愛知県豊田市「小原四季桜まつり」 11月1~30日に開催

2018年10月1日(月) 配信 

小原四季桜(川見四季桜の里)イメージ1

鮮やかに染まる紅葉に、雪のように吹雪く薄紅の桜……愛知県豊田市小原地区の秋は、少し変わった景色が広がっている。季節外れのように感じる桜の正体は「四季桜」といい、春はもちろん、秋の彼岸ごろから雪の降る冬にも花が咲くという全国的にも珍しい桜だ。

 春の桜のように鮮やかに咲いて散っていくのではなく、四季桜は次々に花が開いていき美しい花の時期を長く楽しめるのが特徴。ソメイヨシノより小さめで可愛らしい花をつけるが、たくさん咲くのでカスミソウのように華やかな印象がある。

 「四季桜」を楽しめる11月には、地区内4カ所に設けられた会場で「小原四季桜まつり」が開催され、地域が一体となって来場者をもてなし、年間約16万人(2016年度)の観光客が訪れる。

小原四季桜(川見四季桜の里)イメージ2

「豊田市小原四季桜まつり」概要

イベント名: 豊田市小原四季桜まつり

日時:2018年11月1日(木)~30日(金)

場所:愛知県豊田市 小原ふれあい公園、川見四季桜の里 ほか

アクセス:東海環状自動車道「豊田藤岡IC」より約30分

URL:

小原四季桜について

 小原地区では地元の漢方医・藤本玄碩が初めて植えた四季桜に脚光を当て、1978(昭和53)年に小原村の木に制定されたことを機に、地域の方々の手で熱心に植栽が進められてきた。インクをひとつ垂らすかのように、ぽつぽつと色づきつつあらわれ、開花の時期はまるで一枚の絵のような美しい風景になる小原の四季桜。今では愛知県豊田市足助地区の香嵐渓と同様に、秋となれば大勢の人が訪れる景勝地となっている。この美しい景色は、地元の“花咲かじいさん”たちの地道な活動によるもので、現在、小原地区内には約1万本の四季桜が花を咲かせる。

住民が支える奇跡の桜・四季桜

 現在、1200本の四季桜と600本の紅葉が同時に見られ、絶景とうたわれる「川見四季桜の里」も、川見町の有志約50人の活動によるもの。植栽とは植えて終わりではない。苗木が雑草に負けなくなる背丈になるまでは、「剪定」「施肥」などの手入れが欠かせない。また、夏場の草刈、石交じりの山を切り崩しながらの散策路の整備などの過酷な作業も、この景観を生むために必要な手入れだ。他にも、地元中学校でも新入生が四季桜の挿し木を行い、3年間大切に育てて卒業のとき自宅に持ち帰り、地域に植えて四季桜を増やす取り組みを行っている。

 このように、四季桜は長い間、小原地区を支える一方で、地域住民によって大切に守られてきた。そして、四季桜を愛する心は若い世代へと受継がれ、これからも大切に守られていく。ここでしか見られない絶景は”花咲かじいさん”と、その子供や孫世代の地元を愛する思いが長年かけて生み出した奇跡といえるのかもしれない。

小原四季桜(イメージ)1
小原四季桜(イメージ)2

四季桜の品種

 四季桜は豊田市小原地区周辺で植栽されているヒガンザクラの地方型で、小原地区特産の桜。春はもちろん、秋の彼岸頃から雪の降る冬にも花が咲くので、四季に咲く桜という意味から四季桜と名づけられた。親は「マメザクラ×エドヒガン」でその種間雑種と考えられている。一重5弁の平開形、白また淡紅色の小さな花を数多くつける。

「一般社団法人ツーリズムとよた」概要

商号:一般社団法人ツーリズムとよた

代表者:会長 太田 稔彦

所在地:愛知県豊田市小坂本町1丁目25番地

設立:2017年2月

事業内容:愛知県豊田市の観光振興

URL:

近畿日本ツーリスト首都圏×温泉むすめ 「秩父にみんなで来ちゃいなYO!」売り出す

2018年10月1日(月) 配信

秩父 美祭 © 温泉むすめ/Enbound, Inc.

