不足の課題解決を

2019年10月29日(火) 配信

正式リリース

 WILLER(村瀨茂高代表)は10月28日、「ひがし北海道エリア」と「京都丹後鉄道沿線エリア」で使える観光MaaSアプリ「WILLERSアプリ」を正式にリリースした。日本の地方が抱える観光における2次交通不足の課題解決を目指す。

 「WILLERSアプリ」は、行きたい観光地や体験したいアクティビティ、それらのための鉄道やバス、タクシー、レンタカーなどの交通も含めて1つのアプリ上で「検索、予約、決済」ができる。

 出発地から目的地へのルート検索はもちろん、ルート周辺に表示されたアクティビティや交通、観光スポットなども、目的地として追加することが可能。旅程は、自分の好みで作り上げることができるようにした。

 旅の行程内で事前予約可能なものは、交通だけでなく追加したアクティビティなども含め、一括決済ができる。選択できる交通やアクティビティには、ケーブルカーや遊覧船、ホーストレッキングなどもあるという。

 「観光地へのラストワンマイルを充実させるとともに、 季節に合わせた最適なコンテンツを組み合わせることで移動の体験価値が向上し、 より快適な個人旅行ができる」(同社)と自信をみせる。

同社HPより

 Android版に加え、同日にiOS版をリリース。 現段階で利用可能なエリアは「ひがし北海道エリア」と「京都丹後鉄道沿線エリア」で個人旅行者を対象としている。

 なお、「今後は各エリアでお客様に喜んでもらえるようななキャンペーンも展開する予定」(同)という。

WILLERSアプリ概要

対象OS:iOS、 Android

特徴:目的地までのルート検索、オススメ周辺スポット情報の表示・検索、周辺の交通・アクティビティの追加・選択、追加選択したアクティビティの一括予約・決済、デジタルチケットの表示

アプリ詳細ページ: 

ダウンロードページURL:

[iOS] 

[Android] 

▽ダウンロード用QR(iOS版)

ダウンロード用QR(iOS版)

▽ダウンロード用QR(Android版)

ダウンロード用QR(Android版)

商業施設のテーマはファクトリー 10月31日、「横浜ハンマーヘッド」オープン

2019年10月28日(月) 配信

製造工程を見学できるのも特徴(写真=ありあけ ハーバースタジオ)

 横浜・みなとみらいに10月31日、客船ターミナルとホテル、商業施設で構成される「横浜ハンマーヘッド」が開業する。商業施設は「ファクトリー」をテーマに掲げ、製造工程見学やお菓子作りなどが楽しめるのが特徴。新業態、初出店を含む25店舗で、同施設限定の体験やグルメに出会える。

25店舗が出店(写真=麺厨房あじさい、味彩スペシャルラーメン)

 鎌倉紅谷(神奈川県鎌倉市)が運営する「Kurumicco Factory」では、クルミを使用した焼き菓子「クルミッ子」の製造体験が楽しめるワークショップを土、日、祝日限定で実施する。クラフトマン(菓子職人)が「クルミッ子」づくりだけではなく、店舗内の工房で完成までの工程も解説する。

 併設の工房は全面ガラス張りになっており、来店者は製造過程を見ながら買い物ができる。また、カフェスペースでは、クルミッ子を素材に使用したオリジナルの和洋スイーツが味わえる。

 HUGEは、醸造所と蒸留所、焙煎所が併設された体験型レストラン「QUAYS pacific grill」をオープンする。店内で醸造された「ナンバーナイン・ブリュワリー」(クラフトビール)や蒸留された「ナンバーエイト・ディスティラリー」(ジン)、焙煎されたハンマーヘッド・ロースタリー(コーヒー)を、サーモンや牡蛎などとともに楽しめる。

ジン蒸留所を眺められるバーエリア

 レストラン関係者は、「国内でもジンの蒸留所を併設したレストランは珍しいと思います。それぞれを組み合わせたオリジナルカクテルもあるので、蒸留所などを眺めながら思う存分、飲食を楽しんでください。今後は、季節限定のクラフトビールなども醸造していきます」とPRする。

