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「観光革命」地球規模の構造的変化(205)外国人労働者の受け入れ

2018年12月4日(火) 配信 

「最終的には数の力で強引に政府案が可決されるのであろうか?」(画像はイメージ)

 国会ではいま外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案の審議が行われている。政府は今国会で成立させ、来年4月の施行を目指しているが、野党側は外国人労働者の受け入れに伴う諸課題を指摘して、拙速なかたちでの新制度の導入に反対している。

 日本ではこれまで外国人が就労できる正式な在留資格は外交官、医師、介護福祉士、学術研究者などの高度専門職に限定されてきた。ところが少子高齢化に伴う生産年齢人口(15歳―64歳)の減少によってさまざまな業種で人手不足が顕著になっており、経済界の強い要望に応えて新たな在留資格制度の導入が政府によって提案されている。政府案による新たな在留資格は、知識や経験など一定の技能があると認定された者に与えられる「特定技能1号」と、熟練した技能があると認定された「特定技能2号」の2種類。いずれも試験に合格することが必要で、在留期間は1号が最長5年、2号は永住にも道が開ける。

 日本では生産年齢人口が97年をピークにして減少に転じており、業種によって人手不足が深刻化している。具体的には、介護業、外食業、建設業、飲食料品製造業、宿泊業、農業、漁業などで、例えば宿泊業では2万人を超える受け入れが必要とされている。日本ではすでに外国人労働者数が増加しており、08年からの10年間で約80万人が増加し、17年末で過去最高の約128万人に達している。そのうち留学生のアルバイトなどの「資格外活動」が約30万人、開発途上国への国際協力を目的とする「技能実習」が約26万人も含まれている。本来の学業や技術習得がないがしろにされていると批判されている。

 政府は新制度導入で将来的に数十万人の外国人労働者の受け入れを想定しているが、特定技能2号の場合には取得者は公的医療保険や年金、雇用保険が適用されると共に、家族の呼び寄せができ、永住も可能になる。そのために野党側は「事実上の移民政策」とみなして追求している。

 現在国会での審議は法務委員会で行われているが、現実には社会保障、日本語教育、受入業種ごとの異なる状況などが係わるので、本来であれば特別委員会を設置して横断的に審議すべきであるが、最終的には数の力で強引に政府案が可決されるのであろうか?

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

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