近畿日本ツーリスト首都圏はこのほど、埼玉県と埼玉県物産観光協会が実施した「発見!体験!埼玉県宿泊型旅行商品コンテスト」で優秀賞を受賞した国内旅行企画商品「秩父にみんなで来ちゃいなYO!」を売り出した。

 同コンテストは、現在埼玉県を訪問する観光客の多くが日帰りであることから、宿泊することで新たな魅力を発見し、体験してもらうために実施された埼玉県初の宿泊型ツアー販売促進の取り組み。埼玉県の「自然」「歴史・文化」「グルメ・お酒」「スポーツ体験・アクティビティ」「アニメ聖地・ドラマロケ地巡り」の5つのテーマ(部門)に対し、全体で旅行会社10社から47本の提案があり、14本のツアーが優秀賞に選ばれた。

 同社が応募・受賞したツアー「秩父にみんなで来ちゃいなYO!」は、「アニメ聖地・ドラマロケ地巡り」部門に提案したもので、「温泉むすめ」とコラボレーションした秩父地区対象の宿泊プラン。宿泊者限定の特典として、「温泉むすめ」のキャラクターで、秩父をモチーフとした「秩父美祭」のイラストが入ったオリジナルTシャツがついてくる。

「秩父にみんなで来ちゃいなYO!」 概要 

設定期間:10月6日~2019年1月30日(宿泊)

プラン設定宿泊施設:

[秩父地区]

和銅鉱泉 ゆの宿 和どう/ナチュラルファームシティ農園ホテル/ ホテル美やま/いこいの村ヘリテイジ美の山

[長瀞地区] 花のおもてなし 長生館/長瀞レクリエーションホテル養浩亭

宿泊者限定特典:「温泉むすめ」のキャラクター「秩父 美祭」イラスト入りオリジナルTシャツ旅行代金一例

ナチュラルファームシティ農園ホテル(1~5人1室利用/朝食付プラン):

8400円~2万800円

JTBが「もっと!瀬戸内・山陰キャンペーン」開始 12月まで

2018年10月1日(月) 配信

JTBは10月から12月まで、「もっと!瀬戸内・山陰キャンペーン」を実施する。西日本豪雨・台風21号などで被災した地域と、瀬戸内・山陰地区への送客で復興を支援する。

 CPは期間限定のエースJTB商品や、JR西日本の「がんばろう!西日本キャンペーン」と連動したツアーなどを売り出す。また、CP商品は9月21日(金)から取り扱いを始めた「13府県ふっこう周遊割」が利用できる。

13府県ふっこう周遊割

「もっと!瀬戸内・山陰キャンペーン」観光プラン一例

 岡山県:大原美術館ちょこっと入館券
    通常3館(本館・工芸東洋館・分館)で1300円の入館料を、本館のみ800円で入館可能

広島県:広島・宮島セットクーポン
    広電1日乗車券と宮島航路・宮島ロープウエイなど総額3千円以上相当がセットになったクーポン
    (大人・子供共に1500円)
    「瀬戸内かき海鮮食堂」2千円利用券
    広島名物「牡蠣」などの地元の名物海鮮料理を500円の料金で、2千円分楽しめるお得なクーポン券

山口県:やまぐち絶景満喫バス

    SNSなどで話題の山口県の2大絶景スポット「角島大橋」と「元乃隅稲成神社」をバスでらくらく
    移動して周遊(大人6千円 子供3千円)
    山口ゆめ花博 入場券
    1千万本の大花壇などみどころ満載の花と緑の祭典に通常大人1200円のところ900円で入場可能
    (高校生800円 小学・中学生600円)

鳥取県:鳥取砂丘謎解きゲーム
    砂丘の中でオリジナル謎解きゲームに挑戦(大人・子供共に750円)

島根県:石見銀山大久保間一般公開限定ツアー
    世界遺産・石見銀山最大級の坑道跡「大久保間歩」内の巨大な採掘場見学プラン
   (おとな4千円 小学・中学生3千円)

広島県・島根県:広島・島根満喫クーポン
    広島は大和ミュージアムや平田観光農園、島根は足立美術館や松江城など、総額1万円以上相当が
    2500円で満喫できるクーポン(こども1千円)

