離島旅「リトタビ」を強化 体験メニューも(阪急交通社)

2018年7月4日(水) 配信

阪急交通社(松田誠司社長、大阪市北区梅田)は、2016年3月から日本の離島旅に焦点を当てた「リトタビ」をホームページに開設し、強化してきた。

 このほど「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録された。登録前から注目を集めていたこともあり、同社の17年度「離島の旅」の送客人数は16年度に比べて107%と右肩上がりで、今年もその傾向が続いている。

 長﨑県が展開する「しま旅滞在促進事業」の助成金を活用した「長崎しま旅」(壱岐島・対馬・五島列島)が功を奏し、16年度に比べて132%と増加した。事業は壱岐市・対馬市・五島市・新上五島町・小値画町・佐世保市宇久町に宿泊し、定められた着地型旅行商品や体験メニューを組み込んだ旅行商品で国境離島地域の振興をはかるもの。

 今年度は、旅の志向に合わせて島内での体験メニューを組み込むなど、さらに内容を充実させた商品を企画した。

阪急交通社「長崎しま旅」概要(一例)

コース名:五島列島7島・20景 ゆったりめぐる こだわり島グルメを食す旅3日間

出発地域:羽田空港

旅行期間:2018年5月7日(月)~12月11日(火)

旅行代金:大人1人 10万円~13万5千円

コース番号:78876

助成金:大人1人 3千円~3500円

ツアーURL: 

五島列島7島・20景 ゆったりめぐる こだわり島グルメを食す旅 3日間|阪急交通社
http://www.hankyu-travel.com/tour/detail_d.php?p_course_id=78876&p_hei=10&p_baitai=9582
五島列島7島・20景 ゆったりめぐる こだわり島グルメを食す旅 3日間・九州ツアー・関東・甲信越発のツアー商品詳細画面です。24時間オンライン予約可能!阪急交通社トラピックス

ツアーポイント
●世界遺産暫定リストの下五島の最古の教会「旧五輪教会(久賀島)」、木造建築の趣ある「江上天主堂(奈留島)」、長崎県唯一の石造りの「頭ケ島天主堂(頭ケ島)」を観光。
●五島牛・五島豚・五島うどんや、イセエビ付会席など五島列島ならでは名物料理を堪能。
●福江島の体験ツアーでは、五島ワイナリーぶどう畑の醸造場見学とワインのテイスティング。

コース名:【往復新幹線利用】大自然と歴史の島 壱岐・対馬 国境の離島浪漫の旅3日間

出発地域:関西(新大阪駅・新神戸駅)

旅行期間:2018年8月20日(月)~11月27日(火)

旅行代金:大人1人 5万9980円

コース番号:41136XX

助成金:大人1人 2500円

ツアーURL:

【往復新幹線利用】大自然と歴史の島 壱岐・対馬 国境の離島浪漫の旅 3日間|...
http://www.hankyu-travel.com/tour/detail_d.php?p_course_id=41136XX&p_hei=30&p_baitai=9582
【往復新幹線利用】大自然と歴史の島 壱岐・対馬 国境の離島浪漫の旅 3日間・九州ツアー・関西発のツアー商品詳細画面です。24時間オンライン予約可能!阪急交通社トラピックス

ツアーポイント
●自然豊かな「対馬」では、2つの鳥居が海中にそびえる和多都美神社などを観光。
●古の文化が根付く魅惑の「壱岐の島」では、絶景と近海で獲れる新鮮な幸を堪能。
●壱岐の体験メニューとして、地域ガイドとともに「原の辻遺跡」復元公園を散策。

阪急交通社 旅行サイト 

潜伏キリシタンの島々巡る ~家御堂、旧野首協会~ 【後編】 【再掲】

2018年7月4日(水) 配信 

左手奥の家屋が小値賀教会

上五島を巡ったあと、小値賀島に渡った。廃屋のような建物を過ぎると突然、木のくいの板に「教会」の2文字と矢印が書かれた案内板に気付く。

 小ぢんまりとした小値賀教会は、外側からでは教会だとはわからない。そのはずで、小値賀教会は家屋などに礼拝所を設けた質素なもの。弾圧直後に資金や資材が無い時期に建てられたもので「家御堂(いえみどう)」と呼ばれている。

 「(小値賀に来て)44年になります」。土川シスターは、長野県・八ヶ岳の麓にある修道院からこの地へ来た。白髪を後ろでひとつにまとめ、白と黒のチェック柄のジャケットを羽織っていた。信徒との過ぎし日々をゆっくりと話してくれた。

