NAA23年度中間連結決算、4期ぶり黒字化 水際撤廃や円安で営業利益43億円に

2023年12月1日(金) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が11月30日(木)に発表した2023年度中間連結決算(23年4~9月)によると、営業利益は43億3400万円(前年同期は170億4000万円の損失)と4期ぶりに黒字化を達成した。

 新型コロナウイルスの5類への移行で水際対策が今年4月に撤廃されたほか、国内の行動規制の緩和によって、発着回数と旅客数が前年同期を大幅に上回ったことや円安傾向が続いたことによる、免税店などの物販や飲食収入の増加が主な要因。

 営業収益は、前年同期比87.7%増の997億8200万円と3期連続の増収となった。需要回復に対応した施設運営などで営業費用が増加したが、継続して最大限のコストマネジメントに務め、経常利益は34億3400万円(同178億1600万円の損失)、中間純利益は36億7600万円(同185億2500万円の損失)と黒字に転じた。

 23年度通期では、エネルギー価格や物価上昇、世界情勢に不確実な要素があることから、5月に発表した23年度通期の予想を据え置いた。

 総旅客数は同72.8%増の3546万人。国際線は105.3%増の2783万人。国内線は同9.6%増の763万人と過去最高を見越している。総発着回数は国際線が同35.0増の19万回。国内線は同3.9%減の5万回とした。

 売上高は同52.7%増の2006億円、営業利益53億円、経常利益19億円、当期純利益6億円を見込んでいる。

 田村社長は「想定通り回復したが、不確実な要素があるため、保守的に予想した。人手不足のグランドハンドリングなど空港運営体制を整え、通期で黒字化したい」と語った。

〈旬刊旅行新聞12月1日号コラム〉――「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2023」発表 いち早く新たな需要の開拓や課題解決へ

2023年12月1日(金) 配信

 2023年も残り1カ月。また1年間を振り返る時期となった。そして、この時期には、飲み会も増える。そういえば、この数年、飲み会自体が無かった。コロナ禍が抜けて、様変わりした世の中を感じる。

 

 1年の終わりには、酒が旨く感じる。年明けの1月や2月に飲む酒と、年の瀬が迫った11月の終わりや12月に飲む酒では、何かが違う。大仕事の前に飲むビールよりも、一仕事終えた後のビールが格別なことに似ている。「ようやく1年を乗り切ってきた」という感慨が加わるのかもしれない。

 

 最近は日本酒の旨さを噛みしめている。ワインも美味しいが、骨身に染みるのは、やはり日本酒である。旅先でその土地の珍味とともに日本酒をちびちびやりながら、この1年を振り返るというのもいい。年の終わりに北の宿で、雪が降り積もるさまを横目で見ながら、日本酒を沁み込ませる旅が理想である。

 

 

 さて、12月1日はさまざまな分野で今年活躍した人が表彰される賞が発表される日であるが、本紙も1面で「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2023」を発表した。

 

 これは本紙の記者や地域担当のスタッフが日々の取材活動などを通じて見聞きした今年の観光業界の取り組みの中から、創意工夫の見られるものを独自に選び、表彰するものだ。

 

 2023年のグランプリには、「古窯グループ」(山形県上山市)が受賞。優秀賞には「鹿児島県旅行業協同組合」(鹿児島県鹿児島市)と、リッツMC(東京都港区)が選ばれた。そして、特別賞には、「屋形船 晴海屋」(東京都江東区)が選出された。

 

 グランプリに輝いた「古窯グループ」は旅館業をはじめ、レストラン業やプリン専門店、フルーツアイスクリーム専門店の出店、さらにはグランピング施設や、男女で一緒に楽しめるサウナガーデンの運営など、積極的に事業の多角化を推進し、地域を盛り上げようとしている。人手不足が大きな課題となるなか、働き方改革などへの取り組みに加え、「旅館業」の枠を超えた企業として採用活動を展開している。新卒採用の実績も好調という。

 

 

 優秀賞の「鹿児島県旅行業協同組合」は、ユニバーサルツーリズムの推進に向けてセミナーを実施し、障害者を支援できる地域の観光人材を育成することで、鹿児島の観光客の増加にも貢献している。

 

 同じく優秀賞の「リッツMC」は、バス運転手を目指す人向けの「バス営業所見学ツアー」を実施するなど、慢性的なバス運転手不足の解消に向け熱心に取り組み、大きな実績を上げている。

