第28回「全国女将サミット」新潟開催決定!、「今年は新潟でお待ちしています」

新潟開催決定!
第28回「全国女将サミット」
「今年は新潟でお待ちしています」

 女将サミット新潟開催決定――今年の全国旅館おかみの集い(第28回 全国女将サミット2017新潟)は、新潟県旅館ホテル組合 新潟女将の会(高橋はるみ会長=雪国の宿高半女将)の協力を得て、今年7月上旬に新潟市内で開催する。現在、運営体制や会場などについて意見交換している。開催日などは2月に発表する予定。会の団結力を生かし、米・酒・肴(さかな)に代表される「食の魅力を伝えられる催しにしたい」と意気込んでいる。全国の女将の皆様、今夏はぜひ新潟にお越しください。お待ちしております。…

 

※ 詳細は本紙1656号または1月27日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

行政処分を厳格化、不適格者排除の枠組みも

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貸切バス事業者へ国交省が通達改正

 国土交通省はこのほど、貸切バス事業者へ監査と行政処分に関する通達改正を行い、16年12月1日に施行した。とくに行政処分を厳格化。違反を繰り返せば、許可取消や運転管理者の資格者証を返納させる。軽井沢スキーバス事故の対策委員会で、6月に総合的な対策を定めた。これを受け、法令違反の早期是正と不適格者排除の枠組みを整えた。

 2015年度は監査で約1800件の違反が見つかり、許可取消が1件、業務停止は0件だった。これまでは監査から処分まで1年程度かかり、取消や停止の対象範囲に課題があった。同省は本格的なスキーシーズンの前に、監査・処分の実効性を向上させる。

 監査は問題のある事業者に早急な対応と、継続的な監視に重点化する。

 街頭監査は、改正によってその場で法令違反を改善できなければ、運行を停止させる。

 一般監査で発見した違反は直ちに是正を指示し、30日以内に監査を実施。改善の有無を調査するため、その後、計1―2回の監査を各30日以内に行う。一方、行政処分は厳しくし、違反の抑止力を向上させる。

 違反を発見したあと、次の監査で是正確認が取れれば、3日間の業務停止処分。その後改めて行う監査で、改善していなければ許可を取り消す。違反を繰り返して、許可を取り消された場合、勤務する全運行管理者に対し、資格者証の返納を命じる。

 処分量定も変更する。処分で使用停止する車両数割合を、全車両の8割に引き上げる。15年度で貸切バスの稼働率は5割ほど。現行の処分車両を絞る方法だと制裁効果は乏しく、全国統一的な方針がない問題があった。

 例えば、中部運輸局は処分が100日車で、配置車両数が5両の場合は「1両×100日」としていた。同様の場合、改正で「4両×25日」となる。使用できるのは、25日間は5台のうち1台のみとなる。

 そのほか、指導監督や点呼などの違反を中心に、各処分日車数を増やす。約2倍から4倍まで引き上げた。

 国交省はさらに法整備も進めている。10月に「道路運送法の一部を改正する法律案」が閣議決定された。5年ごとに事業の許可を更新する制度などを盛り込んだ。安全に事業を遂行する能力を有するか否かを判断する。法律が成立すれば、1カ月以内(17年4月)で施行する。

 同省は「貸切バス事業者が原因の事故で、死亡者をゼロに。負傷事故を10年以内に半減を目指す」とした。

2017年の観光業界 ― ターゲットになりづらかった層も…

 2016年も押し詰まって、ドイツ・ベルリンのクリスマス市に大型トラックが突っ込み、12人が死亡するテロ事件が発生した。また、ロシアの駐トルコ大使も警察官の男に銃で撃たれ、死亡した。国際的に広がるテロ事件の連鎖は、この先も続いていくのだろうと思うと、なんだか暗い気持ちになる。

 17年の観光業界はどのような年になるか。やはり、不安定な国際情勢が大きな影響を与えることになるだろう。

 年明け早々1月20日にトランプ氏が米国大統領に就任する。オバマ現大統領は就任して間もなく、ノーベル平和賞を受賞した。オバマ大統領の8年間は大きな戦争はなかった。しかし、その間、IS(イスラム国)の台頭、北朝鮮の頻繁な核実験・ミサイル発射実験、さらには中国の南沙諸島での岩礁埋め立てによる周辺地域の軋轢など、世界各地で危機的な状況が生まれている。トランプ大統領が今後、これら問題にどう対応するかによって、国際的な枠組みがまた大きく変動する。世界各国が綱渡りのような状況で進むなか、日本の外交政策も慎重かつ、大胆な行動が求められる。

