ユニゾインが、JR金沢駅近郊にオープン

2017年11月17日(金) オープン

所在地は、「石川県金沢市尾山町3-30」JR金沢駅からも徒歩圏内だ

「ユニゾイン金沢百万石通り」が11月17日(金)、JR金沢駅近郊にオープンする。快適さと安全を追求したコンセプトは、女子旅でも安心して利用できそうだ。

 ホテル館内のエレベーターにはセキュリティカードを導入。宿泊者以外の利用や、利用階以外への立ち入りを制限した。全室で利用できるWi―Fiはセキュリティ機能付きで、個人情報の流失を防ぐ。163室のシングルだけでなく、セミダブルとツインをそれぞれ43室、13室用意した。ビジネスと観光、双方の目的を満たす。

 JR金沢駅(兼六園口)から徒歩で15分。路線/観光周遊バス/空港リムジンバスの停車する「武蔵ヶ辻・近江町市場駅」からは徒歩3分で、立地も良い。飲食店(イタリアンバル)も併設する。予約受け付けは下記公式ホームページから。アンケートに答え当選すれば、無料で宿泊できるキャンペーンも11月30日まで実施中だ。

金沢のホテルご宿泊・ご予約なら|ユニゾイン金沢百万石通りへ
http://www.unizo-hotel.co.jp/inn-kanazawa.h/
ホテルとしての快適性とコストパフォーマンスを両立させたスタンダードな宿泊特化型ホテル

インスタ映え香川 美しい自然とユニークなフォトスポットそろっています

2017年11月6日(月) 配信

打ち立てのうどんは、もちもちの食感がいいアクセント

香川県は11月2日、東京都内でブランド魚「オリーブハマチ」やブランド米「おいでまい」など県産品の魅力を紹介。会場内ではうどん打ちの実演や香川県の「インスタ映え」スポットの紹介なども行われた。

 県は、オリジナル品種を中心に、認定生産者が栽培し、糖度など一定の品質基準を満たしたものを「さぬき讃フルーツ」として推奨するなど、魅力的な食材を多数生産している。例えば「オリーブハマチ」は、特産品であるオリーブの葉の粉末を餌に与えることで、長時間鮮度が維持され、脂がのっていても、さっぱりとした味わいを楽しめる。生産量の関係で首都圏への流通量は多くないが、認知度を高め、県内へ旅行するきっかけになるよう、PRを拡大していく考え。

オリーブハマチは、特製丼に

インスタ映えと年明けうどん 香川県の魅力発信

日の入り前後約30分間のマジックアワーがおすすめ・香川のウユニ塩湖、父母ヶ浜 (三豊市観光交流局提供)

 県内には、ウユニ塩湖に似た風景を撮影できる三豊市の父母ヶ浜や、主人公になりきって写真が撮れる実写映画「魔女の宅急便」のロケ地小豆島オリーブ公園などさまざまなスポットが点在。「インスタ映え」を切り口に、観光誘客に活用。「うどん県旅ネット」では、フォトジェニックな写真を撮る方法なども紹介している。

 香川の食といえば、うどん。県ではうどんに紅いトッピングを添え、元旦から1月15日までに食べることでその年の人々の幸せを願う食文化「年明けうどん」を提唱。12月2日(土)~3日(日)、サンメッセ香川で「全国年明けうどん大会2017inさぬき」を開催。北海道から沖縄、台湾まで24のご当地うどんブースが出店するなど、うどん一色のイベントを開催することで、一層の定着をはかる。

 また来年は「瀬戸大橋」の開通30周年の記念年にあたることから、花火大会など各種イベントを企画するほか、海面175㍍の塔頂を案内する「瀬戸大橋スカイツアーズ」の拡大実施も予定されている。

愛媛県出身の友近、水樹奈々、福岡佳奈子が観光PR 「いやされて愛媛旅~愛と姫の楽園~」記者発表会

2017年11月6日(月) 配信 

左から福岡佳奈子さん、友近さん、中村時広県知事、水樹奈々さん

愛媛県は2017年11月1日(水)、愛媛観光の魅力を発信する記者発表会を東京都内で開き、愛媛県出身のお笑い芸人・友近さん、声優・水樹奈々さん、2017ミス・ユニバース・ジャパン準グランプリの福岡佳奈子さんがゲスト出演した。

