KNT-CTHD、代表取締役専務に小山氏 組織改正で「社長室」「グループ事業戦略本部」設置

2020年5月21日(木) 配信

代表取締役専務に就任する小山佳延常務取締役

 KNT-CTホールディングス(KNT-CTHD)は5月13日(水)に取締役会を開き、代表取締役と役員人事を内定し、組織の一部改正を行うことを決めた。6月17日(水)開催予定の定時株主総会と取締役会後、正式に決定する。

 代表取締役専務に小山佳延常務取締役(クラブツーリズム取締役社長)と、近畿日本鉄道の三宅貞行取締役常務執行役員が就任する。小山氏は社長室担当、三宅氏は経理部担当となる。丸山隆司代表取締役会長は、代表取締役を退任する。

 小山氏は、1961年生まれ、82年近畿日本ツーリスト(現KNT-CTホールディングス)入社。2007年クラブツーリズム執行役員海外旅行部長、13年取締役などを歴任。13年からクラブツーリズム代表取締役社長、19年から常務取締役を務めている。

 また、取締役には、酒井博執行役員(クラブツーリズム執行役員)が昇格し、クラブツーリズム取締役社長も兼任する。西本伸一取締役と瓜生修一取締役が常務取締役に昇格。中村哲夫取締役と田ヶ原聡取締役は退任し、中村氏は近畿日本鉄道取締役常務執行役員に、田ヶ原氏はユナイテッドツアーズ取締役社長に就く。

 執行役員には、村上さちえ氏(クラブツーリズム執行役員WEB販売部長、マーケティング部長)、大原浩氏(近畿日本ツーリスト首都圏執行役員 仕入・ウエブ事業部長兼団体旅行部長)、石原栄二氏(近畿日本ツーリスト関東執行役員営業本部長)が昇格。中津功執行役員は退任し、KNT-CTグローバルトラベル監査役および近畿日本ツーリスト関西監査役に就任する。

 組織改正は簡素化をはかるために行われ、経営戦略部に総務広報部の秘書部門を統合し、名称を「社長室」に改める。また、情報セキュリティ対策室は、情報セキュリティ対策の策定・推進業務をIT企画部に、情報セキュリティ対策の実施状況の監査業務を監査部に移管し、同室を廃止する。

 グループ事業推進本部は、名称を「グループ事業戦略本部」に改め、同部内の組織を統合。改正後は、営業企画部(旧・マーケティング部、営業推進部、Web戦略部、教育旅行部、関連事業部、スポーツ事業部)、国内旅行部(旧・国内旅行部、地域交流部)、グローバル戦略部(旧・海外旅行部、訪日旅行部)、東京オリンピック・パラリンピック事業推進部は(従来通り)とする。

〈旬刊旅行新聞5月11・21日合併号コラム〉消費者に伝えてほしい コロナ後に「もう一度、旅の楽しさを」  

2020年5月21日(木) 配信

もう一度、旅の楽しさを

 政府は5月14日に39県の緊急事態宣言を解除した。19日現在、残るは東京都や大阪府など8都道府県となった。

 
 休業を続けていた旅館やホテルなども徐々に営業を再開する施設が増えてきたことは、とてもうれしいニュースであり、気分が明るくなる。このまま潮が静かに引くように新型コロナウイルスの感染が終息してほしいと願っているが、そう簡単にいかないのがこのウイルスの厄介なところだ。
 
 かれこれ3カ月近く、旅ができない環境にいると、自分のやりたい旅をあれこれと思い描く日々だ。
 
 今、どのような旅がしたいかといえば、クルマのハンドルを握って、日本中をゆっくりと回りたい。まだ見たことのない道を走り、その土地の名前を一つずつ確認しながら、記憶に留めていく。そして夕方になると、どこかの宿の安い部屋で体を休める。朝になると、再びクルマに戻り、エンジンをかけ、アクセルをゆっくりと踏む。その繰り返しだ。海が見えれば、浜辺を少し歩き、山道の見晴らしの良い高台に辿り着けば、缶コーヒーを買って、思いっきり深呼吸する。漠然としているが、コロナ終息後には、そんな旅をしたいと、夢見ている。
 
