テーマは復興・発酵・非日常 福島県が観光商談会でPR

2023年11月24日(金) 配信

支援への謝意を伝える内堀知事

 福島県は11月9日、東京都内で今年度の「ふくしま観光商談会」を開き、復興・発酵・非日常をテーマとした取り組みを紹介した。内堀雅雄知事は「温かい応援に対して『ありがとう』を伝えるとともに、『来て』県内を楽しんでもらうことで恩返しをしたい」と、復興支援への謝意を述べた。

 旅行会社やマスコミ約130人が参加。説明会では復興現場で挑戦する人々との出会いに焦点を当てたスタディツアー「ホープツーリズム」や「美を醸すふくしま」をコンセプトにした「発酵ツーリズム」、自然を生かした非日常体験の「エクストリームふくしま」など、新しい観光ブランドも紹介した。

 商談会では市町村などが31ブースを構え、郡山市の手しごとブランド「郡山KARAPPO(からっぽ)」や、旧アルツ磐梯・猫魔スキー場がつながり誕生する「ネコママウンテン」などをPR。交流会では、全国新酒鑑評会の金賞受賞数で9回連続日本一に輝いた日本酒や天然トラフグの新ブランド「福とら」など、食の魅力を伝えた。

奈良大学 学生がグッズ開発 地元土産物店とコラボ

2023年11月24日(金) 配信

コラボ商品を開発した学生たち

 奈良大学(今津節生学長、奈良県奈良市)の学生たちがこのほど、地元の土産物店とコラボし、鹿をモチーフにしたグッズなど新たな奈良土産を開発した。

 同大学社会学部総合社会学科の2年生たちが、実社会での経験を学びにつなげることを目的としたカリキュラム「社会体験実習」の一環として、毎年学外の団体・企業と連携して行う。

 今回は、近鉄奈良駅から徒歩約3分の距離にある奈良もちいどのセンター街の土産物店「絵図屋」とコラボし、今年4月から2チームに分かれ、商品開発や販売計画の立案などに取り組んできた。

 完成したのは、奈良を訪れる修学旅行生を意識した、街歩きに便利なサコッシュに鹿のイラストをあしらった「シカッシュ」(税込700円)と、紙を挟むとイラストで描かれた鹿の色が変化する「鹿ギミック クリアファイル」(同200円)。

 さらに、子供でも手が届く価格で奈良らしい土産をコンセプトに、近年、再び人気を集めているレコードのイラストに「凪」「黎明」「翠色」「夜這い星」「青嵐」「風花」といった大和言葉を描いたシールも制作した。裏面には言葉の意味を記載。パロディシールと併せて全10種類を用意した。価格は各1枚150円(税込)。

 各商品は、11月2、3日に行われた同大学学園祭で販売されたほか、現在、土産物店「絵図屋」にて販売している。

宮下知事がトップセールス 青森県観光セミナー開く

2023年11月24日(金) 配信

宮下県知事をはじめ市町村首長がPR

 青森県と県観光国際交流機構は11月2日、東京都内で「青森県観光セミナー」を開き、参加した90人を前に宮下宗一郎知事がトップセールスを行った。

 宮下知事は、「じゃらん夜の絶景紅葉ランキング」(リクルート、10月11日発表)で、「中野もみじ山」(黒石市)が全国1位に選ばれたことを紹介。来春から夏にかけての話題では、5つの美術館が連携して行う県全域での催し「AOMORI GOKAN アートフェス」を取り上げ、「期間中は弘前のサクラや横浜(町)の菜の花、ベンセ湿原(つがる市)のニッコウキスゲなど、アートと花でお迎えします」と来県を呼び掛けた。

 続いて青森市の西秀記市長や黒石市の髙樋憲市長、五所川原市の佐々木孝昌市長など、県内14市町村の首長らが登壇し、それぞれの一押しをアピールした。

 夕刻からの情報交換会では、海峡サーモン(むつ市)や小川原湖産しじみ(三沢市・東北町)など、地元食材を使った創作料理が登場。県産シードルや地酒とともに、青森の食の魅力を伝えた。