 記者発表会は、これから旬を迎える県の代表的な特産品「ミカン」などの柑橘類や、スイーツ、温泉など、愛媛観光の魅力を大都市から発信するため開催された。

 大手宿泊予約サイトの女1人旅ランキングで3年連続1位の道後温泉がある愛媛県。今年は、メディプラス研究所が発表したストレスオフ県ランキングでも全国1位を獲得した。そこで今シーズンの観光キャッチコピーを「いやされて愛媛旅~愛と姫の楽園~」と題し、取材陣の前で愛媛県出身の出演者らが女子旅や、みかんジュースの美味しさなどの魅力をPRした。

愛媛県出身のゲスト出演者らが愛媛の魅力をPR

 水樹さんは「地球上で最後の食事をするとなったら、鯛めしを食べたい!」と、鯛めし愛が炸裂。さらに、「海も山もあって、ご飯も美味しいし、至れり尽くせりの五感が磨かれる場所で、女磨きには最適な場所です」とコメントした。

 友近さんからは、ストレスオフ県ランキング1位になった愛媛県について、自身も毎日愛媛に帰りたいくらいだと語り、会場を和ませた。また、「気分をリセットしたい方はぜひ愛媛に。ちょうどいいコンパクトな街の大きさだと思う。じゃこ天など、美味しい食べ物でストレス解消を!」と語った。

 福岡さんからは、自然がいっぱいで海外のリゾートと見間違えるほどの海の綺麗さ、サンゴや熱帯魚の美しさを紹介。また、「お遍路さんの文化もあり、人柄の良さが一番です」と笑顔でコメントした。

 県知事からは「愛媛県は東予、中予、南予エリアと3つに分かれ、それぞれに魅力がある。今日は3エリアそれぞれの出身のゲストに魅力を語っていただけて嬉しい。ぜひこれを機に愛媛へ」とコメントした。

関連資料

◎いやされて愛媛旅~愛と姫の楽園~(愛媛県観光PR動画)

◎株式会社メディプラス研究所が厚生労働省「ストレスチェック制度」項目を元に調査

発表!ストレスオフ県ランキング2017 第1位は「愛媛県」|オフラボ(メディプラス...
https://mediplus-lab.jp/contents/detail/513/
オフラボによる調査・研究発表リリースのアーカイブです。

◎愛媛観光360度カメラ

◎るるぶ.com 愛媛特集ページ

ジャルパックが、来年春シーズンの商品を発売開始 

2017年11月6日(月) 配信

ジャルパックが、2017年10月31日(火)から、来年春シーズンの商品を売り出した

ジャルパックが、春のオススメ海外旅行商品を売り出した。卒業シーズンの家族旅行など、来年1~6月出発の商品を、取りそろえた。

 アメリカ・カナダと欧州、オーストラリア、グアム・パラオ、アジアなど、各エリア別に商品を用意。公式ホームページから、簡単に購入できる。ゴールデンウィークの商品も豊富だ。各エリアの出発日は以下の通りとなっている。

 エリアやコースによっては、早期予約で割引や特典を得ることが可能。ぜひ、出発日を参考に、旅のスケジュールを予約日からたててほしい。

ハワイ:

2018年1月6日(土)~4月26日(木)

アメリカ・カナダ、ディズニーリゾート:

2018年1月1日(月)~6月30日(土)

オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・ドイツ(欧州):

2018年3月26日(月)~5月7日(月)

グアム・パラオ:

2017年12月1日(金)~4月26日(木)

オーストラリア・ニュージーランド:

2018年1月2日(火)~6月30日(土)

アジア(アジアのリゾート):

2018年1月9日(火)~7月31日(火)

春シーズン商品、エリア・コースのお得情報

ハワイ:

お得な追加料金でビジネスクラスやプレミアムエコノミークラスに変更が可能。

アメリカ・カナダ、ディズニーリゾート:

ビジネスクラス利用の場合、30日前までに予約を済ませば、5万円引き/1人の割引を得られる。

オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・ドイツ(欧州):

参加者2人から催行するツアーが多く、安心して旅の予定を立てることができる。

グアム・パラオ:

一部コースでは、早期予約者には、朝食クーポンをプレゼントする。

オーストラリア・ニュージーランド(オーストラリア・南太平洋):

割引やルームクレジット、夕食など、早めに予約することで得られる特典を用意。エアーズロック滞在コースでは、BBQディナーを無料で楽しめる(120日前に予約を済ませることが必要)。

アジア:

出発の70日前(アジア)または50日前(香港・マカオ・台湾)までに予約を済ませば、5千円引き/1人の割引を得られる。台湾と韓国コースでは、無料でWi―Fi端末をレンタルできる。

江東区観光協会とJTBが連携、江東湾岸スペシャルクルーズ2017年11月11日(土)、12日(日)に実施

2017年11月6日(月) 配信

スペシャルクルーズで五輪を身近に感じる

JTB国内旅行企画はこのほど江東区観光協会(東京都江東区)と連携。江東湾岸まつり2017のオリジナルイベントとして、2017年11月11日(土)、12日(日)に「江東湾岸スペシャルクルーズ」を実施する。

 江東湾岸まつり2017は、江東区内の食や産業・文化について発信し、2020年に向けた機運の醸成と湾岸エリアの観光推進をはかることが目的。同社が行う「江東湾岸スペシャルクルーズ」は、全便、豊洲ららぽーと隣接の豊洲船着場発着となる。

コース紹介

Aコース「競技会場周辺周遊ルート」

 競技会場周辺を巡る特別クルーズ。定期観光船では通らないオリジナルコースを江東区担当者が乗船し案内する。前後の時間では湾岸まつりのさまざまなイベントを楽しむことができる。

日時:
2017年11月11日(土)・12日(日)①午前10:30発/②午後1:30発

旅行代金:大人1500円、子供800円

Bコース「湾岸周辺と競技会場遠望コース」

オリンピアン・パラリンピアンとともにクルーズを楽しむ

 競技会場周辺を遠目に見ながら湾岸の周辺を巡る特別クルーズ。11日(土)はパラリンピアン正木健人選手、12日(日)はオリンピアン田中琴乃さんが同乗する。パラリンピアンやオリンピアンと競技会場予定地を遠望しながら一緒にクルーズを楽しんでみては……。

日時:
2017年11月11日(土)・11月12日(日)午後2:10発

旅行代金:大人1千円、子供500円

※Bコースは、未就学児は大人1人につき2人まで無料。

JTBホームページ(現地観光プラン)から予約が可能。

 

中国国際航空で旅に出よう 豪華プレゼント当たるキャンペーン実施

2017年11月6日(月) 配信

豪華賞品が当たるキャンペーン実施中

中国国際航空はこのほど、「エアチャイナに乗って豪華賞品を当てようキャンペーン」を開始した。中国国際航空日本公式サイトかエアチャイナアプリからの航空券購入が条件。

 賞品は、全国から選べる豪華温泉旅館「おもてなしの宿コレクション」など3種類。10月1日(日)~18年3月31日(土)に成田国際空港や新千歳空港など日本国内9空港を発着する中国国際空港便(共同運航便適用外)の航空券を購入した人が対象。応募締め切りは12月10日(日)となっている。  

「エアチャイナに乗って豪華賞品を当てようキャンペーン」 概要

A賞:

選べる体験ギフトおもてなしの宿 ペア3組

 ※1人2万5千円以上の日本全国の宿泊施設を選択可能。 

B賞:

アマゾンから好きに選べる豪華賞品 5人

※1点3万5千円(消費税・送料込)まで自由に選択可能。 

C賞:

東京ディズニーリゾート ペアチケット10人

※ディズニーランド、ディズニーシーを選択可能。

応募サイト:

                                                                                                      