※金額はいずれも税込・1人分の代金。
※設定日は商品によって異なる。

デジタルパンフレット


 
<問い合わせ先>
JTB旅の予約センター

(関西発)TEL:0570-050-489

(中国四国発)TEL:0570-052-489
※上記コールセンターのほか、全国のJTB店舗、エースJTB取扱店でも対応。

「岐阜県 酒蔵+温泉 かけはし図鑑」「SAKE札」が配布開始

2018年10月1日(月) 配信 

「岐阜県版 酒蔵+温泉 かけはし図鑑」

システム開発会社のかけはし(今川崇司社長、岐阜県大垣市)は、10月1日の「日本酒の日」に「岐阜県版 酒蔵+温泉 かけはし図鑑」と、「SAKE札」の配布を開始した。

 「岐阜県版 酒蔵+温泉 かけはし図鑑」は、岐阜県下22の酒蔵の代表的な銘柄を紹介したガイドブック。代表銘柄の説明だけでなく、酒銘の由来や酒造りへの想い、その背景などの「知って飲むともっとおいしくなる」情報が掲載されている。さらに、掲載された銘柄を現地で購入すると、それぞれに対応したSAKE札がもらえる仕組みになっている。

SAKE札

 SAKE札は、飲み口やおすすめの飲み方などが掲載された名刺大のカード。酒造りに必要な「水」「米」「太陽」と、「杉玉」をイメージしたデザインで作られている。コレクション要素もあり、図鑑とともに日本酒好きの人が楽しめる構成となっており、図鑑には酒蔵近くの温泉施設もあわせて掲載している。

 図鑑やSAKE札には、同社が開発した記録用QRコード「かけはしメモリー」が付く。気に入った銘柄や酒蔵など、アプリダウンロードやユーザー登録なしでスマートフォンに記録可能。従来の印刷物には無い機能を持った、スマホ時代に対応した観光ガイドブックとなっている。

「かけはしメモリー」とは

 かけはしメモリーはQRコードを利用し、さまざまな情報をその場で記録・管理できる新しい仕組み。スマートフォンさえあれば、アプリのダウンロードやユーザー登録不要で利用できるため、紙面にかけはしメモリーを印刷するだけで、印刷物の情報をスマートフォンに記録させることができるという。

 スタンプラリーや道案内の機能も備え、ガイドブックなどの印刷物に貼るだけで紙面にさまざまな機能を持たせられる。既存の観光マップなどに添付するだけで利用できる、シール形式も配布可能。利用料は月額1万円から。

 今川社長は、今後は岐阜県だけでなく東海三県、ひいては全国に仕組みを提供していきたいと言い、「かけはしメモリーは、日本酒や温泉だけでなく、さまざまな分野で利用できることが、逆にシステム自体をわかりにくくしているので、このように用途の一つずつを形にして見せていきたい」としている。

概要

サイズ:B6 ※SAKE札は名刺大

 図鑑の各酒蔵説明は1ページで全28ページ

配布場所:

 掲載の酒蔵や温泉施設、岐阜県内の主要な道の駅・観光施設・飲食店・酒販店

配布日:

 「岐阜県版 酒蔵+温泉 かけはし図鑑」:2018年10月1日(月)

 「SAKE札」:2018年10月1日(月)~2019年3月31日(日)

 ※なくなり次第、配布終了

11月退役!Q400のチャーターツアー企画、ジャルパック×JAC

2018年10月1日(月) 配信

JACのQ400をチャーター

ジャルパック(江利川宗光社長)はこのほど、日本エアコミューター(JAC、加藤洋樹社長、鹿児島県霧島氏)と共同で、 2018年11月に退役するJACのQ400をチャーターして、ラストフライトを共にするツアー「JACボンバルディアDHC8-Q400退役チャーターツアー2日間」を企画した。 12月1日の出発。

 鹿児島空港のJAC格納庫・シミュレーター棟見学や、パイロットや客室乗務員によるトークイベント、現在使用されていない旧・種子島空港(熊毛郡中種子町)の敷地見学など、内容は盛りだくさん。「チャーター便ツアーならではのプログラムをお楽しみいただけます。ほかにはない特別な2日間をご堪能ください」とPRする。

