〈観光最前線〉「W Osaka」開業

2021年3月19日(金) 配信

W Osakaの客室一例

 大阪市中央区に3月16日、米マリオットの日本初上陸となるホテルブランド「W(ダブリュー)」の新規ホテル「W Osaka」が開業した。

 同市のメインストリートである御堂筋に面し、地上27階地下1階建て。黒が基調のシンプルな外観は大阪出身の建築家・安藤忠雄氏がデザイン監修。館内はオランダのデザインチームが手掛け、鮮やかなネオンがきらめくなどエネルギッシュな空間のギャップに「大阪商人の遊び心」を表現したという。

 客室は全337室。各客室には道頓堀をイメージしたネオン装飾が施され独創的な雰囲気。1室のみの「エクストリームWOWペントハウススイート」(200平方㍍)には、DJブースまで備わる。派手な演出を行うフィットネスやプール、バーもそろう。

【土橋 孝秀】

【特集No.577】観光客の安心・安全を支える 防災商品で事前の備えを

2021年3月19日(金) 配信

 阪神・淡路大震災から26年、東日本大震災から10年の月日が過ぎた。近年は集中豪雨、落雷などによる気象災害も増え、日本は自然が豊かである一方で災害の多い国でもある。多くの観光客を受け入れるホテルや旅館、観光施設、自治体の建物などは、被災時に避難場所として活用されることもあり、日ごろから避難生活に備える対策が不可欠だ。今回は観光業界の防災意識向上をはかるため、防災商品を取り扱う2社の製品を紹介する。

【入江 千恵子】

空気から飲料水を生成

アクアムの空気製水機

1日で200㍑(66人分)を製水

 “空気から水をつくる”技術を生かすスタートアップ企業のAQUAM(アクアム、河﨑悠有社長、東京都港区)は、空気中の水分を集めて飲料水を生成する空気製水機を製造・販売している。

 インタビューに応じた河﨑社長は「災害時や断水時に飲料水を確保できるのが一番のメリット」と話す。災害の多い日本での活用のほか、きれいな水が飲めない国や地域で役立ててもらいたいとの思いから、2017年に事業をスタートさせた。

 水源は、空気中の水蒸気だ。高性能フィルターで空気中の汚れを除去後、冷却器で空気を冷やすことで空気中の水分を効率よく吸着する。その後、活性炭とRO逆浸透膜でろ過し、バイオミネラルフィルターでミネラルを添加することで軟水の飲料水が完成する。

 電気があれば製水可能で、停電・断水時も発電機や太陽光電池パネルの発電システム、蓄電池を組み合わせることで稼働できる。

 20年に販売を開始した中型機「AQ―200JP」は1時間で8㍑、1日で200㍑の飲料水を作ることができる(気温27度、湿度60%時)。1日に1人3㍑の水を必要とした場合、66人分に相当する。製水機を事前に設置しておくことで、災害時に道路の寸断などで救援物資が届かない場合でも飲料水の確保が可能になる。サイズは、幅1・45㍍×奥行0・51㍍×高さ1・74㍍。稼動中は除湿と空気清浄の効果もある。

 昨年3月に同機を設置した高知県・中土佐町の指定避難所「久礼小学校」は、平時でも児童が製水機の水を飲用しているという。今年3月18日には、福岡県中間市役所が試験導入した。……

【全文は、本紙1827号または3月25日(木)以降、日経テレコン21でお読みいただけます】

JTBグループ、凸版印刷とAR飲食店ガイドアプリの実証実験 3D都市モデルを活用

2021年3月18(木) 配信

飲食店ガイドアプリの利用イメージ

 JTB(山北栄二郎社長)とJTB総合研究所(野澤肇社長)、凸版印刷(麿秀晴社長)は3 月 10 日(水)~ 3 月 19 日(金) まで、高精度なAR(拡張現実)飲食店ガイドアプリの実証実験を、北海道札幌市の狸小路商店街で実施する。

 国土交通省が推進する「Project “PLATEAU(プラトー)”」において、3D都市モデルを活用した民間サービス開発に参画し、現地や遠隔における観光体験価値の向上、提供に取り組んでいく。

 3社は、3D都市モデルと VPS(Visual Positioning System)を一体化し、AR 飲食店ガイドとモバイルオーダーシステムを組み合わせたスマートフォン向けアプリを開発。飲食店90店舗の情報や、感染症対策情報、モバイルオーダーシステム導入店舗のメニューを公開している。

 店選びからメニューの注文までをスマートフォンで行うことで、非対面・非接触サービスを提供し、ニューノマル時代に対応したまちづくりを推進していく。

 JTBは、実証実験全体統括のほか、参画店舗の開拓、募集告知、事業全体の検証、モバイルオーダーシステム「Nice to MEAL you!」の提供を行う。

 今後3社は、実証結果から得られた課題を解決し、新たな観光・飲食体験や観光型MaaSの連携による回遊促進を推進し、地域活性化に寄与していく。

時代屋、日本文化体験施設をスタジオとして貸し出す コロナ禍で既存施設新たに活用

2021年3月18日(木) 配信

日本文化体験施設をスタジオに
 時代屋(藤原英則代表、東京都台東区)はこのほど、利用が激減した日本文化体験施設をオンライン配信対応型の純和風レンタルスタジオとして貸し出すサービスを始めた。新型コロナウィルス感染拡大による国内・訪日客の大幅な減少を受け、既存観光施設を新たに活用する。
 
