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〈旬刊旅行新聞3月21号コラム〉新型コロナ感染拡大のなかで 「磨き続ける」施設には頭が下がる思い

2020年3月20日
編集部:増田 剛

2020年3月20日(金) 配信 

金属も磨くことを止めた瞬間から、曇り、錆び始める

 何も考えずに、一つのこと(作業)に没頭したい時がある。その作業は、単純であればあるほどいい。

 
 先日、ホームセンターに行って、メタルコンパウンド(金属研磨剤)を買ってきた。
 
 早速、メタコンを布に塗り付けて、オートバイのアルミ部分をひたすら磨き続けた。とりわけチェーンカバーは梨地のアルミ素材なので、鏡面のように輝き出すまでには、根性を入れて磨き続けなければならない。
 
 チェーンカバーをしばらく無心に磨くと、何も映らなかった表面がわずかに光沢を帯び、古い鏡のように、薄らぼんやりと世の中を映し始めたではないか。私は感動し、再び布に歯磨き粉のようなメタコンを少し多めに出して、精を出して磨き始めた。
 
 この単純な行為を続けていくと、今年のゴールデンウイークが終わるころには、今は曇っているチェーンカバーに青空や流れる白い雲が映るのではないかと、小さな生きる目的を見つけた気分だった。
 
 どうして「オートバイを磨こう」と思ったかというと、一つは春が近づいたからである。まだ風は冷たいので、オートバイで遠出はできない。その期間は、ひたすら古い布で車体を磨き続ける。磨いて、磨いて、磨き上げて輝き始めたマシーンを少し遠目から眺める。そして「うん、カッコイイ」と満足する。磨くことは、走れないときの大きな楽しみである。
 
 オートバイを所有する喜びは、「走ること」と「磨くこと」の2つの異なる楽しみを提供してくれることだ。
 
 走るだけでは、やはり半分しか楽しんでいない。また、壊れて動かなくなったオートバイを磨いても楽しみは半分だ。「いつか、この磨き上げた車体に乗って、お洒落な街並みや、菜の花や桜の咲き乱れた田園風景を颯爽と走ってみたい」という期待を指先に預けて、磨き上げることに意味があるのだ。
 
 折しも、世の中は新型コロナウイルスの感染拡大で、インターネットニュースも、テレビ番組も話題はコロナ一色だ。電車に乗ってもマスク姿ばかりで、重苦しい空気が漂う。さすがに気が滅入ってくる。
 
 とくに観光業界では、移動制限などによって大打撃を受け、厳しい状況にある。このような状況でも、館内を磨き、コロナ対策の消毒液や、衛生環境の向上に取り組む旅館やホテル、観光施設には頭が下がる思いだ。
 
 経営も、颯爽と走り続けられる時期もあれば、まったくお客が来ない時期もある。だが溜息ばかりをついても仕方がない。走れない時期には、やがて太陽の光に輝くときを思い浮かべながら、「磨く」ことに専念する心の余裕が必要なのかもしれない。磨かれたものに、人は魅かれ、近づいていくもの。しかし、輝くにはひたすら磨き続けなければならない。金属も磨くことを止めた瞬間から、曇り、錆び始める。無心にオートバイを磨きながら、そのようなことを考えていた。
 
 新型コロナウイルスの感染拡大で、今は団体旅行などの催行は難しい状況にある。しかし、オートバイの旅は、ヘルメットを被って風の中を走っていくので、公共交通機関を利用する旅に比べて感染のリスクは低い。
 
 間もなく、暖かくなる。全国に桜が咲き始める。コロナで苦戦している観光地を巡りたいと思う。
(編集長・増田 剛)

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