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着地型の方向性は?、有志が各地の事例を報告

「着地型観光」を議論

 全国旅行業協会(ANTA)会員の有志らが集まり、3月2日に石川県金沢市で「第3回着地型観光活性化会議事例報告会」を開いた。事例報告や課題共有・解決に向けた取り組み、今後の方向性などを議論した。九州産交ツーリズム社長の小髙直弘氏の講演も実施した。

 小髙氏は着地型観光の最大の問題が「流通が欠けていること」と述べ、顧客に情報を届けるためSNS(交流サイト)で発信を強めるなどの戦略が必要だと話した。一方、市場をみると、顧客は海外個人旅行(FIT)化や、観光知識の深いプロ化が進んでいる。今後は市場を正確に理解して「いかに直販の客を取り込めるかが重要だ」と強調した。

 商品に対しては、縦(収容人数)と横(実施期間)を掛けた面積(取扱人数)が、大きければ「息が長い魅力的な商品になる」と説明。流通させる条件には「1―2名から募集・催行できる商品」などを挙げた。

 小髙氏はインバウンドに関して「間違いなく伸びていく。これはチャンスだ」と述べた。さらに、大阪府立大学観光産業戦略研究所客室研究員の尾家建生氏は「インバウンドは観光に非常に高度な要求をしている。地域でこれに応える着地型観光商品を作り出し、発信していかないといけない」と見解を示した。

 事例報告では富山県福祉旅行センター(伏江努代表、富山県高岡市)が、国宝高岡山の瑞龍寺で行う着地型観光を紹介。写経や坐禅、精進料理が楽しめ、好評を得ている。近年はオンライン旅行会社(OTA)からの予約が「全体の約7割を占めている」と報告した。

 すマイル・ツアーズ(渡部郁郎所長、山形県酒田市)はオーナーが鮮魚会社(菅原鮮魚)を営む一方、着地型観光も行う珍しい旅行会社。「とびしま漁師体験」を企画している。日本海に浮かぶ「飛島」でさしあみ漁体験ができる。ただ昨年5年目を迎えたが、集客が芳しくない。「宣伝不足か内容なのか、自問自答している」と現状を振り返った。

 報告のなかでは「情報発信に課題がある」「収益を上げることが難しい」との意見が多かった。地域の旅行業者が経営の軸に据え、継続的に行うにはまだ難しい点があり、難しい局面にある。

 同会を主催しているツアー・ステーションの加藤広明代表は「我われで声を上げて現状を変えて行く必要がある」と語った。

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