〈観光最前線〉古代マヤ文明の年縞を初公開

2021年9月10日(金) 配信

年縞から古代マヤ文明の謎に迫る

 年代測定の世界標準のものさし「年縞(ねんこう)」を展示する「福井県年縞博物館」(福井県若狭町)は10月4日まで、隣接する若狭三方縄文博物館と合同で、特別展「マヤの年縞をめぐる冒険2021」を実施している。

 「年縞」とは、1年に1枚ずつたまる薄い地層のこと。三方五湖の1つ「水月湖」からは、7万年分もの年縞(全長45㍍)が完全な形で採取され、年代決定のための国際水準の「ものさし」となっている。同博物館では、この7万年分の年縞を「年縞ステンドグラス」にして展示する。

 企画展では、メキシコのサン・クラウディオ湖で見つかった全長6・5㍍の堆積物を世界初公開。マヤ文明最大の遺跡「アグアダ・フェニックス」も紹介する。縄文博物館でも、グアテマラの年縞などを公開する。

【塩野 俊誉】

8月の宿泊業倒産は14件 単月では今年最多に(東京商工リサーチ調べ)

2021年9月10日(金) 配信

東京商工リサーチはこのほど、2021年8月の宿泊業倒産を発表した

 東京商工リサーチがこのほど発表した2021年8月の宿泊業倒産は14件(前年同月は4件)だった。5カ月ぶりに前年同月を上回り、単月では今年最多を更新した。このうち、新型コロナウイルス関連倒産は7件にのぼり、全体の5割を占めた。21年1~8月の累計倒産件数は63件。前年同期の83件を下回るものの、コロナ禍前の19年同期(43件)を大きく上回る結果となった。

 8月の宿泊業の倒産は14件発生した。原因別として、販売不振が10件で7割を占めた。形態別では、破産が10件のほか、特別清算が2件。地区別では関東と九州が各3件、東北、中部、近畿が各2件、北海道と中国で各1件となった。

 おもな倒産事例として、「Residence Hotel」の名称で福岡市内を中心に宿泊施設を10カ所以上運営していたSHI(福岡県福岡市)が8月2日(月)、福岡地裁に破産を申請し、17日(火)に破産開始決定を受けた。負債総額は17億200万円。

 同社は、福岡市内でのインバウンド需要の高まりもあり、設立から2期目の18年3月期には約6億7100万円の売上高を計上していた。事業を拡大し、直近の年間売上高は10億円を超えていた。

 しかし、新型コロナ感染拡大の影響でインバウンド需要が激減し、国内旅行者も減少したことから業績が悪化。リモートオフィスの提供を開始するなどして稼働率の低下対策を行っていたが業績の回復には至らず、不動産オーナーに対して、家賃の減額や減免を要請するなど厳しい運営を余儀なくされていた。

 また、委託料請求訴訟の被告になるなどして支払面のトラブルが表面化し、6月11日(金)までに事業を停止していた。

 1964年に創業し、71年にホテル汐見荘として法人化した浅野家(新潟県村上市)は、瀬波温泉ではトップクラスの収容人数を誇り、ピーク時の97年3月期には20億8156万円の売上高を計上していた。

 しかし、個人消費の低迷や競合激化などがあり、2019年3月期には11億5875万円にまで売上高が低下。

 20年1月には大江戸温泉ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)に事業を譲渡し、「大江戸温泉物語汐見荘」として再出発していた。同社は今年3月30日(火)に現商号に変更するとともに、株主総会の決議で解散。8月6日(金)に東京地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約12億円。

 旅行業の8月度の倒産は4件(前年同月は1件)で、2カ月ぶりに前年を上回った。単月としては、2月と6月に並んで今年最多となった。21年1~8月の累計倒産件数は23件(同18件)で、前年通期の26件を上回るペースで推移している。

 負債総額は7億7400万円。すべて新型コロナ関連倒産。また、21年1~8月の新型コロナ関連倒産は累計21件にのぼり、旅行業倒産の9割を占める形となった。

JATA、政府の行動制限緩和の方針受けコメント発表 旅行市場の再開に期待感示す

2021年9月10日(金) 配信

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 日本旅行業協会(JATA、菊間潤吾会長)は9月10日(金)、政府が前日に段階的な行動制限緩和の方針をまとめたこと受け、JATAがこれまでに行ってきた政府への要望や、今後の旅行市場再開に向けた期待感を示すコメントを発表した。