 「ある奥様が信者で、旦那様を信者にしたいと思っていました。そこで信者であることを告白したら、その旦那様が奥様を訴えてしまった。こんなふうにとっても厳しい時代だった」。

家御堂の祭壇のまえで話す土川シスター

 教会建築を3つの段階に分けると、最も新しいものが鉄筋コンクリート建築。次いで鉄川氏の時代にあるレンガ造りなどの教会となる。そして、弾圧直後に建てられたものが、小値賀教会のような家屋などに礼拝所を設けた「家御堂」となる。

 「いまは家御堂がほとんど残っていない。祈りの原点を感じさせてくれるとても貴重なもの」(入口氏)。家御堂はより人と人との距離が近い。生活の余裕が無いなか、弾圧後に皆でミサをあげる喜びを噛みしめることができた場所でもあるのだ。

教会という言葉

右手奥にあるのが旧野首教会

 家御堂がある小値賀島は大小17の島からなる。このうちの1つが野崎島。野崎島には集落が3つあり、野首集落と舟守集落の2つを潜伏キリシタンが切り開いた。

 最盛期には650人ほどが居を構えていた。ただ昭和30年代の経済成長のあおりを受けて40年代には廃村となった。150年ほど続いた野崎島におけるキリスト信仰は、継ぐ者がいなくなった。管理人以外はいないほぼ無人の島となっている。

 外海地域から流れてきた信徒は、廃村後、小値賀島に流れていく。

 勾配が厳しい山肌には石垣が残り、そこここに岩が転がっている。島は国立公園に指定されており、約400頭のニホンジカがのんびり草を食んでいる。

 いくつかの坂を上り下りすると、旧野首教会が見えてくる。今年で竣工からちょうど100年が経つ。信徒が誰もいなくなった地に佇む。

 その時代、教会という言葉は2つの意味があった。建物そのものの意味と、人間生活内の組織としての「教会」だ。

 「壊れん教会ば作ってくれろ」。当時の信徒たちは鉄川氏に、祈りの場が無くならないようにと依願した。しかし高度経済成長期以後、廃村となった。

 入口氏は「旧野首教会は建物としてではなく、組織としての教会が崩れた。自らの組織を壊さざるを得なかった、島を離れるしかなかったという悔しい思いを感じ取ってほしい」と話した。

旧野首教会内部

 鉄川氏は仏教徒だった。教会建築に従事したのは信徒。鉄川氏の時代に入り、初めての共生の証しが、教会建築だったという。

 「仏教徒の棟梁の指示のもと、自分たちの祈りの場をつくっていく。この段階から、差別感情を乗り切って共に生きていこう、という生き様がみえてくる」と入口氏は旅を振り返った。ステンドグラスに西陽が落ち、床に色が抜けていた。

 問い合わせ=長崎県平戸・小値賀・上五島観光ルート形成推進協議会(長崎県小値賀町役場産業振興課)、tel=0959(56)3111。

※この記事は本紙4月21日付第1710号で掲載したものを、再編集した記事になります

タクシーにうどん、スシ、アップルパイ?おもしろ行燈で旅行者の心掴め ご当地タクシー

2018年7月3日(火) 配信 

前列左から4人目が楠木理事長、後列左が西川氏

タクシーの屋根にうどんやスシ、アップルパイ、チキン南蛮などの「おもしろ行灯」を乗せて走る――。東京・アムラックストヨタで7月3日、日本ご当地タクシー協会(楠木泰二朗理事長=琴平バス社長)が発足イベントを開いた。当日は加盟するタクシー業者8社が集結。ご当地タクシーや個性豊かな行灯をお披露目した。運転手と観光ガイドの二足のわらじで国内外の旅行者の心を掴み、地域経済の活性化をはかる。

 ご当地タクシーは各地の名所やグルメスポットを、専用ドライバーがガイド役として案内する。SNS(交流サイト)での拡散力を上げるため、おもしろ行灯の設置を義務付けている。「今後は47都道府県すべてにご当地タクシーを走らせたい」と楠木理事長は同日のイベントで意気込みを語った。

おもしろ行灯を乗せて走る

 協会員9社のうち、香川・うどんタクシーと石川・金沢寿司タクシー、新潟・燕背油ラーメンタクシー、青森・アップルパイタクシーの4社は、現在ご当地タクシーとして運行中。それぞれ3~10人の専用ドライバーがいる。

