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「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(171)」 まち歩きが観光になる(神奈川県小田原市)

2019年4月27日(土) 配信

前夜祭「宿場町小田原・夜のまちあるき」のようす

 日々のなりわい(生業)がツーリズムになる。いわゆる「なりわいツーリズム」を早くから提唱してきた神奈川県小田原市で、3月初旬に「日本まちあるきフォーラムin小田原」が開催され参加した。

 前夜祭「宿場町小田原・夜のまちあるき」に始まり、講演会とテーマ別ワークショップ、エキスカーションと3日間にわたるフォーラムには、おなじみ「長崎さるく」や弘前路地裏探偵団の「ひろさき街歩き」、北九州タウンツーリズムなど、全国から30地域以上の“まちあるき”仲間らが集まった。

 小田原のまちあるきの歴史は古い。きっかけは、2000年に市民主体のシンクタンク「小田原市政策総合研究所」による提案である。空洞化する中心市街地再生をテーマに、市民と行政が「車座」と呼ばれるワークショップを重ね、「まちづくり」と「まちあるき」を連携するなかで、さまざまな事業化プランが提案された。こうした提案に基づいて実現したのが「小田原宿なりわい交流館(旧井上商店)」や「小田原街かど博物館」(まち歩きの拠点)などである。

 提案は「なりわい」だけでなく、皇室や貴族・豪商の別邸群などの建築遺産の活用、そのもとで生まれた茶道・華道などの「粋・芸術」の活用(千年蔵プロジェクト)、松林や竹藪、水路、海浜などの自然の活用、出桁・蔵造商家の町屋活用など多岐にわたっていた。これらの構想を担うグループは、やがて小田原の活性化を目指してそれぞれの組織化を進め、今日に至っている。

まちあるきフォーラム全体会議

 2日目の午後に開かれたワークショップでは、こうした小田原の取り組みをもとに、「DMOとまちづくり」「まちあるきとインバウンド」など7つの分科会に分かれて熱心な討議が行われた。

 小田原は長い間、箱根の通過点という位置づけから観光には無頓着であった。その小田原が初めて「観光戦略ビジョン」を策定したのは16年である。小田原城に特化した観光を、地域全体に回遊できる仕組みづくりが計画の核となった。ここでも小田原のなりわいが注目された。海に面し、海からの産物を加工して蒲鉾や鰹節、干物などに加工する「海なりわい」、箱根に続く山の幸を生かした木工細工などの「山なりわい」、有名な曽我梅林の梅干しなどの「里なりわい」などを総合的に生かすというプランでもある。

 また、箱根を目指して近年急増する訪日外国人への訴求も意識して、17年には小田原DMOが設立された。ここで重点プロジェクトを絞り込んで、19年4月にはDMCの設立にまでこぎつけた。

 小田原の「なりわいツーリズム」の究極の目的は、生業の活性化、ひいてはまちの元気再生にある。観光客が増えることは望ましいが、これが地域の真の活性化につながらなければ意味がない。地域に根差した観光の1つのモデルであろう。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

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