 政府は、新型コロナウイルス感染症の流行地域での行動制限を、ワクチン接種などを条件に緩和する基本方針を決めた。そのなかで、旅行に関わる①段階的な行動制限の見直し②ワクチン接種や陰性証明を条件に、緊急事態宣言やまん延防止重点措置の対象地域でも都道府県をまたぐ移動自粛要請の対象外とする③「ワクチン・検査パッケージ」の活用により、大規模イベントの人数上限5000人の制限緩和を検討する――ことなどを受け、JATAは次のようにコメントした。

〈JATAのコメント全文〉

 一般社団法人日本旅行業協会(JATA)では8月25日に自民党の観光立国調査会へ「旅行業界への支援の要望について」の9項目に渡る要望書を提出いたしました。要望書のなかで「ワクチンパスポートの国内、海外双方での活用」と同時に国際交流の最大の壁となっている「日本入国時の14日間隔離」の緩和を切にお願いしました。また国内経済の活性化に向け、ワクチン接種者の行動規制の緩和、ワクチンパスポートの国内での活用についても要望いたしました。

 また、経団連の「ワクチン接種記録の活用に関するタスクフォース」に5月より参画し、出入国時のワクチンパスポートの必要性や入国時の隔離緩和について訴えてきました。

 9月6日付で経団連から政府に提出された「with コロナにおける社会経済活動の活性化に向けた提言」については、「一定の隔離期間を設ける際でも、旅行会社や企業による行動管理等を行うことで、隔離期間中であっても一定の行動を可能とすべきである」というJATAの考えが明記されています。

 今回政府の方針を受け、JATAとしては旅行マーケットの再開に向けた前進と受け止めています。ワクチン接種や陰性証明を条件に県境を越える移動の自粛要請の対象外となれば、航空機や新幹線といった交通機関を利用しての旅行が活発化し、旅行マーケットが動き出す要因になり、地域経済の活性化についても大きく寄与するものと考えます。また、イベントへの入場制限が緩和されればイベントに伴う人の移動も活発化するものと思われます。

 まずは感染の拡大を防ぐことを第一に、 旅行業界としては実証実験も重ね、感染対策を万全にしながら、安全安心な旅行を提供していきたいと思います。

ANAグループのOCS、日本発越境ECサービスに参入 9月15日に「iEC」販売開始

2021年9月10日(金) 配信

OCSの集配車

 ANAホールディングス(片野坂真哉社長)は9月8日(水)、ANAグループで国際物流企業のOCS(根岸剛社長)がグループ初の日本発越境EC(電子商取引)輸送サービスに参入すると発表した。9月15日(水)からアジアの一部エリアからサービスを開始し、対象エリアを順次拡大するとともに、取扱量を今年度中に現在の約3倍を目指す。

 越境ECの新輸送サービス「iEC(International E-Commerce)」は、9月15日(水)に販売を始める。スタート時は、韓国、台湾、シンガポールを対象エリアとし、今年度内に米国、欧州、その後中国などに広げていく。法人を対象に、通常3~5日(韓国・台湾・シンガポールの場合)で海外に届ける。

新輸送サービス「iEC」ロゴマーク

 同サービスは、各種Webサービスと連携することで、複雑な海外輸送が利用しやすくなる。送料は、燃油サーチャージなどを含めた料金体系に、ロジスティックスなどお客のニーズに沿ったオプション追加も可能となっている。

 ANAグループでは、国内線など航空ネットワークを活用し、日本各地から海外に配送する。

【特集No.590】㈱全旅が新サービス展開 業務の生産性向上と売上増狙う

2021年9月10日(金) 配信

 ㈱全旅(中間幹夫社長、東京都中央区)は5月19日(水)、店舗での販売が中心の全国旅行業協会(ANTA)の会員などを対象に、ホームページを開設する事業「Tabito(タビト)」を始めた。7月21日(水)には、消費者がオンラインで予約できるシステムを構築するサービス「BtoBtoC」をスタートした。旅行商品の販売や宿の在庫管理などの業務をIT化することで、「業績の向上につなげてほしい」考えだ。新サービス展開の背景や今後の課題などを取材した。

