食の都・庄内をたん能! 奥田政行シェフらが競演 12月9日(日)山形県湯野浜温泉・亀や

2018年11月16日(金) 配信

山形県湯野浜温泉の亀やで12月9日(日)、「出羽三山詣」の後、温泉につかり、美食を楽しんだという江戸時代の習わしを、現代版にアレンジした特別メニューを楽しむ企画が開かれる。

 腕を振るうのは、庄内の洋食文化の第一人者で、食の都庄内親善大使の太田正弘氏(フレンチ)、世界の料理人1千人に選ばれた奥田政行氏(イタリアン)、羽黒山参籠所(さんろうじょ)「斎館」の料理長を務める伊藤新吉氏(精進料理)の3人。庄内を代表する料理人の競演が楽しめる。

「庄内」を代表する料理人が夢の競演

日時:2018年12月9日(日)午後6:30から
料金:1万円(税込)
会場:湯野浜温泉 亀や
参加申込み:電話0235(75)2301 「食の競演」係へ

詣でる、つかる、いただきます

 開山1400年の出羽三山のふもとに広がる庄内地方・鶴岡。江戸時代には「月山・過去」「羽黒山・現在」「湯殿山・未来」を巡る、出羽三山詣でが流行した。詣でた後は湯につかり、美食を楽しむ習わしがあり、この地方では「精進おとし」として今も受け継がれている。

新潟県・庄内エリアで大型観光キャンペーンも

 新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン(DC)が来年10-12月に行われる。庄内地域と新潟県を対象にしたDCの開催は2009年以来2回目。今年の秋はプレキャンペーンを実施している。

 今回のテーマは「日本海美食旅(ガストロノミー)」。エリア内の豊かな食を軸に、それを育んできた自然や歴史・文化などの背景もあわせて全国に発信する。ガストロノミーとは「美食学」のこと。作り手も食べる側も、「食を通じて地域を知るコト」が、重要かつ目的になっている。今回は総合プロデューサーに雑誌・自遊人(じゆうじん)の岩佐十良編集長を迎え、日本有数の食文化都市をアピールする。

提言「労働力喪失時代の『スマート・エコノミー』を目指して」発表へ 日本生産性本部が生産性シンポ

2018年11月15日(木) 配信 

労働力喪失時代の生産性向上戦略を議論

日本生産性本部(茂木友三郎会長)は12月4日(火)、大手町サンケイプラザ4階ホール(東京都千代田区)で第3回生産性シンポジウムを開く。テーマは「労働力喪失時代の生産性向上戦略~持続可能な社会経済システムの提言~」。

 冒頭、日本生産性本部サービス産業生産性協議会幹事・サービス産業生産性向上戦略プロジェクト座長の村上輝康氏(産業戦略研究所代表、NTTドコモ社外取締役)が、提言「労働力喪失時代の『スマート・エコノミー』を目指して」を発表する。

 パネルディスカッション「『スマート・エコノミー』の実現に向けて」には、菊地唯夫氏(ロイヤルホールディングス会長兼CEO)、針谷了氏(湯元舘会長)、デービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長)、藤重貞慶氏(ライオン相談役)、浅野大介氏(経済産業省商務・サービスグループサービス政策課長)が登壇する。 

 パネルディスカッション「『スマート・エコノミー』を促進する経営のあり方を考える」には、斎藤敏一氏(ルネサンス会長)、田川博己氏(JTB会長)、八野正一氏(全国労働組合生産性会議副議長)、森川正之氏(経済産業研究所副所長)が登壇する。

 2つの討論会の進行役は、冒頭に提言を発表する村上座長が務める。

 日本生産性本部は1955年に設立。経済界や労働界、学識者、消費者など各界の代表者によって構成されている。2018年度から「人口減少下の新たな生産性運動の基盤整備」を中期運動目標のテーマに据え、生産性に関わるさまざまな課題に取り組んでいる。