ツアーポイント

 1.チャーター機の座席は早い者勝ち!窓側(前方・後方)・通路側など座席エリアごとに8パターンに分かれている。(窓側および座席1Bは追加代金が発生。)
(注)1B、 2C、 2Dは、非常口座席であり、小さな子供、高齢の人、障害のある人などの同伴者で、脱出援助をする必要がある人は、着席できない。

2.1日目は鹿児島空港のJAC施設を見学。格納庫や今春導入されたばかりのATRのフルフライトシミュレーター棟にも案内する。

3.夜はホテルで食事を楽しみながらのパーティーを開催。司会は熱心な航空ファンとしても知られる東海ラジオの酒井 弘明アナウンサー。パイロットや客室乗務員によるパネルトーク形式で会場を盛り上げる。

4.2日目は同ツアーのメインイベント、Q400型機で鹿児島空港から種子島空港へフライト。※定期便とは異なるルートで飛行予定。桜島や屋久島など鹿児島の名所を空から観光。

5.種子島では10年以上使われていない旧・種子島空港の敷地内へ同ツアー参加者だけ特別に案内する。まるでときが止まったかのような哀愁漂う空間を楽しめる。

ツアー詳細

発売日時       : 2018年10月2日(火)午後2:00
出発日          : 2018年12月1日(土) 発 2日間
出発地          : 東京・大阪
旅行代金       : 98,800円(東京発/1室2人利用/チャーター機通路側席の場合の1人代金)
使用機材       : ボンバルディアDHC8-Q400型機(機番:JA851C 予定)
利用ホテル    : かごしま空港ホテル、ホテル京セラ
食事           : 朝昼夕付き
最少催行人員 : 55人
募集人員       : 68人
申込条件       : 1人から申し込める。(未就学児は参加不可)
添乗員          : 同行はしないが、現地で係員が案内する。 

凸版印刷、文化財体験観光に参入

2018年10月1日(月) 配信


文化観光プログラム「Profound Tourism~心を感じる文化の旅~」イメージ © Toppan Printing Co., Ltd.
 

凸版印刷と、トッパングループで旅行事業を展開するトッパントラベルサービスはこのほど、訪日外国人向け日本伝統文化体験ツアープログラム「Profound Tourism(プロファウンド ツーリズム)~心を感じる文化の旅~」を売り出した。凸版印刷が文化体験プログラムの企画開発、トッパントラベルが視察・研修、観光、MICEなどのテーマに合わせたツアー全体の設計、販売を担う。

 同プログラムでは、凸版印刷が文化財デジタルアーカイブ・VR(仮想現実)事業やイベント企画・運営事業などを通じて培ってきた知見をもとに、リアルとバーチャルを組み合わせ、日本の伝統文化に宿る精神性を文化体験としてツアー形式で提供する。対象は、日本を訪問する国外の官公庁や企業・団体。同事業による収益の一部を文化財の保存・修復や公開に活用することで、観光立国の実現や地方創生の活性化に貢献する活動も行う。両社は今後、同プログラムをグローバル企業や官公庁、海外の旅行代理店などへ拡販し、2021年に約30億円の売上を目指す。

具体的なプログラム例

伝統ある神社・仏閣から日本の歴史や倫理観を学ぶ、エグゼクティブ向けプログラム

 伝統のある神社・仏閣を舞台に、高僧による法話や文化財の特別拝観などを通じ、日本の歴史や倫理観を学ぶ。企業倫理が重視される大手流通・メーカーの幹部向け研修などに最適。

和食文化の一つである日本酒を通じ、その魅力やものづくりの極意を学ぶ国際視察向けプログラム

 和食文化の1つである日本酒をテーマに、日本酒発祥の地の散策や老舗の酒蔵見学・試飲会、経営者との対話などを通じ、日本酒の魅力に触れる。また、伝統を守り新たな事業にチャレンジするものづくりに対する姿勢の極意も学ぶ。企業の国際視察向けプログラムなどに最適。

参考価格:

エグゼクティブ向けツアー 1企業(10人)2泊3日 1千万円~(詳細は要相談)

