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「スノーリゾート地域全体の活性化に向けた具体的な施策を」、スノーリゾート地域の活性化推進会議設置

2017年10月11日
編集部

2017年10月11日(水) 配信

推進会議のようす

観光庁は2017年10月6日(金)に「第1回スノーリゾート地域の活性化推進会議」を開いた。同会議では、2015年から今年4月まで行われていた検討会の最終報告に基づき、スノーリゾート地域全体の活性化に向けた具体的な施策を検討していく。

 2018年に平昌、2022年に北京で冬季オリンピックが開催されることにより、今後アジア諸国においてスノースポーツ人口の増加と、日本への来訪増加が期待される。パウダースノーや温泉、空港からスキー場へのアクセスの良さなど、ほかにはない観光資源で、外国人観光客の誘客を目指す。

スノーリゾート活性のカギはアジア、スキーの面白さ伝えリピーター増加へ

スキーの面白さ・楽しさを伝えていく(写真はイメージ)

 日本人のスノースポーツ人口は、ピーク時だった1998年の1800万人から、2015年には740万人とおよそ4割にまで減少している。同推進会議の構成員である北海道大学観光学高等研究センターの遠藤正氏によると、「今後日本人のスノースポーツ人口がピーク時の水準にまで戻ることはない」という。

 その一方で2018年の平昌オリンピック、2022年の北京オリンピックの影響からか、北海道を中心に訪日外国人観光客によるスキー人口が増加。とくにニセコ地域では、アジア圏からの宿泊者が急増しており、2014年から現在までオーストラリアからの宿泊者数を上回る勢いを見せている。

 遠藤氏は「スノーリゾート活性化のカギとなるターゲットはアジアである」と言及。そのうえで、中・上級者(オーストラリア・欧米)と未経験・初級者(主にアジア圏を想定)ではマーケットが異なるため、未経験者・初心者にはスキーの面白さ、楽しさを伝えていくことが今後のリピーター増加につながっていくと伝えた。

外国語ができる日本人インストラクターの育成を

 訪日外国人観光客によるスキー人口が増加するなかで喫緊の課題となるのが、外国語ができる日本人インストラクターが不足していることだ。スキー指導の現場では、スキー未経験者であるアジアからのスキー観光客にもスキーレッスンを行っているため、国際的なスノーリゾートになるためにはインストラクターの多言語対応は急務になってきている。

 現在、外国人スキー観光客対応のためのインストラクター確保については、スキーのできる外国人インストラクターを採用するなどさまざまな対策が練られている。しかし、外国人インストラクターを採用する場合は日本での実務経験が最低36カ月必要になるため、ビザの関係上困難を極めている状態だ。やはり、中長期的な対策として、外国語能力を有する日本人インストラクターの採用・発掘が重要となる。

 これら課題に対し全日本スキー連盟副会長の菱沼信夫氏は、「首都圏にスキーインストラクターは1万人以上いる。その中には外資系企業に勤めている人もいるため語学ができる人はかなりいると思う。まずは、首都圏のインストラクターのなかで語学ができる人を把握することが重要である」と語った。

スノーリゾート地域の活性化に向けアクションプラン策定、幼少期からスノースポーツに興味を持ってもらう仕組みづくりを

 同推進会議では今年4月に取りまとめが行われた「スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会 最終報告書」に基づき、第2回推進会議が行われる11月末までの間にアクションプログラムを策定する。

 アクションプログラムの柱となるのは「国内外からのスノーリゾートへの誘客に関する課題」と「スキー場の経営に関する課題」の2点。国内外からのスノーリゾートへの誘客については、構成員らから「幼少期からスキーなどのスノースポーツに触れることが重要である」などの意見が寄せられていることから、小中学生を対象にスノースポーツの普及活動を積極的に行っていく。

 また、スキー場の年間を通じた事業継続に向け、グリーンシーズンにおける森林レクリエーションや索道の利活用などの事例を収集し、滞在コンテンツの充実や雇用の確保に向けた検討を行っていく。

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