test

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(6月号)」

2019年6月22日
編集部

2019年6月22日(土) 配信

http://zoomjapon.info

〈巻頭言〉

クロード編集長

 かつて、あるフランス人コメディアンが「日本人は我われと違う」と言っていたとき、私たちは漠然とその言葉に同調していました。本誌でも創刊から9年間、これまで多様な角度から日本社会を取材しているうちに、この国とその国民性を知ったつもりになっていました。けれども、いざ「日本人であるということは?」と自問してみると、その答えが簡単には出てきません。昨今イギリスで出版された「日本人の生き方」という本が、ドイツ、フランス、イタリアそしてスペインで相次いで翻訳出版されたことが示すように、日本人は私たちにとってまだまだミステリアスな存在です。同書の仏語版の発行を機会に、本誌6月号では改めて「日本人とは」を特集。文化面では江戸川乱歩、グルメページでは江戸料理、そして旅ページでは埼玉スタジアムでの浦和レッズ戦を紹介しています。

(編集長 クロード・ルブラン)

特集 「21世紀に日本人であるということ」

ガリマール社から出版された仏語版表紙

 マルコ・ポーロが日本を「黄金の国」と称したのは1298年。欧州人の多くが日本に幻想と好感を抱く理由の根底には、このジパング伝説があるのではないだろうか。1958年、仏人ジャーナリスト M. ジュグラリスは、著書の中で「幾多の外国作品は日本の切腹や四季、着物にインスピレーションを得ているが、この国にいる9000万人の人々を知ろうとしていない」と指摘している。ゴーン日産前会長の一連の出来事が欧米人にとって不可解だったことは、まさにその結果の象徴だ。一方で、昨今訪日外客数は急増、日本への関心度が高まっている。社会学者J-M. ブイソーが指摘するように、日本人の特徴は個性の対極にある「協調性」に見られるものの、日本の工業やポップカルチャー、文学は世界レベルで、この矛盾に驚かされる。外国人労働者や観光客の急増が市民生活に大きく影響するなかで、国民が「日本人である」という意識の持ち方にも変化がでるだろう。国民性とは時代と共に変わるものという前提で、「21世紀の日本人」の姿を追った。■「日本人の生き方」著者・矢澤豊氏インタビュー。■日本人の習慣を知る。■一般家庭にホームステイ。■日本に帰化するには?

〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉相次ぐ地方物産展

リッツ・パリの会場での商談会

 6月に入って一気に夏の陽気になったパリ。日差しの強さと比例するように人々も活動的になるこの時期に、世界に名高い5つ星ホテル、リッツ・パリで日本の自治体のビジネス商談会が開催されました。このホテルを展示会場に選んだのは、石川県。広いレセプションホールには、日本酒、食材、そして工芸品を扱う合計21社が集合。パリで相次ぐ物産展の中で、今回は工芸品のプロモーションが印象的でした。何年も前からフランスに向けてアピールしてきた輪島塗は、フランス人の嗜好に応じたデザイン性を取り入れ革新を続けているようす。ナイフ・フォークの食文化のフランスで、お箸を前提として考案された食器が浸透しにくい一面があるなか、創業150年の歴史を持つ塩安漆器工房の輪島塗スピーカーなどは、その伝統技術の美しさを幅広く伝えられる商品として期待されます。そのほか、会場内では加賀友禅の絵付けや金箔貼りなどの体験ができ、 このB to B イベントとしては珍しい試みに来場者の積極的な参加が見受けられました。このような機会に観光面でのアプローチも行うことにより、地方の全体像が伝わり、地域の魅力を発信しやすくなるかもしれません。

 

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。