下電ホテル レストハウス運営 鯛粥など食べ放題で提供

2022年5年4日(水) 配信

下津井のタコを使用した「蛸粥」

 下電ホテル(永山久徳社長、岡山県倉敷市)は4月1日、同市の瀬戸大橋の絶景を望むレストラン「鷲羽山レストハウス」の新たな管理者として指定を受け、営業を始めた。

 これを記念したオープニングセレモニーが同月2―3日にあり、ハンバーガーやピザ、ワッフルなどのキッチンカーが登場。サックス&ピアノの演奏で会場を華やかな雰囲気に包んだ。

 今後の営業予定では、土・日・祝日の朝食(7―10時)に、県産米の「白粥」や下津井のタイやタコを使用した「鯛粥」「蛸粥」を食べ放題で提供する。昼食は県産米粉麺を使用した「汁そばと点心セット」を中心とした構成とする。土・日・祝日はフードトラックも設置する。夕方はカフェとして営業を行う。

 同社では「鷲羽山の朝から夕景までを楽しめる拠点として時間帯ごとにコンセプトを再構築する」としている。

指宿白水館 高付加価値客室に 滞在型キッチン付へ改装

2022年5年3日(火) 配信

リモートや滞在にも対応した和洋室

 鹿児島県・指宿温泉の指宿白水館(下竹原利彦社長)は、錦江湾に面した「花の棟」5階の12畳の客室2部屋を1室にして、定員6人の和洋室に改装し、4月下旬から販売を開始した。

 リモートワークや長期滞在、インバウンド利用などを想定し、付加価値の高い客室に一新した。

 約90平方㍍の広さで、間取りは和室9畳とツインベッド、リビングで構成。リモートワーク利用者のためのカウンター机やWi―Fiも備える。

 長期滞在者向けには、IHクッキングヒーターやシンク、冷蔵庫を完備したミニキッチンを用意し、ウォーキングクローゼットの収納スペースも確保した。

温泉風呂からは錦江湾の海の風景が眺められる

 部屋の風呂は源泉100%の温泉風呂で、御影石の浴槽からは、ゆっくり温泉に浸かりながら、季節や時間ごとに変化する錦江湾の美しい海が楽しめる。遠くには大隅半島も一望できる。さらに空調は室内の温度・湿度をムダにしないロスナイ(熱交換)換気を導入し、個別エアコン化した。

 同館では今後、内容やデザインを変えて4階―1階までに同じ広さの客室4室を計画している。

 料金は1泊2食(夕朝)で、平日2人利用時が12万1千円(税別)から。食事は食事会場(個室)で行う。

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その13-水澤観音&榛名神社 群馬・神仏巡礼(群馬県渋川市・高崎市)水澤観音で供養の旅を 榛名神社で浄化と強運の旅

2022年5月3日(火) 配信

 群馬県・伊香保温泉といえば、石段街にもみられるようにレトロ情緒豊かで、草津温泉と並ぶ、とても人気の高い日本有数の温泉地。

 

 今回の精神性の高い旅では、その伊香保温泉を挟むようにして、堂々たる存在感を持っておられる、水澤観音と榛名神社をご紹介します。

 

 温泉と神社仏閣といえば、「湯垢離」という言葉が浮かびます。古くから人々は神社仏閣に参拝する前に、手水舎で手や口を水ですすぐだけでなく、全身を水で禊をしました。温泉なら「湯垢離」、冷水なら「水垢離」、海なら「潮垢離」と呼ばれています。現在でも、水垢離や瀧行など山伏修行の1つとしても、行われています。ぜひ、水澤観音&榛名神社へ参拝する前に温泉に入って、心身を洗い清めて、神仏巡礼の旅を満喫してみてはいかがでしょうか。

 ある本によると、先に水澤観音から参拝してから、榛名神社に参拝すると運の吸収がより良くなるとのこと。渋川市の水澤観音までは、伊香保温泉からバスで約10分程度。

 

