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東九州自動車道開通 ― 救援活動や今後の九州観光にも期待

2016年5月1日
編集部

 熊本・大分を震源とする地震で九州の大動脈・九州自動車道が一部区間で通行止めとなっていたが、4月中に全線通行可能になる予定という。九州新幹線の全線再開も4月27日の予定だ(26日現在)。被災者の救援や被災地の復旧に向けても、交通インフラの復旧は心強いニュースである。

 もう一つ、九州に大きなニュースがあった。

 東九州自動車道が4月24日、北九州から宮崎まで全線開通した。地震で大きな被害を受けた九州だが、新たなルートの開通によって、被災地の救援活動はもとより、今後の観光復興に向けても大きな役割を果たすはずだ。北九州市の北橋健治市長は「東九州道が(熊本地震を受けた)消防・救急活動や物資の輸送などに、早速その機能を発揮すると期待している」とコメントしたと、25日付の西日本新聞で報道されている。

 北九州市から宮崎市までは、国道10号線が通っているが、所要時間は約7時間を要し、とくに宮崎県は陸路での交通の便の悪さから、「陸の孤島」と呼ばれていた。

 東九州自動車道の周辺エリアにはすぐれた観光名所や温泉地、美味しい食材が存在するのだが、全国的な知名度はいまひとつだ。私の生まれた町もこのエリアの小さな町なのだが、自動車工場などが多く集積する工業地帯のため、観光への関心度は高くない。観光関係の仕事をしていることもあって、里帰りした折には、例えば、首都圏や関西圏の人に旅行してもらうには、どのような部分をアピールしたらいいのだろうと考えることもあるが、やはり多くの市町村の悩みと共通で、小さな町単独では遠方からわざわざ訪れてもらうだけの強烈なインパクトは与えることは難しい。

 東九州自動車道によって点から線につながったことで、個々でアピールしていた自治体も、連携をより強く意識した観光ルートづくりを目指してほしい。

 私はクルマで旅をするのが好きなので、観光説明会などに参加すると必ず資料のなかからマップを取り出して眺め、マップ上の道路に沿って旅を空想する。マップには主要な観光名所や、温泉地などが描き込まれているが、視覚効果を狙って、若干デフォルメして、人気観光地間の距離を短く見せているのも面白い。温泉街のマップを眺めるのも好きで、戸倉上山田温泉の旅館「亀清」の若旦那・タイラー・リンチさんが作った温泉地マップなどは見ているだけで楽しくさせてくれる。また、温泉地から足を延ばせば行ける観光名所をちゃんと書いてくれているマップも助かる。

 人気のある観光地や温泉地は、地図の描き方が上手い。魅力的な地図だから、多くの人が集まってくるという理屈も、少なからずあるかもしれない。

 東九州自動車道開通の話に戻るが、地震発生後、大分県内の別府や、湯布院など人気観光地でも旅行のキャンセルが相次ぎ、新たな予約も入らずに苦境に立たされている。直接的な被害のなかった鹿児島でも観光客が激減し、窮状を訴える現状を耳にした。もうすぐゴールデンウイークだ。被害の少なかったエリアから、少しずつ観光客が戻っていくことを願っている。そのためにも東九州自動車道は大きな役割を果たせると思う。周辺エリアに魅力的なルートマップができることも、期待している。

(編集長・増田 剛)

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