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ベトナム人積極採用へ 新在留資格の枠組みに着手(全旅連)

2018年9月12日
編集部:井坂 和香

2018年9月12日(水) 配信

常務理事・理事合同研修会のようす(8月30日、東京・永田町)

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長)は深刻な人手不足解消の打開策として、ベトナム人を積極的に採用するプロジェクトを推進している。政府が来年4月の運用を検討している新在留資格に宿泊業が対象となったことを受け、外国人材の受け入れの枠組みづくりに着手する。優秀な人材確保には試験制度などの受け皿が不可欠。全旅連はベトナムの観光総局などと連携し、指導監督する国際人材支援機関(仮称)の創設などを急ピッチで進めていく。

来年4月に新在留資格の運用開始へ

 政府は6月15日に閣議決定した「骨太の方針」で、外国人労働者の新しい在留資格の設置を盛り込んだ。深刻な人手不足を受け、労働力となる外国人材の受入拡大を急ぐ。新在留資格は単純労務に従事できる。対象職種は介護・造船・建設・農業・宿泊の5分野で、来年4月に運用を開始する見通し。

 2010年7月に設置された在留資格「技能実習」では、宿泊業は受入制度の不足などから人材の確保が難しかった。今回、新資格の対象となったことで宿泊業界の労働力不足の解消に光が差した。

ベトナム人に焦点 

 宿泊業が新資格の対象となったことを受け、全旅連は、外国人材にベトナム人を積極的に採用するプロジェクトを推進している。今年7月にハノイ大学と連携のための覚書を調印した。他業種との外国人材確保の競争が激化するなか、いち早く主要大学と連携し、優秀な人材を確保する構えだ。今後はホーチミン市国家大学人文社会大学、ダナン外国語大学、フエ外国語大学、貿易大学との協定を予定している。

 全旅連は8月30日に常務理事・理事合同研修会を開き、47都道府県の理事長に理解を求めた。多田会長は「宿泊業の人手不足打開への大きな一歩となる施策。国と業界全体が一丸となって事業に取り組んでいく。日本とベトナムがベストパートナーとなり、両国の観光業界がともに発展することを目指す」と意気込んだ。

 同プロジェクトのアドバイザーに就任した竹村奉文氏(関東学園大学教授)は「手を広げすぎず、まずは1国に絞り込んで着実に成功を狙う。将来、さまざまな国の外国人材を受け入れるときの成功材料を積み上げる」と意図を説明。ベトナム人を選んだ理由として、親日家で勤勉、知識レベルが高いことなどを挙げた。

 7月に仮調印を結んだベトナム国観光総局とは10月に本調印を予定している。何度も現地を視察した佐藤信幸常任顧問は「大学の階段に日本語を掲示するなど、ベトナム人は日本語を熱心に勉強していた」と報告した。

多田計介会長

30年までに約7万人の外国人労働者が必要

 外国人労働者について、観光庁は現在ホテルで約1万3千人、旅館で約2万5千人が働いていると推定する。宿泊施設では、合計約3万8千人。一方、30年までにはホテルで約2万1千人、旅館は約6万4千人の計8万5千人が必要になると推測。このうち、フロントや接客、レストランサービスなど客室清掃以外の業務に必要な外国人スタッフ数は約7万人が必要となる。

 大規模な外国人材の確保を要するが、宿泊業はいかに良質な人材を調達できるかがサービス品質の向上にかかっている。竹村氏は「外国人の働き手を単に一時的な労働力確保とせず、宿泊業の維持と成長にとって大切な人的資源で、『未来のお客様』であると認識しなければならない」と述べた。

 従来の「量」重視のシステムから、全旅連は“「質」への転化”を軸に仕組みづくりを進めていく。受け入れ後のトラブル回避や、より施設のニーズに合った人材を確保するため、宿泊業ならではのスキームを構築する。事前に個人のスキルをチェックすることで、「質」の高い優秀な人材を選別する考えだ。

宿泊業ならではのスキーム構築へ

 従来の外国人材(技能実習生)の受け入れは、送出機関から送り出され、入国管理手続きを経て、監理団体が企業に斡旋するという流れだった。この仕組みだと、受け入れとなる監理組合、企業のリスク審査のみで、適正な人材であるか否かや、個人のスキルレベルは確認できない。 

 新たな仕組みでは、技能実習生と在留資格生はベトナムの送出機関の推薦がまず必要となる。次に全旅連など宿泊業界の団体が実施する事前試験を受ける。合格すれば、創設予定の全旅連・国際人材支援機関(仮称)を通して、日本の宿泊事業者に紹介される。監理団体を間に設置し、四半期ごとに報告を受け、評価・公表して指導を行う。 

 また、監理団体と宿泊事業者、外国人材の3者からアンケートを取り、実情を把握。情報をもとに、仕組みの向上をはかる。生活衛生や日本の文化などの研修代行サービスも提供する。金銭トラブルを避けるため、雇用賃金は「見える化」した。業界として標準的な賃金モデルを提示する。各自治体が定める最低賃金×時間が所得となる。

 ただ実習生の受け入れまでの流れは、募集に始まり面接、ベトナムでの研修、日本の受入準備、入国手続きとなっており最短でも7カ月を要する。今すぐスタートしても、入国は来年の4月になってしまう。喫緊の課題として人手不足問題を抱える地方部の事業者からは、一刻も早い対応を求める声が挙がっている。

 観光庁はこれを受け、オブザーバーとして厚生労働省と外国人技能実習機構との具体的な調整に着手していく方針だ。

ベトナムとの相互振興を目指す

 実習を終えてベトナムに帰国したあと、経済的な身分保障に日本で働いた経験が生きるよう、ベトナム政府の観光機関と連携してシステムづくりにも取り組む。実習期間中に茶道や華道、書道、着付けなど日本の文化を学習し、認定試験を実施する。 

 「クールジャパン・マイスター認定制度」(仮称)を創設し、技能・衛生管理・危機対応・日本語・日本文化スキルの資格認定を受けられるようにする。ベトナム国観光総局やホテル局と手を組み、資格により就職を有利にする。初任給を資格レベルで決定するシステムも構築する。 

 多田会長は「ベトナムの観光交流にも貢献できるシステムを目指している。日本を好きになってもらい、観光交流を生み出せる」と期待を示した。

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