 こちらは、坂東三十三か所観音霊場の16番札所の天台宗の古刹。推古天皇の勅願により開かれ、上野国司高光中将が創建しました。ご本尊は、千手十一面観音菩薩様。千の手を持つ観音様は、どんな人も平等に漏れ落ちなく救えるように、千の手をお持ちなのです。苦しいときほど、観音様の母性的なお力を借りるといいでしょう。こちらの観音様は、高光中将の妻、伊香保姫の御持仏。

水沢観音・六角堂

 水澤観音と伊香保姫には、こんなエピソードがあります。伊香保姫は先立った夫への愛しさのあまり、伊香保沼に入水しました。その後、僧侶の夢の中に伊香保姫が現れ「お寺の鎮守となって、人々を救いたい」と語ったといわれています。

 

 古来、神仏が現れるのは、夢の中でありました。人々は神仏からのメッセージをいただくために、「聖地」に赴き、何日も籠って霊夢を見ようとするのです。あの聖徳太子が奈良県の法隆寺に建てた夢殿は、まさにそうした神仏との交流の場であったそうです。また、日本における観音信仰は、聖徳太子が夢殿に聖観音菩薩様を祀ったことが始まりといわれています。

 

 水澤観音のなかで、一番注目したいスポットは、「六角堂」。日本における地蔵尊信仰の代表的な建築物。地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間界、天人界の六道を守る地蔵尊を祀り、六道輪廻を表しています。回転する地蔵尊を左に願い事を唱えながら3回廻してみるといいようです。ここではお線香をあげて、自分の願いというよりも、亡くなった大切な人やご先祖様のご供養を行うことが、今後の幸福につながるのではないかということを感じました。

榛名神社

 さて、伊香保温泉からバスに乗車し、約1時間程度で、榛名湖を経由して、高崎市の榛名神社へ。日本の中でも指折りの開運スポット。壮大な願いが叶いやすいとのこと。主祭神は、火の神の火産霊神(ほむすびのかみ)、土の神の埴山毘売神(はにやまひめのかみ)。

 

 本殿までの長い参道には、七福神あり、自然あり、滝ありと、日ごろの溜まったものを取り除いてくれる、浄化の道のようです。本殿に参拝した後に、背後にある「御姿岩」が最高に良いお力があるとのこと。

 

 榛名神社は歴史的には、戦国時代に1度衰退しましたが、江戸時代に天海僧正により、寺院として復興。そして、明治時代の神仏分離令により、仏教色が排され、榛名神社になりました。また太平洋戦争中に、榛名神社のご神体を載せた軍艦「榛名」は敵軍の弾が当たらず無事であり、歴代の艦長は全員生還しました。

 

 群馬での神仏巡礼の旅をすることで、ご先祖様への供養や今後の未来への安泰祈願など、自分と故人の幸福が授かるのではないでしょうか。

 

旅人・執筆 石井 亜由美
東洋大学国際観光学部講師、カラーセラピスト。精神性の高い観光研究部会メンバー。グリーフセラピー(悲しみのケア)や巡礼、色彩心理学などを研究。

映画「シン・ウルトラマン」の完成報告会 斎藤工氏らが思いを語る

2022年5月2日(月)配信

(左から)樋口監督、長澤さん、斎藤さん、西島さん

 映画「シン・ウルトラマン」の完成報告会が5月2日(月)、ロケ地となったセルリアンタワー東急ホテル(東京都渋谷区)で開かれた。トークセッションが行われ、俳優の斎藤工さん、長澤まさみさん、西島秀俊さんと、樋口真嗣監督が、映画が完成した時の気持ちや、撮影で印象に残った出来事などを話した。

 斎藤さんは「この作品は自分の少年性というか映画の夢というか、そういうものを全身で浴びたような、言語化できないような感情が今も続いているような感覚」と映画の感想を述べたうえで、「人とシェアすることで育っていく作品だと思う」と語った。長澤さんは「禍特対がとても活躍していて、チームワークというか、一人ひとりの感情が生き生きと描かれている、人間ドラマとしても感動する作品」と同作品を形容。「ぜひウルトラマンという存在が何者なのか、映画館で楽しんでください」と呼びかけた。また西島さんは、「今の子供たちにぜひ見てほしい作品。深く人生に刻まれる作品になっている。映画を見て色々なことを感じ取ってほしい」とPRした。