 このような緊張感漂う国際情勢のなか、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が領土問題や経済協力について会談した。

 舞台は、山口県の長門湯本温泉の老舗旅館「大谷山荘」。地方の温泉旅館で国の将来を左右する首脳会談が行われたことに、多くの旅館関係者も驚き、誇りを感じたのではないか。

 私たちが旅先を訪れるとき、そこで行われた劇的な事件に想いを馳せる。歴史的な舞台は、首都に集中する。日本であれば、京都が歴史の主な舞台であり、江戸幕府開府ごろから東京も表舞台となり始めた。しかし、東京を離れ、日本の奥深い文化を育む地方の温泉旅館で日ロ首脳会談が行われた意義は大きい。16年にはG7伊勢志摩サミットも開催されており、東京一極集中ではなく、地方の煌めきを世界に発信できる機会が増えていることも感じられる。

 16年の訪日外国人数が2400万人前後になると予想されている。17年は、順調にいけば3千万人近くまで伸びるだろう。一方、海外旅行者数は1―10月までの累計(推計値)は前年同期比4・8%増の1418万人と、伸びてはいるがインバウンドの飛躍的な伸び率と比べると元気なく感じる。最近話題のVR(ヴァーチャルリアリティ=仮想現実)の技術がもっと進めば、いずれ現実に旅行しなくても、それなりのリアリティを感じて旅することができるようになるのだろうか。寂しい感じもするが、仮想現実を体験することも、一つの体験になる時代が訪れると言った方が正しいだろう。旅の定義も変わるのか。

 いずれにせよ、旅に関しては2極化がより一層進むのではないかと思う。旅行をしない人はますますしなくなるし、旅行する人は何度もする。また、温泉旅館についても、一生行かないという人も今後増えるだろう。その意味でも、旅館は従来の顧客層とはまるで異なる層を想定しておいた方がいい。旅行ニーズの変化を敏感に捉え、価値観の転換が必要だ。外国人旅行者やビジネス出張の1人客、旅館のおもてなしを必要ないと感じる若年層など、17年は、ターゲットになりづらかった人たちが“新たな顧客”となる、大きな変化の始まりの年かもしれない。

(編集長・増田 剛)

にぎわう大阪城

 大阪を代表する観光地の1つ、大阪城がにぎわっている。2015年度の天守閣入館者数は過去最高の233万7813人を記録。今年度も昨年11月末時点で前年度期比11・8%増の173万8千人に上り、記録更新の250万人を見込む。入館者のほぼ半数は外国人観光客だという。

 天守閣だけでなく、周辺のにぎわいづくりも進む。大阪市から大阪城公園の管理を受託する大阪城パークマネジメント共同事業体は今年、2つの新施設を誕生させる。1つが、JR環状線大阪城公園駅前で6月開業予定の「ジョー・テラス・オオサカ」。緑豊かな空間に、飲食店など15店舗が入居する。秋には本丸近くにある歴史的建造物の旧第四師団司令部庁舎を改装し、レストランなどに一新。屋上テラスからは天守閣が望めるという。

【土橋 孝秀】

観光客回復へ協力、フランスで役員会開く(JATA)

 日本旅行業協会(JATA)は12月3―8日、フランス・ルーアン市とパリ市で「JATA役員会」を開き、同観光開発機構などと「日本人観光客数の回復の重要性」などについて意見交換を行った。同国は2016年7月14日にニースで発生したテロ事件などによって観光客が激減。その後、各国のさまざまな取り組みにより全体数は平年並みに回復した。一方日本からの観光客数は10―12月が前年同期比70%となり、現地では回復が遅れていることを懸念しているという。

 越智良典事務局長は、「日本市場の回復・市場創造のための販促活動の協力や、シニア・ミレニアル世代など目の肥えたリピーターへの観光素材の掘り下げなどを確認した」と報告。日本からはJATA役員、観光庁の瓦林康人審議官らが、フランスからは同機構のマンティ総裁やパリ観光局関係者らが出席した。

学生奨励賞を新設、トラベルライティング賞(立教大学舛谷研究室)