国際観光施設協会70周年 利他の公益活動でスタートアップ

2023年11月24日(金) 配信

鈴木裕会長

 国際観光施設協会(鈴木裕会長)が11月、創立70周年の節目を迎える。国際観光振興に寄与する技術をテーマに、CSV活動を行う「インキュベーションプラットフォーム」としてさまざまな取り組みを推進する同協会。

 11月27日(月)に開かれる記念公演を前に、これまでの歩みと今後の展望を鈴木会長に聞いた。

 ◇  ◇

 国際観光施設協会は、ホテル・旅館の計画・建設など観光に関わる技術分野の企業や専門家の集団です。

 これまで、海外の一流ホテルの設備の調査研究から始まり、観光施設全体、さらに面としての観光交流空間、そして物理的空間だけでなく、観光情報空間へと活動対象は広がっています。

 こうした流れのなか我われは、原点に戻り協会の社会的使命を再認識し、CSV(Creating Shared Value)、「会員によし、協会によし、結果社会にもよし」の三方良しを活動理念に掲げ活動を行うと決めたことで活動領域が「エコ少」や「木づかい」、「UD客室」、「自動搬送機開発」「LINKED CITY」「フェーズフリー」「ウッドリターンコンペ」「観光施設耐震研究」「建築空間の研究」など多方面に広がり、活性し続けています。

 その過程で、広範囲化した活動内容を「もの」「社会」「自然」へのホスピタリティに整理し、観光の本質はホスピタリティであるということに立ち返りました。

 これまでの多岐に渡る活動は、「木づかい活動」からナニックが地元木材を活用した木製ブラインドのビジネスが生まれ、「LINKED CITY」の取り組みから100社を超える「LINKED CITYコンソーシアム」が誕生するなど、会員企業のビジネスに発展してきています。また、我われも沖縄ITイノベーション戦略センターと協定を結び、国と沖縄県の企業共創の中間支援団体として「LINKED CITY活動」を展開、沖縄で観光DXを推進しています。

 一方、我われは、国際観光振興に寄与する技術をテーマにCSV活動を開始して軌道に乗せる「インキュベーションプラットフォーム」です。

 ビジネスではない公益活動であるからこそ、実務的障壁に煩わされることなく、かつ利己でなく利他の精神で色々な開発が行えます。また、関係官庁との連携も容易に取れることから、トライアルアンドエラーでクイックに活動を展開してこられました。

 今後もタイミングを逃さずにあらゆる可能性を試し、壊して再創造できるインキュベーションプラットフォームとして、利他である公益活動でスタートアップを行い、利己であるビジネスの世界に戻って利潤を追求するという社会モデルの普及を目指してまいります。

国立公園の認知拡大へ 生業にする人の声で魅力発信(ネイチャーホスピタリティ協会)

2023年11月24日(金) 配信

ネイチャーホスピタリティ協会 理事長 小川正人氏

 環境省は、国立公園での高付加価値の滞在型観光の推進へ動き出した。一方、日本に34カ所ある国立公園は、認知度が低いことが課題となっている。

  同省と「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結、講座と検定試験を通じて国立公園の魅力を発信するネイチャーホスピタリティ協会の小川正人理事長は、国立公園の魅力発信には「自然を生業にしている方の生の声を通じての発信が大切」と語る。同協会が進める魅力発信事業をまとめる。 

◇  ◇

 日本の国立公園は、国有地以外の土地も含めて指定する地域制国立公園に分類されるので、人と暮らし、風景、自然がそこにはあります。一方で、国立公園の認知度は国内の人でも低く、観光素材として活用しにくいモノになっていると思います。

 ネイチャーホスピタリティ協会は、国立公園の認知拡大に向けた魅力発信のために、2020年9月に設立しました。同協会の基軸は、10回のオンライン講座と検定試験をセットにした「ナショナルパーク検定」で、2カ所の国立公園を対比させながら、年2回実施しています。