 同シンポジウムの問い合わせは、tel03(5511)2030。

光の球体で立体ツリー、チームラボがお台場に展示

2018年11月15日(木) 配信

ツリーオブスフィア

チームラボは12月1日(土)から、東京・台場のお台場ヴィーナスフォートのオリーブ広場で、光の球体を集めた巨大な光のツリー「チームラボ:ツリー オブ スフィア」を展示する。展示は来年2月下旬まで。

 光の球体の集積によって形作られた立体のツリーは高さ8㍍、直径6㍍。光の球体は、音色に合わせて色が変わる。人が叩くと、光の色を変化させ、色特有の音色を響かせる。そして、そのまわりの球体も呼応し、同じ光の色に変化し音色を響かせていき、次々にまわりの球体も連続的に呼応していくという。

 また、お台場ヴィーナスフォート(森ビル運営)では期間中、天空から雪が舞い降りる降雪イベント「SNOW WISH」や、クリスマスイルミネーション「VenusFort Illumination 2018 -Thankful HEART-」など、さまざまな体験型のクリスマスやウィンターイベントが開催される。

チームラボ:ツリー オブ スフィア

展示期間: 2018年12月1日(土)~ 2019年2月下旬
会場: ヴィーナスフォート オリーブ広場(東京都江東区青海1-3-15)
入場料: 無料
時間: 午前11:00 ~ 午後11:00 ※期間によって異なる
休館日: 施設休館日に準ずる

teamlab.art
https://www.teamlab.art/jp/e/tree-of-resonating-spheres/

米国の旅行雑誌で日本が世界で最も注目を集める旅行先に!

2018年11月15日(木) 配信

授賞式のようす

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、11月14日(現地時間)に米国で最も発行部数が 多く 、世界の旅行市場に影響力を持つ雑誌「Travel + Leisure(トラベル・アンドレジャー)」の「 Destination of the Year」に日本が初めて選出された。同賞は、同誌編集部が近年の旅行者の伸びや旅行会社からの声、トレンドなどを踏まえて世界で最も注目を集める旅行先を選ぶもの。

  また、インド・南アジア版の「Travel + Leisure&South Asia」でも、20万人の読者投票によるベストMICEデスティネーション部門で東京が1位を獲得した。

 「 Destination of the Year」は今年で5回目の発表。過去の受賞国は2014年がミャンマー、15年がキューバ、16年がポルトガル、17年がカナダとなっている。

 今回の日本受賞は外国人旅行者の急伸や豊かな食文化、伝統文化、自然景観、芸術など多様性に富んだ魅力が高く評価された。「幅広くさまざまな体験ができる日本に、読者の注目も集まっている」と同誌編集長のJacqueline Gifford氏はコメントした。

 今後、同誌の12月号やオンライン版で日本特集が組まれる予定。オンライン版はゴールデンルートとして人気を誇る東京や京都、広島から自然豊かな北海道、温泉地の九州など日本各地の魅力が記事や動画で紹介されるという。

大切な人を深谷ねぎでねぎらおう! 11月23日は「深谷ねぎらいの日」 

2018年11月15日(木) 配信

東京都内での発表会に臨んだ小島進深谷市長とふっかちゃん(11月14日)

ねぎの収穫量全国1位を誇る埼玉県深谷市は、今年から11月23日(金)の勤労感謝の日を「深谷ねぎらいの日」とし、新しい習慣として、大切な人へ「深谷ねぎ」を贈り、日頃の労をねぎらう取り組みを始める。

 「深谷ねぎらいの日」スタートを記念して、まず11月20日(火)に東京・有楽町で多くの人をネギでねぎらうため、500束のネギ束を配布する。当日は深谷市のイメージキャラクター“ふっかちゃん”も街頭で配布をお手伝いする。

 「深谷ねぎらいの日」当日の11月23日(金・祝)には、市内店舗でネギ束を販売するほか、深谷ねぎを使った料理の販売、深谷ねぎをより美味しく食べるための料理提案などを行うなど、新たな習慣として市内各所で「深谷ねぎらいの日」を盛り上げる。