(左から)舛谷教授、中島さん、抜井先生
(左から)舛谷教授、中島さん、抜井先生

 立教大学観光学部舛谷鋭研究室は昨年12月12日、新座キャンパスで「第10回トラベルライティングアワード」の発表会を行った。今回の最優秀作品は、nakaban(ナカバン)氏が書いた「Colours in MELAKA~マラッカ色彩憶え描きの旅~」(翼の王国2015年9月号掲載)が選ばれた。今回新たに新設された学生奨励賞最優秀賞には、中島加奈恵さんの「とりわけマッシュドポテト」が選ばれた。一昨年はサブゼミ長として活動していたため「『リストに残らないと』という使命・プレッシャーがあった。今ホッとしている」と受賞時の心境を語った。

 トラベルライティングとは、主にトラベルライターが執筆する旅エッセイのこと。海外では必ず書店に「トラベルライティング」の売り場があるが、日本の書店ではスペースが狭く、出版業界でのステータスも低いイメージがあるという。この状況に対し舛谷教授は、トラベルライティングを奨励するため、トラベルライティングアワードなどの活動を行っている。

 舛谷ゼミでは、毎年1―12月に発行された日本語の機内誌(JAL・ANAなど)、列車などにある車内誌に掲載されたトラベルライティングをゼミ生が購読。(1)観光学部生が興味深く読める(2)読んでみて新鮮な発見がある(3)読んだあとそこに行ってみたいと思える(4)写真が効果的に利用されている――などを基準に、ゼミ生が投票によって受賞作品を選出する。

 立教大学講師の抜井ゆかり先生は今回から「学生奨励賞」を新設した理由の1つとして、「写真と違って、文章は感情を表せる」ことを挙げた。また今回の候補作品に対しては、「20歳前後の学生らしさと、感情の流れが表現された作品が選ばれたのではないか」と語った。

新たな“東洋モデル”へ、社会のニーズに応える人材輩出

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 東洋大学は2017年4月に国際観光学部を開設する。観光産業において産官学のミスマッチが指摘されるなか、社会のニーズに応える人材を輩出する。学部は5つのコースに分け、産業界と連携を密にする画期的な「東洋モデル」を創設した。東洋大学国際地域学部国際観光学科の島川崇学科長・教授と、徳江順一郎准教授に開設に至る想いを語ってもらった。
【聞き手=増田 剛編集長、構成=平綿 裕一】

東洋大学国際観光学部 4月開校

島川 崇教授
島川 崇教授

島川:現在、観光業界では産官学連携を謳っていますが、この3者はまるで歩み寄ろうとしていません。お互いが欠点を言い合う状況です。我われが新しい学部を開設する際に意識したのは「何を変えることができるか」です。
 まずこれまでの観光学科ではマネジメント教育ができていませんでした。「難しいことは分からないけれど、お客様の笑顔がみたい」という学生が多かった。けれども、やはりファイナンスなどの知識を、しっかり学習できる教育体制を敷くべきだと考えました。

徳江:我われが一番議論していたのは「根幹にいるお客様は誰か」ということ。これは学生の就職先の企業になるはずです。社会は即戦力や将来の幹部候補を欲していると思います。
 なので、私たちはさまざまな業界の人たちに話を聞いて回りました。「社会は観光を通じて何を期待し、観光の将来をどう描いているか」を考えました。

徳江 順一郎准教授
徳江 順一郎准教授

島川:これまでは教員らは個人事業主のような傾向が強く、自分たちの得たものを外に出していなかった。そこで、お互いの知識やノウハウを出し合い数多くの議論をしました。5つのコースは明確に学習内容や目標を分けて、新たな「東洋モデル」を構築しました。午前はインターン先で働き、午後から授業というかたちを取り入れたコースもあります。これは日本初の試みです。
 さらに観光を総合的に、横断的に学べるように全体のバランスを考えて作り、事前事後の学習も確立しました。開設の前からさまざまな企業や団体から期待を集めています。