 この検定でこだわったことは、各地の自然ガイドや生産者など、自然を生業にしている方々の生の声を通じ、魅力を伝えていくことです。この部分は過去3回実施した検定でもとくに受講者の満足度が高く、今後もう少しコマ数の比率を高めることも検討しています。

各地でサミットも

 併せて、実際に現地を訪れて、五感で国立公園の魅力を学んでいただけるような研修会も実施したいと思っています。

 協会設立後には、環境省と「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結し、美しい景観と滞在する魅力の発信や利用者の拡大、自然環境の保全への理解を深め、国立公園の所在する地域の活性化につなげるための取り組みを環境省とも一体となって進めています。

 一方で、国立公園の魅力を多くの方に知っていただくには、実際に現地に出掛け、素晴らしさを体感いただくことも不可欠です。この部分に関しては、会員企業の皆様と一体となり、コラボレーション企画などを行うなどし、機会を創出していきます。

 またこの協会は、ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構と対になって運営しているので、今後は同機構の立ち上げから7年かけ蓄積してきた知見を生かすことで、国立公園を訪れていただく多くのきっかけが提供できるとも考えています。

 例えば、各国立公園での特別なONSEN・ガストロノミーイベントの開催や、会員制度サービス「ONSEN騎士団」を通じた情報発信などを行うことで、ON・ガスイベントに参加されている皆さんが開催地の魅力を再発見してくださっているように、国立公園の魅力を発見していただける機会につなげていただけると思います。

 今回新しく協会を立ち上げ、検定の実施のために各地を巡り、改めて日本の自然の素晴らしさを実感しました。そして国立公園には、その場所の魅力を語れるガイドが不可欠であるということを再認識しました。

 我われが行う検定試験は、地域の発展に必要な知識を深めていただき、ナショナルパークアウトフィッターとして活躍して下さる人を育てることも目的です。今後検定を通じ国立公園の魅力を発信するとともに、各地域で自然を生かし地域を活性化する役割を担う人材をしっかり育てていきます。

 ――ありがとうございました。

茨城DC体験ツアー、「体験王国いばらき」を巡る

2023年11月23日(木)配信

ユメノバ内にある科博廣澤航空博物館

 茨城県やJRグループなどが一体となって取り組む大型観光企画「茨城デスティネーションキャンペーン(茨城DC)」が、10月1日に開幕した。茨城県開催は21年ぶり。「体験王国いばらき」をキャッチコピーに、「アウトドア・食・新たな旅のスタイル」をテーマとした“想像越え”の特別企画やイベントを取りそろえ、茨城の魅力を全国に発信する。これに先駆け、9月27~28日にメディア・旅行会社向けの体験ツアーを県内で実施した。

 1日目の昼過ぎ、茨城県筑西市のJR下館駅に集合し、貸切バスで約10分移動すると、100万平方メートルのテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」に到着した。茨城DC期間に限定で販売している特別プランから、同施設が用意した新コンテンツを体験してきた。

 広大な敷地を誇るザ・ヒロサワ・シティには、建築家・隈研吾氏が設計した廣澤美術館をはじめ、農園やゴルフ場、レストランなど多種多様な展示・レジャー施設が用意されている。今回の体験ツアーは、敷地内で一般公開に向けて整備中の乗り物・テーマパークエリア「ユメノバ」の見学からスタートした。茨城DCの特別プランでは、ユメノバの先行公開が含まれている。

 約6万平方㍍の敷地面積を誇るユメノバ内の科博廣澤航空博物館には、戦後初の国産旅客機「YS11」の量産初号機を筆頭に、南極観測隊で使われたヘリコプター「シコルスキーS―58」や通称「零戦」と呼ばれる零式艦上戦闘機などを展示。昔懐かしい名車が勢ぞろいしたクラシックカーミュージアム、クラシックバイクミュージアムなどもあり、世代を超えて人々を魅了した歴史的な乗り物を鑑賞できる。

