佐藤会長が続投へ、大学連携や湯治研究推進(日本の旅文化を創る会)

佐藤好億会長
佐藤好億会長

 日本の旅文化を創る会(佐藤好億会長、445会員)は3月18日、東京都内で2015年度通常総会を開いた。15年度は観光系大学との連携事業や湯治文化研究の推進などを行う。役員改選では佐藤会長の続投を決めた。佐藤会長は「朝日旅行は国内の旅行会社のなかでも『旅の心』を考える唯一の集団。この灯を絶やさないことを誓う」と意気込みを述べた。

 15年度は観光学科を持つ大学と連携し、旅館経営者育成や人材の需要と供給などについて考えていくほか、湯治と健康を関連付けた顧客確保研究や山旅の在り方を考える研究会を開く予定。
 

 

鶴田隆志氏
鶴田隆志氏

朝日旅行新社長に鶴田氏

 前ジェイアール東海ツアーズ常務取締役の鶴田隆志氏が4月1日に朝日旅行の新社長に就任した。

 3月18日に開かれた日本の旅文化を創る会(前朝日旅行協力会)の懇親会にも参加した。

 鶴田 隆志氏(つるた・たかし)1956年生まれ。58歳。79年日本交通公社入社。2004年JTB提携販売東京支店支店長。07年2月JTB伊勢丹トラベル代表取締役社長。12年ジェイアール東海ツアーズ常務取締役。15年4月朝日旅行代表取締役社長に就任。

翻訳版100選冊子を発行、台湾の旅行会社400社に配布

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 旅行新聞新社は、1月に発表した第40回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選(以下、旅館100選)」の入選施設の情報やランキング一覧を中国語(繁体字)に翻訳した冊子を発行しました。台湾の訪日旅行を取り扱う旅行会社400カ所に無償配布します。

 本紙主催の旅館100選は回を重ねるなかで、観光業界で最も歴史のある事業として広く認知されるようになりました。旅行商品造成はもちろん、企業の販売促進キャンペーンなどにも活用いただいております。

 翻訳版旅館100選冊子の発行は今回で4回目となります。今年はより現地に即した内容を目指し、本紙と提携する台湾の旅行業界専門誌「旅奇」で作成。デザインを刷新しました。4月中旬に台湾内の訪日旅行の取扱資格を持つ旅行会社本社、営業所など400カ所に無償配布します。

 さらに今年は旅館100選40周年を記念して、4月23―26日にかけて「台湾プロモーション」も実施します。事業には21旅館30人が参加。台湾の旅行会社約40社を招いての説明会・交流会(23日)やギフト・文具の見本市「ギフショナリー台北」でのPR(24日)を実施します。

 本紙購読の皆様には、翻訳版冊子を見本としてお届けしましたのでご覧ください。

16年夏に開業予定、ザ・プリンスギャラリー、赤プリ跡地に

東京ガーデンテラス全景
東京ガーデンテラス全景

 プリンスホテル(小林正則社長)は4月8日、グランドプリンスホテル赤坂跡地に16年夏開業する「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」の施設概要を発表した。

 同ホテルはオフィス・ホテル棟と住宅棟の2棟で構成する「東京ガーデンテラス」のオフィス・ホテル棟(36階建て)の上層7フロア(30―36階)を占める。客室にタブレット端末を置き、空調や照明、カーテンの開閉などを画面上の客室写真をタッチすることで直感的にコントロールできる。設定された客室環境の情報はルームマネジメントにより自動的に蓄積されるので、例えば次回チェックインの際に同じ環境で宿泊客を迎えることも可能。

 客室タイプはデラックス、クラブフロア、グランドデラックス、スイートの4つのカテゴリーに分かれ、デラックスとクラブフロアにはエグゼクティブキング、デラックスツインユニバーサル、デラックスツイン、デラックスキング、デラックスプレミアツインが、グランドデラックスにはコーナーキングとプレミアムキングが、スイートには紀尾井町スイート、デザイナーズスイート、ザ・プリンスギャラリースイートがある。総客室数は250室。プリンスホテルが展開する3つのブランドには属さない、最上級のホテルに位置付ける。

 客室には周囲を額縁のように演出し、高層階から広がる景色を、一枚の絵のように見せる大窓を設け、すぐ脇にデイベッド(一部客室)を設置。壁と一体化させ浮いているように感じさせるデスクや棚、入浴中も景色が楽しめるようスイッチで透明になるバスルームの曇りガラスなど、デザインコンセプトの「浮揚感」「額縁で切り取られた万華鏡のような景色」を反映させた芸術性の高い空間で寛ぎを演出する。

