「名古屋アンパンマンこどもミュージアム&パーク」新エリアオープン 今春で開業10周年

2020年2月26日(水) 配信

名古屋アンパンマンこどもミュージアム&パークは10周年を迎える

 今春10周年を迎える名古屋アンパンマンこどもミュージアム&パーク(三重県桑名市)は4月1日(水)、新エリアとして「新!やなせたかし劇場」と「おおきな木とあそびの森」の2カ所をオープンする。

 同パークは、三重県桑名市のナガシマリゾート内ナガシマスパーランド正面ゲートの隣にあるアンパンマンの世界を体感できる参加・体験型の施設だ。来場者は開業から10年間で620万人を超えた。

 4月には10周年を記念した限定商品やメニューも登場する。新エリアのオープンに伴い入場料金を1500円から2000円に変更する。

「新!やなせたかし劇場」

「新!やなせたかし劇場」外観イメージ

 全国5カ所にあるアンパンマンこどもミュージアムのなかで初めて屋外に建てられた専用劇場だ。ステージはスロープ型の形状でキャラクターが客席の近くまでやってくる。天井高8㍍を生かした迫力のあるショーを展開する。

 10周年記念で上演する演目「アンパンマンとこんにちは!」は、子供たちとアンパンマンたちが仲良く触れ合う参加型の内容で、ばいきんまんが客席上空から乱入するなど胸が高鳴るストーリーとなっている。クライマックスは驚きの演出が待っている。公演の内容は定期的に変更される。

「おおきな木とあそびの森」

「おおきな木とあそびの森」イメージ

 「おおきな木とあそびの森」は、雨天や暑さ寒さが厳しい日でも安心安全に過ごすことができる屋内施設だ。森のなかにはアンパンマンの世界が広がり、子供の好奇心を刺激する遊びを随所にちりばめた。

施設概要

名称:名古屋アンパンマンこどもミュージアム&パーク

開業日:2010年4月23日(金)

所在地:三重県桑名市長島町浦安108-4

営業時間:午前10:00~午後5:00(最終入場午後4:00)

入場料金:2,000円(税込)(1歳未満無料)

※4月1日(水)から

※1歳以上小学生以下の子供には記念品つき

※指定の障害者手帳提示で半額(付き添い1人まで)

敷地面積:9,855.10平方㍍(2,981.17坪)

新!やなせたかし劇場 延床面積:約368平方㍍(約111坪)

おおきな木とあそびの森 延床面積:約510平方㍍(約154坪)

観光庁、3月4日「最先端観光コンテンツ インキュベーター事業」成果報告会を開く

2020年2月26日(水)配信

2月28日(金)追記:本記事は上記日程に公開しましたが、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」などを踏まえ、このほど観光庁からイベントの延期が発表されました。日程は決まり次第、同庁から発信する予定。

写真はイメージ

 観光庁は3月4日(水)、東京・六本木で2019年度の「最先端観光コンテンツ インキュベーター事業」成果報告会を開く。展開事業での取組内容や、各事業を通じて得られた示唆の共有をはかるのが目的。参加費は無料。

 同庁では、地域固有の観光資源を磨き上げ、消費機会の拡大が期待できる新たな体験型観光コンテンツを開拓・育成する「最先端観光コンテンツ インキュベーター事業」での展開事業を行っている。訪日外国人旅行者の旅行満足度の向上や地方部での交流人口の拡大、さらには訪日外国人旅行消費額の増加を目的に、同事業を推し進めている。

 成果報告会の参加予定者には、新型コロナウイルスによる状況を踏まえ、「手洗い」や「マスクの着用を含む咳エチケット」など、感染症予防対策の徹底を呼び掛けている。風邪のような症状がある場合、自身の体調を優先して参加を控えるよう併せてお願いしている。また、会場ではアルコール消毒薬の設置などを行い、感染機会を減らすための工夫が講じられる。

 なお、成果報告会の開催予定は2月25日(火)時点のもの。

開催概要

日時: 2020年3月4日(水)午前10:00~午後5:30

 ※休憩時間は午前11:30~午後0:30

場所:ベルサール六本木グランド コンファレンスセンター

(東京都港区六本木3-2-1住友不動産六本木グランドタワー9階)

<プログラム>(予定):

○第1部(午前10:00~午後2:00)