奥からJR東日本新幹線、蒸気機関車「D51」、寝台特急「北斗星」

 とくにユメノバ内のレールパークでは、JR東日本の新幹線車両「E224―127」や蒸気機関車「D51」、寝台特急「北斗星」など有名な車両が、今でも走り出しそうな臨場感を感じる状態で展示されている。車両一部は車内見学もでき、ツアー参加者は乗車しての写真撮影を楽しんだ。

 ザ・ヒロサワ・シティの敷地内は、テーマパーク・観光部門を統轄する広沢商事の野口稔夫専務が先導し、展示物の説明や歴史について詳細に案内した。

3億円で落札した「金茶道具一式」

 このほかにも、茨城DCの特別プランで限定公開する、今年5月に3億円で落札した豊臣秀吉ゆかりの品という説がある伯爵家伝来の名宝「金茶道具一式」を披露した。緊張感が漂うなかで、優雅さと気品を湛える黄金色に輝く10点の茶道具を1点ずつ紹介した。

夜は「北斗星」に宿泊、夕朝食は食堂車で堪能

「北斗星ユメノバ」内の個室寝台車に宿泊した

 茨城DCの特別プランには、かつて青函トンネルを往復していた寝台列車「北斗星」を利用した「北斗星ユメノバ」に宿泊できるプランも用意している。当日は実際に宿泊し、宿泊プランと同様な時間を体験できた。

 食事場所は朝食、夕食ともに北斗星内の「グランシャリオ車両(食堂車)」。電球色の温かみのある照明による車内で懐かしさを感じつつ、宿泊者限定で用意された特別な弁当を堪能した。

 泊まりは食堂車に隣接した個室寝台車に宿泊。空調設備から出る音がまるで走行音を演出しているかのように感じられ、実際に走行する寝台列車に宿泊しているような疑似体験を味わえた。

2日目は竜神大吊橋へ、知事がバンジー初挑戦

 2日目は貸切バスで移動し、午前9時30分ごろ常陸太田市の竜神大吊橋に到着。10月1日から始まる茨城DCの成功を祈願して、龍の伝説があり開運スポットとされる竜神大吊橋で、茨城県の大井川和彦知事がバンジージャンプに初挑戦した。

 竜神大吊橋は橋の長さ375メートル、ダム湖面からの高さ100メートルと、どちらも日本最大級を誇る。まずは橋の近くに設けられた祭壇で、大井川知事は宮田達夫常陸太田市長と企画の安全を祈願。天神ばやしの演奏に鼓舞されながら、ジャンプ台のある橋中央へ向かった。

竜神大吊橋でバンジージャンプに初挑戦する大井川和彦茨城県知事

 準備を整え、ジャンプ台に身を乗り出した大井川知事は、大声で「全国の皆さん、茨城県に来てくださーい!」と叫び、間髪入れずに綺麗なフォームで飛び立った。

 歓声や拍手で迎えられながら、橋に戻ってきた大井川知事は「心臓が破れるかと思うくらい迫力があった。茨城県の観光体験の1つとして、全国あるいは世界にアピールしていきたい」と笑顔を見せた。

 昼食は、竜神大吊橋から車で約10分の場所にある石臼挽き手打ちそばの店「慈久庵」で、郷土料理の古式けんちんそばセットに舌鼓を打った。

草花でブーケ作り体験、いばらきフラワーパーク

 最後は、石岡市の「いばらきフラワーパーク」で、茨城DCの特別プランでも企画されている自身で摘んだ草花を使ったブーケ作りを体験した。

 同園は1985年に県営としてこれまで開園してきたが、民間委託となって2021年4月にリニューアルオープン。県花であるバラが900種以上3万株も植栽されているほか、年間100の豊富なアクティビティを提供している。

ブーケ作りのようす

 ブーケ作りは、時間があっという間に過ぎていったと思うくらい夢中になれたのが、何よりも自身の新発見となった。

 2日間にわたり、茨城DCの特別企画の一部を体験し、キャッチコピー「体験王国いばらき」を体感できた。このほかにも茨城で今まで体験したことのない思い出づくりとなる新観光コンテンツを多数用意。詳細は茨城DC公式サイトから。