 

 特別賞の「屋形船 晴海屋」は、コロナ禍だった22年11月から屋形船1艘の内装をリニューアルし、「ラグジュアリーな舟遊び」という、新たな屋形船体験の提供を始めた。

 

 

 いずれの取り組みも、アフターコロナを見据え、いち早く新しい需要の開拓や課題の解決に向けた動きなど、時代の変化に対応する新たな試みや挑戦が目立った。敬意を表したい。

 

 表彰式は、旅行新聞新社が来年1月12日に、京王プラザホテル(東京・新宿)で開催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」などの表彰式で実施する。本紙は受賞した企業や団体の取り組みを順次紹介する予定だ。

(編集長・増田 剛)

 

神戸港のシンボル・神戸ポートタワー 12月21日にライトアップ再開

2023年12月1日(金) 配信

約2年3カ月ぶりにライトアップ

 神戸ウォーターフロント開発機構(岡口憲義社長、兵庫県神戸市)は、神戸港のシンボルとして親しまれる神戸ポートタワーのライトアップを12月21日(木)に再開する。

 同タワーは2021年9月から耐震補強工事と屋上展望施設や低層部のテラスの新設工事を行い、タワー全体が足場とシートで覆われていた。タワー自体のリニューアルオープンは24年春だが、先行してライトアップを行う。

 ライティングのリニューアルでは省エネルギーで、高い演出性を備えたカラーLEDを設置した。動きのある色彩豊かなカラー演出が可能になるという。

【特集No.648】日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2023 時代の変化に対応する新たな挑戦

2023年12月1日(金)配信

 旅行新聞新社(石井貞德社長)は12月1日、取材活動などを通じて見聞きした今年の観光業界の取り組みの中から、創意工夫の見られるものを独自に選び、表彰する「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2023」を選出した。同賞は2021年に創設し、今年が3回目の発表となる。グランプリは、旅館業のほか事業の多角化で地元の観光を盛り上げる「古窯グループ」(山形県)を選んだ。優秀賞には「鹿児島県旅行業協同組合」(鹿児島県)と、「リッツMC」(東京都)を選出した。各賞の時代の変化に対応する新たな試みや挑戦を紹介する。

事業の多角化を推進、地元観光需要の活性化に

 日本ツーリズム・オブ・ザイヤー2023のグランプリに輝いた「古窯グループ」(古窯ホールディングス、佐藤太一代表取締役専務、山形県上山市)は旅館業をはじめ、レストラン業やグランピング施設運営など、事業の多角化を推進している。旅館業という枠を超えた企業として採用活動を展開し、働き方改革などの取り組みだけでは厳しいなかで、新卒採用の実績も伸ばしている。

 古窯グループの宿泊施設は長年、創業1951年の老舗旅館「日本の宿 古窯」(山形県・かみのやま温泉)の1軒のみだった。そこから2007年、山形県・黒沢温泉の厚生年金保養所を取得し、翌年に36室の旅館「悠湯の郷ゆさ」を開業。16年にはかみのやま温泉にある民間企業保養所を入札取得し、14室の「おやど森の音」を開業した。

 いずれも30代を主なターゲットとした小規模旅館として展開。これら小規模な施設取得による成功体験の積み重ねと、経営を順調に軌道に乗せられたことが弾みとなり、19年には創業350年の歴史を誇る老舗旅館「萬国屋」(山形県・あつみ温泉)の事業を承継した。

 引き受けに際しては、全従業員を継続雇用し、旧来の社内制度・人事評価を維持することで、従業員が安心して働ける環境を構築した。

 18年9月に各事業会社を傘下に置くホールディングス体制へ移行し、同年11月にプリン専門店「山形プリン」を出店するなど事業の多角化を加速させた。

 これら取り組みの根底には、山形に根差した企業として、山形の観光を盛り上げたいという考えや、地元の雇用を守るためにも時代の変化に対応していこうとする宿の試みが強く感じられる。

 事業の多角化により、20年12月に……

【全文は、本紙1922号または12月7日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

クラブツーリズム、歳末&新春お年玉CP 5000円分が抽選で

2023年12月1日(金) 配信

次回から使えるWebクーポンが当たる

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都江東区)は12月1日(金)~2024年1月31日(水)まで、「歳末&新春お年玉キャンペーン」を実施する。抽選で次回使えるWebクーポン5000円分を200人にプレゼントする。