 各社は独自の認定制度を設けている。例えば、寿司タクシーは寿司の知識や歴史などの100問の筆記試験を行う。地元店舗それぞれの特徴などを覚えさせる。アップルパイタクシーでは市内約50店舗のアップルパイを試食し、生地から完成までを体験させる。各社は、狭き門を通った選りすぐりのドライバーをそろえる。

 協会発足には移動の課題解決をはかる狙いもある。

 昨今の旺盛な訪日外国人需要などで、地方空港・駅への1次交通は整備されてきた。一方、目的地までの2次交通の整備は遅い。各地で頭を抱えている状況だ。「タクシーはそれぞれの街にあるが割高なイメージ。そもそも観光手段として認知がない。これらを克服することが必要だし、ビジネスチャンスがあると思った」。楠木氏は発足理由を話した。

 今後は各地に点在する観光タクシーのブランドを「ご当地タクシー」として統一。加盟社がスクラムを組んで国内外に情報発信する。このほか協会ホームページの開設やご当地タクシーサミットを行う考え。協会発足に当たり助言を受けた日本ご当地キャラクター協会とのイベントも開く見通しだ。

 事務局を務める観光ビジネスコンサルタンツの西川丈次代表は「ご当地タクシーの運転手になるため各社に認定制度がある。さらなるサービス向上のキッカケとなるはず。運転手不足に対しても、観光ガイドという魅力ある切り口で、採用の部分でメリットがある」と期待を示した。

個性豊かなおもしろ行灯

駿府城発掘体験のラストチャンス

2018年7月3日(火)  配信

調査開始1年10カ月(2018年5月時点)で、見学者・体験者併せて17万人を超える人が来場

静岡県静岡市は7月5日(木)から、駿府城天守台の体験発掘体験の参加者を募集する。発掘調査のスケジュールの関係で、発掘体験ができるのは、今年が最後になる。

 静岡市では、徳川家康公が江戸城から移り住み大御所政治を行った舞台である駿府城の天守台発掘調査を2016年8月から行っている。ここまでの調査で高さ約5・6㍍、南北約68㍍の石垣が出土。江戸城よりも大きな城であったことが確認されている。体験発掘調査では、事前に静岡市の学芸員が体験発掘のやり方について説明を行う。過去には、約400年前の「瓦」や駿府城内で使われていたと推定される約400年前の「かわらけ」(すやきの陶器)などが発掘されている。

「駿府城跡で体験発掘」概要

実施日

8月 ・・・11日(土)、12日(日)、25日(土)、26日(日)

9月 ・・・8日(土)、9日(日)、22日(土)、23日(日)

10月・・・13日(土)、14日(日)、27日(土)、28日(日)

(第2・4土日に開催、各日の4日前までに要申込)

時間:各日2回実施(午前9:20~10時20、午後1:30~2:30)

人数:各回30人

内容:
①駿府城紹介ビデオ視聴・展示見学(約10分) → ②発掘作業(約25分)→
③瓦の拓本(たくほん)取り(約15分)

※人数によって内容は前後します。雨天時は発掘の代わりに瓦の洗浄体験を実施

参加特典:

中学生以上に現地限定販売のガイドブック(500円)を謹呈。拓本体験記念シート(本のしおりにも使えます)。発掘現場限定オリジナルグッズ

体験料金:

大人(中学生以上)1千円(ガイドブック付)、小人(小学生4~6年生)500円

※当日現金にて支払い

体験条件:

安全のため小学4年生以上で、小学生は中学生以上の同伴が必要。軽作業や階段昇降などの動きのできる人

持ち物:汚れてもいい服装(長袖、長ズボンを推奨)、軍手、運動靴、飲料水

申込方法:

静岡市コールセンター(054-200-4894、午前8時~午後8時)に電話受付。先着順で定員になり次第締め切りとなる。

横浜で7月7、8日に愛知の観光物産展 田口淳之介さんも登壇

2018年7月3日(火) 配信 

チラシ表面

愛知県は2018年7月7日(土)、8日(日)の2日間、首都圏に向けて愛知県の観光物産展「こってりだけじゃない。ディスカバー愛知フェア」を開く。開催場所はクイーンズスクエア横浜(神奈川県横浜市)のクイーンモール1階。

 同フェアは、愛知県民にお馴染みのグルメなどの物産販売のほか、「名古屋おもてなし武将隊Ⓡ」や「徳川家康と服部半蔵忍者隊Ⓡ」の演武ステージなどを実施する。ステージイベントでは、7日に愛知の観光物産展スペシャルサポータ―の田口淳之介さん、8日に「LOVEあいちサポーターズ あいち広報大使」のSKE48のメンバーが登壇し、トークを交えながらのプロモーション活動を行う。

