群長急行観光バス(群馬県・嬬恋村)が破産手続き開始(帝国データバンク)

2022年1月25日(火) 配信

 群長急行観光バス(佐藤一社長、群馬県・嬬恋村)は1月6日(木)、前橋地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は2021年5月期末時点で約4500万円。

 同社は、2010(平成22)年8月に設立した貸切バス業者。群馬県を中心に栃木県、埼玉県、長野県などを営業エリアとして、旅行会社からは旅行プランに応じた貸切バスの運行を行う一方で、地元のホテル・旅館からは宿泊者の送迎などを受託していた。小規模ながら、「代表の旅館での勤務経験による人脈を背景に当初から相応の受注が得られた」(帝国データバンク)こともあり積極的に増車していった。16年5月期には年間収入高約2800万円を計上していた。

 しかし、18年から19年にかけて、関東運輸局から複数の行政処分を受けたことにより顧客が流出し、業況は低迷。20年に入ってからは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、ホテル・旅館の送迎の受注が途絶え、21年5月期の年間収入高はほぼ消失していた。

 こうしたなか、介護・福祉タクシーといった新規事業でのカバーをはかったものの好転しなかった。新型コロナ対策資金を導入してしのいでいたが、資金繰りは限界に達し事業継続を断念、今回の措置となった。

約4000本の梅が咲き誇る宴 2月5日~3月13日まで湯河原梅林でイベント開催

2022年1月25日(火)配信

約4000本の紅梅・白梅が咲く湯河原梅林

 湯河原梅林(神奈川県・湯河原町)で2月5日(土)~3月13日(日)まで、「梅の宴」が行われる。会場となる幕山公園(湯河原梅林)には約4000本の紅梅・白梅がさながら「梅のじゅうたん」のごとく咲きほこり、園内はほのかな梅の香りに包まれる。

 期間中園内では、狂言師大藏彌太郎氏と章照氏による「梅林狂言」や「湯河原温泉芸妓の舞」などさまざまなイベントも行われる。また、2月2月18、25日・3月4日には、幕山ハイキングを実施。2月19、20日には観光ボランティアによる無料ガイドもあり、梅や幕山に関する話や品種の解説を聞くことができる。

出店ブース-

 園内出店ブースでは、湯河原の地場産品や土産品などが購入できるほか、会場限定の梅ソフトクリームをはじめ、湯河原ならではの味覚などが楽しめる。また各出店ブースで買い物をすると、100円ごとに1ポイントのサービス券がもらえ、15ポイントで甘酒やきび餅に交換可能。これに加え20ポイント貯めると、本部で真鶴ブルーラインの無料券ももらえる。

 入園料料金は200円、町民と町内宿泊の人は無料。期間中は、駅と会場を約15分で結ぶバスも運行する。

 関係者は、湯河原温泉の春を告げるイベントとして例年どおり「湯河原梅林 梅の宴」を実施していく予定とのこと。

 イベントは新型コロナウイルス感染症対策を万全に整え実施するが、新型コロナウイルス感染症の状況によっては内容を変更する場合がある。

東武×日光江戸村 SL大樹で江戸活劇楽しむエンタメ列車運行

2022年1月25日(火) 配信

計7日間エンターテイメント列車を運行する
 東武鉄道と栃木県日光市の江戸ワンダーランド日光江戸村は、2月12日(土)から27日(日)までのSL大樹運行日のうち、週末を中心に計7日間の対象列車で、「神出鬼出 あっぱれ日光!SL大樹珍道中~EDO WONDER TRAIN~」を運行する。

 同イベントは、SL車内と車窓がシンクロしながら繰り広げられる江戸活劇が楽しめるエンターテインメント列車。これまで4回開催し、累計約1万2000人が乗車するなど、好評を博している。

 今年は鬼怒川温泉エリアで同期間中に実施している「鬼怒川温泉 鬼まつり」と連携し、SL大樹と地元地域の観光資源とのさらなる相乗効果で冬季の日光・鬼怒川エリアの誘客に努める。