潜在的な観光コンテンツ等の造成

日本に足りない着地型コンテンツの充実・横展開を図る展開事業の成果報告

(自然体験、ビーチ活用、お祭り活用、癒し、最先端ICT 等)

○第2部(午後2:10~同3:40)

地域の医療・観光資源を活用した滞在プランの造成(厚生労働省との連携事業)

地域の医療・観光資源を活用した外国人受入れ推進のための調査・展開事業の成果報告

○第3部(午後3:50~同5:30)

夜間帯を活用した観光コンテンツの造成

「ナイトタイムエコノミー」事業の成果報告

○来年度事業について

参加について

・報告会は事前申込が必要。

・参加希望者は3月2日(月)午後4:00までに、以下のサイトから要申込。

成果報告会 - デロイト トーマツ グループ
https://tohmatsu.smartseminar.jp/public/application/add/6582

・会場の都合上、定員になり次第の締め切りとなる。

緑霞山宿 藤井荘 第78期将棋名人戦、第4局の開催地に 

2020年2月26日(水)配信

「緑霞山宿 藤井荘」の外観(エントランス)

 長野県・高山村の「緑霞山宿 藤井荘」は、避暑地としても知られる信州高山村温泉郷に位置する老舗旅館。幽玄の山郷にひっそりと佇む藤井荘は、森鴎外、与謝野鉄幹・晶子、菊地寛、会津八一など文人墨客がこよなく愛した伝統の宿で、山田温泉は江戸時代に開湯した名湯である。

 同館は全室が松川渓谷に面し、低層に作られた数寄屋造りの部屋からは戸外の自然との一体感が楽しめる。本間、控え、あるいは奥の間を設えたゆとりの空間で宿泊客に落ち着きと寛ぎの滞在を提供する。

名人戦の対局室となる「離れ和洋室」

 先ごろ、将棋の「第78期名人戦」七番勝負(豊島将之名人―挑戦者・渡辺明三冠王)主催の朝日新聞社、毎日新聞社、日本将棋連盟で組織する名人戦実行委員会により、将棋を通した地域活性化や話題性などを考慮したうえで開催地が決定。【第4局】の対局会場に藤井荘が選ばれた。

 日程は今年5月19・20日の2日間。5月18日には前夜祭が行われ、対局当日の大盤解説会が村内にある「健康福祉総合センターチャオル(ふれあいホール)」で開かれる。時間などの詳細は後日発表となる。

 問い合わせ=緑霞山宿 藤井荘 ☎026(242)2711。

* * *

 そのほかの七番勝負の対局会場は次のとおり。

 【第1局】4月8・9日=東京都文京区「ホテル椿山荘東京」▽【第2局】4月25・26日=大分県宇佐市「宇佐神宮」▽【第3局】5月7・8日=三重県鳥羽市「戸田家」▽【第5局】5月27・28日=岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」▽【第6局】6月10・11日=山梨県甲府市「常磐ホテル」▽【第7局】6月18・19日=山形県天童市「天童ホテル」。

「JATA経営フォーラム2020」に会員ら約300人参加 「両利きの経営」をテーマに基調講演や分科会行う  

2020年2月25日(火) 配信

全国から多くの会員が訪れた

 日本旅行業協会(JATA、田川博己会長)は221日(金)、東京都内で「JATA経営フォーラム2020」を開いた。総合テーマを「既存事業深化とイノベーション『両利きの経営』を目指して」と題し、旅行業経営を考える機会として全国から旅行会社など会員約300人が参加した。

JATAの田川博己会長

  田川博己会長は、「『両利きの経営』は、中核事業を維持しながらもイノベーションを起こして、成長を追求していくということ。二兎も三兎も追うのが今の時代。我われにとって厳しい時期ではあるが、次世代のために何をすべきかということをテーマに、今後、経営のリーダーシップをとるための一助になれば」と語った。

 また、感染拡大が続く新型コロナウイルス肺炎についても言及。「こういう時は風評被害が起こりやすい。JATA本部は『旅の力で日本を元気にする』という役目を担っている。回復リカバリー策を含めて、しっかり対応していく」と強調した。

観光庁の髙科淳国際観光部長 

 来賓の観光庁の髙科淳国際観光部長は「新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、旅行業界に大きな影響が出てきている」と危惧。そのうえで「今夏は東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、日本各地の魅力を海外に発信する絶好の年でもある。プロモーションを行い、国内外からの多くの観光客に地域を訪れてもらえるよう地域のコンテンツの充実、受入環境の整備を行っていく」と述べた。