 レストラン・バーは35階に一般席や日本酒が楽しめるSAKEバー、鉄板焼カウンター、寿司カウンター、個室を設けた和食を提供するメインダイニング「スペシャリティレストラン」(100席)とロビー内に設置され昼はラウンジ、夜はカクテルバーとして営業する、2フロア吹き抜けと大窓が圧倒的な眺望と開放感を生み出す「オープンバー」(47席)、重厚感を感じさせる落ち着いた雰囲気の「オールドバー」(27席)を、36階に自家製パスタや高温グリル料理などカジュアルに楽しめるイタリアンレストラン「オールデイダイニング」(118席)を設ける。

 そのほかの付帯施設は会員制の室内プール、温浴施設、トリートメントルーム、スポーツジムを備えた「スパ&フィットネス」やビジネスセンター、ボードミーティングルーム、レストランクロークなど。

デラックスキング
デラックスキング

「婦人画報」が大賞に、第8回南九州魅力発掘大賞

受賞者らが記念撮影
受賞者らが記念撮影

 九州旅客鉄道(JR九州、青柳俊彦社長)は南九州3県(熊本・宮崎・鹿児島)の観光素材を優れた視点で紹介した新聞や雑誌、テレビ番組、映画などを表彰する「南九州魅力発掘大賞」の表彰式を4月7日、東京都内で開いた。8回目となる今年は、大賞にハースト婦人画報社の婦人画報3月号「九州が大好き!」(2月1日発行)が受賞した。

 同賞審査委員長を務める青柳社長は「今年で8回目となるが、毎年九州のいいところ、九州の人も知らない魅力を発掘して発信していただいており、この賞はその感謝の気持ち。JR九州もD&S列車(観光列車)や、クルーズトレイン『ななつ星』を走らせるなど、元気な九州を全国、全世界に発信し、磨き上げていこうと頑張っている」と語った。

 選考の対象となった作品は14年の1年間に発表された記事や作品など144点で、内訳は新聞35点、雑誌62点、テレビ・映画47点。今回受賞した各部門賞と特別賞は次の通り。

 【新聞部門】読売新聞 旅 上益城・下益城「『石の文化』地域の力で開花」(10月9日発行)
 【雑誌部門】プレジデント社 dancyu特別編集「九州と dancyu」(11月26日発行)
 【映像部門】BS朝日 絶景!開運紀行「霊峰・阿蘇から神話の里・高千穂へ」(12月30日放送)
 【特別賞】女優・吹石一恵さん(映画「六月橙の三姉妹に出演」)

「道の駅」63カ所を新たに認定、観光案内所が全国528カ所に拡大

 日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)はこのほど、訪日外国人旅行者の受入環境整備の一環として、全国の「道の駅」63カ所を外国人観光案内所として新たに認定した。

 これにより、全国の認定外国人観光案内所は465件から528件に拡大。地域の観光案内を担当し、パートタイムや電話通訳などで英語対応が可能なカテゴリー1の施設は255件から307件へと大幅に増加した。また、20の都道府県で認定案内所が10カ所以上となった。これまでの空港やターミナル駅などに加え、新たに「道の駅」を数多く認定することで、さまざまな旅のスタイルに対応した受入体制の整備促進をはかる。

5カ国語対応の会話集無料配布、高速バス70社に(楽天トラベル)

 旅行予約サイト「楽天トラベル」はこのほど、全国の高速バス事業70社に外国語対応支援として5カ国語対応の外国語会話集を制作し、無料配布した。

 高速バスを利用するFITの増加を受け、楽天トラベルは「高速バスマーケティング研究所」 (成定竜一代表、神奈川県)の協力のもと、高速バス事業社の乗務員にアンケートを実施し、高速バス業務で頻繁に使う会話を5カ国語に翻訳。運転手が該当部分を指し示すだけで意思疎通ができる携帯会話集として制作した。導入した西武バス担当者は「実対応で使える内容。車内や高速バス窓口に置く」と期待の声を寄せた。

【5月6日まで】お客様感謝キャンペーン!純金の砂金採り体験も(伊豆市・土肥金山)

