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【特集No.508】分散型ホテル「ENSO ANGO」 地域に溶け込む新しい旅提案

2018年11月9日
編集部:飯塚 小牧

2018年11月9日(金) 配信

アンゴホテルズ(十枝裕美子社長、京都府京都市)は10月15日、京都に分散型ホテル「ENSO ANGO(エンソウアンゴ)」をオープンした。5棟の点在した宿にレストランやバーなどそれぞれの機能を持たせ、1つのホテルとして運営。宿泊客が回遊することで地域に溶け込み、地域と一体感のある新しい旅のスタイルを提案する。10月12、13日に参加アーティストや関係者、報道関係者らを招き、内覧会とオープニングレセプションを開いた。

飯塚 小牧

由来とコンセプト

 アンゴホテルズは2017年9月、ホテルのオペレーションと地域活性化のコンサルティングを担う会社として設立した。社名は禅の〝安居(あんご)〟「心やすらかに生活する」から命名。同社のホテルで過ごす時間や体験が「安居」となるよう想いを込めたという。

 ENSO ANGOは同社の第1号ホテルで「ENSO」は社名と同様に禅の言葉〝円相〟から名付けられている。完成形のない生きたホテルとして、人と人や出来事との出会いが無限の可能性を秘めていることをイメージした。普通の観光では見逃してしまう、その町の暮らし文化やコミュニティに触れられるような旅の提供を目指しており、分散型はそのための手法だ。分散型にすることで町の散策を促し、町を堪能してほしいという狙いがある。

5棟で一つ

 「ENSO ANGO」は京都の中心市街地、四条通と五条通に挟まれた麩屋町通、富小路通、大和大路通に建つ5棟のホテルの総称。5棟はそれぞれ異なる機能や客室タイプを持つ。「ない物はほかで補完すればいい」という考えのもと、各棟と各棟、また町とつながることで相互利用可能な1つのホテルを作り上げる。それぞれの特色を際立たせながら、町に溶け込む共通のシンプルな外観やモチーフなどを設置し、複合体としての統一感を演出する。
文化交流プログラム

 同ホテルの魅力の1つが、京都の日常が体験できるアクティビティ「ENSO ANGOの文化交流プログラム」だ。夜にホテル近隣を走る「ナイトラン」や、近所のヨガスタジオ「Terasu」の講師をホテルに招いて行う「ナイトヨガ」など、宿泊したからこそ楽しめるコンテンツをそろえる。

 また、朝は建仁寺内両足院副住職による座禅や、京料理屋の元女将が主宰する料理教室「すまや」の出張講座「京おばんざい教室」、創業150年の歴史ある京畳の職人による「畳トーク」などを用意。まさに、町で生活する人との文化交流ができるメニューを企画する。

 週に3つほど開く予定で、将来的に曜日ごとにアクティビティをそろえていきたい考え。体験コンテンツの開催情報は随時サイトで発信する。
運営哲学

 同ホテルはアンゴホテルズの運営哲学①サステナビリティ②動物福祉と共生③女性の社会的進出④文化の振興⑤地域づくり⑥心身の健康⑦多様性の尊重――に則った取り組みを行う。

 使い捨てプラスティックの使用を抑えるため、客室に歯ブラシやカミソリなどは設置しない。シャンプーやソープなどは動物実験をせず、高い分解性が確認されている商品の採用と普及に努める。また、レストランやラウンジでは地産食材を優先的に選択する。

5棟の特徴と参加アーティスト

 全棟の建築デザインやインテリア、家具デザインを担当するのは、内田デザイン研究所。各棟は多彩なアーティストが担当し、パブリックスペースや客室に作品をちりばめて、ユニークなものに仕上げた。各作家はホテルで定期的に行われるワークショップや交流会など、さまざまなカタチで継続的に関わり続けるほか、ホテルで作品を販売していく。……

【全文は、本紙1734号または11月15日以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

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