JTB、自宅から旅行相談 「オンライン相談」始める

2020年8月3日(月)配信

オンライン相談のようす

 JTBは8月1日(土)から、パソコンやスマートフォン、タブレットを利用した「オンライン相談」を全国25店舗で始めた。新型コロナウイルス感染防止の一環として、来店せずに自宅に居ながら旅行相談をしたい人のニーズに応える。

 宿泊施設がどのような感染対策をしているか、旅先での過ごし方など相談したいが、外出して来店するのは控えたい人向けのサービス。「オンライン相談」サービスを通じて、店舗での対面相談のようにコンサルティングが可能だ。

 同社は、6月からウエディングプラザで先行して、リゾートウエディング相談を目的としたオンライン相談を導入。自宅でゆったりと寛ぎながら相談ができるうえ、遠方に住む同行家族の旅行相談も一緒にできるなど、好評を得ているという。

 なお、JTBステージ会員向けのJTBラウンジプラチナムの渋谷店・池袋店は、海外専門添乗員がオンライン上で同席し、一緒に旅の相談もできる。このうえ、クルーズ旅行専門店のクルーズ本店では、クルーズマスターによる相談も可能。

 相談受付の予約は、各店舗ホームページの「来店予約」から「オンライン相談」を選び、相談の日時を予約する。相談当日は「Microsoft Teams」を利用。最新の営業日、営業時間は各店舗ホームページから。

オンライン相談対応店舗

むさしの手配センターが次世代型経営戦略セミナー開く 「影の旅のコーディネーター」として観光業界の発展に貢献へ

2020年8月3日(月) 配信

セミナーには旅行会社の経営者ら30人が参加した

 むさしの手配センター(小原寛信代表、東京都立川市)は7月28日(火)、旅行会社を対象に「次世代型経営戦略セミナー」を開いた。ウィズコロナ・アフターコロナを見据え、「勝ち続ける必須ルール」をテーマに経営者ら30人が参加した。

むさしの手配センターの小原寛信代表

 小原代表は「旅行会社と受入施設の間に立つ旅行サービス手配業者として、観光業界に力になれることはないか、やるべきことは何かを考え続け、セミナーの開催を思いついた」と語る。ONE.course代表の武本一樹氏が講師を務め、参加者同士の意見交換も積極的に行われた。

講師の武本一樹氏

 同セミナーは今年4月を予定にしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、延期していた。

 小原代表は「総合案内所の枠を超えた“影の旅のコーディネーター”として、観光業界の発展に貢献していきたい」と話し、同様のセミナーを年に数回開いていきたい考えだ。次回のテーマは「ツアー募集」を予定している。

プロデューサー発表 アニメ監督 河森氏ら10人 2025年日本国際博覧会協会

2020年8月3日(月) 配信

多様な顔ぶれのプロデューサー陣

 2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)を運営する「2025年日本国際博覧会協会」は7月13日、会場のデザインや運営、パビリオンの構想立案から展示、演出までを担うプロデューサーとして、アニメーション監督の河森正治氏や放送作家の小山薫堂氏ら10人を起用すると発表した。

 今回の万博のメインテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を表現する「会場デザインプロデューサー」には、建築家の藤本壮介氏が就任。運営を担う「会場運営プロデューサー」には、05年愛知万博の運営に携わったプランナーの石川勝氏が就く。

 また、メインテーマに沿って設けた「いのちを知る」「いのちを育む」「いのちを守る」など8つのテーマ事業を、パビリオンの展示やイベントなどを通じて表現する「テーマ事業プロデューサー」には、8人の有識者を任命した。

 「いのちを知る」は生物学者で青山学院大学教授の福岡伸一氏、「いのちを育む」は河森氏、「いのちを守る」は映画監督の河瀬直美氏、「いのちをつむぐ」は小山氏、「いのちを拡げる」は大阪大学栄誉教授の石黒浩氏、「いのちを高める」は音楽家で数学研究者の中島さち子氏、「いのちを磨く」はメディアアーティストの落合陽一氏、「いのちを響き合わせる」は慶応義塾大学教授の宮田裕章氏が担当する。

 発表会に登壇した河森氏は「コロナ禍にあって、すべての命はつながっているとあらためて感じた。現在、人類の活動により地球の生態系が大きな危機を迎えているが、我われは選択できる。多種多様な命が共に響き合い、育みあって命輝く未来社会をデザインしていきたい」と抱負を述べた。

 会場では、専門的立場から万博運営における助言を行うシニアアドバイザーに、河瀬氏と宇宙飛行士の山崎直子氏が新たに加わることも発表された。シニアアドバイザーは、既に就任している建築家の安藤忠雄氏や落語家の桂文枝氏などを含め計15人となる。