 5月13日(金)に公開される映画「シン・ウルトラマン」は、1966(昭和41)年の放送開始以来今なお根強い人気を誇る日本を代表するキャラクター“ウルトラマン”を新たに映画化した作品で、ウルトラマンシリーズのファンであることを公言する庵野秀明氏が企画、脚本を担当。次々と巨大不明生物「禍威獣(かいじゅう)があらわれ。その存在が日常となった日本を舞台に、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、禍威獣特設対策室(禍特対)を設立。禍威獣の危機が迫るなか、大気圏外から銀色の巨人が突如現れるというストーリー。

HISファーマーズを設立 新たな農作物栽培で農業PJを法人化

2022年5月2日(月) 配信

農業界の新しい未来を⾒据え「フ、フ」とほほ笑む双⼦のイメージキャラクター「フタバくんとフタバちゃん」
 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は4月4日、HIS ファーマーズ(市原伸悟社長、埼⽟県蓮⽥市)を設⽴した。
 
 同社はこれまで、新たな事業領域として農業プロジェクトを展開。同市でミニトマトを、宮崎県⽇南市でグレープフルーツを栽培してきた。同県⽻⽣市でサツマイモやトウモロコシなど新たな野菜の栽培に加え、農作物の販売開始など事業を拡大するに当たり、法人化した。
 
 今後は、農産物の⽣産、加⼯、販売を行い6次産業化を目指すほか、農業体験農園と貸農園なども運営していく。
 
 同社は4月28日に、イメージキャラクター「フタバくんとフタバちゃん」を発表した。同キャラクターは、農業界の新しい未来を⾒据え「フ、フ」とほほ笑む双⼦の設定で、「フ」を合⾔葉に、いつもフレッシュで、たくましく成⻑していく姿を表現した。

HIS、海旅支援サービス提供 「安心して旅行を」

2022年5月2日(月) 配信

サービスのイメージ。帰国時に必要なPCR検査の手配などを行う

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は4月26日(火)から、海外旅行の帰国時に必要なPCR検査の手配のほか、旅先で感染した場合の帰国便の変更や日用品の買い出しなどを支援するサービス「RE: TRAVEL SUPPORT」を提供している。消費者が日本の検疫措置緩和後も、海外渡航への不安を抱えるなか、安心して旅行に出掛けてほしい考え。

 同サービスは各国の流動的な渡航情報を収集したうえで、必要な手続きをサポートするほか、旅マエにおける無料説明会の開催と現地スタッフの健康管理の徹底、24時間日本語による相談を受ける。

海旅に不安感じる人86% コロナ関連手続き認知度5%以下

 HISは同サービスの提供開始に伴い、「コロナ禍における海外旅行に関する意識調査」を行った。その結果、海外旅行に不安を感じる人は86%だった。また、「渡航時のコロナ対策に関する手続きを知っている」と回答した人は5%を下回った。

 調査は3月に、全国の 10~70 代の400人を対象に実施した。

 「旅行中にコロナウイルスに感染した際の対処法」については、2・8%が「知っている」と回答した。「旅先によって出入国条件が異なること」を把握している人は 5・0%だった。

 同社をはじめとした多くの大手旅行会社がツアーを再開したハワイにおける審査基準の認知度も調べた。入国後、自己隔離免除になるための条件をすべて理解している人は4%。1つも知らない人は6割を超えた。

 「海外旅行に行きたいと思う条件」に対しては、「いざというときに日本語で相談できる」(31・0%)が最多だった。次いで「体調不良時に対策が取れる」(30・5%)、「入国前から現地の状況が常に分かる」(28・0%)と続いた。なお、コロナ禍前は「旅行代金が予算内に収まっている」(32・8%)が最も多かった。

〈観光最前線〉「弱虫ペダル」マンホール登場

2022年5月2日(月) 配信

市内27カ所に設置

 長崎市に人気漫画「弱虫ペダル」のキャラクターを描いたマンホールが登場し話題を集めている。市の下水道供用開始60周年を記念した企画で原作者の渡辺航氏が長崎市出身ということから実現した。