  基調講演は、「両利きの経営に求められる経営リーダーシップ」をテーマに、経営共創基盤(IGPICEO・冨山和彦氏が行った。

 分科会・セミナーは、「海外旅行2000万人時代を迎え、次なる時代の旅行商品とは!」、「デジタルネイティブ時代の新たな旅行会社のカタチ」、「今や成長領域! 最新事例から学ぶユニバーサルツーリズム」、「知らぬは損⁉ 事業力&収益力と従業員満足度を高める旅行事業者のための導入・活用ポイント解説セミナー」の4テーマを開催。

 特別講演には、高志の国(こしのくに)文学館の館長・中西進氏が登壇し、「令和に憶う旅」をテーマに語った。

「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin江の島・藤沢」開催 市内の隠れたグルメなどを堪能

2020年2月25日(火) 配信

イベントを楽しむ参加者

 神奈川県藤沢市で2月23日(日)、「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin江の島・藤沢」が行われた。コースは藤沢市役所をスタートし、旧道江ノ島道をたどりながら江ノ島に向かう9㌔。各所に設けられたチェックポイントでは、市内の隠れたグルメなどを堪能した。

 江の島道とは、旧・東海道の藤沢宿遊行寺の前から江の島へ至る江の島弁財天への参詣道。宿場内遊行寺橋には「江の島一ノ鳥居」が建てられていた。

 遊行寺境内に設けられたチェックポイントでは、「松月堂わびすけ」の生ドーナツ、「関次商店 パンの蔵 風土」のパン、豚汁を用意。豚汁は地元のブランド豚「みやじ豚」のももとばらの部位を使用し、甘めのみそと背油で仕上げた一品だ。

みやじ豚の豚汁、生ドーナツ、パン

 第2チェックポイントでは、藤沢で作られているスーパーフード「キノア」を使ったパスタと、藤沢北部でバラを栽培している長田ばら園で生産されたイチゴ「よつぼし」を提供。「キノア」は日本大学の監修のもと無農薬で栽培された農産物で、「市の新たな名産品として売り出したい」と関係者は語った。

キノアのパスタとイチゴ

 ワイン生産量日本一の神奈川県。メルシャン藤沢工場では、同県の生産量の約95㌫分を生産する。

 第3チェックポイントでは同工場で生産されたワインと地元のパン屋PEINYの「レーズンとチーズのパン」、「みやじ豚のソーセージ」が並んだ。ワインはそれぞれのグルメにあわせ2種類を用意した。

ワインとソーセージ

 観光客でにぎわう江ノ電江ノ島駅を過ぎて数分、ゴールの江の島が見えてくる。駅近くの「カフェ・グランドイン」(第4ティックポイント)では、江の島名物のシラスを使ったコロッケを提供。ゴール地点「江の島シーキャンドル(展望灯台)」では、自家製キッシュとスイーツが参加者を出迎えた。

 

シラスコロッケ
自家製キッシュとスイーツ

 同イベントは、湘南事業家フォーラムNAK部会を中心とする実行委員会が運営を行った。

 参加者は、「御朱印集めと組み合わせて、楽しみながら歩けた」、「おいしいものをたくさん食べられた」、「9㌔歩いたと感じないほど、内容が濃かった」と感想を述べた。

「温泉総選挙2019」ランキング発表 全国の温泉から9部門

2020年2月25日(火) 配信

「温泉総選挙2019」部門別ランキング発表

 旅して日本プロジェクトが主催する温泉総選挙はこのほど、「温泉総選挙2019」の部門別年間ランキングを発表した。ジャパンデザイン(山下太郎社長、東京都渋谷区)が運営事務局を務め、環境省と内閣府、総務省、経済産業省、観光庁の後援のもと行われた。

 全国の温泉地が9部門から1つを選択してエントリーし、さまざまな企画や現地イベントを通じて温泉地の魅力をPRした。ランキングは、全国の温泉好きによる1日1票の投票で決まった。

部門別年間ランキング

【リフレッシュ部門】
第1位 やいづ黒潮温泉(静岡県焼津市)
第2位 旭温泉(北海道・遠別町)
第3位 びえい白金温泉(北海道・美瑛町)
第4位 ぬかびら源泉郷(北海道・上士幌町)
第5位 万座温泉(群馬県・嬬恋村)

