総選挙上位7人を表彰、1位は佐藤航さん(湯の浜温泉竹屋ホテル)、やまがた若旦那

佐藤さん(左から4人目)ら上位7人を表彰
佐藤さん(左から4人目)ら上位7人を表彰

 山形県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部(佐藤太一部長)は10月25日、天童温泉で行われた「楽市楽座」の会場で、公式フェイスブック(FB)上で実施した「やまがた若旦那選抜総選挙」の結果を発表。626票を獲得し1位に輝いた佐藤航さん(湯の浜温泉竹屋ホテル)ら、上位7人を表彰した。

 県の「若者チャレンジ応援事業」の助成金を活用し、若旦那を切り口とした地域の魅力発信に取り組んでいる。第1弾として無料冊子「やまがた若旦那」を制作。10月7―21日までの2週間、FBを利用し、冊子に登場する16人の若旦那の人気投票を行った。2位は僅差の622票で遠藤直人さん(小野川温泉鈴の宿登府屋旅館)、3位は563票で山口裕司さん(天童温泉ほほえみの空湯舟つるや)と続いた。

 1位の佐藤さんには来年2月に発行する第2号冊子で表紙のセンターを飾る栄誉と、温泉地を紹介する特集ページが与えられる。佐藤さんは「同級生ら地元の応援がうれしかった」と選挙を振り返り、次号特集は「地元の保育園児らを対象に続けている温泉入浴教室など、地域の活動を伝えられる紙面にしたい」という。

 若旦那のPRでは福島県土湯温泉の「若旦那図鑑」が先輩格。企画・広報を担当する遠藤直人さんは「次の総選挙や異業種の若旦那とのコラボ」など、山形の独自色を出そうと知恵を絞る。

 選挙結果の詳細や取り組みは公式FB(https://www.facebook.com/waka.dna/)で。

旅館大学セミナー開く、12月14、15日 宮城県・松島(リョケン)

セミナー会場は「松島一の坊」
セミナー会場は「松島一の坊」

“一の坊イズム”を学ぶ

 2015年「旅館大学セミナー」(通算156回)が、宮城県・松島温泉「松島一の坊」で12月14、15日に開かれる。主催はリョケン、エイエイピー。

 今回のセミナーのポイントは、創立65年を数えてなお、たゆみない進化を続ける「一の坊グループ」。一日目には一の坊代表取締役の高橋征太郎氏が「顧客目線の挑戦を続ける〝一の坊イズム〟の経営に学ぶ」をテーマに、(1)個人客志向の商品展開を徹底解説(個性豊かなグループ4旅館のコンセプトと商品展開のポイント、松島一の坊での商品づくり)(2)一の坊グループの組織的な販売戦略(個人客対応への転換~エージェントに頼らない販売、会員数4万5千人の「一の坊倶楽部」にみるパーソナルマーケティング)(3)人材育成と組織づくりの秘密(「2つの快適」~お客様満足と従業員満足の追求、震災対応がもたらした変革…マルチジョブ化の実現)――について講演する。

 2日目は、リョケン研究員による「2016年旅館の経営方針」を発表する。基調講演では、コストダウン型から生産性向上型へ「攻める経営への転換」をテーマに、(1)市場のパラダイムシフトに備えよう【商品づくり・販売促進】(2)生産性向上に向けて攻める【業務運営・サービス価値】(3)攻める人と組織づくり【経営基盤】――などを提言する。

 参加対象はホテル・旅館の経営者、役員、調理長、幹部社員など。受講料(税込)は2万6千円、旅研くらぶ会員は2万3千円。1施設から2人以上参加の場合は、2人目以降は一律1人2万円に割引となる。宿泊料・その他料金については要問い合わせ。申込み締切は12月9日。

 問い合わせ=リョケン(担当・橋本) 電話:0557(83)2120。

冬の風物詩「こたつ船」、セット券販売企画も(堀川遊覧船)

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 国宝・松江城を囲む堀川で遊覧船を運航する松江堀川遊覧船は11月10日から、冬の風物詩「こたつ船」での運航を開始している。来年4月10日まで。

 こたつ船は、船内に昔懐かしい豆炭を使った「やぐらごたつ」を設置したもので、暖を取りながら、船頭さんのガイドを聞きながら優雅にめぐることができる。

 遊覧船は約3・7キロのお堀を約50分かけて巡る。運航時間は季節により異なるが、午前9時から夕方までの15分間隔(12―2月は20分)での運航。乗船料は大人1230円、子供610円。