純金の砂金採り体験も好評だ
純金の砂金採り体験も好評だ

 歴史的金山を現代に蘇らせた金のテーマパーク「土肥金山」(静岡県伊豆市)は、5月6日までお客様感謝キャンペーンと題し、多彩なイベントを実施している。

 金運のパワースポットとしても知られる土肥金山。“埋蔵金最中”や“小判チョコ”などユニークなオリジナル商品が並ぶ売店では、期間中、3千円以上買い物をすると抽選でドリームジャンボ宝くじが当たるほか、4月25日―5月6日は家族で楽しめるゴールデンウィークイベントも充実する。人気の温泉砂金採り体験も、自然金の砂金から24K粒の純金に変わり、注目を集めている(純金の砂金採りは期間終了後も継続)。

 5月4日には、土肥金山をイメージし、音声合成技術により生まれたボーカロイド楽曲「戦え!!ゴールドクラッシュ」を、ボーカルグループ「あいぜっちゅー(IZU)」が披露するミニコンサートを開催する。同曲は伊豆市のコミュニティラジオ「FMIS(エフエムイズ)」が手がけ、動画サイトなどを通して発信。中高生など若者を中心に支持を受けている。

 これに合わせ、土肥金山では新メニューの純金かき氷「ゴールドクラッシュ」も登場。施設内の喫茶「金の砂」で食べることができる。

問い合わせ= 電話0558(98)0800。
ホームページ= 土肥金山

No.399 旅行新聞新社独自アンケート、土産物施設へ免税対応を調査

旅行新聞新社独自アンケート
土産物施設へ免税対応を調査

 消耗品も含めた全品目へと対象が広がった昨年10月の外国人旅行者向け消費税免税制度改正を受け、全国の消費税免税店舗数は2014年4月の5777店舗から同年10月には9361店舗へと急拡大した。14年の訪日外国人旅行消費額は前年比43・1%増の2兆278億円となり、インバウンド観光が盛り上がりを見せている。旅行新聞新社はこのほど、全国の土産物施設100軒に独自のアンケートを実施。回答のあった32施設での外国人観光客の現況や取り組みを紹介する。

【伊集院 悟】

 
 
 

 14年10月に外国人旅行者向け消費税免税制度が改正され、それまで対象外だった食品類や飲料類、薬品類、化粧品類などの消耗品も対象となった。さらに、改正前は、1人1日1店舗での購入額が1万円超でなければ免税対象とならなかったが、改正により追加された消耗品などの新規対象品目は5千円超が対象となった。日本滞在中に消費されないよう、開封した場合には開封したことが分かる粘着テープなどで包装を封印するよう規定している。

 また、15年度税制改正により、これまで店舗ごとに行っていた免税手続を第三者に委託(ワンストップ化)できるよう、免税販売手続きを第三者に委託することを前提とした、新たな免税店許可制度「手続委託型輸出物品販売場制度」を創設。4月1日から、その手続委託型免税店申請の受付が始まった。…

 

※ 詳細は本紙1582号または4月16日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

好調なインバウンド ― 「観光立国」の政策は順調だろうか

 今年2月の訪日外国人数は138万7千人。出国日本人数は126万2千人と、訪日外国人数が出国日本人数を上回った。1月はわずかに出国日本人数が多かったが拮抗しており、15年は年間を通じて訪日客が出国日本人数を上回る可能性もある。

 ビジットジャパン事業がスタートする2003年以前は、訪日外国人客数は400―500万人と、出国日本人数の4分の1程度だった。「海外旅行で世界を知り、日本人はもっと国際感覚を持つべき」という大きな流れの一方で、「真の国際化とは多くの外国人を受け入れることである」とも言われていたが、まさに今、事務所のある東京・秋葉原周辺にいると、足元から日本の国際化が進みつつあるのを感じる。

 日本に多くの外国人観光客が訪れることのメリットは大きい。中国人観光客の“爆買い”が注目されているが、当然経済的な利益が見込まれる。日本百貨店協会が発表する2月の外国人観光客の売上高・来店動向では、総売上高が前年同月比236%増と大幅に伸びている。ハイエンドブランドの売れ行きも好調という。

 また、多くの外国人観光客の厳しい目に晒され、摩擦が生じることで文化が磨かれ、洗練されていく。パリやロンドン、ニューヨークなども、異邦人が街を歩き、多種多様な文化を持つ人種との軋轢と融合を繰り返しながら、都市は研磨され、魅惑的な“色気”を漂わせていく。