 活劇のプログラムは列車によって異なる。SL大樹1号と5号は「邪気退散、鬼侍参上!SL鬼怒太列車の巻」を行う。邪気を払い、福を招くとして、鬼への信仰が深い鬼怒川温泉エリアで、イベント期間中に実施している「鬼怒川温泉 鬼まつり」と連携し、鬼怒川温泉のマスコットキャラクターの「鬼怒太」が登場。乗客の護衛と案内の命を受けた「江戸忍者」とともに、鬼怒川温泉やSL大樹に災いをもたらそうとする「蛇抜け衆」と激闘を繰り広げるが、「蛇抜け衆」の前に力及ばずやられてしまう。そこで、「鬼怒太」がSL大樹の乗客の応援を受け「鬼侍」に成長し、ハラハラドキドキのクライマックスを迎える――という内容。 

 イベント実施日限定で、SL大樹に乗車するとイベントに登場するキャラクターがデザインされた「SL大樹珍道中オリジナルカード」(全7種)が1枚もらえる。また、「SL大樹オリジナルカードホルダー」も限定販売する。価格は1000円(税込)。
 
 2月27日(日)まで開催中の「鬼怒川温泉 鬼まつり」は、鬼怒川温泉の冬季のメインイベント。これまで節分に合わせて2日間開催されていたが、今年度からは1カ以上を超える長期間で実施している。

21年の宿泊業倒産は86件 負債前年比2・4倍の1396億円(東京商工リサーチ)

2022年1月25日(火) 配信

東京商工リサーチはこのほど、2021年通期の宿泊業倒産動向を発表した

 東京商工リサーチがこのほど発表した2021年(1~12月)の宿泊業倒産は、前年度比27・1%減の86件だった。100件を割り込んだのは19年の75件以来2年ぶり。このうち、新型コロナウイルス関連倒産は47件で、宿泊業の倒産の過半数(54・6%)を占めた。発生件数は2年ぶりに前年を下回ったが、負債総額は前年比2・4倍の1396億円と、直近10年間で最大となった。

 21年4月に特別清算の開始決定を受けた東京商事(東京都、負債1004億8300万円)が、宿泊業では14年ぶりの負債1000億円超えの大型倒産となり、負債総額を押し上げた。

 21年通期の宿泊業倒産は、原因別では「販売不振」が67件で、構成比は67・7%と全体の8割を占めた。

 負債額で見ると、10億円以上が11件、5億円以上が7件、1億円以上が37件、5000万円以上が10件、1000万円以上が21件。前年に比べ、小規模倒産の割合が高まった。

 地区別では、9地区すべてで宿泊業の倒産が発生した。関東の23件が最多となり、中でも栃木県が6件と、東京都(5件)を上回った。次いで、中部17件、九州15件、近畿10件、東北8件、中国7件、北海道4件、北陸と四国が各1件ずつとなった。

 同社が20年12月に行ったアンケートでは宿泊業の81・8%が「債務の過剰感がある」、「債務過剰となった」と回答した。同社は、「全業種の中で宿泊業の回答比率が最も高かった。オミクロン株の感染急拡大により、宿泊業の息切れ倒産を増加させる恐れがある」と危機感を露わにしている。

湘南プレミアムWedding、世界遺産で結婚式を 宿泊セットにして販売

2022年1月24日(月) 配信

プランのイメージ。世界遺産での挙式で満足度をより高める
 湘南プレミアムWedding (安田千名美代表、神奈川県小田原市)は1月11日(火)から、世界遺産の富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)と日光東照宮(栃木県日光市)、日光二荒山神社(同)のほか、近隣の宿泊施設「富士山ゲストハウス掬水」(静岡県富士宮市)や栃木県日光市にある「奥の院 ほてるとく川」、「日光星の宿」などと提携し、宿泊と神社での結婚式をセットにしたプランを売り出した。「旅する世界遺産ウェディング」として提案している。
 
 2019年3月1日から箱根神社(神奈川県・箱根)や来宮神社(静岡県熱海市)、伊勢山皇大神宮(神奈川県横浜市)などでの結婚式と周辺ホテル・旅館での宿泊を組み合わせて売るなか、より満足度を高めてもらうために企画した。
                神社での結婚式のイメージ
 同社は、各家族の希望に沿った静岡と日光エリアの観光スポットも案内する。
日光東照宮で式を挙げ、日光星の宿に泊まるプランの料金は、6人で平日に3部屋利用する場合、55万6620円。新郎新婦衣裳と和装小物新郎新婦美容・着付け、日光東照宮シャッター料のほか、スタッフ2人の出張料と旅館手配代金を含めたプロデュース料、料理(夕食KAISEKI・ 朝食)、支度部屋、宿泊代金などが含まれる。 