 所要約30分の短縮コース「ぶらっとコース」もある。乗船料は大人820円、子供410円。10人以上からの受け付けで、1週間前までに予約が必要。ツアー商品に組み込みやすいことから、旅行会社に好評だ。

 12月1日から来年2月末までは、旅行会社を対象に、松江フォーゲルパークとのセット券販売で、20人以上の団体に限り、キックバックを実施。大人800円(セット券2400円)、中学生300円(同1710円)、小学生200円(同1200円)を払い戻す。

見るだけでも価値に、9割が外客の“うさぎ博物館”(ウィズバニー)

川岡智之氏(看板うさぎの 雷ちゃんと風ちゃんと)
川岡智之氏(看板うさぎの
雷ちゃんと風ちゃんと)

「うさぎの本当の魅力伝えたい」

 訪日外国人観光客が急伸するなか、日本人には意外に思える場所に観光客が集まっている。東京・浅草の「Theme Park With Bunny浅草店」もその一つ。うさぎと触れ合える施設で、2013年7月にオープンしたが、現在は来店者の9割が外国人観光客。同店に来るのが目的で日本に来日する客もいる。来店数は1日に30―200人、月で2500―4千人。同店を運営するライシーアムジャパン社長の川岡智之氏は「見るだけでも価値がある」と同店を“ミュージアム”と位置づける。
【飯塚 小牧】

 川岡氏は大学卒業後、在学中に務めていたアップルジャパンなどIT業界の人脈を生かし、2011年に会社を創業。事業に邁進するなか、六本木でふとした空き時間に「うさぎ」と検索したところ偶然、うさぎのペットショップが見つかり、一目で魅了されその日のうちにペットとして迎えた。「自分でも、何故『うさぎ』と検索したか今でも分からない。運命としか言いようがない」と笑う。顧客として通ううち、オーナーからコンサルティングを依頼され、実際に自分で運営してみないとノウハウを提供できないと思い、店舗を開業。周囲からは大反対を受け、人も離れていったが資金を借り、ビル一棟ごと「うさぎカフェ」にした。しかし、フタを開けてみると初月から黒字になり、年間売上は約3千万円になった。

 そのころ、川岡氏はイタリアで高級ブランド・サルヴァトーレフェラガモの美術館と出会う。「入館料は約1千円だったが、好きなブランドなので入ると、何万足もの靴が説明もなくズラリと並んでいた。映像も流れていて解説などはなかったが、ブランドストーリーの原点があり、非常に感動した」。この経験から「人は綺麗なうさぎを見るだけでもお金を払う教養があるのでは」と考えた。ちょうど前述のペットショップとの契約が切れたことから、それまでのコンセプトの「Education(教育)」に「Museum(博物館)」を追加。知人からは「ペットショップに行けばタダで見られるのに払うわけない」と言われたが、「ペットショップのうさぎとは違う」「うさぎの本当の魅力を伝えたい」という信念で“うさぎカフェ”から“うさぎ博物館”へと移行した。また、従来の動物カフェは「カフェ」と名前が付いているが、顧客は飲み物を飲みたくて来店するわけではないと感じていたこともある。「当初は飲み物にもこだわり、高価な紅茶を提供していたが、手をつけない人もいた」。現在、入館料は1人1500円。「写真撮り放題・抱っこし放題」だとプラス1500円、個室を借りるとさらにプラス2千円という形態を取っている。

 売上は順調だが、非難を受けることもある。「お金を払わない人ほどクレームになるが、実際に体験していただくと感動していただける。不思議なことに、入場料が500円だと『かわいい』で終わってしまい、ときに『でも見るだけで500円』と言われるが、1千円になると『素晴らしい』と称賛に変わる」。これは料金が高いと、体験をじっくり味わおうと前向きになり話もよく聞くため、満足度が高まるのではないかと分析する。うさぎというと小学校で飼育しているイメージだが、本来は生野菜をあまり与えてはいけないことや、獣医師法にも載っていない動物であることなども学べる。

 また、顧客には自らうさぎを飼う人も多いが、懐かないケースが多く抱けることに感激する。「独自のノウハウをもとに、飼育のアドバイスもする。また、10万円を超える貴重な種類を見られるのも魅力」。