中小旅行会社のIT化支援 店舗での“顧客対応”効率化へ

 コロナ禍で不要不急の外出自粛が呼び掛けられるなか、多くの旅行会社の売上は2019年比で、大幅に減少している。観光業界を再活性化しようと、政府は昨年の7~12月に、Go Toトラベルキャンペーンを展開した。

 ㈱全旅の中間社長は今年6月に開かれた埼玉県旅行業協会(浅子和世会長)の通常総会で、「(新型コロナウイルスの拡大前から)航空券や宿泊予約、ツアー商品などについては、インターネット販売がシェアを伸ばしてきた」と強調した。

 そのうえで、「〝Go To〟では、接触機会を避けようとOTA(オンライン旅行会社)の利用が飛躍的に増えた。一方、店舗中心のANTA会員への恩恵は僅かだった」との認識を示した。同社の調査によると、自社ホームページを開設しているANTA会員は、約半分ほどだ。

 会員の多くは現在、来店客にパンフレットや契約書などを刷ったうえで、旅行商品を販売している。

◇09年に一部IT化店舗での印刷課題

 ㈱全旅は1976年、旅行会社から受入施設に支払う料金を保証する目的で全旅クーポン制度をスタートした。その後、さまざまな制度改革を重ね2019年には、航空券・宿泊施設などをオンラインで予約でき、全旅クーポンで自動決済可能なBtoBサイト「Trip全旅」を追加した。

 消費者がネットで航空券と宿泊施設の予約と決済ができるサービス「BtoBtoC」は、この「Trip全旅」を活用する。

 全旅クーポン会は8月6日(金)現在、ANTA会員約5400社のうち、約2800社が加盟しており「Trip全旅」を利用している。なお、日本旅行業協会(JATA)会員の契約社数も約110社ある。19年度の取扱高は約400億円を計上したが、新型コロナウイルスの拡大で20年度は約150億円と減少した。
クーポン機能拡大誰でもサイト創設可

 BtoBtoCの一般利用客は、OTAなどのオンライン販売と同様に、会員各社のホームページから航空券・宿泊施設を予約し、㈱全旅のカード決済サービス「全旅ペイメント」で代金を支払うことができる。

 申込客の会計完了後に、旅行会社が行う受入施設への手配連絡業務をオートメーション化し、旅行会社が受入施設に支払う代金については、BtoBtoCシステムが全旅クーポンを用いて自動で精算する。

 営業推進本部の中森万登本部長は「低廉な利用料で誰でも旅行ECサイトを創設できる」と自信を見せる。……

【全文は、本紙1841号または9月14日(火)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

〈旬刊旅行新聞9月1・11日合併号コラム〉東京五輪の「祭りのあと」――コロナ禍を抜け出す新たな日々へ

2021年9月10日(金) 配信

 
 2013年9月7日に、東京オリンピックの開催が決定してから8年の月日が過ぎ去った。

 
 当時は、7年後(新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で1年延期となったが)は遠い、遠い未来に感じていた。観光業界でも、訪日外国人旅行者数4000万人を掲げ、数値は目標に向かって順調に上昇していった。

 
 都市部を中心に、ビジネスホテルが雨後の筍のように姿を現し、民泊専用の宿泊施設も、生まれた瞬間からビッグバンのように拡がっていった。

 
 観光業界の専門紙である本紙にも、新たな宿泊施設の開業に関するリリースが雨あられのように送られてきた。

 
 オーバーツーリズムが観光業界の大きな課題となり、バブル経済が崩壊後、久方ぶりの右肩上がりの“熱”を体感した。

 
 東京や大阪など大都市では、ビジネス出張の宿を取ろうとしても、ほぼ稼働率100%のホテルばかりで、埼玉県や千葉県、神奈川県、そして関西では滋賀県などの中規模の都市まで行かないと宿泊予約が取れない状態にまでなっていた。

 
 東京五輪が開催されると、お祭りのような熱い東京、日本全国になると想像していた。そして、東京五輪が終わった「祭りのあと」は、どのような静けさになるのだろうと観光業界も心配していた。