 今回は、全体を統括する総合プロデューサーは置かず、シニアアドバイザーがその役を担う。

〈観光最前線〉奈良初のラグジュアリーホテル

2020年8月2日(日) 配信

客室一例

 

 ラグジュアリーホテル「JWマリオット・ホテル奈良」が7月22日、奈良市内に開業した。マリオットブランドの中でも最上位の「ラグジュアリー」に位置する「JWマリオット」ブランドの国内1軒目で、同県初の外資系ラグジュアリーホテルだ。

 客室数はスイート16室を含む全158室。奈良の自然美や伝統をコンセプトに、鹿の角を表現したオブジェで客室壁面を表現するなど、館内随所に鹿をモチーフとした装飾がちりばめられている。

 ミニ菜園「JWガーデン」も備え、ゲスト自らハーブなどを手摘みし、それをカクテルや料理で提供するなどの演出を行うという。

 宿泊者数が少なく、日帰り旅行が多いと指摘されてきた同県。滞在型観光に向けた新たな起爆剤となるか注目だ。

【土橋 孝秀】

〈旬刊旅行新聞8月1日号コラム〉もう、8月 生命力にあふれた蝉の声に夏を知る

2020年8月1日(土) 配信 

生命力にあふれた蝉の声に夏を知る(イメージ)

 もう、8月なのだ。7月の東京はずっと雨が続き、新聞校了日の今日も雨が降っている。

 
 今年は季節の移り変わりを感じる機会が極端に少なかった。外出時には常にマスクをしているため、それぞれの季節に咲く植物が発する強烈な香りを感じることもあまりなかった。

 
 ニュースも暗い話題ばかりが多く、気づけば、夏真っ盛りの8月になっている。

 

 
 先日、やはり午前中に雨が降っていたが、溜まっていた洗濯物を干そうとベランダに出たときに、山の稜線に沿って青空が見えた。

 
 「真っ青な空を見たのは、本当にどれくらいぶりだろう」としばらく空を眺めていた。

 
 乗る機会が減っていたオートバイを出して、久しぶりにエンジンをかけた。懐かしいエンジン音と振動が全身に伝わってきた。かすかに震える燃料計を見ると、ほぼ空状態だった。

 
 それで、近くのガソリンスタンドに行き、レギュラーガソリンを満タンにして宮ケ瀬湖までの自然に囲まれた、自分のお気に入りのツーリングコースを走った。これが今の私の一番の気分転換なのだ。

 
 交通量が極限まで少ない一本道を、誰とも会わずに、オートバイで走り抜けることで、知らぬ間に蓄積していたストレスが発散されていくのを感じる瞬間なのである。

 
 すると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 
 蝉の声だった。長く続く梅雨の湿った土の中で、飛び立つ日を待ち望み、そして一瞬、晴れ渡った空に夏を感じ取ったのだろう。もう、待ちきれずに、地表に現れ、力の限り鳴き始める。私は生命力にあふれた蝉しぐれを聞きながら、今年初めて、夏という季節の到来を感じた。

 

 
 そういえば、「旅行新聞バイク部」が今年5月に発足したものの、新型コロナウイルスの感染拡大や、長い梅雨もあり、ほとんど活動が行われていない。現状は自主練がメインである。

 
 ただ、このコロナ禍で公共交通機関をできるだけ避けようと思ったときに、オートバイの存在価値も少しは高まっているのではないか。「いつでも乗れる」という心理的な余裕だけでも、精神的な癒しにつながっている。

 
 現代は、クルマを所有しないでシェアする傾向が強くなっている。クルマを所有することを負担に感じる人たちには、便利なシステムで、これからの社会も、おそらくその流れが広がっていくのだと思う。

 
 一方で、クルマやオートバイの所有にこだわる人たちもいる。乗らないときにも経費はかかるし、故障したときには整備をしなければならない。

 
 だが、愛着が湧いてくるというのは、所有の利点でもある。高級車やスポーツカーなどカッコイイ必要はない。オンボロ大衆車であっても、パワー不足でスピードがノロくても、可愛いらしく思えてくる。

 

 
 しばらく乗らないでいると、エンジンの回転もイマイチで、不機嫌な印象を受ける。それでも、なだめすかしながら乗っていると、調子と機嫌を取り戻すことも多々ある。

 
 とくにオートバイはエンジンの振動が乗る者の全身に直に伝わってくるので、無言の会話を楽しみながら、旅をすることができる。目的地よりも、旅の過程を楽しむには、最高の相棒である。