 週刊少年チャンピオン(秋田書店)で連載中の自転車ロードレースに打ち込む高校生たちの青春を描いた作品で、累計発行部数は2700万部を突破し、アニメや実写映画、舞台化もされている。

 弱虫ペダルデザインのマンホールは、長崎駅西口や出島といった市街地をはじめ、外海や野母崎など、市内全域に全27点を設置。なかには新規に描き下ろしたイラストもあるとか。長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館では同デザインのマンホールカードも配布中。マンホールを巡りながら、長崎観光を楽しんでみては。

【塩野 俊誉】

NAA、21年度旅客数は99%増 措置緩和で赴任需要伸長

2022年5月2日(月) 配信

GWの国内線旅客数は「ほぼ同等で少し下がる程度」と田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が4月28日(金)に発表した2021年度の航空発着回数は、前年度比29%増の13万7585回、旅客数は同99%増の647万2578人だった。東京2020オリンピック・パラリンピック大会の関係者などの出入国のほか、入国制限措置の緩和などで赴任や留学などの生活需要が伸長した。

 国際貨物便の発着回数は同15%増の5万446回と過去最高となった。海上コンテナが不足し、臨時の貨物便が多数運航されたことが主な要因。

 国際線旅客数は同85%増の234万5182人。このうち、日本人旅客数は同66%増の53万8242人、外国人は同33%増の72万3058人。乗り継ぎで利用する通過客は同172%増の108万3882人と大幅に増加した。香港や台湾などで乗り継ぎの際の検疫措置が厳しいため、代替地として同空港が選ばれた。

 国内線の発着回数は66%増の3万4007回、旅客数は同108%増の412万7396人。

 1日当たりの入国者数の上限が、4月に7000人から1万人に増加されたことに触れた田村社長は「国際往来が正常化することに期待を寄せている」と話した。

4月は国内回復傾向 GWは19年同水準

 4月1(金)~23日(土)までの国際線発着回数は、20年同期比39%増の3773回、出国旅客数は同96%増の8万4400人だった。

 国内線発着回数は同5・9%減の2984回と3月同期の同22%減から回復した。

 ゴールデンウイークについては、国際線の発着回数が前年同期比で約50%増、旅客数は約300%増となる見通しを示した。レジャーや赴任などの需要で、全方面が増加する。出国のピークは4月29日(金)。入国は人数制限されているため、平準化される。1日当たり5000~6000人が同空港を利用する予定だ。

 また、国内線の発着回数はコロナ禍前の2019年と同じ水準となる見込みだ。旅客数は「ほぼ同等で少し下がる程度」(田村社長)と話した。

 田村社長は「国内線と国際線は回復傾向だが、GW以降については期待を持って注視したい」と述べた。

加賀市 メキシコ大使館と連携 食など多分野で協働PR

2022年5月2日(月) 配信

宮元市長(中央)とメルバ・プリーア大使(左から2人目)

 石川県加賀市(宮元陸市長)はこのほど、在日メキシコ大使館(東京都千代田区)と食や文化、芸術、観光、教育、スポーツなど、さまざまな分野で双方向のPR事業に協働で取り組むと発表した。メキシコ大使館が、特定の自治体とこのように手を組むのは今回が初めて。

 3月26日には、宮元市長とメルバ・プリーア駐日メキシコ大使が出席し、同市・片山津温泉のホテルアローレで第1弾となる「食」をテーマにしたイベントを開催した。

 宮元市長は「当初は、コロナ禍からの一刻も早いリカバリーと北陸新幹線延伸を見据え、観光需要喚起の一環としてメキシコ大使館とのやり取りが始まったが、そこから、観光だけでなく、多分野で包括的に取り組むことに関心いただき、今回の協働PRスタートに至った」と経緯を説明した。

 そのうえで「今後、さまざまな分野でメキシコと加賀市が協働PRに取り組むことで、加賀市から、やがて全国に広がる形で、日本とメキシコが一層の相互理解を深める一助になれば」と期待を寄せた。

