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〈旬刊旅行新聞11月1日号コラム〉ONSEN・ガストロノミーウォーキングin上天草温泉 全国の温泉地で応用できる楽しみ方

2018年11月1日
編集部:増田 剛

2018年11月1日(木)配信 

今年も約240人が参加。天草四郎ミュージアムからスタートした

先日、熊本県上天草市で開催された「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin上天草温泉」に参加した。上天草市には今年2月にも訪れている。そのときは、上天草総合病院で人間ドックプログラムを体験した。同市は民間活力開発機構(みんかつ)と連携して、2017年度から3カ年計画で「複合型スポーツ&ヘルスツーリズム事業」に取り組んでいる。

 私はウォーキングイベントに参加するのは、今回が初めてであった。そもそもイベント自体にエントリーすることも稀である。このため、「本当に楽しいのだろうか」という若干の不安があったことは隠せない。しかし、昨年(第1回)参加された、みんかつの牧野克明さんが一緒に歩いてくれることで、安心感があった。

 ウォーキングの前夜、牧野さんと市内の高台にある温泉健康増進施設「スパ・タラソ天草」で露天風呂に浸かりながら、沈みゆく夕日を眺めた。「これほど美しく沈む夕日は最近見てないなぁ」と感じるほど、情感に訴えてくる景色だった。

 さて、ウォーキング当日は雲一つないほどの青空が広がった。この種のイベントの成否は天候に大きく左右されるが、絶好のウォーキング日和となり、「あとは自分がいかに楽しむかにかかっている」とシューズの紐を少し強めに締めた。

 スタート地点には家族連れや若いグループ、中高年の夫婦など、老若男女が集まった。感心してしまうのは、女性の参加者の多さである。女性同士のグループはたくさん目にしたが、男性同士のグループはほぼいなかった。夫婦やカップルを見ても、女性がイニシアチブを発揮し、男性のパートナーが〝連れて来られた〟風情がぬぐえないのが面白かった。でも、実際にスタートすると、男性も生き生きとした表情で、歩いていた姿が印象的だった。

 8㌔というコースは、決して短くはなかった。数㌔ごとに車エビや、国内最大級の地鶏「天草大王」など地元の食材を使った料理が振る舞われ、ほどよく疲れた体には、至極の楽しみとなった。面白いのはアルコールも提供されたことである。私は白ワインを2カ所で飲み、ゴール近くの最終グルメスポットでは缶ビールを飲んだ。ビールが体に沁み渡った。小さな修行と、プチ贅沢が交互に現れ、不思議な感覚に襲われた。

 参加した感想は、「純粋に楽しかった」のひと言である。上天草市の堀江隆臣市長も話していたが、「ウォーキングとグルメ、温泉を複合的に楽しめる『ONSEN ・ガストロノミーツーリング』は新しいツーリズムのスタイル」である。全国どこの温泉地でも応用できる旅の楽しみ方だと感じた。

 例えば、温泉旅館に連泊する宿泊客に、午前10時に旅館をスタートするウォーキングコースを企画する。温泉街や、近隣で連携した数カ所のお店で少量のジュースやお菓子、パンなどを食しながら、ゴール地点のブドウや梨、桃などの農園に向かう。そこで地元の果実を使った簡単な料理と、ワインや日本酒などを提供し、自然豊かな空間で食を楽しむ。帰りは送迎バスで宿に戻り、温泉を思う存分堪能するといったオプショナルツアーを企画することで、地元を巻き込んだ魅力的なウォーキングツアーができる。大いなる可能性を感じた上天草での1日だった。

(編集長・増田 剛)

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