 深谷ねぎは通年で収穫されるが、晩秋から冬にかけてのものは糖度が高くとろけるような食感が特徴で、これからの季節は温かい料理にもぴったりだ。市では「この機会に深谷ねぎで大切な人をねぎらって」とPRしている。

東京・有楽町でのねぎ束配布

日時:2018年11月20日(火)午前11:00~午後5:00
場所:東京交通会館前(東京都千代田区有楽町2丁目10-1)
数量:500束を配布(深谷ねぎは中瀬青果市場、上武生産市場提供)

11月23日「深谷ねぎらいの日」

ブーケにアレンジした「ねぎ束」

 11月23日(金・祝)当日は、市内店舗でネギ束を販売するほか、深谷ねぎを使った料理の販売、深谷ねぎをより美味しく食べるための料理提案などを行うなど、新たな習慣として市内各所で「深谷ねぎらいの日」を盛り上げる。

<協力店舗>
イトーヨーカドー アリオ深谷店(埼玉県深谷市上柴町西4-2-14)
とんとん市場 深谷店(埼玉県深谷市上野台2540-5)・川本店(埼玉県深谷市菅沼87-1)
花園ショッピングセンター 食品館ハーズ(埼玉県深谷市荒川850-1)
とんかつ&ハンバーグ たくとみ(埼玉県深谷市小前田474-1)
すたんど割烹 三善(埼玉県深谷市西島町2丁目20-12)
中瀬屋製菓店(埼玉県深谷市曲田231-1)   ほか

三原市内の製菓・飲食店が企画 おもてなしキャンペーン始まる

2018年11月15日(木) 配信

有志が4つのキャンペーンを企画

広島県三原市は11月16日(金)から来年3月31日(日)まで、市内店舗の有志が企画した4つのキャンペーンを包括した「三原の食でおもてなしキャンペーン」を行う。「食」をきっかけに三原市への観光誘客をはかるため、「タコ」と「地酒」、「スイーツ」グルメを提供する店舗が、楽しみ方を提案する「三原食」のブランド化推進事業の一環。無料のガイドブック「MIHARA FOOD BOOK」も発行する。

 三原市は、市の名物食材「三原タコ」と「地酒」、「三原おやつ(スイーツ)」を総称して三原食ブランドとして確立するため、市内飲食店や製菓販売店と連携して「幸せの三原ぐるめ」の取り組みを行っている。 今年からこの取り組みの方向性を参加店舗の主導に変更。市内の参加店舗の有志が、「ラビットラインおもてなし」と「地酒・醉心の飲み方提案」、「三原のサイクリストおもてなし」、「三原の「地」を食べよう 地産地消メニュー」の4キャンペーンを企画した。市は企画された4企画を、「三原の食でおもてなしキャンペーン」として発信する。また、「MIHARA FOOD BOOK」には、同企画の特集ページを加えた。

4つのおもてなしキャンペーン 概要

ラビットラインおもてなしキャンペーン

 ラビットライン船内限定で設置のMIHARA FOOD BOOKを持って参加店舗に行くと、参加7店舗でオリジナルのおもてなしが受けられる。

地酒・醉心の飲み方提案キャンペーン

 各店オリジナルの醉心メニューに加え、日本バーテンダー協会備後支部考案の醉心を使用したカクテル(日本バーテンダー協会備後支部の講習会を受講した7店舗で提供)が楽しめる。

三原サイクリストおもてなしキャンペーン

参加5店舗でサイクリストを迎えるためのおもてなしが受けられる。

三原の「地」を食べよう 地産地消メニューキャンペーン

地産地消を推奨する15店舗が提供する“三原ならでは”のタコ料理やスイーツが味わえる。

「MIHARA FOOD BOOK」 概要

 キャンペーンに合わせて、キャンペーン情報および事業参加店舗情報を紹介した無料のガイドブック「MIHARA FOOD BOOK」を発行する。

配布場所:市内宿泊施設・ラビットライン船内・うきしろロビー観光案内所(JR三原駅構内)・市内道の駅・近隣市町観光施設など。

内容:

 全49店舗の営業情報や自慢の「三原食」メニュー、各キャンペーン詳細などを紹介している。表紙は、通常版と市内宿泊施設版、ラビットライン船内版の3パターンがある。

来年GWは夢の10連休!10連休以上取得する人は33%(エアトリ調査)

2018年11月15日(木) 配信

来年のGW10連休の認知は9割近く

エアトリ(吉村英毅社長)がこのほど10~70代の男女1117人を対象に実施した「2019年GW10連休」に関する調査によると、2019年のゴールデンウイークは「10連休以上取る」と回答した人が33%と「5~6連休」と同率で1位となった。

 新天皇の即位に伴い「2019年5月1日」を祝日とする法案が、11月13日に閣議決定された。「前日と翌日が祝日である日は休日とする」“祝日法”により、祝日に挟まれた4月30日と5月2日が休日になることで、前後の土日を含め4月27日から5月5日までの10連休になる見込み。調査では、10連休以上になることを「知っている」と答えた人が88・1%と9割近くにのぼった。

 (就業中の人)今年(2018年)のGWは何連休を取得したか、また来年(2019年)のGWは何連休取ろうと思うかという問いでは、今年のGWで最も回答が多かった連休日数は「5~6連休」(33%)、2番目はカレンダー通りの「3~4連休」(31%)だった。一方、来年のGWでは、「10連休以上」(33%)と「5~6連休」(33%)が同率で最多に。「10連休以上」と回答した人が、今年の6%に対し、来年が33%と大幅に伸びている。

 来年のGWをどのように活用したいかを聞いたところ、「自宅でゆっくり休む」(61%)と回答した人が最も多く、2位が「海外旅行」(43%)、3位が「国内旅行/帰省」(36%)という結果になった。例年より長い休暇が見込まれることから、「自宅でゆっくり」と「海外旅行」の両方を回答した人が24%、「自宅でゆっくり」と「国内旅行/帰省」の両方を回答した人が29%と、休養とレジャーをバランスよく取り入れたいと考える人が多い。

 来年のGWに旅行を計画しているかという問いでは、「10連休に関わらず旅行に行こうと思っている」が35・6%、「最長10連休の発表を聞き、旅行に行こうと思っている」が18・6%と回答。10連休の決定が旅行の需要喚起につながっていることがうかがえる。

 一方、「めったにない機会なので海外旅行でもと考えたが、価格がとても高く断念しました」(50代女性)、「長期連休はどこも混雑するし、旅行するにも費用が高いので、自宅でリフレッシュしたいと思う」(30代男性)など、混雑や費用の高騰が予想されることから「自宅でゆっくり過ごす」と回答した人も。旅行意欲はあるものの、混雑や価格の面で断念する人もいることが分かった。

調査概要

調査タイトル      :「2019年GW10連休」に関するアンケート調査

調査対象            :10~70代の男女1117人

調査期間             :2018年10月30日~11月4日

調査方法            :インターネット調査

調査主体            :株式会社エアトリ

コンベンションホール改装 温泉MICEの商品力強化(ゆのくに天祥)

2018年11月15日(木)配信

コンベンションホール天祥

 今年で創業55周年を迎えた石川県・山代温泉のゆのくに天祥(新滝英樹社長)は10月26日、館内最大規模のコンベンション施設「コンベンションホール天祥」をリニューアルオープンした。機能性や利便性を高めることで、好調な法人需要の取り込みやリピーターの満足度を高めるとともに、2023年春の北陸新幹線敦賀延伸に向け、さらなる誘客を目指す。

 内装は従来のバンケット色を一新し、質感のあるシックな雰囲気。さまざまなシチュエーションに対応するため、新たに照明設備にシーンコントローラーも導入した。面積は453平方㍍。スクール形式で最大400席収容可能(4分割可)。各種パーティーや会議、2次会のほか、食事会場としても利用できる。