 

(編集長・増田 剛)

 

中部国際空港、「風の湯」営業再開へ 飛行機眺める展望風呂

2020年7月31日(金)配信

営業再開する「風の湯」

 中部国際空港(犬塚力社長、愛知県常滑市)は8月1日(土)、第1ターミナル4階にある飛行機を眺める展望風呂「風の湯」の営業を再開する。

 「風の湯」は、中部国際空港セントレアの第1ターミナル4階にある。日本で初めて飛行機を望める展望風呂として、飛行機を利用する人だけでなく、空港に遊びに来るお客にも人気。風呂からは伊勢湾に沈む夕日を眺められ、屋外にある展望デッキから離着陸する飛行機を望める。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、4月16日(木)から臨時休業していた。再開後は風呂を利用した先着300人へのプレゼント配布や、オリジナルグッズの販売(8月8日から)を行う。

 なお、新型コロナウイルス感染症対策として、検温の実施や定期的な消毒・清掃、浴場内サウナの同時利用者数の制限、脱衣所ロッカー数の制限なども行われる。

 営業再開は午前9時~午後6時(最終受付は午後5時)、通常は午前8時~午後10時(最終受付は午後9時)。入浴料は大人1050円、子供650円、幼児210円(幼児以外はタオル・バスタオルのレンタル料込み)。

30~50年に一度しか開花しない「アガベ・テキラーナ」が見ごろ 沖縄県・東南植物楽園

2020年7月31日(金) 配信

開花した「アガベ・テキラーナ」

 東南植物楽園(宮里高明園長、沖縄県沖縄市)は、テキーラの原料となる植物「アガベ・テキラーナ」を展示している。100年に1度だけ開花する言い伝えからセンチュリープラントの別名があり、開花に要する時間は原産地の良好な環境では15年、日本では30~50年ほど。7月26日に開花を確認し、見ごろは8月上旬まで。展示は古株になるまで継続する。

 アガベ・テキラーナはメキシコ原産の多肉植物。葉は剣のような形で根元から放射状に伸び、葉の長さは1㍍以上にも達するものもある。開花の際には下葉が枯れ、アスパラガスのような花茎が急速に伸長する。この種は生涯に1度だけ花が咲き、結実すると枯れる一回結実性の植物としても知られている。

 東南植物楽園は、日本では珍しい約1300種類の貴重な植物が鑑賞できる屋外型植物園。植物ガイドと巡る園内ツアーをはじめ、癒し・健康をテーマにしたレストラン「PEACE」や体験プログラム、動物ふれあいなど、豊富なプログラムを楽しめる。

施設概要

施設名:東南植物楽園(Southeeast Botanical Gardens)

創立:1968年3月

所在地:〒904-2143 沖縄県沖縄市知花2146

アクセス:那覇空港から車で約50分、沖縄自動車道経由沖縄北IC降車

営業時間:月~金曜日午前9:00~午後6:00(最終受付午後5:00)

※土・日・祝日は午前7:00オープン(9月27日まで)

※営業時間は変更となる場合がある。

※新型コロナウイルス感染防止のため、一部営業内容を制限している。

【特集No.560】オーベルジュ 山ぼうし 1客と真正面から向き合いたい

2020年7月31日(金) 配信

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客の強い支持を得て集客している宿の経営者と、工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が、その人気の秘訣を探っていく対談シリーズ「いい旅館にしよう! Ⅲ」の5回目は、「オーベルジュ 山ぼうし」(福岡県糸島市)の小林美智代女将が登場。カフェスタイルのサービスでは、十分に対応ができないためクレームが生じていたが、1日1組限定で「お客様と真正面から向かい合う」スタイルに変化を遂げる過程を、内藤氏とともに語り合った。

【増田 剛】

 小林:生まれは福岡県北九州市の小倉です。実家は小倉で茶懐石の料亭「向陽庵」を営んでいました。
 この糸島で古民家を購入して「季節料理 浮岳茶寮」を始めるときに、「こんな場所にお客が来るわけない」と周囲の人に言われました。でも、向陽庵も小倉の街を見下ろす山の上にあり、完全予約制でやっていましたので、街中の路面店よりも自然に囲まれた山の中のお店というのが、自分にとっては慣れ親しんだイメージでした。
 30代から40代の初めまで東京で仕事をしながら生活をしていました。
 そのときに、「東京は住居と職場までの通勤アクセスが大変だ」と感じました。糸島は海や山に囲まれ、自然に恵まれているにも関わらず、博多から近い。福岡空港からのアクセスもとてもいいので、お客様を迎える環境としては抜群の立地だと思っています。

