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もう一度“人”を見直そう、富岡で産業観光フォーラム

2009年11月5日
編集部

 全国産業観光推進協議会や日本観光協会、群馬県、富岡商工会議所などが主催する「全国産業観光フォーラムin上州富岡2009」が10月22、23日、群馬県富岡市で開かれた。9回目の今回は、過去最高となる約650人が参加。「世界遺産を訪ねて」をテーマにした記念対談や3つの分科会を実施し、産業遺産を生かした交流や地域づくりなどを話し合った。

「過去最高の650人が参加」

 主催者を代表して、日本観光協会の中村徹会長は「各地で産業観光の取り組みが年々加速している。全国で推進されることで、大きな新しい流れとなっていると感じている」とあいさつ。また、同県の富岡製糸場をはじめとする絹遺産群が世界遺産暫定リストに記載されていることなどを紹介した。大澤正明群馬県知事は「2011年に開くデスティネーションキャンペーン(DC)に向け、産業観光という新たな観光素材の掘り起こしを内外に広く発信するうえでも、今回のフォーラムは意義深い」と歓迎した。

 記念対談は、洋画家や女優とさまざまな顔を持つ城戸真亜子さんと全国産業観光推進協議会副会長でJR東海相談役の須田寬氏が登壇。城戸さんは仕事柄、数々の世界遺産や各国を訪れた経験から「日本は説明書きがあればいいというように、大きく看板がでていることがあるが、海外ではデリカシーを持って、景観を損なわないようにしている。一つひとつのディテールに愛情を持ち、美しい世界遺産を」と語った。また、「海外の方のサービス精神は旺盛。それは、自分たちのまちに誇りがあり、世界から来る人にも自分たちのまちを愛してほしいという気持ちがあるから。肩肘を張る必要はないので、自分たちの暮らしに自信を持ってほしい」と述べた。

 分科会終了後は、各分科会から内容が報告され、須田氏が総評を行った。須田氏は「分科会報告やこれまでの産業観光の経緯などを踏まえ、大きな方向性が見えた。それは、産業観光を通してもう一度“人”を見直そうということ。人間性の観点から、人の作り出すものづくりを勉強することで、ものづくりの心、ものづくりの原点に立つことが産業観光のポイントになる」と述べた。これらを通した自身の考えとして、「観光は人と人との触れ合いで、新しい文化を作ること。もう一つの側面の経済は人の営みによって生まれる」と提言した。世界遺産を目指す同市へのアドバイスとしては、「ブームは一過性のものになりがちだが、持続性を持たせるにはまずまちづくり。そして、地域住民と観光客とのコミュニケーションがどれだけ保たれるかに尽きる」と語った。

 翌23日は、エクスカーションとして、4つのコースを設定。各コース共通スポットの富岡製糸場以外は、それぞれのテーマに応じた地場産業や絹産業を巡った。

 なお、来年の同フォーラムは兵庫県姫路市で開く。

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