島川:国際観光学部は①ツーリズム②エグゼクティブマネジメント③サービスコミュニケーション④観光プロフェッショナル⑤観光政策――の計5つのコースで構成しています。
 5つのコースのうち、旅行会社に特化しているのがツーリズムコースです。ここでは旅行業務取扱管理者資格を取得してもらいます。1年次で国内の試験、2年次で海外を含めた総合の試験に合格してもらいます。
 ここでしか受けられない授業に、募集型企画旅行演習があります。実際のパッケージツアーに参加し、企画者の想いや企画過程など多くを学ぶことができます。
 また、議論のなかで、パッケージツアーにホテルの視点が絶対に必要だと分かりました。以降は実習でも、必ずホテルの視察を取り入れるようにしました。旅行業に関しては学部化以前にも実績がありますが、ホテルの視点も加わり、さらに磨きをかけられました。

徳江:東洋大学は多くの学生がホテル系をはじめとするホスピタリティ系に就職しています。ただ、経営のトップになった学生は多くはありません。総支配人層や、経営者層を育成しなければと強く感じ、エグゼクティブマネジメントコースを創設しました。
 これまで足りていなかったファイナンスや計数管理、不動産知識など、それぞれ専門の教員を採用して強化しました。同時にこれまで連綿と続けてきたサービス教育を合わせ、両方を兼ね備えた人材育成をはかります。30代で総支配人となる人材を輩出することが目標です。
 一方、これまでのサービス教育の強みをより出していくのがサービスコミュニケーションコースです。学部内のコースで1番ボリュームがあります。サービスに特化することで、ホテルやブライダル、キャビンアテンダントなどのほか、小売業全般の接客を行う人材を育てます。

島川:観光プロフェッショナルコースはこれまでにない「働きながら学ぶ」枠組みが特徴です。1年次から3年次までの3年間、昼過ぎまでインターン先で働き、そのあとに授業を受けてもらいます。さらに3年間同じ企業に通うことも新たな試みです。通常は3週間ほどですが、長期間でみた方が企業の実情を理解できると考えました。

徳江:今年は間に合いませんでしたが、普段は東京の営業所で働き、休み期間中は地方にある旅館で働くといった取り組みを検討しています。
 最後に観光政策コースです。公務員となり地域それぞれのアイデンティティを発信し、観光を盛り上げたいという学生向けです。公務員試験対策も用意しています。

島川:ただ、全体を通して授業に工夫が必要でした。会計学科が行うようなファイナンスばかりでは、学生が興味を持つのは難しいと考えました。もっと親しみやすく、敷居が低くなるように努力しました。また、実習の授業も充実させる一方で、理論に立ちかえることも重要視しました。

徳江:「女将・総支配人論」という授業があります。一見面白くて受けたいと思うかもしれませんが、担当の先生には理論をしっかりと教えてほしいと念を押しています。
 例えば「女将が果たしてきた社会的役割」「近年なぜ女将が減少し、ホテル的な経営をする旅館が増えたのか」などについてです。きちっと分析してもうことが前提で、語っていただく。
 学生側も事前に調べさせ、そして実習で現場の人とやりとりをする。事後は吸収したことをさらに学ぶ、というプログラムをどんどんやります。

島川:コースは5つに分けましたが、すべての学生に受けてほしい授業があります。リーダーシップ論とサステナブルツーリズム論です。
 観光で人と人をつなぎ、物と物をつなぎ合わせるときに必ずリーダーシップは必要です。リーダーシップの経年変化を通して、リーダーシップの潮流を学んでほしい。
 国連世界観光機構はサステナブル(持続可能性)とレスポンティビリティ(責任)を強調しています。これを踏まえ、産業と一体となって、連携しなければなりません。
 一方で産業はともすれば1―2年の近視眼的な利益に動いてしまいがちです。ここで我われが歯止めとなって、観光における持続可能性や責任を伝えていくことが使命だと思っています。

徳江:私たちは学部開設にあたり、インターンにも力を入れました。これまで産学連携が大事といいながら、学生を丸投げしている状況でした。ただの労働者として働くので、相手先の企業について何も学べない。戻ってくれば、業界を嫌いになる学生もいました。
 そこで、私達はインターン先を可能な限り視察しました。日本国内はもちろん、タイ、スリランカンなど、世界各国です。

島川:インターン先は信頼関係を持てる企業を厳選しました。例えば今回お願いしているはとバスさんは、1年目は東京の営業所で、次はコールセンターなどのバックオフィスを経験させてもらいます。その後、上手く話せてマイクを持てるような学生が出れば、バスガイドを経験できるかもしれません。そこで互いに納得すれば、そのまま就職もあります。このように密に企業と連携をはかっていきたいと思っています。