イベント内容

チラシ裏面

物産販売:

 手羽先やどて煮、きしめんなどの「なごやめし」をはじめ、農水産加工品、銘菓・スイーツなどさまざまな商品を用意する。

主なイベント内容:

<7日(土)>

 「愛知の観光物産展スペシャルサポータ―」田口淳之介さんのトークステージ(※)

 「名古屋おもてなし武将隊(R)」の演武

<8日(日)>

 「LOVEあいちサポーターズ あいち広報大使」SKE48のメンバー(竹内彩姫さん、日高優月さん、鎌田菜月さん)のトークステージ・クイズ大会(※)

<2日間共通>

 「徳川家康と服部半蔵忍者隊(R)」の演武

 ご当地キャラクター(はち丸、いなりん、せとちゃん)の出演・撮影会

 豊川市PRステージ

 オリジナル缶バッヂ作成

 クイズラリー など

(※)田口淳之介さん、SKE48のメンバーのステージ観覧には整理券が必要。詳細は下記の「整理券の配布について」を参照。

整理券の配布について

 7月7日(土)の田口淳之介さんのトークステージ、8日(日)のSKE48のトークステージ・クイズ大会の観覧には整理券が必要となる。両ステージの整理券は、各開催日の午前9時から会場で配布する(先着50人・無くなり次第終了)。

 なお、当日午前8時から運営スタッフが観覧希望者の誘導を行うので、時間前に会場付近で待機することはやめてほしいと呼び掛けている。

整理券配布場所

【注意事項】

・観覧希望者が50人に達した場合、定刻より早く整理券を配布する場合あり。

・整理券を紛失した場合、入場できない。

・本ステージは撮影禁止とする。

イベント概要

開催日:2018年7月7日(土)~8日(日)

開催時間:午前11:00~午後7:00 ※8日は午後6:00まで

開催場所:クイーンズスクエア横浜 クイーンモール1階 クイーンズサークル

 (神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3)

交通アクセス:

 ・みなとみらい駅(東急東横線直通みなとみらい線)徒歩0分

 ・桜木町駅(JR線・市営地下鉄)下車「動く歩道」利用で徒歩約8分

問い合わせ:ディスカバー愛知フェア事務局(株式会社アルファポイント内)

 tel:0120-3749-15(受付時間/平日 午前10:00~午後6:00)

 ※イベント当日は、090-2189-8353

夏休みの子供向け体験企画 「小坊主体験列車」運行 小湊鐵道

2018年7月3日(火) 配信 

メインイメージ

小湊鐵道(石川晋平社長、千葉県市原市)は2018年7月から8月中の3日間、子供向けの住職体験を行う里山トロッコ「小坊主体験列車」を運行する。親子で夏休みの期間、普段体験できない禅体験を里山トロッコ列車とともに楽しめる。

 住職体験の会場は、小湊鉄道線の養老渓谷駅近くにある曹洞宗宝林寺(千葉県市原市)。禅体験の指導は、テレビでも活躍する同寺の千葉公慈住職が行う。体験中の子供は一休さんのような“小坊主ルック”の衣装に着替え、宝林寺へ向かうトロッコ列車をはじめ、座禅や写経・仏画を体験し、最後にご褒美として美味しい和菓子とお茶も楽しめる。

イベント概要

日程:7月22日(日)午後、8月5日(日)午後、8月25日(土)午前・午後

参加対象:小学3年~6年生 ※子供1人につき大人1人参加

募集人数:15組30人

受付期間:2018年7月2日(月)から各回2日前まで

申し込み方法:電話のみ受付

問い合わせ先:0436-21-6771(受付時間:午前10:00~午後5:30)

詳細は、以下のホームページから

小湊鉄道株式会社ホームページ:

里山トロッコホームページ:

7月16日に開催 塩竈みなと祭 宮城・塩竈市

2018年7月3日(火) 配信 

海上渡御

宮城県塩竈市で2018年7月16日(月・祝日)、「塩竈みなと祭」が開催される。今年で71回目。

 当日は志波彦(しわひこ)神社、鹽竈(しおがま)神社の神輿が市内を練り歩き、そしてその神輿を奉安した2隻の御座船が、100隻を超える供奉船を従えて松島湾を巡幸する「神輿海上渡御」や供奉船の体験乗船(先着200人)などが行われる。

