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横浜DeNA・林部長に聞く 産業創出と地域活性化へ スポーツ核に街ににぎわいを

2019年6月5日
営業部:後藤 文昭

2019年6月5日(水) 配信

林裕幸部長(5月7日ザベイスでインタビュー)

 横浜DeNAベイスターズは、2017年から、スポーツを核とするまちづくりと産業の創出をはかる「横浜スポーツタウン構想」を推進している。横浜スタジアム(ハマスタ)を中心に、球場がある関内エリアのにぎわいを生み、地域活性化につなげるのが狙い。スポーツツーリズムの推進や球場外でのイベントなどの集客の仕組みを構築する一方、電子地域通貨の開発検討などインフラの整備も進めている。事業本部、経営・IT戦略部の林裕幸部長に聞いた。

 DeNAは11年12月、横浜ベイスターズの株式を取得し、球団運営を開始した。同年、ハマスタの観客動員数を伸ばすため「コミュニティボールパーク化」構想に着手。「野球が好きな人もそうでない人も自然とハマスタに集まってきて、コミュニケーションを楽しんでもらえること」を重要視し、家族向けのボックスシートや、女性向けイベントの実施など、人が集まるための仕掛けづくりを進めてきた。これにより観客動員数は、11年の約110万人から18年には約203万人に増えた。

 こうして生み出された球場内のにぎわいを町全体に広げるのが、17年から進めている「横浜スポーツタウン構想」だ。スポーツリソースを生かした「新しい街づくり」や「スポーツ産業の創出・拡大」を目指している。「ハマスタに多くの人が訪れることが、周辺エリアのにぎわいにつながるという思いを込めている」(林氏)。そのうえで、「野球観戦に訪れた人の滞在時間を延ばす工夫と、回遊性を高め、にぎわいを維持できる集客の仕組みづくりを進める必要がある」とする。また、集客面では中華街に隣接し、赤レンガなどの商業施設も近いハマスタの立地を生かし、各施設との相互送客も創出したい考えだ。

完成形描かず必要なもの見定める 

 一方で、林氏は「同構想は明確な完成形を想定していない」という。「市場変化や、テクノロジーの進化、身の回りの資源などに併せ、何が自分たちに必要なのかを見定めることを重要視するため」と理由を説明する。「今はどんなイベントや仕組みが、地域の活性化や産業創出に効果があるのかを検証する時期。年間を通じて行っているイベント数は少ないが、検証を重ね、成功モデルを確立させたい」と語る。

 重要要素である「スポーツツーリズム」に関しても「明確な定義」が無いとしたうえで、海外の成功事例なども参考にしながら、日本に合う概念を創り出すことが必須だと考えている。

電子地域通貨でまちへの回遊促す

 新たなスポーツ産業の創出に向け、球団は昨年、革新的なサービスなどを持つベンチャー企業と共に「ベイスターズ スポーツ アクセラレータ」をスタートした。第1弾として、ギフティと電子地域通貨の開発を検討。横浜スタジアムや対象エリアの加盟店での電子地域通貨の利用を可能にし、観戦客などの利便性を向上させるとともに、まちへの回遊も促すことを目指している。

 また、会員制のシェアオフィス&コワーキングスペースなどを備えた「THE BAYS」では、定期的にトークイベントを開催。企業や個人が集まり、オープンイノベーションのなかで新しい産業を生み出すため、専門家や地域住民らが、さまざまなテーマで意見交換を行っている。

 「地域活性化」に向けた取り組みは、商業施設やホテルなどでのライブビューイングや、日本大通りでの夏祭りなど、野球の楽しさを球場外でも味わえる企画を実施している。さらに、「スポーツツーリズム」の推進役として、ホテル横浜ガーデン(神奈川県横浜市)を球団初のオフィシャルホテルに決定。コンセプトルームを5室設け、観戦チケット付き宿泊プランなどを販売した。

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