徳江:業界全体でいえますが、中学生の年代あたりから、もっと業界の啓発が必要だと思います。「観光は人が喜んでお金を払ってくれる仕事だ」という認識はあまり中高生にはない。世間一般のイメージを超えなければなりません。

島川:学部の開設だけでなく、高校と大学の「高大連携」も強めていきたいと思っています。全国には観光科や、第2外国語を取り入れている高校もあります。高校で旅行業務取扱管理者資格を取っていたら入学させるなど、積極的に働きかけたい。第2外国語で仏、中国語など取得していれば、インターンなどで選択肢が生まれます。
 そのほかホテルを持っている大学と連携をはかります。学生はホテル教育をしながら、実践で学べる。いつになるかわかりませんが東洋大学ホテルを造りたい。この想いはずっとあります。連携によってどのような教育をしているか、ノウハウをしっかりと学びたい。国際観光学部は飛ぶ鳥を落とす勢いでやっていきます。

17年旅行業名簿を発行、全国宿泊施設要覧も(旅行出版社)

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 旅行出版社(大阪府)はこのほど、「2017年旅行業者名簿」(B5判、750ページ)と「全国宿泊施設要覧」(B5判、800ページ)を発行した。

 旅行業者名簿は、66年の歴史を誇る業界唯一の旅行業者名簿で毎年改訂版を発行、観光関連事業者の営業に欠かせない1冊。都道府県の観光担当課への閲覧や、全件ヒアリング精査により、1種・2種・3種・代理業地域限定など全国の旅行業者の本社や支店、営業所まで1万6818件を収録している。本文は都道府県別にそれぞれ50音順に掲載、さらに大手旅行業者に関しては都道府県別での掲載に加え、会社別に掲載するなど見やすく構成している。本体価格は1万4千円(税別、送料別)。

 一方、全国宿泊施設要覧は7年ぶりに発行した。宿泊施設の把握に役立つ1冊。全国のホテルや旅館、民宿、ペンション、さらに宿坊やコテージまで2万8千軒を収録。所在地や客室数、宴会場、料金の目安、Wi―Fi、アクセス、さらにインバウンドの可否まで掲載している。

 問い合わせ=電話:06(6629)3551。

佐世保・小値賀観光圏、DMO候補法人に登録

九十九島の多島海美
九十九島の多島海美

 長崎県北部の観光都市・佐世保と東シナ海に浮かぶ五島列島最北端の島・北松浦郡小値賀町が地域連携する「海風の国 佐世保・小値賀観光圏」が昨年11月2日、国が推進する日本版DMOの候補法人に観光庁が登録した。日本版DMOは観光地域づくりの舵取りを担う法人で、登録が認められれば国も重点的に支援する予定だ。

 観光圏の中核となる佐世保市の人口は25万人。年間観光客は590万人(2015年)で、12年からは県を代表する観光地・長崎市を抜いて観光客数トップとなり、15年の観光消費額は前年比19・6%増の1276億円に達している。外国人宿泊者数も同19・8%増の15万8千人と11年の東日本大震災以降、4年連続の増加。大型クルーズ船寄港は延べ33隻と全国で8番目の寄港数を誇る。

 観光圏は13年4月に国の認定を受け、18年までの5カ年でブランド観光地化の推進事業を展開している。コンセプトは「『海風の国』暮らしを育む海舞台~浦々の四季で迎える西海物語~」。佐世保市の街なかと世界遺産候補になっている黒島天主堂がある黒島、絶景で知られる九十九島、日本遺産に認定の焼き物の里三川内、ハウステンボスなど10地域と、古民家再生などで注目される小値賀町で構成されている。

 事業推進の中心となるのが佐世保観光コンベンション協会(飯田満治理事長)で、事業初年度に戦略策定、推進のための専門部署を設置。人員を大幅に増員して、ワンストップ窓口整備などを行った。また、観光戦略設計を行い、顧客満足度などの市場調査事業、観光マイスターなどの人材育成、各地の受入体制整備のほか、旅行商品も企画・販売している。

 14年度には観光地を周遊する「クルーズバス海風」の運行を開始。15年度に「佐世保軍港クルーズ」も開始した。16年度は、黒島の受入体制整備や「海風旅」のモデルコースを作成。体験プログラムによる外国人旅行客誘致も目指す。飯田理事長は「DMO法人は自立的な財源で、法人自体が自主的な事業ができる経営体でなければいけない」と強調する。

