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「おもてなし」とは?、瀬戸川氏と女将が探る

(左から)瀬戸川さん、小林さん、深澤さん
(左から)瀬戸川さん、小林さん、深澤さん

 第16回グルメ&ダイニングスタイルショーが9月3―5日まで、東京ビッグサイトで開かれた。初日の3日には「旅館の食とおもてなし」をテーマに、本紙で「女将のこえ」を連載するジャーナリストの瀬戸川礼子さんと、長野県上林温泉「塵表閣本店」女将の小林美知子さん、神奈川県湯河原温泉の「料亭小宿ふかざわ」女将の深澤里奈子さんの3人によるトークショーが行われた。

 おもてなしについて、小林さんは「口に出して表すものではないし、定義があるものでもない。自分の真心を精一杯務め上げることがおもてなしだと思っている」と語った。また、「おもてなしをするにはこのようなあいさつが必要とか、おじぎの角度などを強要したり、されたりするのは好きではない。日本の良さはさりげなさ。お客様が自然にくみ取ってくれて、それでいて自然にしてくれているのがおもてなしだと思っている」と話した。

 深澤さんは「若いスタッフには『おもてなしは、表も裏もないくらい自然体で人と感じ合うこと』と伝えている。旅館でお客様と接しているときだけでなく、いつでも、誰と接しているときでも、そのままの自分らしさが誠実な状態で出てきたり、表現されることがおもてなしだと思う」と述べた。さらに、「おもてなしは一方通行ではなく、相互通行だと思っている。『宿での滞在を楽しみたい』と思うお客様の気持ちと、日々自らを高めていこうとするスタッフが共鳴し合える関係になったらいいなと思っている」と語った。

 瀬戸川さんは「おもてなしの語源の一つに『持って成す』とあるが、私は真心を持って、より良い人間関係を成すと解釈している」と述べ、「たとえ気づかれなくても、それでもなお『してあげたい』と思う、見返りを求めない心がおもてなしの心。日本はチップがなくても何かをしてあげたいと思う高い精神性を持っている」と話した。

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