 日本の都市や観光地は自国のみに認められるだけで満足せず、世界と比しても十分に通用し、魅力的な存在へと成長してほしいと思う。

 一方で、昨今の観光を巡るメディアの報道の偏りが気になっている。銀座のデパートで大きな買い物袋を下げた“爆買い”のようすなど経済的な利益ばかりにスポットが当たり、さも観光立国は順調に成果を上げつつあるという雰囲気に包まれていることだ。だが、物事には必ず光と影がある。

 国が推進する「観光立国」の政策は、インバウンドの拡大だけではない。人口減少時代を迎え、とくに地方部では、定住人口の減少を交流人口の拡大で地域の活性化につなげることを目指している。外国人観光客を増やすことも、もちろん交流人口の拡大に貢献するので、国も一生懸命にインバウンド拡大に力を入れている。けれど、大部分の外国人観光客は、日本人観光客にも人気の観光地や話題のテーマパークを訪れ、定番の大型アウトレットモールでのショッピングなど観光コースも大体決まっている。これが経済・人・モノの一極集中や、地域格差の拡大をさらに助長することにつながっていないだろうか。

 冷静に眺めると、交流人口拡大の土台である日本人の国内宿泊旅行はまったく伸びていない。つまり、宿泊旅行をする環境整備が進んでいないにも関わらず、数字上で分かりやすい外国人観光客の飛躍的な増加ばかりに視点が向かっている現状に、少し違和感を覚えるのだ。

 北陸新幹線金沢開業など、ゴールデンウイークの旅行動向も好調のようだ。東京オリンピック開催などで明るいムードに後押しされ、経済界が勢いづいて沸くのはいい。しかし、国が好調なインバウンドを観光政策の成果として声高に強調するほど、ますます届かなくなる地域の声もあることを忘れてはならない。

(編集長・増田 剛)

新会長は金谷氏(金谷ホテル)に、東武トップツアーズ旅ホ連設立

旅ホ連・金谷譲児会長
旅ホ連・金谷譲児会長

 東武トラベルとトップツアーが4月1日付で合併し、東武トップツアーズを設立したのにともない、両社の協定旅館ホテル連盟は3月25日、東京都内のホテルで「東武トップツアーズ協定旅館ホテル連盟」設立総会を開いた。会長には金谷ホテル観光社長(鬼怒川温泉ホテル)の金谷譲児氏を選任したほか、本部規約などを承認した。会員数は1726会員。

 金谷新会長は「若輩者の私が会長に指名されたということは、連盟への進化や変化が求められているのではと感じている。ゼロベースのスタートなので、何がしてもらえるかではなく、何ができるかを新役員と本音で議論していきたい」と意気込みを語った。

 
 

坂巻伸昭社長
坂巻伸昭社長

 連盟の名誉会長に就任した東武トップツアーズの坂巻伸昭社長は、新会社の設立経緯や経営理念「Warm Heart~ありがとうの連鎖を~」などを紹介。「新会社は人が財産を根幹に据えている」とし、「お客様や従業員、パートナーとありがとうの輪を広げていきたい。皆さんとは施設というハードと付き合っているのではなく、施設を作っている一人ひとりと付き合っていると考えている」と述べた。そのうえで、連盟会員に対し、「我われに何ができるかを伝えてほしい。“送る”“送られる”ではなく、いかにお客様に喜んでいただくか、『ありがとう』と言ってもらえるかを同じ目線で考えていきたい。皆様一人ひとりの力を与えていただき、私たち社員一人ひとりが少しでも皆さんに貢献できればありがとうの輪がつながり、新しい会社は必ずよいものとなる」と訴えた。

 

施設連盟・中野吉貫会長
施設連盟・中野吉貫会長

 また、当日は東武トラベル協定観光施設連盟と東武トラベル協定運輸機関連盟、トップツアー・トップ会の3組織が一つになり、「東武トップツアーズ協定運輸観光施設連盟」(1022会員)を設立。会長には四国・琴平のナカノヤ社長の中野吉貫氏が就任した。中野新会長は「この組織を永久にバトンタッチできるよう、初代会長として努めていきたい」とし、「会社から『ありがとう』といってもらえるような商品づくりをしていかなければならない。仕事を期待するのではなく、新会社に何ができるのか提案できる関係性を作っていくことが大切だ」と語った。