京都水族館、チンアナゴの日にイベント開催 11月11~30日

2019年10月28日(月)配信

11月11日の「チンアナゴの日」にちなんだ企画を展開

 京都水族館(松本克彦館長、京都市下京区)は2019年11月11日(月)~30日(土)まで、11月11日の「チンアナゴの日」を記念して、チンアナゴの魅力や生態を知るイベント「11月11日はチンアナゴの日 2019」を開く。

 「チンアナゴ」はウナギ目アナゴ科に属する海水魚の一種。巣穴に入って水中をゆらゆらと漂う姿がユニークな姿が数字の1に見えることから、2013年に同グループのすみだ水族館と日本記念日協会に申請し、同記念日として認定された。

チンアナゴにちなんださまざまな企画を展開

 同館は、常設で「チンアナゴ」と「ニシキアナゴ」の2種を展示。イベントでは、チンアナゴの魅力や生態に迫るさまざまな企画を展開する。チンアナゴの生態を学ぶ「激ムズ!チンアナゴ検定」では、水槽をじっくりと観察して難問クイズに挑戦できる。全問正解すると、同館認定の「チンアナゴマスター」になれる。

 フィーディングプログラム「ぱっくんごはんタイム~チンアナゴ~」では、特別バージョンとして、普段は砂に隠れていてなかなか見ることのできないチンアナゴの全身を公開する。ごはんを食べるようすのほか、体長約30㌢もの長い体をしたチンアナゴが砂に潜っていくようすを観察できる。

 そのほか、「教えて!チンチャンネル」と題し、チンアナゴやニシキアナゴの貴重な瞬間をとらえた映像を、不思議な生態などの解説を交えて放映。そのなかで、ニシキアナゴの同館での産卵のようすや仔魚の姿を初公開する。イベント期間中は毎日、名前の由来や生態など、見た目以外もユニークなチンアナゴの豆知識“チンアナ語録”が書かれた全8種類のしおりを入場時に配布する。

「11月11日はチンアナゴの日 2019」概要

1.チンアナゴに関する難問に挑戦!「激ムズ!チンアナゴ検定」

全問正解したらスタンプを押そう!

 チンアナゴを展示する水槽や映像を見ながら、生態に関する難問クイズに挑戦し、チンアナゴに関する知識を高める検定シート。全問正解すると 、京都水族館オリジナルの「チンアナゴマスター認定スタンプ」を押すことができる。

開催期間:2019年11月11日(月)~30日(土)

開催時間:午前10:00~午後6:00

開催場所:「交流プラザ」特設ブース ※なくなり次第終了

料金:無料 ※別途京都水族館への入場料が必要

2.記念日限定特別バージョン「ぱっくんごはんタイム~チンアナゴ~」

チンアナゴのごはんのようす

 通常行っているチンアナゴのフィーディングプログラムを、イベントに合わせた特別バージョンで届ける。ごはんを食べるようすのほか、特別にチンアナゴを各回1匹ずつ水槽に入れ、砂に潜る前の長いチンアナゴの全身を公開。砂に潜っていく瞬間を観察することができる。

開催期間:2019年11月11日(金)~30日(土)

開催時間:

 平日 午前11:15、午後4:30

 土日祝 午前11:15、午後4:00

開催場所:「交流プラザ」

料金:無料 ※別途京都水族館への入場料が必要

3.チンアナゴの貴重な瞬間の映像を公開「教えて!チンチャンネル」

「教えて!チンチャンネル」

 チンアナゴが威嚇し合うけんかのようすや、全身を砂から出して水中を泳ぐようすなど、貴重な瞬間をとらえた映像をわかりやすい解説を交えて放映する。京都水族館では初となる、ニシキアナゴの産卵のようすや仔魚の映像も観覧できる。

実施期間:2019年11月11日(月)~30日(土)

実施時間:午前10:00~午後6:00

実施場所:「交流プラザ」

4.チンアナ語録を紹介「チンアナゴしおり」

しおり(イメージ)

 チンアナゴの名前の由来や泳ぎ方など、見た目以外にもユニークな生態の豆知識が書かれたしおりを入場時に配布する。しおりは全8種類あり、どのしおりが当たるのかはお楽しみ。

開催期間:2019年11月11日(月)~30日(土)