 期間中、24年1月1日(月・祝)~6月30日(日)発の同社企画・実施する募集型企画旅行にインターネットから予約・参加のうえ、旅行代金が1人5000円以上の人がCP対象者。これら対象条件を満たすと自動的に応募され、定額制サービス「クラブツーリズムPASS」に会員登録していると当選確率が10倍となる。

 当選発表は、当選者にのみメールでWebクーポンが送付される。送付日は24年7月下旬予定。

40周年オリジナルグッズ付プランを販売 TDR(R)オフィシャルホテル

2023年12月1日(金) 配信

同プラン限定のオリジナルポーチ

 東京ディズニーリゾート(R)・オフィシャルホテルの6施設はこのほど、「東京ディズニーリゾート(R)40周年“ドリームゴーラウンド”」と連動したオリジナルグッズ付きプランを売り出した。40周年を祝うデザインの「ポーチ」が付くもので、このプランでしか手に入らないもの。

 東京ディズニーリゾートの40周年イベントはいよいよグランドフィナーレを迎えることから、連動したプランとして2024年1月23日(火)~3月31日(日)までの宿泊期間で展開する。

 同プランは全ホテルともチケットの購入権利付きだが、各ホテルで料金やグッズの条件は異なるため要確認。予約は各ホテルの公式ホームページから。

 なお、オフィシャルホテルは、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル、ホテルオークラ東京ベイ、ヒルトン東京ベイ、グランドニッコー東京ベイ 舞浜、東京ベイ舞浜ホテル、東京ベイ舞浜ホテル ファーストリゾートの6軒。

水風呂は目の前の「海」 大槌町観光交流協会がテントサウナ体験実施

2023年12月1日(金) 配信

テントサウナでサウナ体験後は目の前の海を水風呂に

 岩手県・大槌町観光交流協会は新年から、新たな冬の観光コンテンツ「テントサウナ体験プログラム」を実施する。参加者が自らテントを設営し、薪をくべるアウトドア体験が楽しめる。

 この事業は、三陸花ホテルはまぎくの敷地を活用し、宿泊プランとしてモニター価格を設定(2人以上1室で税込1人1万1000円、1回6人まで)。実施日は来年1月13、27日、2月10、24日の全4回。同協会のホームページから申し込む。

 テントサウナはテントの中で薪ストーブを燃焼させ、サウナを楽しみ、ほてった体を冷やし「ととのう」のは水風呂ではなく、目の前のビーチ。

 宿泊プランの内容は午後2時にホテルにチェックインし、2時20分から4時20分まで各自でテントサウナ体験を行う。その後、6時に夕食となる。

 問い合わせ=☎0193(42)5121。

NAA、10月外客がコロナ禍前超え過去最高に 韓国や台湾などアジア圏好調で

2023年11月30日(木) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が11月30日(木)に発表した2023年10月の総旅客数は、前年同月比82%増の301万7038人となった。このうち、国際線の外国人旅客数は同260%増の156万3438人と過去最高だった。19年同月比で3%増とコロナ禍前を超えた。韓国や台湾、シンガポール、タイなどアジアからの外国人旅客数が好調だったことが主な要因。

 国際線の総旅客数は前年同月比124%増の232万4119人。このうち、日本人旅客数は同84%増の54万9955人。コロナ禍前の19年同月比では54%減だった。

 国内線旅客数は前年同月比12%増の69万2919人。19年同月比16%増となった。

 総発着回数は前年同月比23%増の1万8521回。旅客便のうち、国際線は同66%増の1万1432回。国内線は同4%減の4326回だった。

 一部報道でグランドハンドリング業務の人手不足の影響によって新規就航や増便を希望に対し、今年度内に受け入れる見通しが立っているのは9月末時点で、3分の2程度だったことが報じられたことについて、田村社長は「各社だけに任せるのでなく、NAAによる調整や国からの支援で大幅に改善しつつある」と語った。