 頭の中がすっきりしないとき、夜の道路が空いている時間帯にクルマに乗って、自宅近くの国道16号から横浜方面に向かい、国道1号で五反田方面を目指し、環状7号線と交差する地点で左折し、世田谷通りで戻るという周回コースが自分のお気に入りだ。随分と長い距離ではあるが、FM放送から流れるクラシック音楽を聴きながら、暗い街並みを走っていると、気持ちが良くなってくる。
 
 その都度、クルマを運転することは、楽しいのだと思う。
 
 トヨタのスローガン「FUN TO DRIVE,AGAIN」は、「もう一度、クルマの楽しさを創造したい」という決意表明である。
 
 自らスポーツカーを操る豊田章男社長の「うるさくてガソリン臭いクルマが好きだ」という言葉に胸が沸き立つ。時代に逆行するようなリスクを含んでいるが、「人生を楽しむ」ことを忘れない姿勢に共感する。
 
 世の中の潮流は「エコ」であり、「安心・安全」である。そしてAI(人工知能)による自動運転の時代である。豊田社長はそんなものは百も承知である。「エコ」にも「安心・安全」にも、他のライバル社に決して負けない意識と、企業努力を継続している。そのうえで、「クルマを運転する楽しさ」を届けたいという、魂を込めた経営者の“想い”が直に伝わってくる。逃亡劇を演じた日産のカルロス・ゴーン元社長も、「クルマが好き」なことでは、負けていない。
 
 そして、小さな自動車修理工場の住み込み見習い職人からスタートして、「世界のHONDA」へと育て上げた本田宗一郎氏も、より良い「エンジン」を作ることへの執着は、常人の域をはるかに超えた存在だった。
 
 買い物をする際には、経営トップの企業哲学や、製品への“想い”の強さがとても大事である。旅行会社や、観光施設は、「形のないサービス」を売っているが、「旅をする楽しさ」をどれだけ消費者の胸に伝えることができるかが勝負となる。コロナ禍後に、「FUN TO TRAVEL,AGAIN」だ。
(編集長・増田 剛)
 

【特集No.553】入口は温泉むすめ 若者を温泉地の新たなファンに

2020年5月21日(木) 配信

 キャラクターコンテンツのプロデュースなどを行うエンバウンド(橋本竜社長)は2016年、日本全国にある温泉地を活性化するためのコンテンツ「温泉むすめ」を発表した。全国の温泉地を擬人化したキャラクターで、121のキャラクター(20年4月現在)を制作。ツイッターのフォロワー数は約4万人にのぼり、各温泉地で行われるイベントには多くの人が集まるという。コンテンツを活用した「地域の活性化」と「若者の旅行需要の喚起」について橋本社長に話を聞いた。

【後藤 文昭】

コンテンツの力で旅需要喚起

 ――まず、温泉むすめについて教えてください。

 温泉むすめは、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」をきっかけに誕生しました。震災が発生した時フランスで会社を経営していたのですが、フランス人のなかには、「もう日本には観光に行くことができないのでは」という人もいました。

 こうした状況の中で、「地元である福島を自分の得意なコンテンツで活性化したい」と考え帰国しました。

 その後、KADOKAWAに入社しコンテンツビジネス全般を学び、16年にエンバウンドを立ち上げました。

 温泉むすめは、グッズ販売や声優イベントなどを通じ、温泉地に人を呼び込む役割を担っています。

 キャラクターは現在、121あり、アニメーションや漫画、ゲームなどのメディア展開も行っています。

 ――キャラクターは、どのように作られるのですか。

 最近は、温泉地側からの依頼で制作がスタートします。

 依頼を受けてからエンバウンドでキャラクターの設定を考え、イラストレーターにキャラクターを描いてもらい、声優に声を吹き込んでもらうと、キャラクターが完成します。

 ――キャラクターを使用する際のルールは設けていますか。

 温泉むすめは、地域活性のきっかけとなるコンテンツなので、地元の名物や特産品などと掛け合わせながら、自由に活用していただきたいです。

 また、グッズ製作時にキャラクターを使う際のロイヤリティは、徴収していません。

 一方で、守っていただきたいルールはいくつか設けています。

 例えば、ファンが温泉地に出掛ける目的と、地域の人とのコミュニケーションを生むために通信販売は禁止にしています。

 また、温泉地の回遊を生むために「1業種1アイテム」に制限しています。

 ――現在、温泉むすめを活用している温泉地はどのくらいありますか。

 現在、約50カ所の温泉地が活用しています。

 なかでも、飯坂温泉観光協会青年部・温泉むすめ活用委員会を設け、月に1度の定例会議で活用方法などを地域全体で話し合われている福島県の飯坂温泉は、理想的な活用をしている地域の1つです。