【うる肌部門】
第1位 秋川渓谷 瀬音の湯(東京都あきる野市)
第2位 鳴子温泉郷(宮城県大崎市)
第3位 油谷湾温泉(山口県長門市)
第4位 筑後川温泉(福岡県うきは市)
第5位 三加和温泉郷(熊本県・和水町)

【スポーツ・レジャー部門】
第1位 ひよし温泉(京都府南丹市)
第2位 柵口温泉(新潟県糸魚川市)
第3位 南紀白浜温泉(和歌山県・白浜町)
第4位 とままえ温泉(北海道・苫前町)
第5位 蔵王温泉(山形県山形市)

【健康増進部門】
第1位 肘折温泉(山形県・大蔵村)
第2位 妹背牛温泉ペペル(北海道・妹背牛町)
第3位 高湯温泉(福島県福島市)
第4位 十津川温泉郷(奈良県・十津川村)
第5位 俵山温泉(山口県長門市)

【ファミリー部門】
第1位 十勝川温泉(北海道・音更町)
第2位 奥軽井沢温泉(群馬県・嬬恋村)
第3位 やどり温泉いやしの湯(和歌山県橋本市)
第4位 川根温泉(静岡県島田市)
第5位 豊浦温泉(北海道・豊浦町)

【歴史・文化部門】
第1位 南紀勝浦温泉(和歌山県・那智勝浦町)
第2位 温泉のまち 霧島(鹿児島県霧島市)
第3位 島原半島 雲仙温泉郷(長崎県島原市、雲仙市、南島原市)
第4位 旭温泉(島根県浜田市)
第5位 嬉野温泉(佐賀県嬉野市)

【女子旅部門】
第1位 四万温泉(群馬県・中之条町)
第2位 菊池温泉(熊本県菊池市)
第3位 定山渓温泉(北海道札幌市)
第4位 あわら温泉(福井県あわら市)
第5位 岩井温泉(鳥取県・岩美町)

【外国人おもてなし部門】
第1位 竜王ラドン温泉(山梨県甲斐市)
第2位 大歩危・祖谷温泉郷(徳島県三好市)
第3位 沖縄ちゃたん温泉 美浜の湯(沖縄県・北谷町)

【絶景部門】
第1位 みはらしの丘 みたまの湯(山梨県・市川三郷町)
第2位 層雲峡温泉(北海道・上川町)
第3位 大船渡温泉(岩手県大船渡市)
第4位 太古天泉 松島温泉(宮城県・松島町)
第5位 指宿温泉(鹿児島県指宿市)

ニュー・グリーンピア津南、3月31日(火)までランタンの打ち上げ体験を実施

2020年2月25日(火) 配信

空飛ぶランタン

 津南高原開発(樋口明社長、新潟県・津南町)が運営する総合リゾート施設「ニュー・グリーンピア津南」は3月31日(火)まで、ランタンの打ち上げ体験が行われている。開催日は、貸切日・休館日を除く毎日。

 同イベントは、東日本大震災や新潟・長野県境地震からの復興を祈願し2012年にスタートした。参加者はそれぞれ、願いを込めて夜空にランタンを放つ。

 ランタンの柔らかな光が白銀の世界を彩る光景は、「幻想的で美しい」と好評だ。

 また、売店では、ランタンTシャツや、ランタンタオルハンカチ、手ぬぐい、ランタンクッキーなど打ち上げの記念を販売。キャンドルでハートマークを作ったフォトスポットも設置している。

「トラベルスクエア」202030はどこへ?

2020年2月25日(火) 配信

女性もパーティーに

 幾つもの業界新年会を終えて、2020年1月も過ぎ去った。それで思うのは、いつになっても変わらない保守的そのもののカテゴリーに入るものとして、この業界団体のパーティーのあり様があるな、ということだ。
 
 ひとことで言ってしまえば、会場が黒っぽい!
 
