米メタサーチ大手、本格参入、日本に人員を配置、投資も(カヤック)

  • 2017-7-21

デビー・スー氏(左)、山下雅弘氏

 世界大手のメタサーチ(旅行横断検索エンジン)、KYAK(カヤック)が日本に本格参入へ――。米国・プライスライングループのカヤックは2014年に日本語サイトを開設し、法人を設立した。一方、人員は配置していなかったが、今年の4月、日本カントリーマネージャーとして山下雅弘氏を起用した。今後、マーケティング予算の増額など投資を行い、日本市場へ本格的に乗り出していく。
【飯塚 小牧】

 カヤックはOTA(オンライン旅行会社)や航空会社など数百の旅行サイトなどを横断検索し、ウェブサイトやモバイルアプリで、希望に沿った航空券やホテル、レンタカー、航空券とホテルのパッケージ商品の情報を提供している。04年に米国で設立して以降、世界40の国・地域で20言語に対応したサービスを展開。世界で毎年15億回の検索を処理し、アプリは6千万回ダウンロードされている。ビジネスモデルとしては、広告やクリック数、サイトを通した予約数で収益を上げている。

 価格比較サイトにとどまらず、旅行者に便利なツールを用意しているのが特徴で、価格の最新情報を配信するプライスアラートや料金予測、旅程管理機能などがある。とくに、旅程管理機能の「トリップス」は、検索保存から予約管理、旅行プランの作成まで1つで行える無料ツール。他社サイトで予約したものもメールで送信すると取り込むことができる。空港までのリムジンバスの予約内容や航空券の座席番号、現地でタクシードライバーに表示できるホテルの住所など、旅行者が求めるものを備える。

 7月11日、東京都内で開いた会見で、同社シニアバイスプレジデントのデビー・スー氏は今回の参入について「日本市場は航空会社などプレイヤーが多く難しいが、重要な市場だと捉えているので本格的なマーケティングを行う」と語った。これまで日本語サイトはとくにPRはしていなかったが、毎月ユーザーは伸びている状況で、勝機はあるという。「日本ではまだ小規模なプレイヤーだが、我われはグローバル企業なので、提携先も世界ベースで有しているのが強み」と、他社との違いを示した。

 また、日本やアジアは欧米と違い、モバイルからのアクセスがパソコンよりも多く、近距離ではモバイルで検索から予約まで完了する傾向がある。今後は日本人が好むホノルルや台湾、バンコクなど近距離の目的地のデータ発信などにも注力していく考えだ。「日本ではメタサーチやOTAの違いなどの教示も必要だと思う。より多くの人に活用してもらえるよう発信していきたい」。

 日本カントリーマネージャーの山下氏は国内でのブランド事業展開と運営を担う。現在、日本のOTAや航空会社との提携を進めており、大手OTAやLCC(格安航空会社)は概ね契約に至っている。今後の課題は国内では欠かせない鉄道。「旅行者が検索したときに求める情報があるようなサイトにしなければならない」と意気込んだ。

 一方、民泊は今後注力して伸ばしていく分野だと捉えている。民泊予約サイトのホームアウェイとは提携しており、米国ではすでに物件が表示されているが、今後、日本でも公開を検討する。

「トリップス」のモデル画面

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