 同社は浅草で人力車を運行するほか、着物レンタルなど日本文化体験サービスを展開している。コロナ禍で訪日客が激減するなか、資産や人材、ノウハウなどを見直した。
 
 日本文化体験の専用施設だった同スタジオは床をフローリングと畳敷に変えることができる。着物レンタルや時代衣装、茶道などの時代屋のサービスを組み合わせることもできる。
 
 備品として、会議用テーブルやイスのほか、カメラのズームなどが手元のリモコンで操作可能なPTZwebカメラをそろえた。機材はWi-Fiや配信用ノートパソコン、ホワイトボードなどを備える。複数のカメラ映像からの映像を切り替えるスイッチャー(Blackmagic ATEM mini)、照明機器、クロマキー合成背景などスタジオ収録用機器なども用意した。
 
 料金は江戸蔵(スタジオ1)が1万円。駒形館(スタジオ2)の書院の間(ルーム1) が1万5000円、富士の間(ルーム2)が1万円。両ルームの同時利用2万円。竹の間(ルーム3) が5000円。いずれも税別で、1時間当たりの代金。なお、竹の間だけのレンタルはできない。
 
 このほか、基本的なスタジオ機器を1万円、最大3台のカメラを切り替えられるスイッチャーなど本格的な配信に必要なセットを2万円で貸し出す。

全国のサウナ施設と連携 「JALサ旅ダイナミックパッケージ」を販売

2021年3月18日(木) 配信

「サ旅」を楽しむ

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長)とジャルパック(江利川宗光社長)はこのほど、4月から展開する全国のサウナ施設と連携した「JALサ旅(サウナ旅)ダイナミックパッケージ」を売り出した。自由に航空券やサウナ付宿泊施設、日帰りサウナ入浴券を組み合わせることができる。第1弾は北海道方面と九州方面。方面は順次拡大する予定だ。

 数年前から始まったサウナブームで、月1回以上サウナに入る愛好家“サウナー”は推計650万人以上という。JALは2019年から「JAL サ旅(サウナ旅)」を展開し、全国のサウナ施設の紹介や各地に遠征するサウナーの取り組みを推進してきた。

 今回のDPでは、全国から個性豊かなサウナ付宿泊施設を選び、約330人のグループ社員が所属する「JAL  Sauna Club(JALサウナ部)」の推薦コメントを添えて特設サイトに掲載。また、サウナ検索サイト「サウナイキタイ」と連携し、各サウナ施設の詳細な情報や口コミも確認できる。

 また、利用者への限定グッズとして、提携サウナ施設のスタンプを集められる「サ旅御朱印帳」を用意した。自分だけのサ旅の記録が残せる。今後も提携サウナ施設を増やし、幅広い利用を促進していく。

 さらに、ツアーオプションとして対象方面の提携サウナ施設で共通利用できる「日帰りサウナ入浴券(サ旅手形)」を一律500円で販売。宿泊施設以外のサウナ入浴も気軽に楽しんでもらうのが狙い。

学生の力で長野県山ノ内町の観光を元気づけたい! 学生版ワーケーション整備に向けたクラウドファンディング実施中

2021年3月18日(木)配信

スタディーケーションPR動画取材時のようす

 Yamanouchi Gakusei Pro(duct=ject)(鈴木勇那代表、東京都江戸川区)は、新型コロナウイルスの影響により観光需要の落ち込む長野県下高井郡山ノ内町の観光需要回復、知名度向上、地域活性化を目的とした活動実施、及び学生版ワーケーション「スタディーケーション」整備のため、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」で「【新型コロナから観光を守ろう!】観光学を学ぶ“学生の力”で山ノ内町を応援したい!」プロジェクトを実施している。

 観光学を学ぶ学生17人が①コロナ禍で落ち込む長野県下高井郡山ノ内町の観光需要の回復と地域活性化②学生版ワーケーション「スタディーケーション」の山ノ内町における整備③若者目線の国内旅行者向け地域プロモーションの強化、コンテンツ制作④「日本で一番標高の高い映画祭」の企画推進(実施の可否については未定。新型コロナ感染状況を鑑みて審議中)⑤志賀高原スキー場地域におけるウィンタースポーツの再活性化などの達成――に向け、取り組んでいる。

 支援は2021年3月21日(日)まで募っている。

 

天然温泉 豊穣ほうじょうの湯 ドーミーイン池袋開業 最上階では天然温泉楽しめる

2021年3月18日(木) 配信

露天風呂

 共立メンテナンス(上田卓味社長、東京都千代田区)は3月18日(木)、8路線が乗り入れる池袋駅から徒歩約9分の立地に「天然温泉 豊穣ほうじょうの湯 ドーミーイン池袋」(東京都豊島区)をオープンした。

