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観光庁発足10周年に 田端浩長官、改めて決意語る

2018年10月2日
編集部:平綿 裕一

2018年10月2日(火) 配信 

田端浩長官(9月19日会見時)

 

観光庁は10月1日(月)に発足から10周年を迎えたこと受け、田端浩長官のコメントを公表した。同庁は観光振興の旗振り役として多くの施策を打ってきた。田端長官は10年間を振り返り、関係省庁や民間企業、地方自治体らに、これまでの協力に謝意を述べた。そのうえで「今こそ、災害にも負けない『観光先進国』の実現に向けて、さらなる高みを目指していく」とこれからの10年を見据え、改めて決意を語った。

 訪日外国人旅行者数は発足当時の835万人から、17年で2861万人と約3・4倍にまで増えた。一方で数だけでなく、観光による効果を日本の成長戦略や地方創生に具体的に結び付けていく必要がある。田端長官は「国民の目から見ても分かるような取り組みを進めていく」と、今後は経済効果などの客観的な指標を用いた戦略を練る考えだ。

 訪日外国人旅行者の好調さが続けば、毎年3千万人以上が訪れる時代はすぐに来る。訪日外国人旅行者が大挙する時代を前提とし、田端長官は「現在の日本のさまざまなシステムやルールが対応できているか」を常に問いかける必要があると指摘した。

 以下、観光庁が公表したコメント全文。

 今から10年前の2008年10月、観光立国の実現に向け、政府を挙げた施策を強力に推進することを目的として、観光庁が発足しました。 

 振り返って見ると、私自身、旅行振興課長として観光行政に携わっていた当時は、まだ国土交通省の観光部という一部局であり、課の数も3課だけでした。

 そのなかで、当時の小泉内閣において、観光立国の実現を政府の重要な政策課題と位置づけ、日本を訪れる外国人旅行者の数を倍増して1千万人にするという目標を立て、ビジット・ジャパン・キャンペーンという取り組みをスタートさせました。

 一方、国会においても、観光立国推進基本法の制定により、今後の我が国にとって目指すべき方向は観光立国であることを国会の意思として示していただきました。

 こうした後押しを受け、観光に関係する他の行政機関、さらには地域の皆様方や民間の方々など、幅広い方々との連携をしっかりはかり、観光立国の実現に向けた旗振り役として発足したのが観光庁です。

 以来10年が経ちました。その間、安倍内閣が発足して初めて訪日外国人旅行者数が1千万人を突破しました。さらに、この勢いを加速すべく、安倍総理の強いリーダーシップのもと、観光を日本の成長戦略と位置づけ、外国人旅行者数2020年4千万人などの目標を掲げた「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定し、関係省庁等と協力して、日本の魅力の発信や外国人旅行者の受入環境の整備、戦略的なビザ緩和や免税制度の拡充などに取り組みました。

 その結果、2017年の訪日外国人旅行者数は2869万人まで拡大し、インバウンドという言葉も普通に使われるようになりました。

 このような成果に結びついたことは、ひとえに関係する省庁や民間企業、地方自治体等、民と官、地方と国の関係者の皆様が観光立国の実現という同じ方向に向かってご尽力いただいた結果です。改めて御礼申し上げます。

 また、観光庁発足に当たっては、「従来の枠にとらわれず、役所らしくない役所になるべき」などの期待が寄せられました。そのため「開かれた観光庁」というビジョンを掲げ、この10年間、多くの企業、団体、自治体等のご協力を得て、さまざまな人材が力を合わせて観光庁という組織を形作ってきました。

 この場を借りて、これまで観光庁に在籍した職員の方々の貢献に感謝するとともに、ご協力いただいた関係省庁や民間企業、自治体などの関係者に対し改めて御礼申し上げます。

 さて、これからの10年を見据えたときに、観光ビジョンで示された「訪日外国人旅行者数を2020年4千万人、2030年6千万人」などの目標達成に向けてさらに高次元の取り組みが必要になります。

 ただ、これからは「数」の達成だけでなく、観光先進国を目指して、その効果を日本の成長戦略や地方創生に具体的に結びつけるという視点が必要です。旅行消費や観光関連投資等による経済効果という目に見える指標も念頭に戦略を考えることや、利用者の目線に立ち、国民の目から見ても分かるような取り組みを進めてまいります。

 また、観光先進国を目指すうえでは、インバウンドの拡大とともに、日本人自身もこれまで以上に積極的に外に出かけ、諸外国との双方向の交流により、相互理解を深め、日本を真に世界に開かれた国にすることが重要です。

 さらに、毎年これだけ多くの方々が日本を訪れるようになると、日本に期待するニーズも多種多様になってきます。最近の例で言うと民泊がスタートしましたが、旅行者に対してさまざまな選択肢を提供できる環境を作っていくことが重要です。

 急激な外国人の増加が地域の生活環境にも影響を及ぼしている事例も見受けられます。地域住民に受け入れられ、そして支持されるためにも、国民の理解が得られるよう一層努力する必要があります。

 加えて、今年に入り、豪雨や台風、地震など、日本は多くの災害に見舞われ、各地で大きな被害が発生しています。インバウンドをはじめ観光にも影響が生じています。

 災害等の非常時においても、外国人が安心して日本を旅行できるようにするのはもちろんのこと、マイナスとなる事象が発生しようとも、風評被害を最小限に食い止め、迅速に回復をはからなければなりません。

 まだまだ課題はありますが、観光先進国を目指すには、これからは毎年3千万人以上の方々が日本を訪れる時代であることを前提に、現在の日本のさまざまなシステムやルールが対応できているのか常に問いかけ、取組を持続可能なものとすることが必要です。

 2020年に訪日外国人旅行者数を4千万人にする等の目標達成に向け、これからが正念場です。必ず目標を達成するという強い決意のもと、観光庁の職員が一丸となって、あらゆる対策を総力を挙げて取り組まなければなりません。

 今こそ、観光庁は、この10年間で培ってきたノウハウや経験を活かしながら、災害にも負けない「観光先進国」の実現に向けて、さらなる高みを目指して参ります。

 引き続き皆様のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願いします。

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