バイクで訪日需要を喚起、官民連携で推進へ

2017年11月6日(月) 配信 

日本のツーリングコースを世界に発信(画像はイメージ)

オートバイのレンタルサービス「レンタル819」を全国展開するキズキレンタルサービス(松崎一成社長、埼玉県川口市)と広告会社のアドフロンテ(木村謙吉代表、東京都港区)はこのほど、日本政府観光局(JNTO)が行う「ツーリングなどを通じた日本各地の魅力発信による訪日旅行促進事業」を受託した。世界のバイク愛好者に、日本各地におけるツーリングの魅力や情報を発信。官民連携で新たな訪日需要を喚起し、地方へ誘客促進をはかるプロモーションを推進する。

官民連携で推進

 2016年の訪日外客数は前年比21・8%増の2403万9千人と過去最多を記録。外客が日本を訪れる目的は、「ショッピング」などの王道だけではなく、「農漁村での体験」や「サイクリングなどのスポーツ体験」「高度医療の受診」など、コト消費に注目が集まり、多様化してきている。

 整備された高速道路や、英語表示の道路標識、島国ならではの海沿いの道、自然の表情豊かな山間部のカーブが続く道などコースの魅力は多い。何より北から南に延びる国土は、その土地その土地で異なる表情や文化を楽しめる。そんな恵まれた交通環境を持つ日本は、「世界中のライダーにとって絶好のツーリングエリア」(同社)と考える。

 今後、世界中のバイク愛好者にオートバイを使って日本各地の名称や景勝地を回ってもらい、日本の文化や伝統を体験してもらうという新しいジャンルの需要を創造していく。日本のオートバイツーリングコースを紹介し、世界へ発信していく方向だ。

日本には魅力的なツーリングコースが多い(画像はイメージ)

主な推進展開事業

 「オートバイツーリングのファム・トリップ(Familiarization Trip=招聘ツアー)の実施」:海外メディアを招集し日本のツーリングツアーを紹介し、情報を発信してもらう。

 「世界のオートバイ見本市に出展」:世界中で行われているオートバイの見本市に出展し日本のツーリングコースと魅力を紹介。決定出店としてイタリア・EICMA ミラノショーのほか、香港モーターサイクルショー、台湾モーターサイクルショーがある。

「海外営業」:世界の旅行会社やオートバイチームらに日本ツアーの紹介をしていく。

イタリア・EICMA ミラノショー出展

 今回の「官民連携事業」としての事業テーマ「世界のオートバイ見本市に出展」の一環として、11月7日(火)から12日(日)まで開催される、世界最大のMotor Cycle Show「イタリア・EICMA ミラノショー」に、Moto Tours JAPAN株式会社が出展。JNTOとして今後訪日観光客を増やす、戦略的プロモーションとしてSIT旅行の増加をはかる目的を担い出展し活発に活動を行う。

 ※SIT:Special Interest Tourの略。特別な目的を持った旅行のこと。体験型アクティビティや訪問地域での文化鑑賞など、より趣味性の高い旅行。

「レンタル819」サービスとMoto Tours JAPANの概要

 「レンタル819」は北海道から沖縄まで、日本全国にネットワークを広げる国内最大手のオートバイレンタルのサービス(2017年9月30日現在:141店舗)。国内メーカー車はもちろん、海外の高級オートバイも気軽にレンタル可能。自宅近くの店舗、または遠隔地での利用など、利用シーンはさまざまだ。シチュエーションや気分に合わせて多種多様なオートバイを気軽に楽しめる。

キズキレンタルサービス会社概要

名称:株式会社キズキレンタルサービス

本社所在地:埼玉県川口市桜町1-6-11

設立:2010年12月

代表者:松崎 一成

事業内容:「レンタル819」をフランチャイズ本部とするレンタルバイク事業

Moto Tours JAPAN会社概要

名称: Moto Tours JAPAN株式会社

本社所在地: 東京都豊島区千早1-15-17 富士ビル1F

設立:2015年

代表者:松崎 一成

事業内容 : Bike Travel Tourを専門とする会社

アドフロンテ会社概要

名称:株式会社アドフロンテ

本社所在地: 東京都港区北青山2-12-16 北青山吉川ビル6F

設立:2002年5月

代表者:木村 謙吉

事業内容:広告代理店業務

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(82)お迎えに手間を掛ける、運転手が手に持つ傘に

2017年11月5日(日) 配信

銀座の町並み(画像はイメージ)

