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「提言!これからの日本観光」 観光と保護の好循環へ

2019年3月17日
編集部

2019年3月17日(日) 配信

観光客が増えるなか、資源保護が大きな課題に(写真はイメージ)

観光客、とくに外国人観光客の急増した一部の地域で観光資源の損耗が目立つ傾向が見られる。例えば、寺社の庭園の樹木が荒らされたり、立入禁止の緑地の草が消えたりすることも多いと聞く。また、日本最高の観光地ともいうべき、富士山も登山道のいたみやゴミの投げ捨てなどで山が荒れてきたとの声も高い。今後、さらに多くの観光客を迎えようとしている日本にとってこのことは憂慮すべき現象である。

 観光資源の保全保護の問題は、観光立国を実現するための大きい課題であることはいうまでもない。本年から実施されることとなった「観光出国旅客税」はそのための財源措置として大きい期待がもたれているが、観光資源の保全保護のみに使われるものでもなく、額にも限度がある。そこで観光を推進すると共に、それが自然に観光資源の保護につながるような、いわば、観光と資源保護の間に“好”循環がもたらされるような方策を考えることが必要と思われる。例えば、林(産)業観光のなかで、森林保全のための間伐作業を関係者の指導を得、「体験観光」として観光客に体験してもらったところ、好評で参加希望者が続出した例がある。

 農業観光で休耕田を活用して観光客に一定の面積を貸与、田植えから収穫までを「体験観光」してもらうコースを提案したところ、満杯の申込みがあり、稲田に“緑”がよみがえったという。

 有名社寺観光をする観光客から境内の清掃奉仕をしたいと申出る人もあるという。また、仏像仏具清拭を体験し、仏像仏具に身近に接したいという人もあると聞く。

 観光地の駅を訪れる人々のなかには、鉄道愛好者も多く鉄道職員の制服を着て、観光駅の清掃体験をしたいという希望を、筆者も実際に受けたことがある。鉄道の場合は、安全の問題があるのでお断りせざるを得なかったが、このような声を生かせるところは他にないものかと考えさせられる。安全への配慮や行き過ぎによる資源の逆損耗につながらないように留意しつつ、観光を観光地、観光資源保全活動に直結させる方途を考える余地が各所にあるように思える。富士登山でも登山即登山道清掃奉仕活動にするべく努めている団体もあるそうだ。

 しかし、観光資源の「保全」と「観光」を両立共生させるためには、やはりそこに資金の循環を関連させることが現実的と思われる。即ち、資源の保全、保護に必要な経費を一律に観光客に負担してもらう「募金制(課金制)」を考えるべき所に来ていると思う。しかし、現実には抵抗もあり、逆に観光を抑制してしまうような「角をためて、牛を……」の結果になりかねない。観光客の観光行動を自然に観光資源の保護保全につながるような、いわば、「観光」と観光資源「保全保護」の間に大きい“好”循環の関係を作り出す観光手法の工夫、実行が最善の解決策であろう。

 観光資源保全保護のための“ちえ”と“工夫”が今、求められている。

須田 寛

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏

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