開催時間:午前10:00~午後6:00 ※なくなり次第終了

配布場所:「チケット改札」※再入場は除く

料金:無料 ※別途京都水族館への入場料が必要

 ※しおりを選ぶことはできない

「KAWAII」テーマ 特別な宿泊施設を限定提供 増田セバスチャン氏とコラボ ブッキング・ドットコム

2019年10月28日(月) 配信

3泊限定

 ブッキング・ドットコム・ジャパンはこのほど、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅなどのプロデュースをしている増田セバスチャン氏とコラボレーションした特別な宿泊施設「KAWAII Japanese Room – Addicted to TOKYO」を計3泊分限定で提供すると発表した。10月29日(火)午後7時に世界同時に予約受付を始める。当選は先着順となっている。

 日本のKAWAII文化と「和」を融合させた宿泊施設で、十二単のような柄×柄の空間と、増田氏のアイコンでもある「キノコ」と「クマ」も使用し、「Bookingらしからぬ部屋」(同社)に仕上げた。アパートメントホテル「MIMARU東京 赤坂」の一室を、このためだけに改装している。

 1泊当たりの料金は2020円と破格。「来年の東京で開催される国際的イベントにちなんだプライス」(同社)だという。日程は11月13~14日、11月14~15日、11月15~16日のみ。

室内イメージ

 国外ではMen in Blackやアダムス・ファミリーなどとコラボした今回のような企画があったが、これまで日本で提供されることはなかった。

 宿泊者特典として、「KAWAII Japanese Room – Addicted to TOKYO」限定の浴衣を用意した。部屋で使用されているさまざまな柄を1つに集約。宿泊中の寝巻として使うことはもちろん、持ち帰ることもできる。

 なお、期間中に「MIMARU東京 赤坂」に宿泊した人も、ルーフトップで今回の世界観を味わうことができる。増田氏のもう1つのアイコンであるキノコを大胆にあしらい、「ビルに囲まれた東京のど真ん中で、KAWAIIを体験することができる」(同)という。

 13~15日の3日間に、午後3時から9時にルーフトップに足を運ぶと、ノベルティとして1日先着100人にオリジナル手ぬぐいをプレゼントする。

ルーフトップに現れる異空間

 同施設を監修した増田氏は「東京から生まれる魅力的なカルチャーは世界の人たちを夢中にさせる。その理由は創意工夫とオリジナリティ。Too muchに見えるが、無数の色や柄に自分が溶け込むような心地よさ、そんなJapaneseな部屋を目指した」とコメントした。

日本初の「KAWAII Japanese Room- Addicted to TOKYO」予約方法

 10月29日(火)日本時間午後7時にブッキング・ドットコムの予約ページから、世界同時に受付が始まる。

1泊あたりの料金: ¥2,020(税込)

住所: 東京都港区赤坂7-9-6

予約: 予約に関する詳細は下記から

増田セバスチャンについて

増田セバスチャン氏

  アーティスト、 アートディレクター。1970年生まれ。90年代より演劇・現代美術の世界で活動をはじめる。1995年より原宿に活動拠点を持ち、一貫した独特な色彩感覚からアート、ファッション、エンターテインメントに渡り作品を制作。

 日本のKAWAII 文化を牽引する第一人者としても知られ、 2011年きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」MV美術、 2015年「KAWAII MONSTER CAFE」プロデュースなど、 世界にKAWAII文化が知られるきっかけを作った。

 2014年にニューヨークで個展「Colorful Rebellion -Seventh Nightmare-」を開催。2017年度文化庁文化交流使としてオランダ、南アフリカ、アンゴラ、ボリビア、ブラジル、アメリカ各地で講演、ワークショップ、作品制作を行う。

  2020年に向けた参加型アートプロジェクト「TIME AFTER TIME CAPSULE」を世界各地で展開中。 世の中に存在するすべての事象をマテリアルとして作品を創造しつづける。 平成29年度文化庁文化交流使、 京都造形芸術大学客員教授、 ニューヨーク大学客員研究員。

