「瑞風」車両を公開、“美しい日本をホテルが走る”(JR西日本)

鮮やかなダークグリーンの外観

 JR西日本は6月17日から運行を開始する豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の車両を報道陣に公開した。2月23日に網干総合車両所宮原支所(大阪市淀川区)で開かれた披露式典には、同社の来島達夫社長や車両デザインを統括した浦一也氏、エクステリアを監修した福田哲夫氏が登壇。瑞風アンバサダーの葉加瀬太郎氏も登場し、作曲したテーマ曲を初披露した。

 来島社長は「瑞風のコンセプトである“美しい日本をホテルが走る”にふさわしい車両ができ上がった。地域の皆様とともに、山陰・山陽の自然や文化、食といった魅力を発信し、鉄道の旅を通して新しい価値を提供していきたい」とあいさつした。

 デザインを統括した浦氏は「外観は鮮やかなダークグリーンで、ちょっと懐かしさを感じるデザインに仕上げたほか、車両全体を通したデザインには、昭和初期にも通じるアール・デコを取り入れた」と解説した。

葉加瀬氏がテーマ曲を披露

 また、葉加瀬氏は「瑞風~MIZUKAZE」と名付けたテーマ曲について「昨年末に奥出雲、萩、尾道、倉敷と旅をし、音のスケッチを描いて今年1月に完成させた。乗客やクルーなど、すべての方々に末永く可愛がっていただければ」と思いを語った。

 「瑞風」は10両編成で運行。注目は1車両すべてを使った「ザ・スイート」。1両1室の構成は世界的にも珍しく、バスタブ付きのバスルームを備えるなど、広さだけでなく随所にこだわりをみせている。

 ツインとシングルの各客室には天然木を多用。先頭と最後尾に備えた開放感あふれる展望車は、デッキに出ることが可能なほか、運転席の視点と同じ高さから眺望が楽しめる特別シートも用意する。ラウンジカーには茶の卓やバーも備える。

ザ・スイート寝室
ロイヤルツイン

 このほか、車内を彩る調度品として、焼物などの工芸品や西洋のアンティークを随所に配置するなど「瑞風ならではのものを満載した」(浦氏)という。車両を見学した葉加瀬氏も「こんなにも素敵な空間が山陰・山陽を走るのかと感動した」とその魅力を語った。

 瑞風は、山陰・山陽を巡る1泊2日の片道4コースと、2泊3日の周遊1コースの全5コースを設定。料金は6―9月出発の1期分の場合、ロイヤルツイン(2人利用)1泊2日で1人27万円から。1期分はすでに販売終了済み。10―11月の2期分は4月1日から受け付け開始予定。

2月の第4日曜日、「雪の日」制定へ(長野県)

 長野県内でスキー場を運営する観光関連事業者などが、県の貴重な観光資源である雪の魅力や価値をアピールする「雪の日」を制定した。2月の第4日曜日を「雪の日」(今年は2月26日)として、まずは県民の認知を広め、将来的には国民の祝日化を目指すという。

 2014年に「信州山の日」(7月第4日曜)を制定。昨夏には国民の祝日「山の日」(8月11日)を初めて迎えたことから、夏山に対して、冬山の「雪の日」をアピールすることで、雪に親しむ機運を高め、冬季の誘客やスキー場の活性化につなげたい考えだ。

 スキー場事業者などでつくる「長野県索道事業者協議会」や長野県旅館ホテル組合会などでつくる「長野県観光産業振興協議会」は2016年6月、雪の日制定に向けた周知活動を盛り込んだ事業計画を決定。冬の観光誘客に取り組む官民の全県組織「『スノーリゾート信州』プロモーション委員会」も、長野県内のスキー場で来年のスキー場シーズン券が当たる関連イベントなどを今冬から展開する。

【百戦錬磨 上山康博(かみやま・やすひろ)社長インタビュー】特区民泊、全国で実施を

質問に答える上山社長

“ヤミ民泊”追放へ、一致団結したい

 古民家や空き家を活用する“民泊”への関心は高く、不足する宿泊施設のカバーにも有効だ。インバウンド増加と多様化するニーズを満たす一方、利益を優先する事業者による“ヤミ(違法)民泊”の横行は、ホテル・旅館業界だけでなく、“合法民泊”の理解普及への取り組みにも水を差しかねない。今回、“合法民泊”のパイオニアとして、業界を牽引してきた百戦錬磨の上山康博社長を訪ねた。同社の取り組みやビジョン、民泊をめぐる政府や自治体、ホテル・旅館への期待について、話を聞いた。
【謝 谷楓】