 

宿泊施設向け宿泊税支払機を専用ウェブサイトでレンタル開始へ

2018年10月1日(月) 配信 

京都市仕様架体のフロント設置イメージ

アーキエムズ(村田雅明社長、京都市中京区)とソリューションエムズ(上田篤史代表、京都市中京区)は9月28日(金)から、京都市での宿泊税条例施行に合わせて宿泊税支払機のレンタルを始めた。フロントスタッフの現金徴収業務負担を軽減する。条例施行日の10月1日(月)から市内62施設で随時導入していく。

 同機は京都市のほか、東京都、大阪府の宿泊税条例に対応した3機種を取り揃えている。条例施行に合わせてアーキエムズが開発し、新会社ソリューションエムズがウェブサイトを通じてレンタルする第一号商品となる。レンタル料は月額1万6800円(税別)。

 宿泊税支払機ウェブサイト

(「宿泊税支払機」で検索)

〈観光最前線〉日立市かみね動物園

2018年10月1日(月) 配信

園内で暮らす「ウミウ」(18年8月撮影)

 この夏、茨城県日立市にある「日立市かみね動物園」を訪れた。以前から全国初の爬虫類とウミウの複合展示施設「はちゅウるい館」を11月18日に新設すると聞いていたため、興味があった動物園だ。

 「はちゅウるい館」は、これまで離れて展示していたヘビやカメなどの爬虫類を1カ所に集め、市の鳥「ウミウ」の展示と併設。爬虫類は約40種を展示予定で、展示場は目線を爬虫類に合わせられるなどの工夫を施す。ウミウの展示場も市内にあるウミウの捕獲地を再現。水槽を設けて、実際にウミウが水の中に潜って餌を食べる姿も見られるようにするという。

さまざまな展示工夫のおかげでこんな写真も撮影できる

 園内にはゾウやキリン、カバなどの大型動物から、サルやペンギンなどの数多くの動物も暮らしている。動物が間近でカメラが手放せない観光名所だ。

【長谷川 貴人】

〈旬刊旅行新聞10月1日号コラム〉宿が世界観の発信地に 多様な分野でムーブメント起こせる

2018年10月1日(月)配信 

宿からの新しい思想の発信に期待

 観光業界は世相を反映する。旅行商品のパンフレットやWebサイトを眺めていると、今というこの瞬間、不特定多数の人たちが何に関心を持っているのかが見えてくる。誰かが仕掛けていることもあるが、そこにはしっかりとした素地があるからという見方が正しいだろう。

 これからの季節は、果物狩りや、紅葉と温泉をセットにした宿泊商品、カニづくしツアーなども現れる。これらは恒例の企画で、毎年大きく変わることはないが、それでも「あんなに暑かった夏だけど、もう秋か……」と季節の移り変わりを感じたり、「晩秋に景色の綺麗なところに行って、温泉に浸かってのんびりしたいな」など想いを巡らすこともある。

 また、今年は明治維新150周年を記念して全国各地でイベントが開催されており、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映に合わせて、さまざまなツアー商品も目にする機会があった。そういえば、今年の全国旅館おかみの集い(全国女将サミット)が鹿児島県で開催されたのも、社会の流行や関心事に沿ったものだった。これら小さな積み重ねが本流となり、大きなうねりを作り出していく。

 今は、北海道応援ツアーや、西日本豪雨や台風21号の被災地復興を目的とした旅行商品が続々と企画されている。個々の動きが本流の大きなうねりとなって、観光の力で活力を与えられたらいいと思う。

 観光業界の動きは、旅行商品を企画・販売する旅行会社などが作り出すイメージがある。もちろん、旅行会社自体が原石を探し出し、磨き上げ、きらめくダイヤモンドへと変えていくこともある。一方で、受入側の観光地や温泉地、各宿が一生懸命に旅行会社に売り込む努力が水面下であることも、観光業界の大きな特徴である。そこに価値や、面白さを見出した旅行会社が「プロ」の手腕で、広く一般消費者に商品化していく流れがある。