 また、「旅する世界遺産ウェディング」サイトのオープンを記念して、成約者にオリジナル手作りマスクとオリジナル除菌シート、携帯加湿器をプレゼントしている。

JTB、宿泊ギフトカタログの20、30万円コース販売へ

2022年1月24日(月) 配信

2月1日から法人と個人向けに販売開始

 JTB(山北栄二郎社長)は2月1日(火)から、Webカードタイプのギフトカタログ「ありがとう~New Style Travel for You~ ザ・ラグジュアリー」を、法人と個人向けに売り出す。厳選した全国のラグジュアリーな施設を利用する、20万円と30万円の高額宿泊プランを取りそろえた。

 同ギフトカタログは、2020年7月から販売しているギフトカタログ「ありがとう New Style Travel for You」(10、7、5、3万円)の高級版。渡航制限が長引くなか法人顧客の新たなニーズとして、海外旅行予算と同額程度の国内宿泊プランへの要望が寄せられたことから、これまでにない高価格帯のギフトカタログの発売を決めた。

ラグジュアリーホテルのイメージ

 国内を代表するラグジュアリーな施設の希少な部屋を提供。企業・団体が伝えたい感謝や想いを取引先や従業員にも届くように、「オリジナルデザイン」や「贈り主様からのメッセージを表示するカスタマイズ」の制作(有料)が可能となる。

 料金は、20万円コースが22万1100円(税込、システム料含む)、30万円コースが33万1100円(同)で、どちらもペア宿泊プラン。

Loco Partners、無料宿泊CP実施中 「会津東山温泉 向瀧」が2人1組に当たる

2022年1月24日(月) 配信

日本で冬にしか見られない景色を堪能してもらおうと、「会津東山温泉 向瀧」が選定された

 ホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux(リラックス)」を運営するLoco Partners(村上文彦社長、東京都港区)は1月31日(金)まで、Relux会員である2人1組に1泊2日の無料宿泊が当たるキャンペーン「Go with Relux」の2月分の応募を受け付けている。

 「心ゆくまで冬を味わう」をテーマにした今回は、日本で冬にしか見られない景色を堪能してもらおうと、「会津東山温泉 向瀧」(福島県会津若松市)を選んだ。

 江戸時代、会津藩の指定保養所だった「きつね湯」を旅館として営業を始めた同宿泊施設は、国の有形文化財に登録されている。2月末までは、ろうそくの優しい光によって雪が照らされるという「雪見ろうそく」を設置する。

2月末で設置される雪見ろうそく

 当選者は年2月18日(金)までに連絡される。2月1日(火)〜2022年3月31日(木)までにチェックアウトする予約で使用できる。なお、チェックイン日が2月5日(土)、11日(金)、12日(土)、19日(土)、26日(土)、3月5日(土)、12日(土)、19日(土)、20日(日)、26日(土)となる際は、利用することができない。

クラツー、自宅からハイヤーで グループ貸切の国内ツアー

2022年1月24日(月) 配信

貸切ハイヤーで優雅な旅を演出(写真はイメージ)

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)はこのほど、自宅から専用ハイヤーで出発する国内ツアーを売り出した。コロナ禍におけるマイクロツーリズムのニーズと合致し、安心して参加できる新しい旅のスタイルとして、シニア層を中心に人気を集めている。

 コロナ禍で生まれたハイヤー貸切ツアーは、グループごとにハイヤーを貸切り、専任のドライバーが出発から帰りまで案内する。夫婦や家族、友達同士など少人数でのプライベート旅行を楽しめ、重い荷物も気にせずに出発でき、旅先での土産も自宅まで運べる。旅の出発地点が自宅のため、ツアーの集合場所までの電車の混雑などの心配がない点もメリットとなっている。

 ツアーの一例として、首都圏発の「星のや東京」(東京都・大手町)に宿泊する1泊2日のコースは、1日目に皇居や東京丸ノ内駅舎、2日目に東京タワーや国立競技場などの車窓観光が盛り込まれている。旅行代金は8万9000~10万9000円。このほか、富士山を望む箱根屈指の景観が楽しめる、神奈川県・蛸川温泉の国登録有形文化財「龍宮殿本館」で過ごす日帰りコースなども用意している。

