鹿教湯温泉の長期滞在プラン ― 移住の前に旅館で3週間“暮らす”

2014年7月11日
編集部

 古民家や、マンションの空き室など外国人観光客が宿泊できるようにする大胆な規制緩和の流れが築かれつつある。旅館業法に縛られた既存の宿泊施設には、厳しい環境になるだろう。

 官民挙げて観光立国推進に向けて進んでいるが、本来、観光産業の中核を担うはずの旅館が窮地に立たされ、観光産業に新規参入したネットエージェントや、不動産業が大きな利益を持っていく構図にならなければいいが、と危惧している。

 そんななか、長野県上田市の鹿教湯温泉旅館組合は、「旅館で長期滞在を」と、21泊で9万9800円の滞在型プランをこの夏から売り出す。スタート時には同温泉の宿泊施設23軒のうち、12軒が参画する。料金のなかには消費税や、自治会費も含まれている。大きな特徴は1人の料金ではなく、1部屋当たりの料金なので、リタイアした夫婦や、40代を中心とした家族連れで連泊すると、割安感が大きい。元々湯治客が多い温泉地で、鹿教湯病院やクアハウスもあり、長期間療養客を受け入れてきた下地はあった。

 食事代は含まれていないので、料理をオプションで付けてもいいし、蕎麦屋さんなど温泉地内にある4軒の食事処や、近隣の大型旅館・ホテルのレストランを利用することもできる。コンビニエンスストアから旅館への出前サービスを利用してもいい。自炊できる施設も参画している。21泊でなくても、例えば7泊8日では3万5千円(消費税込み)と、1泊当たり5千円という計算だ。

 このプランのキャッチフレーズは「信州お試し移住」。本格的な移住の前に「温泉地で3週間“お試し”で暮らしてみては?」というものだ。滞在中にはアウトドアや農業体験、アート&クラフト作家との交流などのプログラムを用意する。同温泉の斎藤ホテルでは、旅行業登録を持ち、上高地や軽井沢への日帰りバスツアーを3千円台で実施しており、これらツアーに参加することも可能だ。

 また、上田市内に本格的に移住を考える人には、仕事や不動産を案内するサービスも行う。 どの自治体も、移住者や観光客を誘致したいが、いきなり移住ではハードルが高いため、まずは温泉地で長期滞在してもらうというのは、自治体にとっても一石二鳥の取り組みである。

 外国人観光客の増大、これにともなう古民家やマンションなどの長期滞在者受け入れの動きのなかで、温泉地における長期滞在への取り組みは喫緊の課題であり、鹿教湯温泉が先鞭をつけるかたちとなった。

 長期滞在プランに参画しない宿の理由として、料金的に折り合いがつかなかった旅館もあるという。また、宿のポリシーとして長期滞在客よりも1泊2食プランを中心に経営したいという宿もあると聞く。これは当然のことだ。一つの温泉地に色々なスタイルの宿があってしかるべきだと思うし、多様性こそが、温泉地を一層魅力的にする。長期滞在客を受け入れるうえで、今後、鹿教湯温泉ではさまざまな課題も見つかってくるだろう。旅行者の目線から言えば、3週間も同一温泉地に滞在するのであれば、参画旅館のお風呂を幾つか入れるようなサービスや、滞在中、宿も何軒か選択できるような柔軟性があれば、なおうれしい。まだ生まれたばかりの企画であり、今後どのように進化していくのか楽しみだ。

(編集長・増田 剛)

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