 この価値観は外国人の方が伝わりやすいという。海外からの来客者に批判はまったくなく、ビジネスモデルを褒められることもある。当初は、外国人をターゲットにしたわけではなかったが、土地柄もあり自然に増えていった。それがSNSなどで世界中に広まり、何組もの客が「東京はここに来ることが目的」と訪れる日々だ。「先日もカナダの男性4人組みがYou Tubeで見て来店されたが、当店以外、何も決めずに日本に来たと言っていて驚いた」と話す。海外の人が感動するのは、野生で懐くことがないと思っているうさぎを抱けることや、飼育を禁止されており、うさぎ自体を見たことがないことなど理由は国によってさまざまだが、割合は欧米系の個人旅行が多数だ。

 急増した背景には看板を「うさぎのテーマパーク」と英語表記したことも大きい。「海外の人は日本の看板は分からないと実感した。周りは飲食店だらけなのに、レストランはどこかと聞かれることも多い。当たり前のところにチャンスはある」と自身の経験から呼びかける。

 最新の動向としては、現地オプショナルツアー販売サイトの「VELTRA」と契約し、同サイトでのチケット販売を開始した。また、現在は大手旅行会社との契約の話も順調に進んでいる。こうした状況も踏まえ、今後は訪日外国人観光客向けのインフォメーションセンターを兼ねることも検討する。「自社の売上だけ考えるのではなく、例えば訪日向けのサービスは1カ月無料で置くことなども考えている。旅行者も道などを聞きやすくなると思うので、多くの人に訪れていただきたい」。

No.416 貸切バス・運転手不足が深刻、観光消費の“機会損失”拡大へ

貸切バス・運転手不足が深刻
観光消費の“機会損失”拡大へ

 訪日外客数の飛躍的な増加や、”爆買い”、民泊などの規制緩和が取りざたされているが、利益を得るのは、従来の観光事業者ではなく、異業種からの新規参入業者という構図もある。観光業界では今、観光貸切バスと、ドライバー不足が深刻だ。国をあげて観光立国を推進する一方で、現場の歪みは拡大している。札幌観光バス(福村泰司社長、北海道札幌市)は「北海道の観光貸切バスの現況と予想される課題」を作成、この報告書が全国の観光貸切バスの課題を浮き彫りにする。
【増田 剛】
 
 札幌観光バスが作成したレポート「北海道観光貸切バスの現況と予想される課題について」によると、北海道の観光貸切バスと、運転手不足の深刻さが数字によって示されている。そして、これは北海道に限らず、全国で同様に“貸切バス不足”“運転手不足”の現象が起こっているのだ。

 同レポートによると、北海道を訪れる訪日外国人数は年々右肩上がりに増加している。2013年には約115万人だったが、今後の予測として、15年には168万人、16年には194万人、18年には247万人、東京オリンピックが開催される20年には北海道では300万人のインバウンド客を見込んでいる。

 さらに、来春には北海道新幹線が開業する。この北海道新幹線開業によって増加する来道観光客数は、16年に227万人、18年に241万人、20年には255万人を予想しており、今後、道内に大幅な観光客数の拡大が予想される。当然これら「追い風」を観光業界だけでなく、あらゆる産業も取り込みたいが、現実的には難しそうだ。その要因が、観光貸切バス不足、そして運転手不足の問題に直結する。…

 

※ 詳細は本紙1606号または11月6日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

「0泊2食」プラン ― “昼に旅館で過ごしたい”ニーズへ

 旅館といえば、「旅先で宿泊する施設」と、一般的には捉えられている。夕方に旅館に到着し、客室に入ると浴衣に着替え、温泉に浸かる。夜は豪華な料理を楽しみ、畳の上に敷かれた布団でゆっくりと眠る。翌朝目が覚めるとさわやかな気分で朝食をいただき、9―10時には宿を出る――。これが旅館の一般的なイメージだろうと思う。しかし、今多くの旅館のホームページを見てみると、「日帰りプラン」が用意され、なかには「0泊2食」プランというものも多く見られるようになった。

 旅館に宿泊する場合、2連休が必要だ。職種によっては2連休が取りづらい人も多い。また、2連休があっても、どちらかの休みには大抵“野暮用”が入っているものだ。家族やグループなど複数人で2連休を確保するには、相当なスケジュールの調整が必要になるが、「もう少し気軽に旅館を使いたい」というニーズもあるのだ。

 たまたま1日ぽっかりと休日ができたとき、少し足を延ばして「のんびりと温泉に浸かりたい」と感じることも、ままある。そのときに、近場の温泉地で(1)お昼に食事をする(2)客室でのんびりできる(3)温泉にもゆったりと入れる(4)夕食も食べられる。そして夜には自分の家に帰れる――という「0泊2食」プランはありがたい。通常の「1泊2食」プランと比べ、料金もかなり安く設定されているのも特徴だ。