 飯坂温泉のキャラクターは、地元メディアに多く取り上げられていて、福島市内の幅広い世代に浸透しているとも聞いています。……

【全文は、本紙1794号または5月26日(火)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

 

 

【にっぽん旬旅】~動画で各地の魅力紹介~大津市×明智光秀ゆかりのスポット~

2020年5月21日(木)配信

 滋賀県大津市では、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放映に合わせ、市内4会場で「びわ湖大津・光秀大博覧会」を開催しています。

 5月21日(木)現在、新型コロナウイルスの影響で各会場が臨時閉館となっていますが、外出自粛をされている皆様に少しでも旅行気分を味わっていただきたく、「大津市×明智光秀 ゆかりのスポットをご紹介」動画を作成し、公開しました。

 動画では、「びわ湖大津・光秀大博覧会」各会場の見どころをお伝えするほか、大津市にある明智光秀に関するスポットを紹介しています。また平和な日常が戻った際には、多くの方に大津市までお越しいただけることを願っています。

大津市×明智光秀 ゆかりのスポットをご紹介

愛媛・今治の魅力をオンラインで 「どこでもi.i.imabari!」先行配信スタート

2020年5月20日(木)配信

 愛媛県の今治ブランド戦略会議は、「i.i.imabari!(アイアイ今治)キャンペーン」の取り組みの一環として、オンラインで今治の魅力(i.i.imabari!)を体験できる「どこでもi.i.imabari!」を公式ホームページ内にオープンする。本格オープンに先駆け5月20日(水)から、今治出身のMAYA MAXXさんのウェブ絵本や、今治タオル体操特別バージョンなどのコンテンツを先行配信している。

 「i.i.imabari!キャンペーン」は、みんなで今治市を盛り上げ、つい夢中になってしまうような市の魅力を、広く世界に発信するための活動。新たなご当地スイーツ今治ブレスト(バリブレスト)を市内13店舗(2020年3月現在)で提供するなど、今治を盛り上げている。

 今回は自粛生活での疲れを癒し、リフレッシュしてもらいたいとの思いから、今治の郷土料理「いぎす豆腐」や「鯛のあら炊き」のレシピ、画家で今治応援大使も務めるMAYA MAXXさんのウェブ絵本「会いたいね」、人気のご当地キャラ・バリィさんも出演する「今治タオル体操」などの動画を公開した。公式ホームページでは今後、グルメやショッピング、ミュージアムなど6つのカテゴリに分け、コンテンツを配信していく。

バスツアーの特徴と貸し切りハイヤーの利点を組み合わせ 平成エンタープライズが自宅発着ツアー商品販売

2020年5月20日(水) 配信

尾瀬の風景(イメージ)

 平成エンタープライズ(田倉貴弥社長、埼玉県志木市)はこのほど、自宅発着のツアー商品を売り出した。バスツアーの特徴と、貸し切りハイヤーの利点を組み合わせた新しい旅行スタイルで、参加者は自宅からハイヤーに乗車し、旅に出ることができる。

 「旅行に行きたい」という消費者の意向を「募集型旅行のカタチで出来る限り叶えたい」との思いで考案された同ツアー。同社のハイヤーを使用することで、少人数での移動や、公共交通機関での移動をなくすなどの新型コロナウィルス感染症対策につなげた。

 募集中のツアーは、尾瀬ハイキングコースと、山梨でのフルーツ狩りやワイナリー見学などを盛り込んだコースの2本。催行は緊急事態宣言が解除されてからとなる。

 各ツアーとも東京23区と武蔵野市、三鷹市を3つのエリアに分け、エリアごとに設けられた出発日に最大3組の参加者を募集する。自宅に迎えに行く時間は、催行決定後、各出発日の2、3日前に参加者に連絡する。

