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福島への送客目標10万人へ 第14回国内観光活性化フォーラムinふくしま開く

2019年2月21日
編集部:平綿 裕一

2019年2月21日(木) 配信 

会場のビッグパレットふくしま(郡山市)には多くの会員が参加した

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は2月15日に、福島県郡山市で「第14回国内観光活性化フォーラムinふくしま」を開いた。全国47都道府県から約1200人が集まった。フォーラムでは、同県への送客キャンペーンの目標が10万人に決まった。これまで慣例化していた3万人から大きく増え、会場ではどよめきが起こったのち大きな拍手で認められた。二階会長は「観光発展こそが復興につながると確固たる自信をもって奮起してほしい」と述べた。

二階俊博会長

 

 二階会長は冒頭、「東日本大震災から、東北地方で入込客数は震災前の水準に戻りつつあると聞いている。大変力強く感じ、うれしく思っている」とあいさつ。そのうえで今後も、「観光こそが日本の未来をひらくと気合をかけて、活躍していただきたい」と述べた。

 来賓代表あいさつで観光庁の田端浩長官が登壇した。18年の訪日外国人旅行者数が3119万人、消費額は4兆5064億円で、ともに過去最高だったとした。

 田端長官は基調講演も行った。東北6県の観光産業の現状について「延べ宿泊者数は2010年度と比べ、17年度は106%まで回復した」と報告した。ただ全国で延べ宿泊者数は7969万人泊いるが、東北6県の合計は107万人泊と全体の1%程度。田端長官は「まだ課題は残る」と語った。

 教育旅行も厳しい状況が続く。震災前は約70万人泊を受け入れてきたが、11年に約13万人泊に減少した。17年度は約49万人で、震災前の7割ほどにとどまる。

講演を行う田端長官

 田端長官は教育旅行再生事業として、ホープツーリズムを紹介した。ホープツーリズムは、復興に正面から向き合う「人」との出会いや「福島のありのままの姿(光と影)」を体験してもらうツアー。17年度にはモニターツアー8本に191人の参加があった。

 「過去にモニターツアーに参加した学生が、生徒会などへプレゼンして旅行を企画した。18年度(2月7日時点)の参加者は121人にのぼる。非常にすばらしい取り組みだ」と強調した。

 記念講演は、元ラジオ福島アナウンサー(現在はフリーアナウンサー)の大和田新氏が登壇した。福島県での津波被害を描いた紙芝居をなどを紹介し、いまなお残る原発事故のつめ跡を力強く訴えた。「道路や建物などのインフラを整備することは復興ではなく復旧。家族を亡くした人たちが一歩前に進むこと。『亡くなった家族の分も、生きていこう』。きっとこのときが、初めての復興だと思う」と来場者に語りかけた。

高知県送客CPと学生プランコンテスト表彰式

最優秀を受賞した岩崎さん(前列左から2人目)

 昨年の高知県送客キャンペーンは延べ3万5516人を超え、目標を達成した。最優秀会員賞は日本内外旅行(熊本県)。優秀会員はそらまめキッズツアー(埼玉県)で、準優秀会員は奥伊勢ツーリスト(三重県)、トラベル本舗(長野県)の2社となった。

 一方、今年の3―12月末の10カ月間に福島県への送客キャンペーンを行う。目標送客人数は10万人とした。國谷一男副会長は「福島県の魅力を全国に発信し、一層の送客・支援に協力してほしい」と会員に呼び掛けた。

 「学生がつくる高知県の着地型旅行プランコンテスト」では32人27作品の応募があった。最優秀賞は国立大学法人福島大学2年生の岩崎綾さんの「奥会津みぃつけた! 伝統体験の旅」となった。

 岩崎さんは「今回の取り組みを通じて、福島県の魅力を再発見することができた。この経験を糧にして、今後の大学の活動にも生かしてきたい」と喜びを語った。

次回は熊本県へ

熊本開催へ

 引き継ぎ式で東北地方支部長連絡会の髙橋幸司議長から、九州地方支部長連絡会の岩本公明議長に大会旗が手渡された。

 熊本県の松嶋洋支部長は「(熊本地震の)復興までは道半ば。ただ、ぜひ熊本に来てもらい、創造的復興が進んでいるさまをみてほしい」とあいさつした。松嶋支部長は、大弾幕を掲げる大勢の支部会員と声を合わせ「火の国くまもと来てはいよ」と締めくくった。

 懇親交流会ではフラガール(スパリゾートハワイアンズ)らが会場を盛り上げた。開催地の地元郡山市の日本酒もふるまわれ、交流会は熱気に包まれたまま終了した。

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