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「観光革命」地球規模の構造的変化(215) インバウンド観光立国に黄信号

2019年10月3日(木) 配信 

※画像はイメージ

 政府は東京夏季五輪・パラリンピックを契機にして「2020年訪日外国人旅行者数4千万人達成」という数値目標を掲げ、観光立国に尽力している。さらに「30年インバウンド6千万人」という大きな数値目標も立てられている。

 日本へのインバウンドは13年に1036万人、15年に2022万人、17年に2869万人と増加。18年には3119万人を記録した。まさに驚異的な増加であり、「20年4千万人達成」が不可能ではない順調な増加である。しかも今年1―8月のインバウンドの累計は、前年同期比3・9%増の2214万人で過去最高を更新していた。

 ところが日韓の政治的・経済的関係の泥沼化が深刻な状態になっており、それに伴って韓国人による日本向け旅行のキャンセルが相次いでいる。昨年10月の韓国最高裁判所による元徴用工訴訟での日本企業への賠償を命じる確定判決に端を発し、今年7月に日本は貿易管理で半導体材料の韓国向け輸出規制の強化を通達すると共に、8月には韓国を優遇対象国から除外。一方、韓国政府は8月に日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を日本側に通告。その直後に北朝鮮は日米韓の連携の乱れに乗じて短距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射。日韓関係の泥沼化は北東アジアにおける安全保障体制の不安定化を生み出し、韓国では日本製品不買運動や日本への旅行キャンセルが繰り返されている。

 昨年のインバウンド3119万人の内、1位は中国からの838万人、2位が韓国からの753万人(全体の約4分の1)であった。ところが8月の韓国からの旅行者数は前年同月比48%減の31万人弱。その影響で全体の訪日旅行者数も11カ月ぶりに前年実績を下回った。韓国人旅行者を最も多く引き寄せていた九州地域は大きな影響が生じている。

 北海道の場合も韓国と結ぶ航空便数は8月1日時点で週に116便であったが、10月1日時点で6割減の週47便に落込むと予測されている。

 日本の各自治体は韓国での商談会開催や観光関連企業への緊急融資などの対策を講じると共に、東南アジアや欧米からの誘客を検討するなど新しい動きが生じている。危機を契機にした日本観光の多様化に期待したい。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

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