 メルバ・プリーア大使は「今回の連携は、長期間にわたり、文化、芸術、食、観光、学術、スポーツなど、さまざまな分野での協力を模索するものであり、これを機に両者の友好関係がさらに深まるものと期待を寄せている。今後、日本を訪問するメキシコ人に加賀の素晴らしさを体験してもらうとともに、加賀市においてもメキシコが有するさまざまな魅力を感じてもらいたい」と話した。

 イベントでは、メキシコ大使館のシェフでメキシコ料理PR担当を兼務するヘルマン・オリーバ氏が、加賀市の橋立漁港で水揚げされた海の幸など、加賀産の食材を使って、独自にアレンジしたメキシコ料理を披露した。

アンドリゾートソリューションズ シニアコンサルタント 西村 昭彦氏に聞く

2022年5月1日(日)配信

西村昭彦氏

 アンドリゾート(中照策社長、和歌山県・那智勝浦町)は昨年7月、グランピング開業支援を手掛ける新会社「アンドリゾートソリューションズ」(中照策社長、愛知県名古屋市)を設立した。旅館運営で培ったノウハウを生かし、ホスピタリティ重視のグランピング施設プロデュースに力を入れている。同社シニアコンサルタントの西村昭彦氏に、新会社設立の経緯や支援メニューについて聞いた。

【鈴木 克範】

旅館との親和性高い グランピング開業支援で新会社

グランオーシャン伊勢志摩ドーム内

 アンドリゾートの前身は勝浦御苑。昨年2月に社名変更した。現在、和歌山県・那智勝浦温泉の「勝浦御苑」や鳥取県・三朝温泉の「万翆楼」など7施設を運営するが、異彩を放つのが三重県伊勢市のグランピング施設「グランオーシャン伊勢志摩」だ。

 グランオーシャン伊勢志摩は「旅荘海の蝶」のプライベートビーチに立地している。開業前は海辺のバーベキューハウスを運営していたが、「次のステップとして宿泊利用できるグランピングに着目した」(西村氏)という。ただ、グランピング施設の運営はグループでも初の試みだった。収支計画に始まり、各地への視察、ドームメーカーとのやり取り、家具・備品の調達、スタッフのオペレーションなど、急ピッチで取り組んだ。オープンは2020年7月。決断してから約3カ月後のことだった。

 「始めて早々、旅館のノウハウがあればやっていけると感じた」(西村氏)との言葉通り、シーサイドグランピングをコンセプトにした施設は、マスコミやインフルエンサーを中心に話題を呼び、予約の取れない施設として注目を集めている。

 消費者からの注目と併せて増えたのが、視察や運営に関する問い合わせなどのビジネス需要だ。施設の人気を聞きつけ依頼が増えたことから「新規開業の知見を生かした新事業に乗り出した」(西村氏)。くしくも社内は、感染症拡大や自然災害に対しての、リスクヘッジ検討のさなかだった。

 提供メニューは「新規開業支援」と「事業再生サポート」の2つ。新規開業では事業予定地の市場調査や収支計画、開業スケジュールなどの事業計画策定から、顧客ニーズに沿ったグランピング施設の開業、外部パートナー選定、スタッフの育成など、一貫したアドバイスを行う。アンドリゾート各施設の和洋料理人による献立開発など、グループの強みを生かした提案も可能で、コンサルティング費は月額制だ。

 一方、事業再生サポートは既存グランピング施設の集客強化、サービス改善、リニューアル、効果的なオペレーション支援などに応えていく。こちらは売上からサポート費用を支払う成功報酬型の契約となる。

 新規開業の場面では、つくることがゴールではなく、長く続けてほしいとの願いから、経営者やチームメンバーへのヒアリングを重視している。ときどき「今の若者は旅行しない」という話を耳にするが、グランピング施設では20代の顧客が、半年先の予約をするのも日常だ。宿泊の際、装飾を持ち込み撮影するなど、楽しみ方も知っている。グランオーシャン伊勢志摩での経験も伝え、固定観念から一歩前に踏み出し、事業に向き合えるよう提案している。とくに旅館・ホテルとグランピング施設の親和性は高いと実感するなか、「旅館業が、グランピングの認知や成熟に貢献できるよう取り組みたい」(西村氏)と力を込める。