 同館では、昨年に「バンケットホール鳳凰」、今年5月には「ガーデンホール白雲」の改装も済んでおり、これにより館内すべてのコンベンション施設が一新したことになる。多彩なコンベンション設備をそろえることで、温泉旅館ならではのMICEの商品力強化と差別化をはかる。

 同館では、創業55周年事業の一環として、各コンベンション、パブリック施設のほか、昨年には白雲本館の客室(18室)、今年7月には全室スイートタイプの「天祥の館」(48室)の屋外テラスをそれぞれリニューアルするなど、館内設備を順次パワーアップ。一連の投資総額は約2億円になる。

旅の情報集まる総合プラットフォームに、トリップアドバイザー一新

2018年11月14日(水) 配信

(左から)牧野代表、和樂・高木史郎編集長、JTBパブリッシングるるぶ&more.竹地里加子編集長、ダイヤモンド・ビッグ社地球の歩き方事業本部・奥健本部長

トリップアドバイザー(牧野友衛代表)は11月14日(水)、大幅なリニューアルを行い全世界で同時公開した。新たにソーシャル機能などを導入し、旅の総合的なプラットフォームを目指す。これまでの口コミ情報を核としながら、国内の旅行ガイドやライフスタイル誌、メディアなど45者をパートナーに迎え、同サイトから得られる情報の幅を広げる。

 新サービスはこれまでの口コミや写真に加え、動画や旅行ガイド、外部からの情報が掲載される「トラベルフィールド」で、自分に合った情報を集められる。投稿には位置情報が記載されているのが特徴で、検索も地域を入力することで宿や飲食店など情報が提供される。旅行者に加え、メディアや自治体なども「パートナー」として登録することでアカウントが作られ、情報発信することが可能になった。

 また、このフィールドで見つけた施設や情報を「リスト」機能でまとめることができ、自分の仲間内で共有することや、リスト登録するだけで、Webページとして公開することもできる。

 同日、東京都内で開いた会見で牧野友衛代表は「国内旅行の計画で参考にするのは、ウェブ検索で上位に出たページが最も多い。これは消費者にとって決定的な情報源がないということ」と情報が分散していることが現状の課題だと指摘した。

 こうした課題を解決するために機能の刷新を行ったとし、「情報を簡単に見つけられる、便利なプラットフォームを作りたい」と意気込んだ。

 今回は全世界で同様の機能拡充を行っており、それぞれの国で自国メディアらとパートナーを組んでいる。

 日本のパートナーは小学館やJTBパブリッシング、ダイヤモンド・ビッグ社らが名を連ねる。日本文化を発信するメディア「和樂」(小学館)の高木史郎編集長は同日の会見に参加し、「すべてのメディアには社会的使命があると考えている。トリップアドバイザーとは社会的使命の方向性が一致している」とパートナーとして参画することを即決したと語った。トリップアドバイザー上での情報発信を通じ、「国内外の旅行者にもう少し先の日本の地域へ入ってほしい。そして、日本文化の多様性を感じてほしい」と期待した。

森林ツーリズム始動 地域資源生かし魅力創出

2018年11月14日(水) 配信

小林豊彦村長

3年前に組織された地方創生市町村長協議会(12市町村)は、地域資源を生かした新たな産業の育成など全国の先進事例を調査し、各市町村の振興に生かしている。昨年2月、加盟する長野県・朝日村と根羽村、新潟県・弥彦村、岐阜県・白川村が森林資源を活用するモデルケースとして「森林ツーリズム4村協議会」を設立。地場産業の林業を生かした地域の魅力づくりにも取り組んでいく考えだ。

 地方創生市町村長協議会は、「創(い)き生きまちおこしサミット」を毎年開催し、参加自治体が1年間の取り組みの成果や、個々に抱える課題、解決策などを話し合っている。今年は10月25、26日の2日間、新潟県・弥彦村で開催。各市町村が進める地域資源を生かした新産業の育成や、人材育成などの成功定着化に向けた連携協力などを大会宣言で確認した。併せて事業成果の表彰制度を設ける考えを示した。

