復旧費用は約70億円、全線復旧まで5年必要(南阿蘇鉄道)

南阿蘇鉄道路線図

 国土交通省は4月16日、昨年発生した熊本地震で被災した南阿蘇鉄道の、鉄道施設災害復旧調査報告書を公開した。報告書によると、復旧にかかる費用はおよそ65―70億円。全線復旧は、第一白川橋りょうの架け替えが余儀なくされているため、少なくとも5年程度かかることが明らかになった。同報告書を基に、全線復旧までの過程についてまとめる。
【松本 彩】

 南阿蘇鉄道は立野駅―高森駅までの全長17・7キロを走る鉄道で、1985(昭和61)年に旧国鉄高森線から第3セクターとして誕生した。地元の人からは〝南鉄〟の愛称で親しまれ、通勤・通学の足となっていた。

 本震(4月16日)から10日後の4月26日に、同鉄道と鉄道総合技術研究所が行った本震後初の調査では、レールは飴細工のように曲がり、トンネルの壁には複数亀裂が入っていた。また、土木学会から「2015年度選奨土木遺産」に認定された立野橋りょう、第一白川橋りょうも中央部分が盛り上がり、鋼材が変形していた。

 初調査の段階では、全線復旧には少なくとも1年。復旧費用は、第一白川橋りょうを補修した場合で30億円、架け替えの場合は50億円にまで膨らむとされていた。

 同線は16年7月31日から、中松駅―高森駅間(7・2キロ)の部分運転を再開した。しかし、残る立野駅―中松駅までの10・5キロの区間は、橋やトンネルの損傷が激しく、具体的な復旧見通しは立っていない。

 今回公開された報告書によると、立野駅―長陽駅間にある全長125メートルの犀角山トンネルは、高森側の約40メートルが山ごと横ずれし、トンネルに49センチほどのゆがみが発生していることが判明した。

 復旧方法は、横ずれした40メートル区間の山を切り崩し、高森側のトンネル入口を40メートル後退させる。概算費用はおよそ20―25億円。復旧見通しは設計着手から3年程度とされている。

 一方、熊本県の中北部を流れる一級河川・白川を渡る第一白川橋りょうは、架け替えを余儀なくされた。地震により橋台や橋脚が最大で約40センチ移動。復旧には、古い鉄骨の撤去と、橋脚の基礎部分の補強などが必要なため、概算費用はおよそ40億円。復旧見通しは設計着手から5年程度にまで及ぶ。

 そのほか、立野橋りょうの基礎コンクリートの補強や、擁壁や斜面の再構築の復旧工事に約1年。およそ5億円の費用がかかるため、全線復旧費用は合計で約65―70億円、全線復旧見通しは早くても5年後の2022年ごろになる見込み。

 東日本大震災で被災した岩手県の三陸鉄道は、線路などの鉄道施設を、地元自治体の所有とした「上下分離」を実施。国と自治体が復旧費の50%ずつを負担した。また、東日本大震災を受け新設した、震災復興特別交付税を総事業費約92億円に充てたことで、約3年で全線再開に至った。

 熊本県や地元自治体は、三陸鉄道と同様の支援策を国に要請。現在協議を進めているが、震災復興特別交付税は、東日本大震災からの復旧・復興に限られていることから、同鉄道の実質負担ゼロは難しい状況だ。4月28日に、「南阿蘇鉄道再生協議会」が設立。月1回の会合を重ね、全線復旧に取り組む。

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