 ――会社の取り組みについて教えてください。

 “ステイジャパン”といった、民泊の予約サイトを運営しています。民泊運営者(ホスト)と旅行者(ゲスト)をつなぐプラットフォーマーとして、Webサイトを提供することが、我われの仕事なのです。マンションや一軒家、古民家、お寺などを公認の民泊施設に活用するといったアマチュアで宿泊に携わる方を、ゲストとマッチングさせています。一般的なOTAとの違いもここにあります。

 ノウハウの仕組みづくりを進めることで、このようなビジネスモデルが実現可能だということを証し、根付かせることに取り組んでいます。

 物件を提供するホストに対し、我われはテクノロジーを駆使して集客をはかるなど、インターネット上のマーケティングで支援を行います。地域への誘客を実現するため、自治体や観光協会、DMOと協力する場合もあります。

 さらに一歩踏み込み、地に足をつけて地域で事業展開する。“空中戦”ではなく、“地上戦”を行う点も、ほかのOTAと大きく異なる特徴です。

 ――取り組みを通じて、目指すことは。

 欧米型のロングステイを、各地域で実現・普及したいと考えています。地域への誘客増加をはかるため、ホテル・旅館に携わる方にも、踏み込んだ取り組みを行ってほしいと考えています。例えば、既存の宿泊施設でチェックインを済ませ、地域の古民家に長期間泊まることが実現すれば、新しい滞在スタイルの提案だけでなく、欧州など遠方からのインバウンドの取り込みも期待できます。

 空き家となった古民家の再活用は、継続したビジネスの展開が難しかったグリーン・ツーリズムの収益化にも有効です。ホストとの触れ合いが中心であったホームステイ型のグリーン・ツーリズムは、継承が困難でした。仕組み化されれば、ノウハウの継承が可能です。地域での、一歩進んだ取り組みにも期待しています。

 ――地域(自治体)の “稼ぐ力”獲得にも目を向けていますね。

 外からの来訪目的となる、地域の核が見つかるまで、枝葉末節を削ぎ落とすことが必要です。各地域には、地名の由来や歴史に着目し、作業を進めてほしいです。

 ――都心型の民泊について

 “ステイジャパン”では、自治体の認可を受けた公認施設のみ掲載しています。国家戦略特区内では、大阪府と大阪市、東京都大田区で物件を取り扱い、各地域で認定第1号物件を運営しています。

 大田区で民泊(特区民泊)を行うためには、6泊7日以上の滞在が必要です。稼働率はおよそ50%となります。大阪市では、1月から2泊3日の民泊利用が可能となりました。回転率の増加が望めます。

 大田区での取り組みを始めてから、1年が経ちました。ゴミ捨てルールの周知や安全対策など、近隣住民とゲスト双方に対し、ホテル・旅館と同水準の安全安心を提供してきました。実際、ゲストと近隣住民のトラブルはほとんどなく、従来からあった懸念点も払拭できました。

 ――特区民泊に取り組む自治体はまだ多くありません。普及が遅れている要因とは。

 ヤミ民泊の存在です。ホテル・旅館業界の一部には、合法か否かを問わず、民泊に反対する方がいます。感情的になっている方もいます。非合法に活動するヤミ民泊業者が、不当に利益を上げていては、民泊に対し、社会全体が良いイメージを抱くことは難しいといわざるをえません。ヤミ民泊が一掃されることで、誤解を解くことができるはずです。

 ――有効な手立てとは。

 大前提は取締強化です。旅館業法のみならず消防法・建築基準法・税法などの関連法も含めた指導の強化を行政に対し、お願いしたいところです。ヤミ民泊を告発する窓口の設置も有効です。

 国家戦略特区や民泊新法の利用促進も、政府や自治体にお願いしたいです。とくに、東京都などヤミ民泊が横行する地域は、取り組みのスピードを上げるべきです。

 特区民泊の実行は、ルール遵守を要求するメッセージとなります。各事業者が取り組む民泊ビジネスが、合法か否かも一目瞭然となります。民泊のうち、合法のもの以外はすべて、旅館業法に抵触する可能性があるのだということを、周知するべきです。グレーゾーンはありません。

 自治体のなかには、特区民泊を認めたら、ホテル・旅館業界が困惑すると考える方がいます。しかし、安全対策など、特区民泊を実現するハードルは高く、事務手続きの面でも旅館業法と遜色ありません。

 ホテル・旅館業界にとっての問題は、ヤミ民泊の横行にあるはずなのです。

 大切なことは、ルールを守った取り組みを行うことです。ヤミ民泊対応でも、ホテル・旅館業界や、不動産業界の方々と連携していきたいと考えています。一致団結して取り組むべき事柄なのです。