 例えば、子育てに疲れた若い夫婦は「1日だけ」子供をおじいちゃんやおばあちゃんに預けて、ゆっくりと夫婦で過ごし、夜には子供を迎えに行くことができる。あるいは、介護で疲れたときに、たまには仲間と美味しい食事をしたり、温泉で日ごろの疲れやストレスを解消したいと思う人も、きっと多いのではないだろうか。

 都市部のシティホテルは昼間の時間帯は宴会場でのイベントやセミナー、さまざまな会合、商談の場などで多くの人が集まり、にぎわう。一方、温泉街は平日の昼間は人通りも少なく、旅館のロビーは閑散としている。旅館だって夜に旅行者を宿泊させるだけでなく、昼間の時間帯をもっと有効に使えるはずである。

 とくに大型旅館は立派な大広間や宴会場を有している。平日の昼間に、活発に文化的なセミナーや勉強会を企画されている旅館も多いが、近隣エリアの人が交流する“場”としての活用に、もっと大きな可能性があるように感じる。

 「0泊2食」プランには、単純に従来の旅館料理を提供するだけではなく、さまざま実験的な試みにも挑戦できる。遠方から宿泊されるオーソドックスな1泊2食プランとは別に、イタリア料理、スイーツ食べ放題など、斬新なメニューを提供することも考えられる。今流行りのグランピング(グラマラスなキャンプ)的な利用としても、面白い。

 昼間の時間をどのようにお客さんに過ごしてもらうのかは、固定観念に縛られない方がいいかもしれない。外国人旅行者が爆発的に増えているなか、すでに「夕食無し」の1泊朝食付プランも徐々に定着してきている。もちろん、「1泊2食」という旅館独特のスタイルを堅持しながら、一方で「昼に旅館で過ごしたい」という、新たな開拓の余地のあるニーズに、真摯に向かい合うだけの価値はあると思う。

(編集長・増田 剛)

都市観光に意欲、星野佳路氏が語る、“星野”第4の市場へ

星野佳路社長
星野佳路社長

 星野リゾート(星野佳路代表)は10月13日、東京都内で定例記者発表会を開き、「ファミリー」「ハイクラス」「温泉」に続く第4の市場「都市観光」への意欲を語った。

 同社が都市観光市場に可能性を見出したのは、2005年に松本市で始めた温泉旅館(現・界 松本)の再生事業。浅間温泉の需要が低下するなか、松本エリアの宿泊需要が落ちていないという案件で、原因は過去20年で現れた市内のビジネスホテルに宿泊客が集まっていることだった。ビジネスホテルを選ぶ理由は「安い」「食事が必要ない」「ビジネスのほうが良い立地」などさまざまで、星野氏は「都市観光市場は大きく、温泉地では宿泊客を取り戻せない」と考え、この経緯から温泉保養そのものを目的とする宿泊客をターゲットとした「界」ブランドを立ち上げた。

 同時に「かつては温泉地でサービスをしっかりと提供させていただいていたお客様が都市ビジネスホテルにとられている」という事態が気がかりとなり、調査も進めてきた。

 「いわゆるビジネスホテルに泊まっているお客様を調査すると東京は別として、地方に行くほど地方都市のビジネスホテルに観光客が多い。『ビジネスホテル』と名がついているので我われ観光宿泊事業者は油断してしまったが、実は『都市観光ホテル』だった」。

 また、旅行目的を聞いたアンケートは温泉が1位だったが、それ以外は都市観光のニーズが多かったことにも注目し、「都市観光需要にサービスを提供できていないという課題を解決したかった」という。

 同社は再生事業を中心に宿泊事業を進めているが、都市の再生案件は少なく、土地代も高額で権利も複雑。このため、長期スパンで施設とサービスを提供できるよう、すでに動き始めており、7月にはANAクラウンプラザ4施設の取得も発表した。星野氏は「チャンスに足掛かりを作り、4番目の市場に星野リゾートのサービスを提供したい」と語った。

田村観光庁長官「2千万人の次段階へ」、訪日累計1500万人超える

 観光庁の田村明比古長官は10月21日に開いた会見で、10月9日時点で15年の訪日外国人旅行者数が累計1500万人を突破したことを発表し、訪日外国人旅行者2千万人目標の次のステージへの移行について方針を考える旨を語った。