 最上階には、ミネラル成分が豊富なことから保温・保湿の美肌効果や皮膚疾患などの効能があるとされる「黒湯」の天然温泉が楽しめる大浴場を完備。風呂あがりにはアイスや乳酸菌飲料を無料で利用できる。

 池袋がマンガやアニメなどサブカルチャーの拠点とされていることから、共用部にマンガやフィギュアコレクションを楽しめるスペースも用意。共用部と客室192室すべてに、抗菌対策として光触媒のコーティングや、空気清浄機付きエアコンを設置している。

 朝食は、池袋に中華料理店が多いことから、焼き餃子や水餃子、チャーハン、オーギョーチーなどの町中華メニューを取り入れた小鉢バイキングを採用した。

朝食

地域の魅力を手軽に発信! 観光事業者向け “ガイドブックアプリ”登場

2021年3月18日(木)配信

  各種サービス業を展開するクレアティー・サービス(佐藤貴史社長、東京都千代田区)は2021年3月17日(水)、日本全国の観光業に関わる事業者に向けた、新しいビジネスモデル~未来の旅を創造する「あなたの街のガイドブックアプリ」~事業を開始した。

 「あなたの街のガイドブックアプリ」はその名の如く、地域を観光する際に、ガイドブックの役割を果たすアプリだ。コロナ禍のなか、観光業が生き残っていくための方法の1つとして、マイクロツーリズムが見直されている。宿泊施設や飲食店、土産店、旅行会社、タクシー事業者、バス事業者、レンタカー・レンタル自転車などの事業者が、地域の魅力を手軽に発信するツールとして公開。「ツアーやイベントによる新しい事業形成と新たな収益源を創造し、地域活性化につながれば」(同社)という。

 アプリにはGoogle マップと連携したナビゲーション、YouTubeの動画による各地の案内、地域の飲食店やお土産屋の紹介、周辺地域で使える割引クーポンの提供、地域にまつわるチョットした歴史クイズの提供などの機能がある。ガイドブック機能だけでなく、地域を散策する自転車ツアーや謎解きイベントなどの企画運営など、地域活性にも応用がきく。同アプリはモバイル向けサイトがスマホアプリのように扱えるPWA(Progressive Web Apps)を採用。1つの開発でiOSとAndroidの両方に対応するため、ネイティブアプリの開発に比べ大幅なコストダウンが可能だ。

大田原ツーリズム、古民家改装の「飯塚邸」体験 JTBがノウハウなど提供

2021年3月17日(水) 配信

飯塚邸の外観。全5室とレセプション会場の庭を備える

 大田原ツーリズム(藤井大介社長、栃木県大田原市)は3月11日(木)、同社が運営する古民家をホテルに改装した飯塚邸(同県那珂川町)で、JTB社員を対象にユニークベニュー体験会を開いた。

 同ホテルは2019年に、長期滞在の訪日客をターゲットに開業した。アフターコロナに向けて、少人数でも利用できるユニークベニューにしようと、観光庁が安全な着地の整備をはかる「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業に応募。今回は、JTB協定旅館ホテル連盟加盟施設として協定を結ぶJTBから意見を聞いた。

 東日本で唯一、有形文化財に泊まれるという同ホテルは全客室に空調や台所、ベッド、風呂場などを新設した。外装は完成した江戸時代から、当時の状態を保っている。全5部屋で、1室当たりの定員は1~5人。

 体験会では、客室やレセプション会場として想定する庭を見学した。

懇親会のようす。

 懇親会では、栃木県産の日本酒Tsuji Zenbeiや果物などのほか、那珂川町産のソバなどを振る舞った。トロンボーンを用いたバンド演奏やライトアップなど、MICEとして利用する際にJTBが提供できるサービスも披露した。

 このほか、近隣のユニークベニューとして、歌川広重の版画などを展示する馬頭広重美術館の見学会も開いた。

 体験会を終え、藤井社長は「那珂川町の魅力を多くの人に伝え、誘客につなげてほしい」と話した。

藤井大介社長。那珂川町への誘客を呼び掛けた

 送客側の代表として参加したJTBの伊藤弘一郎部長は「飯塚邸は屋外でのライトアップや演奏などの演出ができる数少ない施設。商品として提案してほしい」と呼び掛けた。

伊藤弘一郎部長。JTB社員に商品として提案するよう呼び掛けた

2月の訪日外客数、99.3%減の7400人 17カ月連続で前年同月下回る JNTO発表

2021年3月17日(水) 配信

イメージ

 日本政府観光局(JNTO)が3月17日(水)に発表した2021年2月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比99.3%減の7400人だった。17カ月連続で前年同月を下回り、前月の訪日外客数4万6500人からさらに減少した。

 昨年12月以降、日本における新規入国の一時停止や、検疫の強化などの措置が取られたこと、1月中旬にすべての国・地域でビジネストラックとレジデンストラックの運用を停止したことなどが主な要因とみられる。

 日本人の出国者数は、同98.1%減の2万4800人で、前月の4万8691人より減少した。