 本来、にぎやかで華やかたるべき新年パーティーなのに、目立つのは黒めのスーツのおじさんばかり、という雰囲気。
 
 これは僕が出席している旅行、ホテル・旅館団体の新年会だけでなく、外食産業やチェーンストアの業界でも同じだ。自由闊達が旨のマスコミ・出版の世界のパーティーにも僕は出るが、女性が活躍していそうな世界にも関わらず、ここも男だらけ。そしてどこも年配の社会的に地位の高そうな人ばかりだ。
 
 翻って男女機会均等法施行から35年、安倍首相だって女性活躍担当大臣を置いて重点政策にしているのに、いっこうに状況は変わっていない。
 
 試しに幾つかのパーティーで知り合いに「にーまるにーまるさんまる」って言葉、覚えてますか?」と問い掛けてみたのだが、ほとんどの人がきょとんとする。困ったものなのである。
 
 「202030」というのは、03年、内閣府男女共同参画推進本部(第2次小泉内閣)が決定した政府目標で「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」というものだ。あ~、そういえば、と思い出す人は多いが、今年はその期限の20年ではないか。それでこのパーティーの様相では、本気で202030運動に取り組んできたか、と問い詰めたくなる。
 
 まずは、こういうパーティーの企画主体に、もっと積極的に中間幹部(セクションの長クラス含む)の方々の招請を促したい。とくに女性幹部のパーティー参加には個別に社長、女将などに連絡をとり、パーティーの女性比率を高めてほしい。経営者に同行の参加者は費用半額くらいまで優遇するとか。まずは、主催者の頭を変えないといけない。
 
 こういう集まりで生まれる人脈をトップ同士だけに独占させていてはもったいないではないか。
 
 それに、新年会でも何でも、公式のパーティーに招かれて出席することで、どれだけスタッフのモチベーションが上がることか。それに、同じ歳の女性の仲間がいて頑張っている姿を見ることが、時に職場で孤立したりする女性にはどれだけ励みになることか。
 
 この40年で企業がこういうパーティーに若い女性の参加を許す意思が薄いことは分かった。こうなったら、旅行新聞新社さんも含めて、パーティー主催者側が積極的に業界に働き掛けて、女性活躍革命の導火線になるくらいの気持ちでいてほしい。お願いしますよ。

 

コラムニスト紹介

松坂健氏

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(181)」10年越しの田園観光都市づくり(宮城県栗原市・登米市)

2020年2月24日(月) 配信

栗原市を象徴する重厚な長屋門

 田園都市(Garden city)といえば、英国のエベネザー・ハワードが19世紀末に提唱した新しい都市づくりとして知られている。その概念を基に、10年以上も前から「田園観光都市」の地域づくりに取り組んできた地域がある。仙台近郊の宮城県栗原市である。

 ハワードの田園都市構想は、産業革命により雇用の場である都市に人口が集中し、人々は自然から隔離され、遠距離通勤や高い家賃、失業、環境悪化に苦しんでいたことが背景にあった。だから人口3万人程度の、自然と共生し自立した職住近接型の緑豊かな都市づくりが目指された。だが、日本では大都市のベッドタウンである、いわゆるニュータウン建設の口火となり、ハワードの理念とは大きく掛け離れてきたという側面もある。

 栗原市は、栗駒山麓(日本ジオパーク認定)に広々とした田んぼが拡がり、山地から流れ出る3本の河川(迫川、二迫川、三迫川)が、ラムサール条約の登録湿地、伊豆沼と内沼に流れ込む。低地には里山が連なり、その山の端に這うように農家群が連なる。田んぼにある杭がけされた稲わらは、風を通すために独特のねじりが入る(ねじりほんにょ)。秋田に抜ける街道筋を中心に500戸はあると言われる堂々たる長屋門の集積、北風を防ぐ防風林(いぐね)で囲われた屋敷、広大な田んぼを縦横に網羅する水路など、誠に日本を象徴する農村風景である。

 そんな景観が魅力的な栗原市と隣の登米市を舞台に1月下旬、「農村文明創生日本塾」(代表理事=田中幹夫・富山県南砺市長)が開かれ参加した。農村社会の持続的発展と、その手法を探る研究会である。

 研究会では、今から10年以上前に栗原市が指針とする「田園観光都市」の新たな方向性やビジョンも話題となった。その提唱者、地域プランナー・麦屋弥生さんは、計画が出来上がった2008(平成20)年に、マグニチュード7.2の岩手宮城内陸地震により帰らぬ人となった。

 彼女が提唱した田園都市づくりには、地域づくりの原点が数多く盛り込まれていた。市民が地域の魅力を理解し誇りを持って暮らすことが田園観光の原点であること、一手間掛けて田園の魅力を継承すること、受け入れの適正規模と「くりはら時間」づくり、顔の見える顧客と一緒に地域をつくりあげることなど。いずれも、地域づくりを担う「人」づくりが決め手となる。