「観光人文学への遡航(41)」 観光キャリア教育と採用のいま①旅行業界

2023年11月23日(木) 配信

 11月4日に白百合女子大学にて日本国際観光学会の全国大会が行われた。テーマは「観光学部・学科学生をどのように業界へと導くか」である。約3年続いたコロナ禍の影響で観光業界から離れた人材が多く、人材不足が深刻な影響をもたらしているなか、人材供給源としての大学はどうあるべきか、とくにこの業界に特化して研究活動を展開している学会としては至極当然のテーマ設定である。

 

 もともと、観光学部学科卒業の学生たちが多く志望する観光関連産業の業界としては、旅行業界、ホテル業界、航空業界が3大業界として挙げられるが、コロナ禍を経験したことで、業界ごとに採用方針に差異が出始めてきたことが見て取れた。

 

 人材採用に危機感を抱き、今までと異なったアプローチを試みようとしているのが、旅行業界とホテル業界だ。旅行業界に関しては、サービス連合情報総研の神田達哉氏が報告を行った。今月は旅行業界に関して考察をしていく。

 

 旅行業界では、応募学生数の減少だけでなく、内定辞退者の増加が顕著となってきているとのことである。それはよく言われている低賃金を含めた労働条件の問題だけでなく、業界の不安定さや不祥事を起こす業界風土であるという認識も持たれ始めているということに起因していると、神田氏は分析している。また、旅行会社は、とくに大手においては、ソリューション事業、BPO事業への事業ドメインのシフトを目指しており、就業・就社目的とのミスマッチも起ころうとしている。また、旅をメインのドメインにしているときと比べても、ソリューション事業やBPO事業に関しては、求める人材像が変わってきているはずなのに、人事担当がそれを理解していないで、採用すべき人材像が不明瞭なまま進んでいってしまっているといった現状も報告されていた。

 

 ただ、旅行業に関しては、面接担当者も、就活生から「見られている」という自覚が出てきているため、意識が大きく変わってきつつあり、低賃金で長時間の労働を求められるといった旅行業界の労働環境は改善されつつあるということも、最近変化している良い面として報告されていた。

 

 さらに、懇親会での意見交換の中で、現場で旅行業に多くの卒業生を送り出す教員から、今まで旅行業を目指すタイプの優秀な学生が旅行業を選ばなくなってきているとの話を聞いた。(私のゼミ生に関してはまったくそんなことはないが……)その学生たちは、金融やコンサルに目が行くようになっているとのことである。これはとくに大手がソリューション事業やBPO事業への展開を声高に主張するため、当該分野をもともとのドメインにしている待遇面で恵まれている企業群に流れているというのは皮肉である。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

12月末閉館 東京ベイ東急ホテル 感謝の集い開く

2023年11月22日(水) 配信

岩本裕明総支配人

 5年8カ月の歴史に幕――。東京ベイ東急ホテル(岩本裕明総支配人、千葉県浦安市)が12月31日(日)、閉館する。7月に土地と建物の所有者が変更となったことが理由。11月21日(火)には150人の関係者を招き、感謝の集いを開いた。

 冒頭岩本支配人は、「これまでの多大なご支援に心より感謝申し上げます」と謝意を述べた。その後、2018年5月の開業から今日までを振り返り、「アップダウンの激しい状況ではあったが、『禍福は糾える縄の如し』、苦しい経験は次の成長の糧になる」と語り、従業委員一堂への今後の変わらない支援をお願いした。

ウイングルーム

 東京ベイ東急ホテルは、と日本航空(JAL)と展開した「ウイングルーム」などさまざまなコンセプトルームが注目を集めてきたホテル。2019年放送のテレビドラマ「グランメゾン東京」をはじめ、さまざまなドラマ、ミュージックビデオなどのロケ地としてもつかわれており、多くのファンも訪れたという。