韓国などコロナ前超 国際前年比133%増

 11月1(水)~25日(日)の国際線出国旅客数は前年同期比133%増の88万800人。

 このうち、韓国線は同105%増の17万5800人。19年同期比では76%増。台湾線は前年同期比275%増の10万1600人。19年同期比では4%増だった。

 一方、中国は前年同期比412%増の7万3600人。19年同期比では52%減となった。

 田村社長は「中国は景気減速の影響で大きく増えていない」と説明した。

「一の宿倶楽部」創立20周年記念式典開く 個性あふれる小規模旅館グループ

2023年11月30日(木) 配信

20周年式典後に会員宿が記念写真

 個性あふれる小規模旅館のグループ「一の宿倶楽部」(蛭田憲市会長、23会員)は11月29日(水)、東京都千代田区の海運クラブで創立20周年記念式典と懇親会を開いた。会員宿をはじめ、関係者ら約100人が20年の節目を祝った。

蛭田憲市会長

 冒頭、蛭田会長は出席した関係者に20年間の謝辞を述べた。そして小さな民宿を営んでいた十数年前の思い出から語り出し、「一の宿倶楽部の生きたコンサルで成長させていただいた」と仲間に感謝の言葉を述べた。「一の宿倶楽部の仲間は普通オープンにしない情報もすべてさらけ出す。『宿主が安心して常連客に紹介できる宿」として恥ずかしくない宿へ、信頼を大切にし、厳しい規則を守りながら切磋琢磨し精進してきた」と振り返った。

 さらに、「宿は地元の食材を提供し、地元の人材を雇用し、地元の観光地を案内する地域を活性化できる最大の産業だと思う」と力を込めた。

旅行新聞新社の石井貞德社長

 来賓として出席した旅行新聞新社の石井貞德社長は「厳しい時期を乗り越え、創立から20年という月日は人間で言えば、二十歳の成人式を迎えられたことになる。皆さんの1つひとつの熱意がお客に感動を与え、日本一、世界一の宿文化を創り上げていくということにつながっていくのだと思う」と祝辞を述べた。

 式典では会員宿の宿主がリレー方式で、仲間の会員宿の魅力を紹介していった。

 一の宿倶楽部は現在約5万人の会員だが、片岡孝夫副会長(山水閣)は「100万人を目指す」と宣言した。

 記念式典のあとは、懇親会を開いた。豪華賞品などの抽選会も行い盛り上がった。

 

加盟宿は次の通り。

【湯田川温泉 久兵衛旅館】(山形県)

【湯田川温泉 珠玉や】(山形県)

【大切な人とこもる宿 守田屋】(福島県)

【花鳥華やか風月の宿 籐龍館】(福島県)

【紀伊乃国屋】(千葉県)

【お宿ひるた】(千葉県)

【amane】(千葉県)

【那須高原の宿 山水閣】(栃木県)

【奥日光 ゆの森】(栃木県)

【名栗温泉 大松閣】(埼玉県)

【鹿覗きの湯 つるや】(群馬県)

【時わすれの宿 佳元】(群馬県)

【梨木温泉 はせを亭】(群馬県)

【蛍雪の宿 尚文】(群馬県)

【四季を味わう宿 山の茶屋】(神奈川県)

【観音様となりの宿 かしわや本店】(長野県)

【壺中の天 宿○文】(静岡県)

【花の小宿 重兵衛】(三重県)

【京料理とお庭の宿 八千代】(京都府)

【潮彩きらら 赤穂温泉 祥吉】(兵庫県)

【湯郷温泉 季譜の里】(岡山県)

【直島旅館 ろ霞】(香川県)

【数寄の宿 野鶴亭】(鹿児島県)

中部国際空港「美ら島直行便」CP、好評につき24年2月まで

2023年11月30日(木)配信

フォトブックのプレゼントCPを実施中

 中部国際空港(セントレア、愛知県常滑市)は11月30日(木)、沖縄路線(那覇、宮古島、石垣島)への直行便の搭乗促進を目的に、「美ら島(ちゅらしま)直行便」キャンペーンの延長を決めた。同日まで今年4月10日(月)から行っていたCPだが、好評につき2024年2月29日(木)まで延長する。

 期間中、セントレア発着の沖縄路線を往復利用する1組2人以上のグループに、しまうまプリント社のフォトブック1冊が無料で作れるクーポンコードを、先着5000組限定でプレゼントする。

 フォトブックは、巻きカバー&中表紙無地のレーザープリンター4色印刷。サイズはA5判スクエア24㌻、最大写真89枚、表紙がマット系アート紙のマットコーティング加工、本身はマット紙。