佐渡島の「やまきホテル」事業停止 負債は約11億円に(帝国データバンク)

2022年2月15日(火) 配信

 新潟県佐渡市の「やまきホテル」(山口美津江社長)は1月27日(木)に事業を停止し、債務整理を弁護士に一任した。帝国データバンクによると、負債は約11億円。

 同社は1946(昭和21)年創業、56(昭和31)年法人改組。「両津やまきホテル」の経営を手掛け、客室数92室、収容人員約430人で、コンベンションホールなども完備していた。佐渡島ではトップクラスの設備を誇り、民謡ショーなどのサービスを展開。新潟県内や関東を中心とした県外からの宿泊客に対応していた。台湾など海外からの観光客も積極的に受け入れ、96年3月期には年間収入高約10億200万円を計上していた。

 しかし、その後、佐渡島内の観光客減少により業績が悪化していった。積極的な設備投資に充当した借入金返済の目途が立たず、2008年には金融債務がサービサーに譲渡されるなど、資金繰りの逼迫が表面化していた。

さらに20年春から新型コロナウイルス感染拡大の影響で客足は急減し、21年3月期の年間収入高は約5000万円に落ち込んだ。新型コロナ対応融資などを利用してしのいでいたが支えきれず、今回の事態となった。

NAAなど、5G活用した自動運転バスを実験 危惧される人手不足解消へ

2022年2月15日(火) 配信

実験で使用する自動運転車両「GSM8」

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)は2月28日(月)まで、東日本電信電話(NTT 東日本)とティアフォー、KDDIと連携し、同空港内で場所を限定して構築された高速通信網「ローカル5G」を活用した遠隔監視型自動走行バスの実証実験を行っている。少子高齢化の急速な進行で労働人口が減少するなか、将来空港でも危惧される人手不足を解消し、人に起因する車両事故の軽減もはかる。

 同実証実験は、国土交通省航空局主催の「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」における自動運転レベル4相当の導入に向けた実証実験と、総務省「令和3年度課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の一環で実施する。

 今回は、同空港制限区域内の第2~3ターミナル間で自動運転車両「GSM8」を自動で走行させ、緊急時にもドライバーが対応せず、システムが運転の主体として責任を持つ自動運転レベル4の実装に向けて課題を抽出する。

 4社は実験終了後、「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」で成果を報告し、制限区域内での自動走行のルール策定に貢献していく。さらに、ローカル5Gなどを活用して同空港の制限区域外でのレベル4相当の自動運転の実装や他空港への普及も目指す。

下関市立大学、旅館専門家養成コース開講 日本旅館協会と組んだカリキュラム用いる

2022年2月15日(火) 配信

プログラムのポスター。オンラインと対面で実施する

 下関市立大学附属リカレント教育センター(山口県下関市)は2020年6月から社会人を対象とした授業を行っている。22年4月16日(土)から23年2月18日(土)には、初の産学連携で日本旅館協会と協働で組んだカリキュラムを用いたプログラム「旅館マネジメント専門家養成コース」を開講する。対象は旅館やホテルの現場で働く人をはじめ、接客やそのマネジメントの学習を希望するサービス業従事者。

 今の時代に求められる「旅館」ならではのホスピタリティと人材育成を専門的に学び、現場につなげることを目指す同プログラムは、宿泊業に関する基礎だけでなく、これからの社会を見据えた組織とサービスのマネジメントに必要な知識や技能を育てる。日本旅館協会の会員も講師を務める予定だ。

 具体的には「組織論①リーダーシップの種類と変遷」や「他者理解とマネジメント④ダイバーシティの理解」、「旅館が取り組むべきこれからのSDGs」、「旅館が備える災害対応、災害時の事業継続計画(BCP)」など40コマを60時間で開く。

 社会人でも受講しやすいようにと、開催時間は月2回程度の土曜日に約3時間とした。また、講義はオンラインと対面で実施。遠方からでも参加してもらう考えだ。募集人員は20人程度。申込期間は2月22日(火)まで。受講料は6万円となる。

スタジオジブリ初の観光動画「風になって、遊ぼう。」が好評 愛知県

2022年2月15日(火) 配信

ジブリの世界観が観光動画に(※こちらから動画は開けません)

 愛知県はこのほど、スタジオジブリが制作した同県の観光動画「風になって、遊ぼう。」の再生回数が、公開から2週間で約30万回に達したと発表した。スタジオジブリが初めて手掛けた観光動画で、ジブリ作品に通底する、風や飛翔、走る喜びや、歴史を感じるノスタルジーを巧みに織り込んだ構成に加え、映像や音楽とのシナジーも相まって、公開直後からYouTube上では好意的な反響が大きいという。

