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民間運営目指す、中期計画(新関空)

2012年11月1日
編集部

“国家的プロジェクト”

 新関西国際空港は10月25日、東京都内で会見を開き、7月1日の関西国際空港と大阪国際空港(伊丹空港)の経営統合後の経営戦略に基づく「中期経営計画」を安藤圭一社長が発表した。新関空は、コンセッション(完全民間運営化)を目指しており、安藤社長は「国家的プロジェクト」と表現。「新しい視点で、事業価値の拡大をはかる。掲げた数字を現実にしていかなくてはならない」と意気込んだ。

 安藤社長は「民間が主導になり、民間の資金を活用していくことで、自立した経営を実現する。うまくいけば、国が管理する約30の空港のモデルになる。国が投下した資金を民間にバトンタッチしていくことが大きな狙いだ」としながらも、「コンセッションが最終目的ではない。多くの航空会社に飛んでもらい、多くのお客様に来てもらうという事業価値の最大化が最も重要だ」と強調。「航空業界が再編の時代で、競争が激化しているなか、空港も合わせて変革をしなければならない。エアラインは大切なパートナーでウィンウィンの関係を築いていく」と語った。

 同社は7月に発表した経営戦略で「アジアのリーディングエアポート」を目指す空港像に設定。計画でも、大きくアジア市場の成長を取り込むことを主眼に置く。これに向け、航空成長部門の重点プロジェクト「旅客ネットワーク拡大戦略」では、現在14・4%の国際線LCCの就航割合を、14年夏に25%まで引き上げる目標を設定。アジアの急拡大するLCCを確実に誘致していく。LCCの設備は、10月28日に専用ターミナルの第2ターミナルが供用を開始したところだが、早ければ来年度中にもLCC利用を想定した、第3ターミナルの建設に着工するという。一方で、「LCCが25%になっても、75%はフルサービスキャリア(FSC)。料金施策などで長距離を飛んでもらうためのプロモーションをかけている」とした。

 このほか、航空成長の重点プログラムは「貨物ハブ空港戦略」と「料金戦略」「アクセス改善」をあげる。さらに、航空成長のほか、ターミナル成長と経営効率化、安全安心・お客様満足向上・環境対策、空港運営ノウハウの活用を柱に、そのもとにそれぞれ重点プロジェクトを設定。空港運営ノウハウの活用は「国際事業展開」として、海外の空港のコンサルティング業務なども視野に入れる。

 会見では、安藤社長の見解として「将来的に神戸空港も入れていくのが望ましい」という考えも明かした。また、領土問題以降の現況として9月の中国方面への出国数は前年同月比で91%となっており、「少なくとも来年の3月まで影響がでるだろう」としたうえで「イベントリスクは避けられない。さまざまなことが起こるが、すべて長期的にみなければならない。将来的にこの業界は成長産業。2030年に、アジアは最大市場になる」と力説した。 

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