 その日は、初めて宿泊するホテルにタクシーで向かいました。運転手が「このあたりですね」というところに、それらしきホテルは見当たりません。車寄せと、ドアマンが…とイメージしていたのに、それがないのです。

 「あれかな」と運転手の声でその先を見ると、行き交う人の向うに見え隠れする1人の男性の姿が目に止まりました。そこでタクシーを止め、ドアを空けてもらうと、その男性が掛け寄って来て「西川様ですね」と声を掛けてきました。

 初めて予約したホテルに到着して、こんなに驚くような対応をされるとは思っていませんでした。ただ、以前に同じような場面に出会った記憶があります。私の大好きな東京のレストラン「カシータ」のある、表参道・青山通りで見掛ける光景です。

 そのホテルとは、10月5日に東京銀座にオープンした「ホテル ザ・セレスティン銀座」です。目立つ看板もなく、ホテルをイメージできる車寄せもありません。銀座の立地からそうしたスペースを取ることができなかったのでしょうが、与えられた環境の中で最幸の成果を出すことがビジネスです。ハードで叶わなければ、人でカバーすれば良い。

 表参道のカシータはビル3階にあります。オープン時に伺ったとき、どのビルだろうかと迷いましたが、お客様に不安な想いをさせてはならないと実行したのが、このお迎えサービスでした。

 もちろんそこには、少しでも早くお客様にお逢いしたいというスタッフの想いもありました。しかし、最も大切なことは、このはじめの出逢いの瞬間にお客様に感動を与え、レストランフロアにお客様をご案内することです。セレスティン銀座も同様のことが実行され、気持ちよくフロントへと案内をして下さったのです。

 次に大切な事があります。お客様と一緒に歩きながら案内するとき、どのような会話でその時間を過ごすかです。案内する側も、変な沈黙をしないよう心掛けるでしょうが、そこで間違った声掛けや、質問をしてしまっては、その時間に不満を創り出してしまいます。

 多くの場合、一生懸命に話しかけるのは良いのですが、「どちらからいらしたのですか」といったNGワードを安易に使ってしまうことがあります。基本情報を持ったうえで、お客様との時間と会話を楽しみましょう。そのためにも、事前に質問を多く手間を掛けてでも考え用意しておくことが、お客様を迎えるおもてなしになるのです。

 実は、このセレスティン銀座の最上階には、「カシータ」の銀座店がオープンしました。おもてなしを食と宿泊の両方で体験できる、贅沢な場所にきっとなることでしょう。

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

「街のデッサン(199)」カフカに出会って構想したことは 旅は思い出の抽斗(ひきだし)である

2017年11月4日(土) 配信

カフカが執筆していた長屋

 「朝夢からさめると、グレゴールは一匹の毒虫に変わっていた」という不条理な人間社会を描いた小説に出会ったのは、まだ学生時代のころ。それまでに、トルストイやロマン・ロランの王道の文学に浸っていた私には、路地の奥深くに迷い込んだ印象だった。

 カフカに出会った私は妙な連想をした。カフカを「可不可」と読み替えたのだ。学生にとって、「可」か「不可」かは大問題。不条理な学生生活をより楽しくできないかを考えたのだ。

 思い付いたのは、大学の近辺に空き家を借りて、学生情報センターのようなアジールの経営である。そこではA教授のノートの貸し借りや、B教授の期末試験の傾向と対策、ゼミの課題のサポート、同好会や部活の夏合宿の宿の紹介など、情報が錯綜する。それをカフェのような機能にすれば、珈琲やカレーがサービスされて営利事業としても考えられる。小部屋が用意できれば、そこで同好会のミーティングもでき、絵画の作品の展示場になり、詩の朗読会の会場にもなる。ゆくゆくは多くの大学の近辺にアジールがネットワークされて、全国事業としても成立する。店の名前は「カフカ」、事業はカフカチェーンとする構想だった。