白川郷の「村まるごとガイドマップ」公開へ 歴史や文化、生活などをより深く

2019年10月28日(月) 配信

スマートフォンがガイドブックに

 白川郷の地域価値向上を目指す合掌ホールディングス(鈴口悦子代表、岐阜県・白川村)は2019年11月1日(金)、訪客向け音声ガイド付き英語マップ「村まるごとガイドマップ」を公開する。村全体を1つの博物館や美術館のように捉え、スマートフォン上で白川郷の歴史や文化、生活風土などを学ぶことができる。

 白川村や高山市、飛騨市、浅草で同社が行った街頭インタビューによると、豪欧米の訪日外国人は現地の歴史や文化、生活風土に高い興味を示していることが分かった。

グローバル・デイリー社とのインタビュー風景

 とくに白川村のような歴史や文化を継承している地域では、 「どのような生活している人がいるのか?」「後継者問題は深刻か?」「この地域のメインの収益源は何か?」など、地域をより知りたいという質問が多数あった。

 「これらの知的好奇心に対応するマップが必要だと感じた」(同社)。これまでの観光名所を列挙するだけのようなマップでなく、白川村の歴史や文化、生活などをより深く知ることができるように仕上げた。マップによって地域の周遊を促し、滞在時間を増やす狙いもある。

 村まるごとガイドマップ の3つの特徴

マップのイメージ

1.現地の歴史・文化・生活風土などに興味を持つ外国人旅行者向けの音声ガイド付きマップ

2.村全体を1つの博物館や美術館のように捉え、 音声ガイドと共に楽しむことが可能

3.観光客のスマートフォンからアクセス可能で紙の地図を減らしていくエコな取り組み

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(177)」かつての軍事要塞の島、猿島(神奈川県横須賀市)

2019年10月27日(日) 配信

横須賀製鉄所を描いた絵図面(横須賀市自然・人文博物館所蔵より引用)

 「かつて横須賀は日本有数の観光地であった」。2014(平成26)年末制定の横須賀市観光立市推進条例の前文である。自らの地を「観光地」と思う市民は少数派であり、驚きの声で迎えられた。

 横須賀が観光地のようににぎわったのは、幕末の1865(慶応元)年、この地に横須賀製鉄所が開かれたときのことである。当時の近代産業の最先端施設である製鉄所を一目見ようとする観光客であふれ、多くの旅籠が軒を連ね、日本初の観光マップもつくられた。マップには遊覧船が浮かぶようすが描かれているが、いま横須賀で人気の軍港クルーズ船を彷彿とさせる。観光とは地域の「光」を見るという意味だが、その光がまさに横須賀製鉄所であったのである。

 では何故、こんな前文が生まれたのか。横須賀は日本初の軍港都市(海軍鎮守府)として発展し、戦後は自動車産業や造船・機械など製造業中心の産業都市として発展してきた。このため長い間、「観光」という産業は忘れ去られていた。しかし、人口減少と相次ぐ製造業の撤退、基幹産業の停滞が続き、新たな産業振興が強く求められていた。それが地域の新たな産業を誘発し、地域を活性化させる観光であった。

 この条例に基づき、横須賀市観光立市基本計画とアクションプログラムが策定され、また昨年2月には「横須賀再興プラン」も制定され、横須賀は観光に大きく舵を切った。

 最新の横須賀再興プランは、これから目指すまちづくりの3つの方向性を示した。「海洋都市」、音楽・スポーツ・エンターテインメント都市、そして個性ある地域コミュニティーのある都市である。

 とりわけ海洋都市づくりは、横須賀の古くて新しい大きな課題である。久里浜・浦賀の歴史から、現在地に海軍鎮守府が置かれた歴史をみても、横須賀が海洋都市として発展してきたことや、これからも海洋を生かした都市づくりに優位性があることは言うまでもない。三浦半島の付け根にあり、東京湾防御の要の位置にある地政学的な優位性が、横須賀の歴史を生んできた。

かつての軍事要塞の島、猿島

 海洋の活用は、ウィンドサーフィンワールドカップをはじめ、温暖で大都市に近い地の利を生かして、横浜DeNAベイスターズの総合練習場、横浜F・マリノスの練習場の誘致などが特筆される。同時に、日本遺産に認定された鎮守府都市の歴史を生かすために、この10月までアニメONE PIECEイベントでにぎわう猿島や走水などの砲台、浦賀ドック、戦艦三笠、ヴェルニー公園などを回遊できる「ルートミュージアム」の整備も楽しみである。最近では、首都防衛のための海上要塞として建設された第二海堡の上陸ツアーなども注目されている。