 開業から今日まで、情報発信などに尽力してきたマーケティング部支配人の三橋徹氏は、「どうホテルの認知度を上げるかということが課題だったなか、メディアに取り上げていただくことを重要視し、コンセプトルームなどを展開してきました。オリジナル(企画)をつくることが、本当に楽しかった」と思いを語った。

過去最多11地域の首長が映像制作者にPR ロケツーリズム協議会で

2023年11月22日(水) 配信

11首長が参加しPR

 ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長)は11月16日(木)、渋谷キューズ(東京都渋谷区)で今年4回目の会合を開いた。

 今年2回目の商談会には、初参加の静岡県下田市、東伊豆町、川根本町を含む過去最多11地域の首長が参加し、まちの魅力やロケ地広報を発信。制作者51人も制作予定の作品のストーリやイメージなどを伝え、必要な画が取れそうなロケ地候補を問い合わせるなど、熱のこもった意見交換が行われた。

 川根本町の薗田靖邦町長は、「制作者の皆様と話していて、あらためて川根本町にはいいところが多いと感じた。ロケツーリズムは誘客にもつながるので、私自身も発信者となり、広く情報を発信し、まちをにぎやかにしたい」と初参加の感想を語った。

 「ロケ実績の効果的な活用」による観光・移住・物販・シティプロモーション・シビックプライドの醸成を目指す地域が参画するロケツーリズム協議会。今年度の協議会も4回目を迎え、商談会前の事例紹介では今年度の成果が多数報告された。

 また協議会終了後の名刺交換会には島原市の古川 隆三郎市長らも引き続き参加。各地域のロケ誘致担当者同士によるロケ実績の活用に向けた意見交換や、制作者との情報交換が商談会に引き続き行われた。

大人のための寛ぎの宿 美食とロケーションで癒す(ホテル四季の館)

2023年11月22日(水) 配信

客室露天風呂からの眺め(箱根芦ノ湖)

 日本ハウスホテル&リゾート(山栄共晴社長)が運営する「ホテル四季の館」は、子供の利用には制限を設ける大人のための寛ぎの宿。現在、栃木県・那須町と神奈川県・箱根町の2カ所で、ロケーションを生かした客室、地域の食材を中心としたこだわりの美食で、訪れる人を癒している。

 今年で開業5周年を迎える「ホテル四季の館那須」は、全30室の客室すべてに温泉掛け流し風呂が備えられた離れ形式の宿。各客室の風呂に加え、共用の半露天風呂や隣接する「ホテル森の風那須」の最上階にある大浴場も利用可能で、湯巡りを楽しめるのも魅力のひとつとなっている。

 個室で味わえる夕食は、那須高原の旬の食材を使用した本格フレンチのコース料理。朝は、焼きたてパンと自社農園「フルーツパーク森の風」で採れたフルーツを使ったジャムや野菜・地元の那須御養卵を使ったエッグベネディクトなど、こだわりブレックファーストが楽しめる。


 22年開業の「ホテル 四季の館 箱根芦ノ湖」は、芦ノ湖を見下ろせるロケーションの宿で、時には雲海に出会える特別感が最大の魅力。客室は、温泉掛け流しのヒノキの露天風呂を備えた全30室。全室が芦ノ湖に面している。客室露天風呂のほかに、夕日が沈む芦ノ湖を眼下に見下ろす共用の露天風呂と大浴場、サウナも用意。

 また館内や客室などには、日本の名画を網羅する「今昔日本絵画図鑑」に収蔵された「天情地意 日輝月光」をはじめとする郷間正観氏の書画112点が飾られており、「泊まれる美術館」になっていることも宿の特徴だ。

 夕食は、相模湾の海の幸を中心にした本格フレンチのコースを提供する。メニュー構成は、季節ごとに変更。朝食は、新鮮な箱根西麓三島野菜を中心に乳製品やこだわりの卵を使用した料理が並ぶ。