 また、前日には7年ぶりに復活する花火大会などが行われる。花火大会は水上マインやジャンボスターマインなど8千発が塩竈の夜空に打ち上げられる。観覧場所は塩釜港西ふ頭、塩竈市魚市場内、マリンゲート塩釜。

問い合わせ:tel=022-361-6055。

JAF、インバウンド向けサイト開設 81の自治体と連携

2018年7月3日(火) 配信

JAFが、インバウンド向けサイトをオープンした。81自治体の英語版情報発信サイトにアクセスできる

JAF(日本自動車連盟)はこのほど、訪日外国人旅行者(インバウンド)向けウェブサイト「Discover Local Attractions in Japan」をオープンした。ポータルサイトとして、81自治体の観光情報ウェブサイト(英語版)にアクセスできる。インバウンドによるレンタカー利用が増えるなか、さらなるコンテンツの充実に期待したい。

 JAFは2010年より、会員向けサービス向上の一環として、全国の市町村(486自治体)と観光協定を結んできた。日本語版ウェブサイトでは、各エリアオススメのドライブコースを掲載するなど、地域への誘客支援に努めている。各支部によるプレゼント企画も豊富、ドライブで各地に訪れてもらえるよう工夫を重ねてきた。

 新設サイトでは現在、英文による地域の紹介と、情報サイトへのリンクのみを掲載。問い合わせたところ、現時点では日本語版に類似するサービス提供は予定していないという。

 なお、政府は、6月に発表した「観光ビジョン実現プログラム2018」で、世界水準の旅行サービスを実現するため、「道の駅」の外客対応促進や、高速道路周遊パスの充実を掲げている。レンタカーを利用する際に必要となる翻訳文の入手についても、利便性を高めるとした。JAFでは今後も、インバウンド向け情報発信に力を尽くすとしていることから、より一歩踏み込んだ展開の可能性も。

JTB、長崎と天草の世界遺産巡るツアー造成

2018年7月3日(火) 配信

大浦天主堂(長崎市)

JTBはこのほど、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録にあわせ、長崎・天草地方への商品を拡充し売り出す。

 新たに発売するのは、手軽に周遊できる首都圏発の個人型フリープラン「長崎・天草」と世界遺産の街長崎と人気のクルーズトレイン「ななつ星in九州」を組み合わせた添乗員同行プランの2商品。個人型フリープランでは自由に世界遺産を、添乗員同行プランでは効率よく、世界遺産を楽しむことができる。また同社は、長崎県のアンテナショップ「日本橋長崎館」で7月7日(土)に行われるイベントで、商品の説明も行う。 

ツアー概要

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産を訪ねる「長崎・天草2・3・4日間」(首都圏発 個人型フリープラン
 
発売日:7月6日(金)午後2:00発売
 
出発日:7月13日(金)~11月30日(金)
 
旅行代金:3万5800円~9万5800円
 
※2日間(1泊2日)往復航空機(普通席)追加代金なし便利用。追加代金なしホテル利用
 
含まれるもの:
往復の航空機(羽田空港発着/福岡・長崎・熊本空港着発)と滞在中のホテル(1泊朝または2食付)
 
選べるポイント:以下のポイントのうち1つを選択可能
 
「世界遺産・大浦天主堂入場券」「世界遺産・グラバー園入場券&園内ガイドタブレット貸出」、「天草ぐるっと周遊バス」(観光周遊バス)
 
オプショナルプラン:
 
ガイドとの街歩きや海上交通をお得に利用できるオプショナルプランを用意。
 1・天草・集落まち歩きと海上から望むマリア像クルージング(プライベートガイドプラン)
 
2・地元ガイドと歩く長崎の教会・教会(プライベートガイドプラン)
 
②世界遺産の街長崎と佐賀の伝統工芸とクルーズトレイン『ななつ星in九州』
(首都圏発 添乗員同行プラン
 
発売日:7月9日(月)午後2:00
 
旅行代金:118万~1,57万円
 
※「ななつ星」列車客室、1・2・4泊目利用ホテルにより旅行代金が異なる。
 
出発日:1月13日(日)発 5泊6日(車中2泊)
 
主な行程:
1日目
 
羽田空港→(航空機)→長崎空港、その後貸切バスで世界遺産グラバー園や大浦天主堂を観光。
 
2日目
 
長崎市内から有田焼窯元や佐賀の伝統工芸など見学し、博多入り。
 
3日目~6日目
 
クルーズトレイン「ななつ星」で九州を周遊し、最終日に福岡空港から羽田空港へ帰着。
 
食事:朝食5回、昼食6回、夕食5回付

潜伏キリシタンの島々巡る 世界遺産に登録へ ~花の御堂~ 前篇 【再掲】

2018年7月3日(火) 配信 

旧野首教会の外観

 長崎県の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連資産」が18年6月30日(土)、世界文化遺産の登録を受けた。日本の禁教期にもキリスト教信仰を続けてきた歴史などが評価された。