 海洋都市としての魅力づくりは我が国全体の課題だが、日本開国の地である横須賀が再びその先端を拓いてほしい。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

「トラベルスクエア」微細な積み重ねが問題

2019年10月26日(土) 配信

英国の元祖旅行代理店「トーマス・クック」社が倒産

 やはり9月末に起こった英国、旅行代理店の元祖にして老舗、トーマス・クック社の倒産がショックだ。詳しい分析はこれから出るのだろうが、一方で「起きるべくして起きた」という印象もあるが、どんなに歴史があっても潰れるときは一瞬、というのは諸行無常だなあ、と思う。
 
 現実の死因は、中国資本からの資金注入の道が閉ざされ、キャッシュフローが止まってしまったことのようだ。すでに、1年前には経営悪化で中国から1千億円余りの資金援助を受けていたようだが、すでに焼石に水状態だったのか、すぐに資金ショート。追加融資を求めたが、そこで振られてジ・エンド。
 
 表面的にはブレグジット問題と今夏、欧州を襲った熱波で旅行需要が激減したことによる販売不振が引き金になったと言われるが、問題の本質はそこにはないと考える。
 
 レイモンド・チャンドラーが犯罪について語った名言、「犯罪は病気そのものじゃない。ただの症状なんだ」を借りれば、「倒産は病気そのものじゃない。ただの症状にすぎない」となる。
 
 結局、旅行代理店としての社会での存在意義の低下が倒産という症状を生み出した病根だろう。
 
 それはすでに云云かんぬんされている。ネットによる消費者のエージェント離れということだろう。旅行しようというとき、かつては交通手段についても、ホテル予約に関しても、エージェントに頼むのが早くて、楽だった。それがネットで消費者が自前でやれるようになった。「別に、トーマス・クックなくても旅行できるよね」という消費者の小さな、小さな声が積もり積もっていく。それを放っておいたことが、企業の頓死という症状を生んでしまう。
 
 そんなこと、当たり前でしょ、という声が聞こえてきそうだし、何年も前から警戒信号を出し続けてきたという人もいるだろうが、どれだけ本気だったかというと、かくいう僕も含めて、頭を丸めなければいけないと自戒する。
 
 微細な、とりあえず放っておいてもいいような「不満」の蓄積は、心の奥底で起きていることなので、なかなか察知できない。
 
 結果として、トーマス・クックをこのような症状に追い込んだネット予約の波だって、これからどうだろう? 今の宿泊サイトは確かに便利かもしれないが、僕などその都度、会員登録を要求されたり、身元保証の手続きが何度もあったり、小さな不満が溜まりつつある。もしかしたら革命的な検索エンジンが現れて既存のネット体系を一気に過去のものにするかもしれないではないか。
 
 「頓死」を避けたいのなら、当たり前の日常に潜む、「微細な不満」の小さな小さな声に謙虚に耳を傾ける習慣が必要だ。

 

 

コラムニスト紹介

松坂健氏

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

 

浅草六区が新PJ開始、週末はキッチンカー出店の歩行者天国に

2019年10月25日(金)配信

新プロジェクト記者発表会のようす

 浅草六区エリアマネジメント協会(安田和章代表理事)は2019年10月25日(金)、国家戦略道路占用事業に認定された浅草六区ブロードウェイを活用した新プロジェクト「浅草六区-Connect with the world-」の開始を発表した。浅草六区ブロードウェイを全面開放し、国内外とつながり、共存・還元していく持続可能な文化を発信するさまざまな取り組みを行っていくとする。

 浅草六区ブロードウェイでは、PJの皮切りとして25日(金)・26日(土)の2日間に「桐生八木節まつりin浅草」を開催。さらに毎週末、スマートフォンで注文・支払い可能なキッチンカーが出店する「TOMODACHI STREET」を実施する。日本各地の唯一無二な文化である“祭り”を同地に誘致し、“国内外問わずコミュニケーションが活性化する場”として整備し開放していくことに取り組む。