 9月の訪日外国人旅行者数は前年同月比46・7%増の161万2千人、今年累計で前年比48・8%増の1448万8千人となった。また、10月9日時点で1500万人を突破(1505万1800人)したことも合わせて発表した。田村長官は「外的要因が無ければ『1900万人に届く勢い』という評価は変わらない。また、『2020年に2千万人』の目標から次のステージに向かって準備を進めていこうと、石井国土交通大臣に言われたところだ」と述べた。

 訪日外国人の7―9月の旅行消費額は、前年同期比81・8%増の1兆9億円と1四半期で初めて1兆円を突破。中国人の旅行消費額が同152・4%増の4660億円で、構成比でみると、46・6%を占める。訪日外国人1人当たりの旅行支出は同18・3%増の18万7165円。田村長官は消費動向の変化について「国によって支出の中身は違う。また、子細にみていくと中国の旅行の内容も単なる買い物からアクティビティにお金を使う動きも出てきている」と述べた。

 規制改革実施計画は既存・新規とのバランス

 規制改革実施計画に盛り込まれた、着地型観光推進に関わる3つの検討項目(第3種旅行業者の範囲拡大、地域限定旅行業等の登録容易化、旅行業務取扱管理者試験の見直し)については「旅行者のニーズは変化している。観光で地域経済を活性化する機運も高まっており、着地型の推進環境を作っていかなければいけない。他方で、単純に野放しで何でも緩めればいいわけではない」と、既存・新規のバランスを保ちながら、制度設計を進める方向性を示した。

全国から3人認定、コンシェルジュ・スタッフ(日旅)

(左から)松本氏、中村氏、佐藤氏
(左から)松本氏、中村氏、佐藤氏

 日本旅行は創業110周年を機に、店頭でのコンサルティングスキルが高い社員を「コンシェルジュ・スタッフ」として認定するプログラムをスタートさせた。10月14日には初のコンシェルジュ・スタッフとして3人を選出した=写真

 インターネットによる販売が大きく拡大し、ネット専業の旅行会社が存在するなかで、情報をネットで収集し、「旅行商品を選択する相談や、申込みは店頭がいい」という消費者も多い。また、旅行市場においては熟年層が重要な顧客層であることもあり、同社は「店頭店舗を持つ強みを生かした販売を展開し、お客様に安心して旅行相談をしていただける店舗づくり」を目指していく考えだ。

 「コンシェルジュ・スタッフ」は、優秀な店頭スタッフを育成・選出することで、質の高い接遇を提供し、店頭販売の付加価値の向上をはかることを目的としており、このプログラムをスタートすることで、スタッフのモチベーションの向上やスキルアップ、ロールモデルの明示などにもつなげていきたい」としている。

 初の「コンシェルジュ・スタッフ」選考会は、全国83店舗、約500人の同社店頭スタッフのなかから、地方予選を勝ち抜いた社員や、推薦を受けた社員10人が参加。「どのようなビジョンを持っているか」といった質疑応答や、実際の接遇をイメージしたロールプレイング形式で、役員をはじめ、店頭、CS関連部署の責任者、外部講師ら審査員が評価を点数化、ロールプレイング終了後の評議会を経て、3人を選出した。次年度以降も継続してコンシェルジュ・スタッフの輩出を予定している。認定者は、氏名を刻んだゴールドのネームプレートを着用し、専用の名刺入れも付与される。名刺には「コンシェルジュ・スタッフ」であることを示して、来店者にアピールしていく。

 今回認定された3人は次の各氏。

 中村圭吾(新宿支店)▽佐藤紫乃(TiS博多支店)▽松本裕子(名古屋栄支店)

天龍源一郎 革命終焉

 今年プロレス生活40周年を迎える天龍源一郎選手が11月15日の両国国技館を最後に、プロレスから現役引退する。

 大相撲からプロレスに転向した天龍。1964年1月場所で初土俵を踏んだ思い出の地、両国国技館で現役最後の試合を飾る。対戦相手は新日本プロレスのオカダ・カズチカ、60分1本勝負のシングルマッチだ。最後の最後まで天龍らしいカードが組まれた。

 最終興行には長州力、獣神サンダー・ライガー、藤原喜明、高山善廣、鈴木みのる、ザ・グレート・カブキ、越中詩郎、藤田和之らも参戦して引退試合に華を添える。

 プロレス人生で記憶に残る思い出は「馬場さんと猪木さんからフォールを取れたことが誇り」と振り返る天龍。ラストマッチで天龍源一郎というプロレスラーの生きざまを見届けたい。

【古沢 克昌】