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客の安全考えツアーを、久保長官、退避勧告地への旅行に苦言

2015年4月1日
編集部

 東京都内の旅行会社は2月、外務省の危険情報で4段階のうち最もレベルの高い「退避勧告」が出ている西アフリカ・ニジェールへのツアーを実施した――。観光庁の久保成人長官は3月19日の会見で、ツアーを実施した旅行会社に対し、ツアーの中止要請を出していたことに言及し、「退避勧告の出ている地域への旅行は自粛すべき」との見解を示したうえで、「旅行会社は当然、ツアー客の安全リスクを考えて商品を造成するべき」と苦言を呈した。

 同ツアーは2月の中旬から下旬にかけて約2週間の日程で実施。観光庁では、ツアーの訪問先が「退避勧告」の出ている地域のため、企画した旅行会社に対しツアーの中止要請を出し、自粛を働きかけていた。

 久保長官は「ツアーの実施は民間会社の判断で行われたが、民間レベルのパイプ(情報)があれば、政府レベルのパイプもある。今後も外務省と連携し危険情報の周知徹底をはかり、旅行会社へ注意喚起していく」と語り、今後も退避勧告地域への旅行商品造成をしないよう働きかけていくとした。

《北陸新幹線金沢開業観光活性化へ期待》

 3月14日に開業した北陸新幹線についても触れ、「首都圏から時間的に近くなるので、国内観光だけでなくインバウンドの動きにも刺激になり、観光の活性化につながる」と語り、名古屋周辺と中部、北陸などを結ぶ県を超えた広域観光ルートへの期待を込めた。

 震災から4年が経った東北観光の現状については、「厳しい状況から前進はしている」と前置きしたうえで、宮城県や岩手県では震災前と比較し、宿泊客数が10%前後のマイナスで推移していることを報告。福島県については「会津若松など中通りの入込みはそこそこだが、いわきなど浜通りはまだまだ厳しい」とし、一過性ではない観光振興のテコ入れの必要性を指摘した。

チュニジア襲撃事件で観光庁は対策本部設置

 現地時間3月18日正午にチュニジアの首都チュニスで起きた武装集団による国民議会議事堂と隣接のバルドー博物館襲撃事件について、観光庁によると、2社の旅行会社が実施したツアー参加者のうち、3人が死亡、3人が負傷したことが分かった。

 ツアーを実施した旅行会社は、ベストワンドットコムとクルーズプラネット。ベストワンドットコムはツアー参加者21人のうち2人が死亡、2人が負傷。クルーズプラネットはツアー参加者90人のうち1人が死亡、1人が負傷。翌19日の会見で観光庁の久保成人長官は「外務省と旅行業団体を通じ情報収集を行ってきた」とし、該当の旅行会社に対し「より一層の事実関係の確認と、ご遺族と負傷者への遺漏なき対応をお願いしている」と報告した。観光庁では審議官を本部長とする対策本部を設置し、情報収集にあたっている。なお、個人や現地在住の日本人の参加者など、2社のツアー以外の日本人参加者については19日時点で把握していないという。

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