 内藤:向陽庵はどのようなスタイルでしたか。

 小林:仕舞屋だった建物を改修したものでした。母がお茶を教えていましたので庭に茶室を作りました。父方は代々、能が好きだったので、能舞台も構えました。
 昼は茶室と桟敷席で本席、ホタルの時期は京都の川床のように、川で食事を提供していました。
 夜は地元の企業経営者や、政治家らが「顔が差す」ことなく利用できるように配慮し、せいぜい2―3組でした。私も東京で仕事をする31歳まで接客や料理の仕込みなども手伝っていました。

 内藤:どうして東京で就職しようと思ったのですか。

 小林:高校、大学も福岡市内だったため、「九州を出て自分が社会に通用するのか試してみたい」という気持ちが強かったのだと思います。…

【全文は、本紙1801号または8月6日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

【北海道 東川町】世界でも希少なピアノ“ベーゼンドルファー”を楽しめる「小西健二音楽堂」 音楽施設として再スタート

2020年7月31日(金)配信

 北海道・東川町は、町内中心部にある「小西健二音楽堂」の音楽利用での本格的な運用をスタートさせる。これまではゲストハウスとしての利用が中心だったが、設置されている世界でも希少なピアノ「ベーゼンドルファー」などの価値を再認識し、音楽利用を軸とした“音楽の家”として生まれ変わる。

 小西健二音楽堂は、音楽を楽しむために小西健二氏が建てた自邸を、本人の遺志で東川に寄贈した施設だ。施設内には、ベーゼンドルファーのモデル170に加え、装飾も美しいチェンバロも設置され、それぞれ利用することができる。ベーゼンドルファーは、現存する最古のピアノメーカーとしても知られ、1828年オーストリアのウイーンにて創業以来、各国の王室や皇室の御用達として採用されてきた。生産したピアノは世界で累計約5万台と希少で、クラシックからジャズまで多くの音楽家に愛されている。

 施設の利用・運用は東川町在住の音楽ユニット「ドートレトミシー」がサポート。音楽練習の他、週末音楽合宿やFM番組の収録など、幅広い利用を展開する。音楽愛好家やファミリーの音楽利用を中心とした滞在を楽しめる場所として、また音楽家のワーケーションの拠点としてもおすすめだ。

ロケ現場でのコロナ対策など共有 ロケツーリズム協議会、今年初の会合開く

2020年7月30日(木) 配信

コロナ対策に関しても意見を交換

 ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長)は7月16日(木)、リーガロイヤルホテル東京(東京都新宿区)で初の会合を開いた。

 今年度は、例年実施しているロケ誘致などを学ぶクラス別セミナーと、首長、制作者による商談会に加え、アフターコロナの国内旅行促進にも取り組む。

 制作者らが集まった分科会では、ロケ現場でのコロナ対策や、現在のロケ状況などを報告。「ロケでクラスターが起きたら、作品の印象を悪くするのでは」などといった懸念事項も共有した。

 このほか、分科会では、「オンライン会議システムを使い、市長などにも交渉に立ち会ってもらうことで、ロケ地の選択肢が増える可能性もある」、「リモートを活用したロケハンや、密を避けることでのスタッフの削減などで制作コストも低くなるのでは」など、コロナの問題を前向きに捉え、作品の向上に結び付けたいとする意見も挙がった。 

 会終了後、藤崎会長は、「新型コロナウイルス感染症がいつ収束するかわからななかで、地域も制作者も、生き残るための工夫をしなければならない。落ち着いた後にすぐに動ける準備をするために、今回協議会を開いた」と状況を説明。また、現状ロケ誘致に動けない地域に対しては、「制作者の視点で、受入態勢を考えておく必要がある。今彼らが求めているは、コロナ対策が泊まる宿や、ロケ場所などすべてで徹底されているかどうか。そういった準備を今のうちにしっかりと行ってほしい」と語った。

 ロケ地情報を発信する雑誌「ロケーションジャパン」の山田実希編集長は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、制作者がどこでロケを受け入れているか、「情報を欲している」と現状を説明。「動けない今だからこそ準備が大事。今ロケができる場所はどこか、今後新しいロケ場所になる可能性がある場所はどこかを整理しておくことがカギ」と語る。

 また、役所などでロケ実績が共有できていないこともあるとしたうえで、「過去の作品のロケ地の整理も進めてほしい。名シーンの撮影場所だったり、有名俳優がロケに来た場所だったりと、人が驚く要素は必要になりますが、そうした場所にロケ看板を設置することで周遊コースも変わってくる」と力を込めた。