上智大学とJALが連携協定結ぶ 人材育成で持続可能な地域活性化を

2022年1月24日(月) 配信

協定書を取り交わす曄道佳明上智大学学長(左)と赤坂社長

上智大学などを運営する上智学院(佐久間勤理事長、東京都千代田区)と
日本航空(JAL、赤坂祐二社長、東京都品川区)は1月21日(金)、教養豊かな人材の育成や未来の豊かな社会創りを目指し、連携協定を結んだ。

 上智大学とJALは「サステナブルな社会の実現」という共通の理念を持つ。JALのSDGs達成に向けた実践例などを、上智大学のサステナビリティ教育・次代を担う人材育成に活用する。上智大学の持つ研究知見とJALの持つ地域ネットワークなど相互の強みを生かした持続可能な地域活性化に取り組み、未来の豊かな社会創りに貢献していきたい考え。

 今後は、JAL社員によるSDGsなどをテーマにした講義や環境保全と観光促進による持続可能な地域活性化をテーマとした共同研究の実施などを行う。また、上智大学へのJAL社員出向による人事交流も予定する。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(204)」 産業観光を教育に( 東京・一橋講堂)

2022年1月23日(日) 配信

第16回教育旅行シンポジウム(一橋講堂)

 昨年末、東京都千代田区の一橋講堂で日本修学旅行協会主催の「教育旅行シンポジウム」が開催された。テーマは「教育旅行と産業観光」。近年の教育旅行は誠に多様化しているが、産業観光を教育旅行の中にどう位置付けるか、またSDGsの視点をどのように盛り込むのかといった点が主議題であった。

 会場には教育関係者、教育旅行関連企業、各地の産業観光を担う現場担当者らが駆け付けてくれた。私自身は、産業観光を仕掛けてきた側であり、今日の産業観光の意味と意義といった観点から議論に参加させていただいた。今回は、その教育的効果という視点からの検証でもある。

 さて、観光が国の光を観るものだとすれば、近代は産業の時代、国の光はまさに産業ということになる。その産業が視察や観光の対象になったのは、19世紀半ば、1851年にロンドンで開催された万博であろう。世界に先駆けて産業革命を実現した英国、鐵とガラスで覆われたパビリオンは、それ自体が当時の先端材料であり、その光を世界に喧伝した。その150年後、愛知県で開催された「愛・地球博」は、日本が世界に誇る環境技術や産業がテーマであった。この愛・地球博の誘致を契機に、日本の産業観光が、このエリアでスタートしたのも何かの縁であろう。環境という今日のSDGsにつながる重要な契機にもなった博覧会であった。

 このころを境に、産業が「観光」行為として認識され始めた。食品や繊維などの身近な産業を中心に、大型バスで現場に訪れる、産業観光の大衆化が進んだ。しかし、その持続性を考えれば、産業観光それ自体が事業的な自立(収益を得る)ことが大切であり、企業は自ら「ご覧いただく工場=ファクトリーパーク」に投資する機会が増えた。さらに個々の企業の枠を超えて地域ぐるみの取り組み(第4世代)として地域ブランディングの動きが加速しているのが近年の大きな特色である。

 教育機会としての産業観光への取り組みとしてとくに印象に残るのは、2019年に開催した日本遺産「播但貫く、銀の馬車道・鉱石の道」高校生フォーラムと石垣島の中学生シンポジウムである。

日本遺産「播但貫く、銀の馬車道・鉱石の道」高校生フォーラム

 前者は沿線6つの高等学校と、生野銀山ゆかりの新居浜南高校ユネスコ部(愛媛県)の学生たちによるフォーラムであった。高校生が地域の課題にどう取り組むかをテーマに熱心な討議が行われた。後者は教育委員会主催で石垣島全島の中学生381人が、観光産業と環境について討議した。

 こうした機会を可能とするのは、学生たちの地道な地域学習を支える教育委員会や学校、熱心な先生方の指導、そして地域の協力である。これらの事業は、学生たちが次代の地域産業をどう担うのか、新たな産業創造・産業教育の場でもある。ここに産業観光のもう一つの大きな意義があろう。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)