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人吉温泉観光協会 観光復興へ方策探る 豪雨被害受け人吉で講演会

2020年10月12日
九州支局:有島 誠

2020年10月12日(月) 配信

藻谷氏を招いた講演会のようす

 熊本県・人吉温泉観光協会は9月14日、中小企業大学校人吉校で7月の豪雨で甚大な被害を受けた、人吉市市街地の復旧・再生に向けた方策を探る講演会を開いた。

 講師には日本総合研究所首席研究員で、日本政策投資銀行地域企画部特別顧問の藻谷浩介氏を迎えた。テーマは「人吉市の観光を主体とした再生に向けて」。

 同講演会は宿泊施設アドバイザー事業として同協会が主催。感染予防のため40人限定で、地元の観光関係者らが参加した。

 藻谷氏は冒頭、「相良藩700年の人吉の歴史から考えれば、立ち上がり、折れずに、希望を持つこと」と参加者を励まし、「400年後に残った人工物は、400年前にもあったもの」と話した。人吉城址や青井阿蘇神社、水路、田畑、寺、用水路、武家屋敷など人吉の貴重な歴史を具体例に挙げ、「温泉も湧いている。なくならない」と強調した。

 そのうえで、コロナ前に訪日客の消費額は急増したが、日本人の国内旅行消費額は伸びていないと紹介。「日本人相手なら宿泊×高単価。日帰りで安売りしても儲からない」とアドバイスした。

 人吉温泉再建の方向性として、宿泊拠点となり、「日帰り温泉との差別化」を提案した。夜景と朝の散歩コースを整備し、夕景、夜景の魅力をアピールする。このほか、複数泊(滞在)の拠点となるため、館外を含めた夕食の選択肢を増やし、滞在中にラフティングやSLを楽しむ案を示した。

 藻谷氏は「人吉温泉に泊まり、熊本城や天草を観光し、福岡で野球を見てもいい」と話した。

 「戦略」では、「利益の8割は、2割の上客が占める」と持論を展開した。「人吉を評価して何度も来てくれる顧客を発見しよう」と話し、「最大の宣伝は、評価してくれる訪問客の口コミ」と指摘した。

 さらに①上客増加の目標を共有し、首都圏、関西圏の40代の顧客を増やす②城下町の食文化を徹底復興。球磨焼酎は世界に通じると思う――と具体策を提示した。

 「客の来る地域は『行くいい訳』が立つ地域」と語り、「人吉には言葉より味と匂いと風、水、歴史を感じられる」と魅力を強調した。

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