 発着場所はグループごとであれば、自宅以外でも可能で、5分以上停車可能なスペースがない場合は希望場所付近までの送迎となる。

 尾瀬を訪れるコースでは、研究見本園周遊コースでのハイキングと温泉が楽しめる。担当者は、「季節の草花や山々に囲まれた木道を進みながら、目の前に広がる湿原と美味しい空気、豊かな自然を満喫いただけます。ハイキングの後は入浴施設で疲れた体を癒していただき、自宅まで送迎いたします」とPRする。

 同社は今後、バスでは行けない場所や少しマニアックな内容など、少人数だからこそ対応できるツアーを充実させていきたい考えだ。

問い合わせ先:048-487-7074(旅行部)

阪急交通社グループの20年3月期決算、前期比86.8%減益も黒字維持 第4四半期の減少響く

2020年5月20日(水) 配信

イメージ

 阪急交通社グループ4社(阪急交通社、阪急阪神ビジネストラベル、阪急トラベルサポート、阪神トラベル・インターナショナル)は5月14日(木)、2020年3月期(19年4月1日~20年3月31日)の連結決算を発表した。

 第4四半期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、営業利益は前期比86.8%減の2億3200万円と大幅に減少したが、黒字を維持した。営業収益はコロナ禍前の好調もあり、同5.0%減の337億6600万円だった。

 国内旅行は、チャーター便や個人旅行商品の販売強化などから堅調に推移したが、収益は前期に比べて減少した。

 海外旅行は、欧州や台湾の好調が全体を牽引し、前期を大幅に上回るペースで推移したが、2月以降はツアー催行中止が多数発生し、収益は微増に留まった。

 訪日旅行は感染症の影響を受けるも、収益は前期より増加した。

 今後は感染症の対策を講じたうえで商品造成を行うとともに、オンライン化を推進していく。

JATA、オンライン研修導入へ 配信期間中は繰り返し視聴可能

2020年5月20日(水) 配信

オンライン研修のイメージ

 日本旅行業協会(JATA)は5月19日(火)、今年度の総合旅行業務取扱管理者研修を動画配信形式で実施することを決めた。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、従来の集合研修からオンライン研修に変更するとともに、同協会の取り組みを今後の参考にしてもらいたい考え。

 配信期間は、5月16日(土)~6月15日(月)まで行う。休憩などをせずに視聴した場合の動画時間は、最短で約3時間、もっとも長い科目で約6時間を要する。受講生はライフスタイルに合わせて再生することが可能で、繰り返し視聴できる仕組みとなっている。

 なお、終了テストは6月21日(日)実施予定で、関係する科目の動画視聴が受験の条件となる。

20年4月の訪日外客数、前年同月比99.9%減 過去最少の2900人に JNTO発表

2020年5月20日(水) 配信

イメージ

 日本政府観光局(JNTO)は5月20日(水)、2020年4月の訪日外客数(推計値)が前年同月比99.9%減の2900人だったと発表した。7カ月連続で前年同月を下回り、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、単月の訪日外客数として過去最少となった。

 新型コロナウイルス感染拡大により、各国で海外渡航制限や外出禁止などの措置が取られ、日本でも査証無効化などの対象国を拡大したことなどから、22市場すべてで訪日外客数がほぼゼロに近い数字となった。

【東京都】バス事業者向けにコロナ対策を支援 安全対策や風評対策に

2020年5月20日(水)配信

観光バス(イメージ)

 東京都と東京観光財団は、都内に営業所があるバス事業者などを対象に、安全・安心確保緊急支援事業(新型コロナウイルス感染症緊急対策)の募集開始した。申請期間は2020年11月30日(月)まで。

 おもな補助対象経費は(1)観光バス等の乗客及び乗務員双方の安全安心を確保するための事業(バス車両内において感染症の拡大防止のための備品調達(感染防止仕切り板、サーモグラフィー)など、(2)バスなどに係る風評被害払拭のための広告宣伝などの事業にかかるもの。補助率・補助限度額は事業経費の4/5以内で、補助限度額は1台当たり8万円。事業の実施期間は21年1月15日(金)まで。募集期間中でも申請額が予算に達した場合は終了する。