 浅草六区では、今後も国家戦略特区での規制緩和などを最大限に生かし、国や行政、民間企業や地域の関係団体と連携。人や文化が集い、コミュニケーションを活性化する場を作ることで、世界とつながり、文化を発信する興行街としてのさらなる躍進を狙う。

10月25・26日に「桐生八木節まつり in 浅草」

浅草六区で過去に開催した「桐生市八木節まつり」のようす

 東京都台東区に位置する浅草は、昨年度に年間5583万人の観光客が訪れた。国内はもちろん、多くの外国人観光客が訪れている。観光客数の多い浅草で、地方の独自文化の結晶である“祭り”を披露する場を提供。外国人観光客にとっては“日本らしさ”の体験を、日本人観光客や地元の人には「まだ知らない日本」を知ってもらい、地方が抱える観光課題の解決を目指す。

 第1弾は、群馬県桐生市の桐生八木節まつりが催される。

期間:2019年10月25日(金)・26日(土) ※25日は雨天中止

 午前11:30~午後5:30 ※雨天中止・小雨決行

内容:

 本番さながらの櫓が登場し、群馬県桐生市による演舞披露やみんなで踊る一般参加タイムのほか、群馬県桐生市のPRブースが設置される。

毎週金・土・日・祝日は「TOMODACHI STREET」

「TOMODACHI STREET」イメージ

 浅草六区周辺は、来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ホテルの開業や建設ラッシュが続き、外国人観光客にとっては観光するだけでなく、宿泊する“場”にもなっている。

 しかし、観光地特有の課題である夕食や社交場を含めた“ナイトライフ”の充実に、街として対応し切れていない。官公庁調査の「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」では、訪日外国人観光客から観光シーンでの“コミュニケーション不足”が不満として上位に上がり、観光立国を目指す日本では大きな課題とされる。

 そこで、浅草六区はナイトライフの充実をはかり、美味しい食事を楽しみながら、国境や言葉の壁を越えた国際コミュニケーションを促す“場”を提供する。

期間:2019年10月25日(金)以降の毎週金・土・日・祝日 ※25日は雨天中止

 午前11:00~午後9:00 ※雨天中止・小雨決行

内容:

 来店者のスマートフォンで12言語の注文と支払いが可能なキッチンカーが、最大約19台出店。インバウンド対策とキャッシュレス対策を実施する。さらに、浅草六区ブロードウェイ上のパラソルとテーブルには翻訳機を設置し、国際交流を促す仕掛けづくりを行う(12月以降設置予定)。

会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」、Bluetooth機能搭載の新サービス開始

2019年10月25日(金) 配信

COCOHELI PREMIUM

 AUTHENTIC JAPAN(久我一総代表、福岡県福岡市)が運営している山岳での遭難を対象にした会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」はこのほど、会員証(発信機)にBluetooth機能を搭載したCOCOHELI Premium(ココヘリプレミアム)の受付を始めた。

 専用受信機でなければ探すことができないために、「自宅で会員証を紛失した場合に自分では探せない」点と、「山へ行く時以外は使えない」――2点の課題を解決するために、Bluetooth機能を搭載した。スマートフォンとの連携が可能になり、子供の迷子対策や、荷物やカギの紛失防止、駐車場での車探しなど、日常生活での利用が広がる。

 COCOHELI Premium会員には、従来のココヘリ会員へ付帯する補償制度のほかに、動産総合保険を追加、同モデルを装着した物品の盗難や破損に対して2万円まで補償する。

会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」

 遭難や滑落などの山岳遭難を対象にした会員制の捜索ヘリサービス。2019年10月現在の会員数は約3万人。

 発信機となる会員証を貸与し、もしもの際は上空から会員の場所を特定、目視捜索などで起きる人為的ミスが無く、迅速かつ正確な位置情報を救助組織へ引き継ぐ。最も時間を要する「捜索時間」を大幅に短縮し、生存率の向上や失踪者の減少につながる。

 民間の航空会社と提携し、全国の山域はすべてカバー。全国34都道府県の警察や防災ヘリ、ハイパーレスキューなどに導入されている。過去1年間では22件の遭難案件を解決した。

COCOHELI Premium ココヘリ・プレミアム
https://hitococo.com/cocoheli_premium/