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No.461 熊本県・蒲島知事に聞く、着々と進む観光復興への道

2017年5月19日
編集部

熊本県・蒲島知事に聞く
着々と進む観光復興への道

 熊本地震で九州観光は大きな打撃を受けた。直接被災した熊本・阿蘇地区と大分の一部に加え、隣接の九州6県も宿泊キャンセルなどの影響を受けた。昨年7月からは「九州ふっこう割」が実施され、観光・宿泊客の回復など震災前に戻りつつある。ただ熊本城や主要ルートの復旧などが残る熊本県の観光の再生に向けた課題は多い。復旧・復興の先頭に立って取り組む熊本県の蒲島郁夫知事に、観光復興への意気込みと将来展望などを聞いた。

【聞き手=九州支局長・有島 誠、構成=松本 彩】

 
 

阿蘇への代替道、観光に最高

 ――まず、震災から1年の想いと、観光・宿泊への影響、交通インフラの復旧状況についてお聞かせ下さい。

 観光業は熊本県にとっては、とても大きな産業ですが、この地震によって大きなダメージを受けました。震災から1カ月で宿泊キャンセルが33万人、観光業の損失額は380億円にまで拡大しました。

 観光業復旧には、2つの動きがありました。1つは観光事業者向けに政府からグループ補助金が出され、復興へ向けて皆がやる気を出す後押しになりました。

 2つ目が熊本の観光業は熊本だけでなく、全九州へ影響を及ぼすことが今回の地震で分かったことです。国の支援を受けて、熊本、大分を中心に九州各県の宿泊施設で割引が受けられる「九州ふっこう割」という制度ができ、観光が盛り返しました。

 この2つが早い時期に打ち出されたことが、九州の観光の復活に結びつきました。政府の対策に大変感謝しています。

 一方で、阿蘇が大きく落ち込み、なかなか回復ができませんでした。阿蘇は熊本だけでなく、九州全体の観光の中心です。国道57号が寸断され、阿蘇大橋が通れなくなったことで、阿蘇に行けないという誤解があったと思います。

 ただ、私が魅力的だと思っていたミルクロードは通行が可能です。阿蘇の外輪山や大観望を抜けて、黒川温泉に向かう道路ですが、私は一番美しい道だと思っています。多少時間がかかっても、十分に楽しめます。

 南阿蘇に向かうグリーンロードも冬期を除いて利用できました。この魅力的な2つの道をもっと発信すべきだったと思います。

 グリーンロードが冬期で通行できない時期に備え、国土交通省がいち早く県道熊本高森線俵山トンネルルートの暫定開通を実現してくれました。このルートも見晴らしがとても良く魅力的な道です。

 国道57号北側復旧ルートと国道325号阿蘇大橋ルートは2020年度開通予定であり、それまでは使えませんが、阿蘇に行ける道はたくさんあるので、安心して熊本に来ていただきたいと思っています。

 旅館、観光事業者も元気に営業しており、観光客を迎える感謝の気持ちがあふれていますので、ぜひお越しいただきたいと思います。…

 

※ 詳細は本紙1670号または5月24日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

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