 ――ありがとうございました。

No.454 ホテルグランメール山海荘、ごく自然に無理なく「高み」へ

ホテルグランメール山海荘
ごく自然に無理なく「高み」へ

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客様の強い支持を得て集客している宿の経営者と、工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が、その理由を探っていく人気シリーズ「いい旅館にしよう!Ⅱ」の第10回は、青森県・鰺ヶ沢温泉のホテルグランメール山海荘の杉澤むつ子取締役会長が登場。古き良きものを愛でるように大事に使う宿にしたいと話す杉澤会長と内藤氏が、お客に伝わる清掃スタッフの想いなどについて語り合った。

【増田 剛】

 
 

〈「いい旅館にしよう!」プロジェクトⅡシリーズ(10)〉
ホテルグランメール山海荘

内藤:宿を始めたのはいつごろからですか。

杉澤:第2次世界大戦中の1942(昭和17)年に政府は、石油掘削のために地質調査し、現在水軍の宿がある場所を堀ったら温泉が出ました。先々代は本家(卸商)の問屋の番頭や、その後東京の兜町でメッセンジャーボーイなどをやっていましたが、この温泉の権利を買い、銭湯を始めました。各家庭にお風呂が無かった時代で「温泉の大衆浴場ができた」と大盛況だったそうです。 

 一方で、京都の着物屋さんや越中富山の薬売りなども鰺ヶ沢を訪れたときに、「泊めてほしい」という要望が多く、宿も始めたということです。

内藤:どのようにして施設を大きくされたのですか。

杉澤:鰺ヶ沢は、港町ですので、旅館は元々ありました。うちは温泉があることが強みとなって、戦後少しずつ拡張を繰り返していきました。

内藤:2代目社長となるご主人の慶祐さんと一緒に、鰺ヶ沢に戻ってきたのはいつですか。

杉澤:私は青森県のつがる市(旧木造町)出身で、主人とは東京で知り合いました。長男の廉晴(3代目社長)が1歳半になるまで東京で生活していました。

 鰺ヶ沢に帰ってきたのは、1974(昭和49)年の夏です。帰るとすぐに山海荘本館の前に、山小屋風のコーヒーショップを作りました。たまたまカウンターの中で留守番をしていたら、映画『八甲田山』ロケ地を探していた森谷司郎監督が訪れ、「ここに決めた」と言われました。その後、撮影のため高倉健さんが昔の面影が残るホテル山海荘の本館に滞在されたのが印象的でした。

 79(昭和54)年に本館の隣接地に鉄筋コンクリート5階建てのホテルを新築しました。「鰺ヶ沢に宿を建てても、観光客は来るの?」と周囲から心配されましたが、銀行の融資もあり、約3億円を投資しました。当初の売上高は3千万円ほどでした。 

内藤:それまでは何部屋でしたか。

杉澤:本館は2階建で20室の建物でした。夏に水泳や野球などの合宿で学生たちが来られるときだけ開けています。今は川の拡張工事があるので、クローズしています。

内藤:姉妹館の水軍の宿はどういう経緯で建てたのですか。

杉澤:温泉の権利を買って営業していた大衆浴場は、地元のお客様に利用いただいていました。そのうちに、地元のお客様からの「サウナがほしい」「近代的な設備がほしい」といった声も聞こえてきました。そのような願いを、主人と私はできる限り叶えていき、自給自足の考えを持とうと思っていました。「このまちにはアレもない、コレもない」と愚痴ばかり言わないで、「無いものは自分たちでできるものだったら作ろう。それで地元の人たちが喜んでくれたらいい」との考え方です。駐車場も手狭になってきたので、新しい場所にまず広いお風呂を作り、そこに旅館の機能を付け加えました。水軍の宿のオープンは1993年です。…

 

※ 詳細は本紙1662号または3月7日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

民泊新法が最終局面 ― 「全国一律ではなく、地方に裁量権を」

 民泊新法(住宅宿泊事業法案)が最終局面を迎えている。3月10日に予定されている閣議決定を目前に控え、全旅連青年部は桑田雅之部長を先頭に2月22、23日に大規模な陳情活動を行った。また、22日には東京都内で開いた青年部の県部長サミットで、西村総一郎次期青年部長が「最後の踏ん張りどころ」とし、民泊新法の争点を整理して最終の確認を行った。

 まず、昨年6月2日に閣議決定された年間提供日数(180日)の算定方法では、旅館業界と、賃貸不動産業界との間で認識の乖離があり、大きな争点となっている。旅館業界は暦日単位で最大179泊180日を強く主張している。これは、「旅館業法の許可を持つ者と、住宅を旅行者に宿泊させて小遣い稼ぎする者との差別化のために、政府が180日を境に区別したから」という論理だ。