 動画は、全編を通して愛知県内で撮影を行った実写作品。県内の観光スポットを単に紙芝居的に見せるのではなく、主人公の少女が「風になって」各地を駆け巡るストーリー仕立ての構成になっている。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、1月27日(木)に開かれたメディア向け発表会で、「(ジブリが)アニメーションでないものを手掛けるのは、非常に珍しい」と語っている。

 中川龍太郎監督は、「スタジオジブリの素晴らしい作品たちが表現してきた、疾走感や冒険への憧れを表現する『挑戦』」と受け止め、制作をスタート。ジブリの作品世界に通じるロケ地を探すため、この種のショートムービーでは異例となる、通算10日以上に及ぶロケハンを愛知県内で実施した。中川監督は、出演者の「走り方」にもこだわり、オーディション参加者に実際に走ってもらう選考を重ねて、ランニングフォームが美しい園原ららさん(愛知県在住)を少女役に選定した。

疾走感を表現するため、ランニングフォームが美しい園原さんを選定©2022 Studio Ghibli

 YouTube上のコメントでは、「少女が走り出した瞬間、カメラの視点がまるで風になったような気持ちにさせてくれた」「カメラワークのおかげで臨場感が本当に凄すぎるし、現実世界なのにジブリの中に入ってるみたいだなって思ってたらメイとサツキの家(原文ママ)が出てきて鳥肌立ちました…」「風に乗って、豊かな自然と暮らす人々の気配や歴史を感じながら旅している様で、心地よく、この土地を大切にしたいなぁ、と胸に迫るものがありました。商業的じゃなく、物語を展開させるPR動画…流石です」など、絶賛する声が多数寄せられているという。

 動画には県民にも良さを再認識してもらいたいという狙いもある。愛知県の調査では、県民が友人や同僚に対し、愛知県への観光を薦める可能性は低い傾向が続いており、2020年の調査でも、48.0%が「可能性が低い」との選択肢を選んでいる。2週間以上県内を巡った神奈川県出身の中川監督は、「この作品を通じて、実際に愛知にお住まいの方々にふるさとの素晴らしさを再発見してもらえたら、こんなに嬉しいことはない」とコメントしている。

 なお、動画で紹介しているのは全15スポット。(※番号は動画内での紹介順)。

 

JALふるさとプロジェクトがYouTubeチャンネルを開設

2022年2月15日(火) 配信

ふるさとの“オイシイもの”を自らの料理で紹介 (イメージ画像)

 日本航空(JAL)は2月10日(木)、地域活性化活動「JALふるさとプロジェクト」のYouTubeチャンネルを開設した。同社は、ネットワークを生かした地域特産品の発掘など地域産業支援や、交流人口の創出による観光振興など、地域の活性化に向けた継続的な取り組みを行っており、今回の開設もその一環。

 YouTubeチャンネルでは、「JALふるさと応援隊」として活動する客室乗務員をはじめ、ふるさとを応援するJALグループ社員が、それぞれの個性を発揮し、体験やチャレンジを通じて、日本各地のさまざまな魅力を発信する。

 地域食材を生かした料理動画や、地域の伝統文化、特産物、観光スポットなど魅力的な地域資源にフォーカスした動画など、社員自らが創意工夫を凝らしながら、応援するふるさとについて紹介する。同社は「社員による『ふるさとYouTuber』としての活躍に期待を」とアピールしている。

 第1弾の動画は、チャンネル開設記念のスペシャルゲストとして浅田真央さんを迎えた。 徳島県出身のキャビンアテンダントが鳴門金時を使ったチョコレートトリュフ作りに挑戦し、 浅田さんが摘んだいちごとチョコレートトリュフの組合わせを紹介している。

KNT-CTHD、売上高1.7倍の1049億円 約150億円の赤字縮小へ(第3四半期決算)

2022年2月14日(月)配信

KNT-CTホールディングスの米田昭正社長(19年7月撮影)

 KNT-CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)が2月9日(水)、2022年3月期第3四半期(21年4月1日―12月31日)の連結決算を発表した。これによると、売上高は前年同期比71.4%増の1049億4400万円と大幅に増加し、当期純損失が150億円超を縮小して58億500万円(前年同期は216億1500万円の損失)だった。営業損失は77億5800万円(同261億9400万円の損失)、経常損失は44億7200万円(同174億8600万円の損失)と、ともに前年同期から赤字額を圧縮した。