 17世紀の禁教令が19世紀に廃止されるまで、キリスト教信徒には厳しい弾圧や迫害があった。すべての宣教師が日本から消えて、再び信徒がいると発見される2世紀以上、ひそかに信仰は続いていた。世界でも珍しい例だという。

 構成資産は全部で12個ある。このうち4つがある平戸・小値賀・上五島の1市2町は、観光ルート形成推進協議会をつくり、3月22~23日にプレスツアーを行った。ガイドは長崎巡礼センター事務局長の入口仁志氏。潜伏キリシタンの歴史を事細かに教えてくれた。

 普段は定期便がない航路にチャーター便をはしらせ、構成資産などを効率的に巡ることができるようにした。長い弾圧の歴史のなかで信徒たちが辿った、上五島、小値賀、野崎島、平戸などへ移り住んだ足取りを追体験できるツアーとなる。

 1つの発露としての教会建築

中央手前の赤い屋根が、頭ヶ島天主堂

 信徒は長い弾圧を乗り越えたとき、1つの発露として各地で教会建築を始めた。

 長崎県には約130の教会がある。このうち50が五島列島にあり、新上五島には29の教会が残されている。現在の五島列島の信徒は全人口の10~15%の8千人ほどといわれる。

 そもそも1797年、外海地域(現在の西海市西側)を領地としていた大村藩から、五島藩への移住計画が結ばれる。当時、五島藩は人口不足にあえぎ、大村藩は人口超過気味だった。両者の利害が一致した面と、大村藩の厳しい弾圧から逃れるため、上五島へ移ったともいわれている。政策移住後も移住は止まず、最終的には3千~5千人ほどが移ったという。

 外海地域で、信徒は表向きは仏教徒として、信仰を守っていた。五島へ移住し、各地に集落を築き、さらに小値賀島、野崎島へと流れていく。

 佐世保港から西におよそ60㌔に位置する新上五島は潮の匂い漂う島。眼下は海、見上げれば木々がうっそうと茂る。雑木林をみれば海からの漂流物が転がっている。崩れた家屋は1つや2つではない。

 車窓には数多くの教会が映っては消える。ひたむきに信仰を守り抜いた信徒の、底知れぬ思いが溢れている。

 新上五島に構成資産の1つ、頭ヶ島集落に頭ヶ島天主堂(重要文化財)がある。戦前までは教会という言葉はなく、天主堂と呼んでいた。

頭ヶ島天主堂

 頭ヶ島天主堂を建築したのは上五島出身の鉄川与助。明治12(1879)年、大工の棟梁の長男として生まれた。22歳のときに教会建築に魅了される。いくつもの教会を建て、国指定重要文化財となっているものも多い。教会建築の第一人者ともいわれるようになり、今でも高い評価を受けている。

 頭ヶ島天主堂は全国でも珍しい石造りの教会。地元で採掘した石材で、資金難で中断しながらも、10年の歳月をかけて信徒らが手作りで完成させた。鉄川氏の唯一の石造り教会建築でもある。

 「彼は仏教徒だった。だから、信徒との初めての共生のカタチが教会建築だったのだろう」(入口氏)。

 重厚な石造りとは対照的に、教会内は花のレリーフが多く、柔らかな色があふれている。天井にある十字型のアイリスは淡いピンクで、これを囲むひし形の枠組みはアメ玉のような水色。柱上部にある白い4弁のツバキのレリーフなど、明るい配色はいたるところにある。教会は別名「花の御堂」と呼ばれる。

 ステンドグラスは入口から青、赤、緑と左右対称に続き、教会内をやさしく照らす。他の鉄川の教会建築とは趣が異なる。

 「花の御堂には、特別な思いがあるかな」と、鉄川氏は後年につぶやいたといわれている。

 一行が初めて訪れた教会は、花の御堂だった。入口氏は「30秒間黙とうをします」と呼び掛けた。構成資産として各地にある教会は今後、観光地となっていくが、そもそもは祈りの場なのだ。教会内に小さく響く波の音が耳に残った。

※この記事は本紙4月21日付第1710号で掲載したものを、再編集した記事になります