 

 
 東京五輪に続き、9月5日にはパラリンピックも閉幕した。

 
 印象としては静かな大会だった。東京五輪はほぼ無観客での開催となったため、文字通り「静寂の五輪」だった。

 
 実際に五輪を自分の目で見た目撃者(証人)は、当事者である選手を除き、ごく限られていたため、「本当に東京五輪は開かれているのだろうか」という東京五輪「不存在説」が流れるほど、開催都市に通勤していた身としても、実感がなかった。

 
 「会場周辺の道路規制が厳しい」との情報も耳にしていたせいか、開催期間中は通勤の地下鉄で通過する以外は、国立競技場の近くにも行かなかった。

 

 
 東京五輪も観光業界も、昨年から本格的に感染が拡大した新型コロナによって、180度方向が変わってしまった。

 
 昨年9月に安倍晋三政権を引き継いだ菅義偉首相は、コロナとの激闘の末、1年後の9月3日、退陣を表明した。

 
 これにより、自民党は今月29日投開票の党総裁選挙に向けて、新たなリーダー選びに入った。その後、10月21日に任期満了を迎える衆議院総選挙が待っている。

 

 
 このように考えると、もう2021年という年も、そんなに多く残されていないのだと感じてしまう。コロナ禍だと余計に時間の経つのが早い。

 
 東京五輪後の「祭りのあと」はどうなるのだろうと想像していたが、にぎやかであるはずの五輪が抑制されたため、寂寥感は強くない。淡々と過ぎて行った感じだ。コロナ禍を抜け出す新たな日々があるのみだ。

 
 2年近くに及ぶコロナ禍での生活に慣れ、活力も失われた。地方の観光地も早めに飲食店を閉めるので、シャッターが閉まった印象が、平板的に目に刻まれる。

 
 政府は11月にはワクチンを接種済みであれば、県をまたぐ移動も認める方針だ。少しずつ行動制限が緩和され、元の生活に戻ることを願っている。長いトンネルの先にあるであろう、出口から差し込む「小さな光」を見たい。

(編集長・増田 剛)

六日町八海山スキー場、早朝「雲海ロープウェー」9月17日~

2021年9月9日(木)配信

魚沼平野と雲海

 新潟県南魚沼市の六日町八海山スキー場(酒井晃支配人)は9月17日(金)から、期間限定で「雲海ロープウェー」の早朝特別運行を始める。運行期間は9月17日(金)、24日(金)、30日(木)、10月5日(火)、7日(木)の計5日。とくに出現率が高いとされる昼夜の寒暖差が大きい秋に運行し、南魚沼市の雲海の出現を楽しむことができる。

 ロープウェーは、六日町八海山スキー場内の全長2217メートル、81人乗り。標高1147メートルのロープウェー山頂駅へわずか7分で到着する。ロープウェー山頂駅や展望台から見る周囲360度の大パノラマ、眼下に広がる黄金色の田んぼや周辺の山々の紅葉とのコラボレーションも期待できる。

 運行時間は午前7:30(通常営業は同8:30)~。乗車時間は片道約7分。料金は月ごとで変わり、9月は大人2000円、子供1000円、10月は大人2200円、子供1100円。料金には雲海ロープウェー乗車券(往復)、南魚沼産コシヒカリ1合、南魚沼のおいしい湧き水500ミリ1本を含む。

ANAのフライングホヌ、初の下地島空港へ チャーター便の宮古島ツアーを販売

2021年9月9日(木) 配信

フライングホヌ1号機または2号機を使用する

 ANAグループは9月8日(水)、A380型機の「FLYING HONU(フライングホヌ)」を活用した、沖縄・下地島空港利用のチャーターフライトを10月に実施すると発表した。ANA旅客便が下地島空港にフライトするのは初となる。

 これに伴い、ANA X(井上慎一社長)は、10月30日(土)出発のツアー「ANA FLYING HONU 下地島空港利用 チャーターフライトで行く宮古島3日間(成田発着)」を売り出した。宮古島に2連泊するほか、機内での軽食サービスや、搭乗証明書、オリジナルグッズの記念品が付く。