 長野県・朝日村と根羽村、新潟県・弥彦村、佐賀県鹿島市、福島県・西会津町の首長らが登壇したシンポジウムでは、各市町村が抱える課題と解決に向けた取り組みが紹介された。

さまざまな課題について議論

 朝日村の中村武雄村長は、木材の自由化により地場産業である林業が衰退するなか、「魅力ある農山村にする対策が必要」とし、昨年「森林ツーリズム4村協議会」を設立したことを報告した。今後旅行会社と協同し、地域の魅力を発信する。農泊事業にも取り組む考えを示した。

 同じく森林ツーリズム協議会に参画している長野県・根羽村では、地域内での林業の6次産業化に着手した。大久保憲一村長は「捨ててしまう間伐材でおもちゃを作り木育に活用するなどし、地域理解を得ている」と説明した。また人口減少が進むなか、里山の復活も重要視し、現在、山地酪農をスタートしている。

 魅力ある観光地をつくり上げても、地域経済に結び付けなければ成果は上がらない。弥彦村では、ここ10年間で観光客数に大きな変化はないが、旅館の数は半分程度に減少した。小林豊彦村長は「村にも外国人旅行者が訪れるようになったが、キャッシュレス化への対応など重要な対策ができていない。地元経済への効果が無ければ、観光に取り組む意味が無い」とし、インバウンド対策の必要性を訴えた。

 自治体独自の取り組みは、金銭面の負担も大きな課題になる。佐賀県鹿島市では、国や県の交付金を積極的に活用。観光関係では、PVやポスターなどを作成した。土井正昭産業部長は、「国や県から外部支援を得ることで、今まで手が回らなかった部分もできるようになる」とした。

 このほか、西会津町の薄友喜町長は人材面に着目し、「将来を担う人材の確保」の重要性を強調。①生まれ育った人の定住②高齢者が健康で長生きする環境整備③移住者の受け入れ――の3条件をそろえる必要があるとした。

 内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局 川合靖洋次長は、「先進的な取り組みが進む自治体は、行政と住民が危機感を共有し、新しい試みに挑戦する体制を整えている。また、地域の人が移住者やIoTなど最先端技術の活用に熱心で、海外にも市場を求める視点もある」と総括。小規模に取り組みを始め、手ごたえをつかんだのちに大きくすることを成功のカギに挙げた。

 このほかシンポジウムでは、ワールドファームの幕内進会長が、自社の農業事業を説明。日本経済新聞社編集局編集委員の吉田忠則氏による講演も行われた。

弥彦村の観光資源視察

 2日目は、弥彦村の観光資源を巡る視察を実施した。毎年多くの人が参拝する越後一宮「彌彦神社」。社背後には、神体山としてあがめられている弥彦山がそびえ、山頂には御神廟がある。標高は東京スカイツリーと同じ634㍍、山頂からは越後平野や日本海、佐渡島が見渡せる。山頂までの登山道が整備されているほか、ロープウェイでの登頂も可能。ロープウェイの場合、山頂へは途中にある「山頂駅」から徒歩約15分で到着する。

 村の観光拠点になるのが、新たにオープンしたおもてなし広場だ。敷地内には、源泉掛け流しの手湯と足湯、現役芸妓が営む喫茶店、フードコートなどが集まる。フードコートでは、新潟県・粟島浦村産焼きアゴで取った出汁で味わう手打ちうどんが人気だという。農産物直売所では、村の新鮮な農作物のほか、連携する周辺自治体の特産物も買うことができる。

観光の拠点、おもてなし広場

 なお、地方創生市町村長協議会参加自治体は次の通り。
 岩手県・軽米町▽千葉県いすみ市▽福島県・西会津町▽長野県・根羽村▽長野県・朝日村▽新潟県・弥彦村▽岐阜県・白川村▽和歌山県・高野町▽島根県・海士町▽徳島県・上勝町▽高知県・梼原町▽佐賀県鹿島市