 しかし、最近はこの流れとは異なる動きが顕在化している。その一つがSNS(交流サイト)によって、旅行会社がこれまで旅行商品として企画してこなかった“写真映え”するスポットに人が押し寄せたり、観光業界ではあまり知られていなかったゲストハウスや、個性的な宿に海外からの旅行者が集まってきたりする現象が見られる。アニメや映画のロケ地を巡る「聖地巡礼」などの動きを旅行会社がツアー化するなど、SNSから生み出される観光ムーブメントは、今後さらに多様化し、細分化することが予想される。そして、それらのムーブメントは、規模が小さな旅館であっても起こせるのだ。

 例えば、食器にこだわる宿の主人が発信するSNSを通じて、器に強い関心を持つ人たちが主人との会話を楽しむために日本中、世界中からその宿を訪れる。音楽や絵画、盆栽、自然食、調度品、クルマ、自転車などあらゆるものが対象となる。これまでは旅行会社に売ってほしいとお願いしても、なかなか旅行商品に組み込んでもらえなかった宿にも、大きなチャンスが得られるようになった。宿はもはや単なる旅行者の受入施設ではない。最先端の思想や、古い文化、芸術、スポーツ、ニッチな趣味など多種多様な分野において、深い世界観の発信地としての役割を担える存在である。発信地が東京一極集中ではつまらない。

(編集長・増田 剛)

【特集No.504】ツーリズムEXPOジャパン2018 三位一体イベントの完成形示す

2018年10月1日(月) 配信

日本旅行業協会(JATA、田川博己会長)と日本観光振興協会(山西健一郎会長)、日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)は9月20―24日の4日間、東京ビッグサイトで「ツーリズムEXPOジャパン2018(TEJ)」を開いた。来年からの地方開催を前に、国内・海外・訪日の三位一体イベントの一つの完成形を示した。総合テーマは旅とツーリズム産業の「新しいカタチ」の発見や創造を掲げた。フォーラム&セミナーは「観光で地域創生を!」のもと、各個別テーマで課題解決策や今後の方向性を探った。【飯塚 小牧】

来場者は20万7千人 〝旅の力を世界に及ぼす〟

 TEJはフォーラム&セミナー、展示商談会、交流会、顕彰事業の4つを主要事業とする。今回の展示の出展国・地域は国内が47都道府県、海外136カ国・地域、出展小間数は2257コマ、出展企業・団体数は約1441企業・団体。商談会はバイヤーとセラーで約1300人、商談件数は前年比8%増の7450件。来場者数は20万7千人で過去最高となった。
                         ◇
 9月20日の業界日に行われた開会式でTEJの田川実行委員長(JATA会長)は、17年の国際観光客数は13億2千万人となり、世界経済や社会へ与える旅の影響力が強固になっていることに言及した。「国際連合が30年までに掲げる〝SDGs〟、17の『持続可能な開発目標』へのツーリズムが果たす役割は大きい」と述べ、雇用創出や平和な世界の実現、災害復興など貢献できる分野を提示。「今や日本は双方向交流6千万人を実現しようとしている。国際観光の牽引役としての責任をしっかり認識し、旅の力の良い影響を世界のすみずみまで及ぼしたい」と“ワークフォーベターワールド(よりよい社会のために働く)〟の実践へ意欲を示した。 

 また、5年目を迎えたTEJは「旅の力を見える化した世界を代表する総合イベントに成長している」と報告。「来年は初めて大阪で開く。元気な西日本を見てもらう。新しい出会いや発見で、ツーリズムの新たな地平線を開拓することを約束する」と意気込んだ。

 来賓として出席した石井啓一国土交通大臣は一連の自然災害に触れ、「関西国際空港は関係者の努力の結果、滑走路は2本とも運用を再開し、9月18日には鉄道が復旧した。関西の元気を国内外に積極的にPRし、多くの人に利用してもらうことを期待する。また、北海道は新千歳空港がいち早く再開している。風評被害の防止のためにも国として正確な情報を発信し、一刻も早い観光需要の回復に努めていきたい」と述べた。

 開会式後に開いた会見で、国内で続く災害への対応について主催3団体が発言した。日本観光振興協会の久保成人理事長は……

【全文は、本紙1728号または10月5日以降日経テレコン21でお読みいただけます。】