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「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(10月号)」

2018年10月21日
編集部

2018年10月21日(日) 配信

http://zoomjapon.info
クロード編集長

〈巻頭言〉

 10月といえば、やはり芸術が主役。各地で美術展や舞台が目白押しです。今年は「ジャポニスム 2018」の関連イベントも連日華やかにパリを彩っています。そんな「芸術の秋」に並んで、数年前からこの時期は「日本酒の季節」として定着してきました。パリで毎年10月に開催される日本酒イベント「サロン・デュ・サケ」は、日本の生産者たちの参加も増え続け、今年は500種類以上の銘柄が会場に並びます。日本で若者の日本酒離れが進むなか、政府も推進する海外への輸出は業界の追い風となるのでしょうか。弊誌10月号では、伝統に培われてきた日本酒造りと、日本酒が迎えた新しい局面に焦点をおき、1冊全体を通して日本酒特集を組みました。そのほか、マンガにみる日本酒や、酒粕のさまざまな食し方、そして「酒の国」新潟県なども紹介しています。

(編集長 クロード・ルブラン)

特集 日本酒特集

剣菱では伝統的な手法を大切にしているという

 日本酒の伝統と革新を主題に、その前者を象徴する蔵、1505年創業の「剣菱」を取材した。柿渋の匂いが漂う蔵で、剣菱の社長白樫政孝氏に話を聞いた。海外や若者を意識した新しいタイプの酒が流行るなかで、剣菱はずっと同じ味を守り続けるという。流行は必ず一巡して戻ってくるからだ。そのために技術の継承、道具を作る職人の育成、そして原料米の保存にも力を注ぐ。それは酒造りの未来を見据えた最先端の取り組みでもある。■現在、国内では数十人の女性が杜氏として活躍している。広島県で酒造を営む今田美穂さんを訪ねた。1990年代半ばに家業を継いだ際、周囲に女性ながらに杜氏として受け入れられたのは、酒造りに適さない広島の土地から「吟醸」を生み出した「広島杜氏」たちの新しさを受け入れる気質のおかげだという。彼女は伝説の米の復活や新技術の開発に挑み、彼女にしかできないその土地らしい日本酒作りに取り組んでいる。■酒の味は器で変わる。酒と料理の組み合わせのほかに、酒器選びを大切にする東京神楽坂「ふしきの」に、そのこだわりを聞いた。■温故知新。酒を極める人々が模索する未来への鍵は、いつも自らが紡いできた歴史の中に隠れているようだ。

〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉日本酒の季節

山形県の月山酒造とペアを組んだMEDIACAFEの創作料理

 10月6日から8日に開催の「サロン・ドュ・サケ」に先立ち、今年は「ジャポニスム2018」を運営する国際交流基金が中心となり、「酒巡り in パリ」というイベントが行われました。これまでパリでも多く見受けられた日本酒の無料試飲会とは一線を画し、参加酒蔵が期間限定でパリ市内のレストランとペアを組み、シェフが酒に合う料理を創作したうえで、実際にお店のメニューに載せ、お客さんがお金を払って日本酒を飲むという、お酒の輸出後のシミュレーションのような事業です。このイベントの企画者・関口涼子さんは、多国籍で庶民的なレストランの参加を見込んでいたものの、今年春に参加レストランを募ったところ、蓋を開けてみれば星付きフレンチ「ルドワイヤン」や「ルカ・カルトン」も参加。まさに、関口さんはもちろん、これまでフランスで日本酒の普及に尽力してきた方々の努力の結果です。とはいえ、日本酒の値段はまだ高く、同じお金を出すなら高級ワインを買いたいというフランス人が大半を占めるのも事実。今後のさらなる日本酒の普及には、低コスト化も焦点に入れながらの5年後、10年後を見据えた輸出推進事業が求められます。

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

 

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