 一方、賃貸不動産業は、日数の算定を正午から翌日の午前11時59分を民泊新法の1日とカウントする考えだ。この180泊案では、年間360日の営業が可能となる。旅館業界は「360日営業が可能ならば、旅館業と住宅宿泊事業との区別が付かない」と猛反発している。

 もう一つ、旅館業界が強く求めているのは、「地方創生の観点から、すべての地方公共団体が条例により、年間提供日数などを独自に制限できるようにすべき」ということだ。平たく言えば、「地方のことは、地方で決めさせてほしい」と訴えている。全国一律ではなく、都道府県、市町村単位で地域によっては「家主不在型の民泊は許可しない」という裁量権を残してほしいという願いだ。

 これに加えて、東京オリンピックが2020年に開催されるが、五輪後に民泊新法をもう一度見直すことも求めている。

 旅館業界は、すべての民泊に反対しているわけではない。家主在宅型の民泊に対しては、「安全安心」の観点から賛成の立場をとっている。一方、家主不在型の民泊については、「それぞれの地域の実情やまちづくり、地域創生の意志を反映できる(柔軟な)仕組みにしてほしい」と求める。また、家主不在型では、マンションのセキュリティーや騒音、ごみ処理などの問題がすでに各地で起こっていることも危惧している。

 違法民泊の取り締まりは現状では、難しい。民泊を経営している人たちの住所や名前も分らないため、探すのが困難である。例えば、エアビーアンドビーのサイトの地図上に載っている民泊には住所が掲載されていないなど、特定できない問題点がある。違法民泊がはびこれば、消費税や所得税が支払われず、国の財政も厳しくなると指摘されている。また、格安な料金で宿泊させれば、価格競争も激化し、近隣の旅館やホテルが廃業するという事態も想像できる。

 一連の流れで、なんとなく気持ち悪いのが、「外国人観光客が急増して都市部のホテルが足りないから民泊を増やす」という表向きの理由と、人口減少に加え、相続税対策で賃貸物件がどんどん建てられるなかでの空き物件対策を無理に結合させようという意図が、あまりに不格好に映るからだろう。旅館業界は、孤軍奮闘している。自分たちしか旅館業を守る人はいないと感じただろう。旅館業は民泊との違いを明確にすべきである。まだまだ新しい可能性はあることを次回以降、書いていきたい。

(編集長・増田 剛)

東北交流拡大へ、外国人が東北を応援(復興庁)

メッセージを掲げる今村雅弘復興大臣(左)

 復興庁は2月14日、東京都内で「新しい東北交流拡大モデル事業報告会」を開き、同事業に選定された13事業者が1年間の成果を報告した。来場した国内に住む外国人100人の投票で決める「魅力的な東北周遊のモデルコースコンテスト」では、東武トップツアーズの「キラキラ感動★冬の東北とグルメ 満喫ツアー」が1位に輝いた。

 事業者から挙げられた東北の課題では、認知度の低さが最も多く、そのほかに2次交通や地域住民と訪日外国人客の距離感も指摘された。それぞれが「体験」や「東北特有の自然現象」などをテーマに課題解決に取り組み、ツアーを造成。2月10日時点で9821人泊を売り上げた。

 会には有識者としてジャーマン・インターナショナル代表のルース・マリー・ジャーマン氏と、跡見学園女子大学准教授の篠原靖氏、東洋大学准教授の矢ヶ崎紀子氏が参加。各事業者の報告に対して講評を行った。ジャーマン氏は「それぞれのプレゼンテーションで成功している地域は、当事者である外国人を企画段階から巻き込んでいる」とし、「これからの時代は外国人をパートナーにして一緒に発信していくことが重要」と参加者にメッセージを送った。

 今村雅弘復興大臣は「東北は日本の良さを凝縮していると思う」と述べ、「東北や日本の素晴らしさを把握し、国外にアピールしてもらえれば日本にとって大きな力になる」と外国人に東北を訪れてもらう意義を語った。外国人から今村大臣に対し、東北応援メッセージも贈られた。

◇  ◇

 モデルコースコンテストの2位以下の受賞者は以下の通り。

 2位 TOHOKU SNOW MONSTER(東北7新聞社協議会)

 3位 「東北で笑顔に会う旅~あなたの家族の話を聞かせてください~(近畿日本ツーリスト)

 審査員特別賞 山形のひなまつり&丸ごと山形体験(ダイヤモンド・ビッグ社)

100人による投票

〝消費も回復傾向〟、春節の伸び率25%増に(観光庁 田村長官)