10万羽の雁が一斉に飛立つ伊豆沼の朝

 その主体の一つである栗原ツーリズムネットワーク(大場寿樹代表)の活動や、隣の登米市で地域を巻き込んだ農村地域のマネージメント主体を目指す農業生産法人、伊豆沼農産(伊東秀雄代表)からの報告もいただいた。

 栗原市では、新年度より田園観光の新たなビジョンの策定と、アクションプログラムづくりに取り掛かる。10年越しの新たな地域の指針づくりに期待したい。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(2月号)」

2020年2月23日(日)配信

http://zoomjapon.info

〈巻頭言〉

クロード編集長

 謹賀新年。というには、いささか遅すぎますが、とうとう日本が世界に向けてその存在感を示す絶好の機会、東京オリンピック・パラリンピックの年がやってきました。2020年の本誌最初の特集は、日本にとって大切な1年の始まりにふさわしく「スポーツ」がテーマ。日本社会とスポーツマンガの結びつきに着目しました。文化面では、フランスで4月1日から公開される、故・樹木希林さん主演の映画作品「日日是好日」や、東京 21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「めったに見られないデザイナー達の原画」展を紹介。グルメページでは、昨今話題の「ヴィーガン・レシピ」の筆者、米澤文雄シェフが進化させている完全菜食のヴィーガン料理の動向についてレポート。旅ページでは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が愛した水の都、島根県松江市を訪れました。

(編集長 クロード・ルブラン)

特集 「スポーツとマンガ」

鈴木伸一氏は前回の東京オリンピックの時は31歳だった

 スポーツマンガの歩みを俯瞰すると、他のジャンルに比べ、いかに時代背景からの影響を受けているかが見えてくる。そのなかで、1964年の東京オリンピックは、大きな要だ。国内で旋風を巻き起こした柔道や女子バレーチームの活躍は、その後、「柔道一直線」や「アタックNo.1」などのマンガ(アニメ)作品の誕生につながった。厳しい特訓を努力と根性で乗り越え、勝利をつかむ選手の快進撃に、多くの国民は、敗戦国から先進国となった自国の経済成長を支えている自分たちの姿を重ねて見ていたのだろう。こうして1960・70年代は、「巨人の星」「あしたのジョー」など、いわゆる「スポ根」が人気を博した。経済的に豊かになった80年代に入ると、「タッチ」のような恋愛などの「ストーリー」重視の作品や、「キャプテン翼」のようにファンタジー要素が混じったスポーツものがヒット。1990年代には、社会の急速な多様化に比例して、スポーツマンガも多様化。「MAJOR」や「SLAM DUNK」が登場したのはこの時代だ。■ハンドボール、バトミントンなどジャンルが広がり続ける近年のスポーツマンガの動向。■野球マンガ人気の秘密と少年雑誌。■漫画家・鈴木伸一氏に聞く、1964年東京オリンピックとマンガ。

〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉長期的なインバウンド事業と成果

倉敷市は2月末までパリで11のメーカーの展示販売会を開催中

 日本が訪日外国人の誘致に力を入れ始めてからおよそ20年が経ちました。実際にインバウンドという言葉を頻繁に聞くようになったのはまだ最近で、とくにフランスにおけるB to Cビジネスのインバウンド事業が見られるようになったのは、肌感覚としては2013―14年以降です。この頃から手探りながらもパリで独自イベントを開催したり、現地主催の大型イベントに参加するなどして、プロモーションを継続的に展開してきた地方自治体や企業は、約5年間の試験的な活動を経て、ようやくアジアやアメリカとは異なるフランスの具体的な、そして独特のマーケット事情を把握してきたように感じられます。なかでも、「和食」や「美しい風景」という日本の全国的に共通したテーマを超えて、早い時期から地元産業などを絡め、その地域の特性を前に出し、他地域との差別化をはかってきた自治体は、その成果が少しずつ形になってきているようです。16年に400周年記念プロジェクトを大々的に、そして長期的に行った有田焼のイベントも記憶に新しいですが、最近では、倉敷市主催の、地元の繊維製品を販売するポップアップストアが好評。しっかりとしたプロダクトアウトによるインバウンドの好例です。

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