 昨年10月の緊急事態宣言解除後の需要回復は限定的なものの、オンラインツアーや近隣地域への旅行、徹底的な感染症対策に取り組んだ修学旅行など、コロナ禍でも需要のある旅行販売に注力。県民割・隣県割を活用したツアーの催行などにも取り組み、加えて東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、大会関係者バス輸送の主幹業務を受託し、競技場輸送を支えた。

 このほか従来の観光施設の運営業務に加え、PCR検査や新型コロナウイルスワクチン接種の受付業務を地方自治体から受注するなど、旅行業以外の収入確保に努めた。グループ会社のクラブツーリズムではKDDIと業務提携を行い、昨年10月にサブスクリプションサービス「クラブツーリズム・パス」を始めた。

 一方、費用面では事業構造改革を推進した。近畿日本ツーリストの個人旅行店舗と団体旅行支店を91カ所、同社ほか3社の本社事務所を閉鎖・縮小するなど、人件費や事務所賃借料などの費用削減に努めた。

 また、営業外収益として、資金の貸付に伴う利息収入3800万円、雇用調整助成金など助成金収入6億8600万円などを計上。特別損失には、事業構造改革に伴い廃止または移転した店舗・事務所の原状回復費用などに3600万円、ソフトウェアなどの減損損失に1億3900万円などを計上した。

 22年3月期の連結業績予想は、昨年11月10日に公表した予想数値を据え置き、売上高は1500億円、営業損失は140億円、経常損失は115億円、当期純損失は130億円を見込んでいる。

KKday Japanとアクティビティジャパン、「OTAへの商品掲載を」 ネット予約セミナー開く

2022年2月14日(月) 配信

三上宣子氏。スマートフォンの普及率が約8割となったことなどから、「スマホで商品を検索される環境を整えるべき」と話した

 オプショナルツアー予約サイトを運営するKKday Japan(陳明明CEO、東京都新宿区)と、アクティビティジャパン(同)は1月25日(火)から、4回にわけて「旅ナカ事業のノウハウ紹介ウェビナー」を開いている。2月10日(木)(3回目)には、「今さら聞けない、オンライン予約のイロハ」を開催。アクティビティ事業者がOTA(オンライン旅行会社)に商品を掲載する意義を説いた。

 講師にはアクティビティジャパン地域振興推進部シニアマネージャーの三上宣子氏が登壇。冒頭には、日本におけるスマートフォンの普及率が約8割となったことや、同社に載せる商品のうち、約9割がスマホから申し込まれたことに触れ、「スマホで商品を検索される環境を整えるべきだ」と強調した。

 一方、アクティビティ事業者が通常の仕事の合間に、ウェブサイトを開設することや、検索サイトで上位に表示されるために行う対策は「膨大な業務量」と述べ、「アクティビティジャパンとKKdayが代行できる」とアピールした。

 コロナ禍における商品の掲載については、21年におけるアクティビティジャパンの取扱人数がコロナ前の19年から増えたことを説明。「支持される商品を掲載すれば、売れる」と自信をのぞかせた。具体例としては、屋外でほかの利用者との距離を保つ釣りや、カヌーなどを挙げた。マイクロツーリズムの需要が伸びるなか、日帰りで楽しむ和菓子作りなどの「文化体験」の人気も上昇しているという。

 また、商品の検索結果で唯一表示されるタイトルと画像は、「魅力的に感じてもらうことが、詳細を記したページの閲覧数につながる」(三上氏)ことも紹介した。

 見出しについては、場所とターゲットとする客層のほか、貸し切りなどの感染対策の掲載が予約率を向上させるとした。写真は利用者に参加時のイメージを膨らませてもらうため、「笑顔などの表情を豊かにする」ことを勧めた。

偕楽園観光(徳島市)が自己破産申請へ(帝国データバンク)

2022年2月14日(月) 配信

 偕楽園観光(住友文子社長、徳島県徳島市)は2月2日(水)に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。帝国データバンクによると、「今後自己破産を申請する予定」という。

 同社は1916(大正5)年創業、56(昭和31)年2月に法人改組した老舗の旅館経営業者。徳島の観光名所である眉山の麓で、66年11月に徳島グランドホテル偕楽園として新規オープンした。74年1月には新館を増築し、和室やツインルームのほか、700人収容が可能な宴会場も構え、観光客のほか、企業などの宴会需要を取り込んでいた。