ANA旅客便が下地島空港に飛ぶのは初

 宿泊ホテルは、申込みの座席クラスにより異なり、ファーストクラス席はイラフSUIラグジュアリーコレクションホテル沖縄宮古、ホテルシギラミラージュを、エコノミークラス席はホテルブリーズベイマリーナ、ホテルアトールエメラルド宮古島などを利用する。

 1人当たりの料金は、ファーストクラス席が24万8000円、ビジネスクラス席(窓側)が19万8000円、プレミアムエコノミークラス席(同)が11万800円、エコノミークラス席(同)が9万6800円(いずれも2人1室利用時)など。

 申込みは9月21日(火)午前10時までで、申込多数の場合は抽選となる。

 また、9月下旬には、機内見学ツアーなど2つの専用オプショナルツアーも販売予定となっている。

寺を僧侶らが案内 京都ブライトンホテル、プライベートツアー実施中

2021年9月9日(木) 配信

上賀茂神社で行う特別拝観のイメージ。東福寺などで解説を受けられるプランも用意した

 京都ブライトンホテル(林惠子総支配人、京都府京都市)はこのほど、宿泊とお寺や神社の僧侶や神主などのガイドによる、歴史解説がセットになったプライベートツアー「大人の自由研究」を売り出した。

 同社は「参加者はプライベートで催行できる今こそ、ガイドとの会話で知見を深めることができる。学びなおしたい大人の要望に応えたい」と意気込む。

 東福寺の至宝巡りプランでは、一般非公開の重要文化財「光明宝殿」で、博物館に展示されているような仏像や書などを、手の届きそうな距離で見ることができる。「法堂(本堂)」にある巨大な蒼龍図にも訪れる。このほか、ガイドが通常非公開の場所を案内する。開催期間は2021年10月31日(日)まで。料金は2人1室利用の場合、1人当たり2万5800円(税込)から。

 上賀茂神社特別拝観プランは、約1300年の長い歴史を持ち、敷地のすべてが世界文化遺産に登録されている賀茂別雷神社で、1千年前から変わらない境内のようすを説明する。料金は2人1室利用で、1人2万4000円(税込)から。

 知恩院特別拝観プランでは、僧侶が国宝の御影堂をはじめ、重要文化財の大鐘楼や経蔵などを解説。非公開の建造物にも巡る。ツアー代金は、2人1室利用の場合、1人当たり2万円から(税込)。

 隨心院特別拝観プランは、僧侶が襖絵「極彩色梅匂小町絵図」や小町文張地蔵など小野小町をゆかりの作品や遺跡について話す。普段は遠くからしか見ることのできない本堂の仏像やだまし絵の「四愛図」を間近で見ることができる。料金は2人1室利用で1人2万2800円(税込)から。

配慮が必要な人への旅行事業継続目指す 櫻スタートラベルがクラファン開始

2021年9月9日(木) 配信

車イスでのオーストラリア旅行風景

 櫻スタートラベル(櫻井純社長、大阪府大阪市)はこのほど、障害や難病などで配慮が必要な人々への旅行の提供を継続させるため、クラウドファンディングで支援の募集を開始した。

 同社は櫻井社長が「難病治療で一般就労の難しい私が、旅行会社を設立したい」という思いから2016年に設立。設立以来、基礎疾患や難病、障害がある顧客へ、国内・海外旅行ともに提供してきた。一方、新型コロナウイルスによる影響が著しく、2020年度の売上は19年度比74%減、21年度は19年度比97%減まで落ち込み、事業継続が困難な状況だという。

 そこで今回、大手プラットフォームのキャンプファイヤーを利用し、クラウドファンディングプロジェクトを開始した。事業継続に必要な資金調達だけでなく、配慮が必要な人へのサポート制度の拡充や協力者の理解を進め、ユニバーサルツーリズムや観光産業全体の発展に貢献していきたい考え。

 期間は11月12日(金)まで、目標金額は200万円。環境調整費や維持費に利用される。リターンのなかでは、企業向けに「スタディーツアー企画実施体験」(30万円・50万円)も用意。実際に国内外の旅行を企画し、配慮が必要な人と一緒に旅行することで、必要なサポートや合理的配慮を学ぶ。