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「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(166)」観光地から感動地へ(福島県会津若松市)

2018年11月23日
編集部:後藤 文昭

2018年11月23日(金)配信

松平家14代松平保久さんも参加された第3分科会

平成の年号が終わろうとする今年は、きしくも明治改元150年の節目の年となった。

 先月来訪ねた地域だけでも兵庫県朝来市の生野鉱山、横須賀市・呉市・佐世保市・舞鶴市など旧海軍鎮守府の4都市。

 そして直近は、会津若松市である。もっとも、会津若松では明治維新とは言わず「戊辰戦争150年」という表現になる。

 その会津若松では、11月5―7日まで、全国商工会議所観光振興大会が開催され参加した。人口12万人ほどの地方都市に、全国から1300人を超える関係者が集合した。大会テーマは「観光地から感動地へ」であった。

 観光に「感動」は不可欠である。その感動を生むには一連の「装置」が必要だ。観光インフラなどのハードはもとより、観光者を楽しませるさまざまな物語やプログラム、そして何よりも観光客をお迎えする心、つまりソフトとハートである。しかしながら、これら「装置」は陳腐化も早い。かつての団体客が激減し、個人客やテーマ客、そして多国籍の外国のお客様の増加に対して、古い装置のままでは絶えずミスマッチの危機に直面する。この傾向は、観光地としての歴史の古い地域ほど顕著である。

 では、「感動地」とは何か。これはなかなか難しいテーマだが、私のイメージはこんなものである。1つは観光地である前に、地域固有の地勢や歴史を踏まえ、持続的な地域創造への取り組みがあること。地域の生業を刷新し、観光地としての景観を維持する環境保全などの息長い取り組みなどである。

 この持続的な取り組みが観光地としてのブランドにつながる。つまり2つ目はブランドの維持・形成である。 
 3つ目は、地域が歴史のなかで紡いできた多様な地域との連携である。観光はある意味ご縁である。そのご縁を大切にした持続性の担保という言い方もできる。

 そして4つ目は、観光客の感動を生む先進的な取り組みや価値再生。つまり不断のリノベーションである。

 会津は福島県を代表する歴史的観光地である。
 その分、既存の観光に安住している部分も否めない。2日目の第3分科会に登壇された会津松平家14代、松平保久さんは、先月号で紹介した北海道・標津町の会津藩番屋での北海道開拓とロシアとの交易、米カリフォルニア州ゴールド・ヒルの「会津コロニー」の話に触れながら、会津が地域と結んできたご縁などをもっともっと大切にしたいと発言された。同時に「会津観光史観」に潜む固定概念化を克服し、伝統と革新を繰り返す京都観光のようなしたたかさ、レジリエンスといった話も展開された。

 会津が新たな感動と、訪れる人々の共感を得るためには、さらなる革新が不可欠である。これは全国の観光地に共通する普遍的テーマでもあり、今回の観光振興大会の目的でもあった。

紅葉まっさかりの会津東山温泉

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

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