その後、郷土料理店やフランス料理店、展望レストランも併営して業容を拡大し、02年12月期には年間収入高約5億円を計上していた。

しかし、近年は当地への観光客の減少が続いて利用客数が低迷していたなか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で観光客数が激減。20年12月期の年間収入高は約3700万円に落ち込んだ。過去の設備投資に伴う多額の借入金が負担となって収益も低調に推移し、取引先への支払い遅延が発生するなど、資金繰りが逼迫していた。

キャビンアテンダントとオンライン座談会、ジャルパックが初企画

2022年2月14日(月) 配信

JALのキャビンアテンダントと交流

 ジャルパック(江利川宗光、東京都品川区)はこのほど、3月12日(土)にオンライン開催する「直接聞いてみよう!JALキャビンアテンダントがこっそり教える海外オススメ観光スポット!~JALキャビンアテンダントのお仕事の裏側も大公開!~」を売り出した。同企画は日本航空(JAL)キャビンアテンダントとのオンライン座談会で、初めての実施。

 座談会内ではJALキャビンアテンダントが視聴者の質問に答えたり、お気に入りの海外旅行スポットを案内する。キャビンアテンダントと直接話せる機会も設ける。また、キャビンアテンダントの1日に密着する動画も限定公開する。通常参加プランのほか、JAL整備士が作ったイニシャル刻印入りキーホルダー付きプランも用意した。

 開催日時は2022年3月12日(土)第1回午後2:00~3:00、第2回同5:00~6:00の予定。受付は2月28日(月)午後11:59まで。WEB会議システム「Zoom」を利用する。販売価格は、キーホルダー付き1接続が9900円(税・送料込)、キーホルダーなし1接続が4400円(税込)。

JTBトラベル&ホテルカレッジ  学生が5県を研究し、「観光による課題解決」発表  

2022年2月14日(月) 配信

観光メディア論の授業で、学生が5県の課題解決を発表

 JTBトラベル&ホテルカレッジ(山村晋一校長、東京都豊島区)は1月28日、観光メディア論(講師:竹内敏彦氏)の授業内で、各県の「観光政策の現状と観光による課題解決」発表会を実施した。

 授業はメディアの特性や、消費者行動論を学んだあと、任意の都道府県観光促進担当者を訪ね、課題を抽出し、独自の視点で解決策を提案するというもの。

 今年の研究対象は愛媛、和歌山、山口、長崎、新潟の5県。学生たちは5つのグループに分かれて研究成果を発表した。講評は、日本国際観光学会の島川崇会長と、旅行新聞の増田剛編集長が担当した。

 愛媛県の研究発表では、みかんの花言葉が「花嫁の喜び」であることから、「みかんウェディング」を提案。特産である「みかん」を生かし、「人生の出発地となることで再訪が期待される」点を強調した。みかんの花を使っての髪飾りや、みかん染めのウェディングドレスを身に纏い、みかん農園で式を挙げるという企画も考案。しまなみ海道を新郎新婦がドライブする“写真映え”を意識したアイデアも披露した。

 日帰り客が多い和歌山県は、サイクリングロードを生かした「電動キックボード紀伊半島周遊イベント」と地元企業とのコラボレーションなどを発案した。

 山口県は、「日本酒女子のテーマパーク」をテーマに、オリジナルの日本酒づくりなどのアイデアを盛り込んだ。

 長崎県は、「キリスト教カトリックに触れる旅」と、あえて宗教色を出し、潜伏キリシタン関連遺産をガイド同行で巡るツアーなどを提案した。

 新潟県は、世界遺産登録が待ち望まれる佐渡島を目的地として、県内を周遊する「鬼滅の刃聖地巡礼の旅」を創造した。鬼滅隊本部としての北方文化博物館、無限列車としてSLばんえつ物語に乗車、登場人物「錆兎」をイメージした狐の嫁入り屋敷での狐の面作り体験、そして鬼が滅んでいない島「佐渡島」へと導くツアーを企画した。

 発表後、学生から送られた提案を受けて、愛媛県東京事務所観光物産振興課の竹村亜子副課長は、「学生の皆さんから、愛媛県の強みと新たなエッセンスを盛り込んだユニークなご提案をいただき、大変興味深く感じている」と高く評価。

 また、学生の発表を聴いた島川氏は、「企画は誰からも押し付けられるものでなく、自身の感性で創るもの。これからも皆さんの感性で世の中を創造していってもらいたい」と総評した。