 この秋、さる旅行会社が中欧を巡る新コースを実施した。ポーランド航空の直行便を使いチェコのプラハから入りモラヴィア高原の諸都市を回ってポーランドのワルシャワに至る道程だ。プラハとワルシャワの両方を訪れる行程は魅力で、私も望んでいたコース。

 プラハ観光の最初に訪ねたのはヴルタヴァ川(モルダウ川)を見下ろす王宮であるプラハ城。宮殿も聖ヴィート大聖堂も見応えがあるが、私が最も見ておきたかったのは城の一番隅にある黄金小路だった。元々城の召使が住んだ小部屋の並ぶ横丁であったが、後に保護された錬金術師たちの工房となった。この小部屋を、実はカフカの妹が兄のために借りてやって、下宿の騒音に悩んでいたカフカはここを執筆場とした。その部屋の有様を見ておきたかった。

 「No22」と記された長屋の空間は密室風で、今はカフカの著作や絵葉書を売る本屋になっている。部屋の壁に穿たれた窓からは、谷間の樹々と遠くプラハの旧市街が望めた。錬金術師たちはとうとう金を鋳造できなかったが、カフカは不条理の文学によって深層の鉱脈を掘り当てた。私といえば、「カフカ」から借りた学生時代の事業構想は不発に終わり、彼が沈潜していたその部屋で、空しく不条理の青春を思い出だしているだけである。

(エッセイスト 望月 照彦)

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

「観光革命」地球規模の構造的変化(192) 自伐型林業と自律型観光

2017年11月3日(金) 配信

自律型観光の推進を目指す

 衆議院総選挙は、安倍政権の継続が決まった。安倍政権はこれまで「地方創生」「一億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」などの派手な看板政策を打ち出してきたが、地方の深刻な疲弊はまったく改まっていないのが偽らざる現状。

 私は今後の日本の歩むべき方向性として「自伐型林業」の動きを高く評価している。日本は国土の69%が森林であり、世界に冠たる森林大国だ。しかし木材自給率は28%に過ぎず、豊富な森林資源が活用されていない。1960年代以降の高度経済成長によって山村の過疎化が進むとともに、安い外材の輸入によって日本の林業は大打撃を受けた。

 現在の日本では「施業委託型林業」が一般的だ。ようするに山林所有者や地域が林業を自ら行うことをやめ、森林組合や林業企業に施業を委託するという「他者任せの林業」が当たり前だ。施業委託型林業では生産性向上が重視され、高性能林業機械化が進められた。その結果、例えば4人の林業労働者を雇用するために5千万円―1億円の機械投資が行われ、年間に1千万円の修理費を支払い、1日に200―300㍑の燃料を消費する。施業委託型林業は「高投資・高コスト」が前提で、一定の森林の皆伐を行い、環境破壊を誘発。再造林費用を捻出し難いために森林荒廃化が進み、土砂災害の原因になることが指摘されている。

 現在、「自伐型林業」が注目されている。自伐型林業は山林所有者や地域が自らの責任で森林の経営や管理、施業を行う方式。自伐型林業では限られた山林を活用して持続的に収入を得ることが前提になる。そのために良木・良質材を育てて材木単価の向上を工夫し、森林の多目的利活用をはかることによって長期的な森林経営を行い、再造林のコストと労働を捻出する。さらに日本各地で木質バイオマス発電が行われ始めており、自伐型林業との連動をはかることで持続可能な地域経営の可能性が高まる。

 観光分野においても「自律型観光」の推進が不可欠だ。地域観光振興の王道は「民産官学の協働によって地域資源の持続可能な活用を行い、地域主導で自律型観光の推進をはかる」ことである。自伐型林業の動きを参考にして、日本各地で自律型観光が軌道に乗るならば、観光によって地域が元気になるだろう。

(北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授 石森 秀三)

コラムニスト紹介

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。