 田村明比古観光庁長官は2月15日に行った会見で、今年の春節の動向について、「訪日数はおおよそ25%増加している」と報告した。増加要因として、今年の春節は1月27日―2月2日と、昨年(2月7―13日)よりも1月側にずれ込んだことにより、堅調に推移したとみられる。また、免税販売状況も前年と比較し、客数・売上ともに増加していることから、消費も回復傾向にあるとの見解を示した。

 また、2月24日から始まるプレミアムフライデーについては、旅行需要では近距離の海外や国内旅行においては、一定のプラスになると言及。そのうえで、我が国の働き方改革について田村長官は、「プレミアムフライデーにとどまらず、有給休暇取得のための対策に、政府一丸となってこの課題に取り組んでいかなければならない」と語った。

都心で天然温泉を楽しむ

 以前から気になっていた東京郡品川区の銭湯、武蔵小山温泉「清水湯」に行ってきた。460円の銭湯料金で2種類の天然温泉が堪能できるため、正午からの営業開始直後だったにも関わらず、男湯はすでに満員御礼状態だった。

 都内で琥珀色の黒湯と源泉かけ流しの黄金の湯の2種類の天然温泉が湧き出る銭湯はおそらく清水湯だけではないか。1994(平成6)年に第一源泉の黒湯温泉の採掘成功。当時、大田区などで黒湯は存在していたが、品川区では出ないと云われていた。

 2007(平成19)年に第二源泉の黄金の湯を掘削したところ、都内屈指の療養泉が湧出。銭湯でかけ流しがあってもいいじゃないかと全浴槽をかけ流し(一部循環併用)にし、現在の「お客様第一」で「地域に貢献」の武蔵小山温泉が誕生した。

【古沢 克昌】

1月訪日客230万人、単月では過去2番目に(JNTO)

 日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)がこのほど発表した1月の訪日外客数推計値によると、1月は前年同月比24・0%増の229万5700人となり、16年1月の185万1895人を44万人以上上回り、1月として過去最高を記録した。単月では、16年7月(229万6451人)に迫る過去2番目の数値となった。

 今年は旧正月が1月末から始まり、中華圏の国や地域を中心に訪日旅行者数が増加した。1月の市場別では、韓国と豪州が単月として過去最高を記録。そのほかロシアを除く17市場が1月として過去最高となった。とくにマレーシアが70%台、インドネシアが60%台と年初から高い伸びを示している。

 1月の重点市場の動向をみると、韓国は同21・5%増の62万5400人で単月として過去最高を記録。旧正月(ソルラル)休暇が今年は1月に移行したことや、複数の航空路線が増便されたことなどが要因となり、訪日需要を押し上げた。

 中国は同32・7%増の63万600人で1月として過去最高記録した。春節が1月に移行したことで、その前後を含め訪日者数が増加。また、春節期間のチャーター便運航による航空座席供給量の増加や、旺盛なクルーズ需要なども訪日者数の押し上げに寄与した。

 台湾は同9・3%増の35万800人で1月の過去最高を記録。前年のトランスアジア航空の解散にともなうツアーキャンセルや、航空座席供給量減少による航空券の値上がりなどにより、伸び率は1ケタにとどまった。

 香港は同48・4%増の18万5500人で1月の過去最高を記録。旧正月休暇が1月に移行したことに加え、航空座席の供給量が、前年比で約2割増加したことなどが訪日需要を高めた。

 そのほか、東南アジア諸国は、タイが同6・7%増、シンガポールは同35・2%増、ベトナムは同46・0%増、インドは同4・8%増など。インドは1万100人で1月として過去最高を記録。例年1月は外国旅行のオフシーズンであるため、緩やかな伸びとなった。

 なお、出国日本人数は同1・9%増の130万人となった。

東南アジアで初の開催、WTTCサミット参加募る(日観振)

 日本観光振興協会(山口範雄会長)はこのほど、「世界旅行観光サミット」への参加呼びかけを始めた。今年の開催期間は4月26、27日で、場所はタイ王国の首都バンコク。

 世界旅行観光協議会(WTTC、英国ロンドン)が主催し、東南アジアでの開催は初の試みとなる。

 参加すれば、各国の観光業従事者らとの交流や、メディアへの情報発信を期待できる。日本からの参加申込を取り仕切る同協会では、通訳面などで毎年50人前後の参加者らをサポートしてきた。

 サミット本会議と会食費は無料で、参加者負担は、渡航費や宿泊費など。

 問い合わせ=日本観光振興協会 旅行振興部門 村上、中村(慎) 電話:03(6435)8334。