 同協会の事業予算は年間約5億円。3分の2が市の委託、補助事業で、3分の1が自主事業。収益事業は駐車場や不動産事業、チケット販売、旅行事業、土産品開発・販売など幅広い。飯田理事長は「地方は観光で生き残るしかない。その波及効果は他の産業分野を含め地域全体に広がるし、雇用の源泉になる」と話し、観光が果たす地域経済発展の役割を強調する。

沖縄らしさをジャルパックから、地域とともに商品を造成

三線とガイドの歌声で大盛り上がり
三線とガイドの歌声で大盛り上がり
宮原祐氏
宮原祐氏

 ジャルパックは2015年に、沖縄県と北海道に仕入センターを設け、宿泊施設をはじめ地域との信頼関係を一層高めてきた。今回は、沖縄に注目。「こころ彩る沖縄4日間」と「ホテル日航アリビラ」2つの商品を中心に、宮原祐国内企画商品第2事業部沖縄グループ統括マネージャーに話を聞いた。参加者が、安心して楽しめるように地域との意思疎通を重視する同社。造成への真摯な姿勢も知ることができた。レンタカー会社との提携など、好奇心と利便性を兼ね備えた商品とともに紹介する。
【謝 谷楓】

 ――「こころ彩る沖縄4日間」のターゲットは。

 女性のお客様をメインターゲットに据えた体験型の商品となっています。

 無人島でのシュノーケリングや万華鏡づくり体験といった多彩なアクティビティを通じ、沖縄を満喫してほしいと思います。現地でのオプショナルプランも豊富に準備しています。本格的なアロママッサージのほか、ホエールウォッチングやフライボートもお得に楽しむことができます。

シュノーケリングを存分に楽しめる
シュノーケリングを存分に楽しめる

 ――実現には、地域との連携が大切ですが。

 その通りだと考えています。現地に仕入れ拠点を設けたこともその思いの表れです。インバウンドが増加するなか、より安定した商品供給を実現するためにも、宿泊やアクティビティを担う地域の施設各社との協力を大切にしていきたいです。

 商品の完成度は高く、追加料金なしで観光タクシーを利用可能といった、ジャルパックの独自性も発揮できました。一方この商品は、各社を束ねる沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の助成を受けた「招聘事業」からヒントを得て造成したものです。そのため、我われはOCVBを通じ、各社の意向を汲み取ったうえで、商品造成に臨んできました。施設各社とは良好な関係を築けています。

 安全安心な旅を提供するため、プランナーが事前に旅程確認やアクティビティの体験を済ませています。その際にも、各社とのコミュニケーションを重んじています。

 ――仕入センターのメリットについて。

 お客様に対して最新の情報を発信できるようになりました。販売にもつながっています。

 ――協力して事業を展開し、地域に貢献しています。今後の展望は。

 これからも、「招聘事業」をはじめ、OCVBとの連携を深めていきたいと考えています。

 沖縄らしさの発信も続けていきます。現在、オプショナルプラン「JALうたばす」を利用すれば、バスガイドの三線演奏や島唄とともに、古宇利島や首里を巡ることができます。地域に根付く文化の紹介に一役買っているのではないでしょうか。

 豊かな自然にも注目しています。本島北部のやんばる地方が世界自然遺産登録に向け活動をしています。商品造成を通じた貢献をはたしていきたいです。

 ホテル日航アリビラで極上のリゾート体験
ホテル日航アリビラで極上のリゾート体験

 ――2つ目の商品「ホテル日航アリビラ」は。

 ここは読谷村に位置するリゾート施設。ステイ型の商品を提供し、部屋のラインナップが充実しています。沖縄の海を存分に堪能してもらうため、「部屋番号指定プラン」を用意し、眺望への期待を裏切りません。

 ストレスフリーもテーマの1つです。コースによっては、空港から無料で送迎タクシーを利用できます。

 ――地道ですが、着実な事業展開を心がけている印象をうけました。

 お客様の声に基づいた改良を常に心がけています。

 那覇空港では、オリックスレンタカーと提携をしています。待ち時間など、レンタカー手配が困難な状況に対処するためです。その結果、受付から約20分という短時間での配車を実現できました。多くの方に喜ばれています。

 ――ありがとうございました。

スムーズな配車を実現
スムーズな配車を実現